お願いします。在り来たりな小説です。
ある日の朝。
彼女……
彼女は緊張している様子も無く、ぼーっとした顔で佇んでいた。
周りには、彼女に見惚れている男子が何十人。
「お、おい……、あのでっかいリボンしてる娘すげぇ可愛くないか?」
「あぁ……、モデルかって位には可愛いよな……」
彼女の耳にはそんな声が確かに聞こえていたが、彼女は全く気にしていなかった。
暫く経つと、ステージにスーツに身を包んだ30代程度の男性が立っていた。彼女はその男性が、ボーダーの本部長だと気付いた。パンフレットに載っていたのだ。その男性は、周りが静かになると力強く話し始めた。
「界境防衛機関であるボーダーの本部長、忍田真史だ。君たちの入隊を歓迎する」
たったその一言で、彼女達……新入隊生は入隊したと言う実感が沸いた。
その後は、忍田本部長が色々、為になる事を言っていたのだろうが、間違いなく彼女は聞いていなかっただろう。
彼女が変わらない様子でぼーっとしていると、女子の甲高い歓声が鼓膜を刺激した。彼女が何事かと前を向くと、ステージには、4人の男女が立っていた。彼女もパンフレットに載っていたので4人の事を知っていた。
「みんな、俺は嵐山隊の
その声を聞いて、女性の新入隊生の歓声がさらに五月蝿くなった。彼女は顔を歪ませながら、耳を塞いだ。
「まず、入隊指導をするために、ポジションごとに分かれてもらおうと思う。
佐鳥と言う、男性隊員が名残惜しそうにしている
彼女は
「改めて、嵐山隊隊長、嵐山准だ。まず初めに君達はまだC級隊員、訓練生だ。防衛任務には就く事が出来ない。じゃあ、どうすれば防衛任務に就けるのか。皆、左手の甲を見てくれ」
皆が一斉に自身の左手の甲を見る。彼女もそれに倣って左手の甲を見た。彼女の左手の甲には、〈2500〉と表示されていた。周りの声に耳を傾けると、多くの人が〈1000〉と表示されていたらしい。
「皆が起動しているトリガーには、1つだけトリガーが入っている。その数字は皆がどれだけトリガーを使いこなしているか、を示している。その数字を〈4000〉にすれば昇格だ。殆どの人は、数字が〈1000〉になっていると思うが、仮入隊の時に高い素質を認められた人は、その分数字が上乗せされている。と言うことは、即戦力として期待が掛かっている。そのつもりで頑張ってくれ」
彼女は、嵐山の長ったらしい説明を余り聞いていなかったので、ちんぷんかんぷんだった。
そのまま嵐山は説明を続ける。
「ポイントを上げる方法は2つある。1つ目は、週2回行われる訓練で結果を残す方法。2つ目は、個人戦でポイントを奪い合う方法だ。1つ目から説明するから、着いてきてくれ」
そう言うと、嵐山は歩を進めた。これまた、彼女は説明を聞いていなかった。しかし、皆に着いていけばいっかとでも思ったのだろう、彼女は無表情のまま、歩き出した。
□■□■□
「さあ、着いたぞ。対
「「せっ……、戦闘訓練~~!??」」
嵐山の衝撃告白を聞いて、彼女を除く殆どがそう叫んだ。彼女も少しは驚き、目を見開いたが。彼女が思ったのは、死なないならいいや、である。
「もう知っている人も多いだろうが、仮想戦闘モードではトリオン切れは無い。思う存分戦っていいぞ。ネイバーは攻撃してくる事は無いが、その分硬い。制限時間は5分で、早く倒せばそれだけ高得点だ。……説明は以上! 訓練開始だ!」
その言葉を皮切りに、次々と、戦闘が始まった。彼女は最後尾にいたため、最後に戦うことになっている。彼女は、考える。
自分が選んだトリガーはアステロイド。他にもあったが、態々最初から変化弾は選ばなかった。
ボーダーに入隊した理由は、暇だったから。他の人みたいに崇高な理由なんて無い。
そんな事を考えていると、歓声が上がった。彼女は思考するのを止めて、前を向く。
すると、其処には、ネイバーを46秒で倒した人がいた。
「おおっすげぇ! 初の1分切りぃ‼」
どうやら、1分切れたら凄い方らしい。彼女はそれを聞いて、30秒切ってやろうじゃない、と思った。
遂に、彼女の番が来た。
周りから見たら、怠そうに歩くやつだなぁと、思うだろう。しかし、彼女の頭の中では、どうやって倒そうかと、ずっと考えていた。
彼女は緊張した様子も無く、訓練室に入室した。
「よし、第2号室、訓練開始!」
嵐山がそう言うと同時に、彼女の目の前にネイバーが現れた。彼女は無表情のままだ。
まず、右手から出した、アステロイドをそのまま、ネイバーにぶつけてみる。アステロイドはネイバーの足に当たったが、余り削る事は出来なかった。彼女は舌打ちしたが、すぐにアステロイドを出す。もう一回同じ場所に当てると、更に削れ、ネイバーが体勢を崩し、倒れた。彼女はこれは占めたと、アステロイドを出し、分割する。数打ちゃ当たる戦法だ。それが功を成し、ネイバーは地に伏せた。
「……よし」
記録は26秒だった。
「おお! あいつ、30秒切りやがった!?」
「しかも、あいつ1歩も動いてねぇぞ!?」
彼女が訓練室を出るとそんな声が聞こえた。心なしか嵐山も驚いているように見える。
「……うっさ…」
彼女はそれだけ言った。それは誰にも聞こえなかった。
その後、地形踏破訓練や隠密行動訓練、探知追跡訓練を行った。彼女は、地形踏破訓練と探知追跡訓練は1位、隠密行動訓練は、頭の大きいリボンが邪魔をしたのだろう、3位だった。
彼女が、左手の甲を見ると、〈2575〉と表示されていた。
暫く、嵐山に率いられて歩いていると、大きなモニターが掛けられた部屋に出た。
「さて、此処が、ランク戦室だ。此処では、皆が自由に個人戦が出来る。やり方を教えよう」
「ブースに入ると、それぞれパネルが設置されている。其処には、武器の名前と、ポイントが表示されているんだ。それが、今参加している人を表している。戦いたかったら、好きな相手をタッチしてくれ。試合に勝てポイントが貰える。ポイントが高い相手に勝てば、それだけ多くポイントが貰えるぞ。但し、ポイントが低い相手に負けると、ポイントを沢山失ってしまうけどな」
彼女が周りを見ると、今か今かとうずうずしている人や、弱気になっている人などがいる。
彼女はぼーっとしていた。
「これで、説明は終わりだ。後は、戦うなり、家に帰るなり自由にしていいぞ」
瞬間、殆どがブースに入っていった。そりゃそうだ。彼女もブースに歩を進めた。
ブースに入り、パネルを見ると、すぐに彼女は勝負を挑まれた。どうやら物好きがいるようだ。彼女は了承し、立ち上がって、転送台に乗った。
転送された彼女は、周りを見渡す。住宅街で、天候は晴天。風が全く無い。彼女から10メートル程離れた場所に、相手が立っている。彼女は無言で、アステロイドをそのまま放った。相手は、急いでレイガストを起動し防ぐ。レイガストは防御寄りの武器。ヒビ1つ入らなかった。
「驚いた。いきなり撃ってくるなんてね」
「……戦争に始まりの合図なんて無いでしょ?」
相手の男が彼女を非難する。彼女はそれを突っぱねる。
「確かにそうだ。……
相手の男が持っているレイガストの色が急に変わり、形状も変わる。どうやら、彼女はの攻撃を全て受け止める気らしい。
「……ふぅん……」
彼女はそう呟くと、アステロイドを自身の右手に出し、分割する。その行動は即ち、正面突破という事を示していた。
読んでくれてありがとうございます。
他の東方キャラは多分出てきません。