それでは、早速第2話を始めていきます。
「まずは様子見かな……ウィン、カルラに『すなかけ』!」
『おう!』
ユウヤの指示に対してウィンは大きな声で答えると、軽く飛び上がってカルラに背を向け、そのままカルラへ向かって大量の砂を蹴り上げた。蹴り上げられた砂は吹く風に飛ばされる事無く、そのまま真っ直ぐカルラに飛んでいったが、それに対してアサヤは余裕綽々といった様子でニヤリと笑った。
「『すなかけ』か……確かに良い手だけど、そんな小細工は通用しないぜ! カルラ、砂に向かって『ひのこ』だ!」
『うん!』
自分へと向かってくる砂から目を離さずに息を大きく吸うと、カルラは砂へ向けて『ひのこ』を撃ち出した。すると、砂は『ひのこ』によって全て撃ち落とされたため、カルラに掛かる直前で地面へと落下し、それに対してユウヤは「……やっぱりね」と少し悔しげに独り言ちた。
そしてアサヤは、それとは対称的に楽しげな笑みを浮かべた。
「残念だったな、ユウヤ。『すなかけ』は相手の技の命中率を下げる技で、時には視界を遮ったり攻撃の盾にも出来たりするけど、ウチのカルラの力の前にはそんなのは無意味だぜ!」
「そうみたいだね……けど、僕達だってこの程度で終わるつもりは無いよ……!」
「へへっ、そうこなくっちゃ! なら、こっちもそろそろ本気で行かせてもらうぜ! カルラ、地面に向かって『ひのこ』!」
『了解!』
アサヤの指示でカルラは地面へ向けて『ひのこ』を放つと、その衝撃でバトルフィールド上に砂煙が上がり、ユウヤ達の視界はそれによって遮られた。
「くうっ……!」
『ちっ……何となくアイツらの位置は分かるが、ちっと自信がねぇな……! ユウヤ、アイツらの波導は感じられるか……!?』
「う、うん……とりあえずやってみる……!」
ユウヤは手で砂煙から目を守りながら『波導を使用する能力』でアサヤとカルラの波導に意識を集中した。そして、「……いた!」と言いながら砂煙の先にいるアサヤ達の波導をしっかりと感知すると、ユウヤはウィンに技の指示を出した。
「ウィン! 『でんこうせっか』!」
『おうよ……!』
ユウヤの指示でウィンは一度体に力を込めた後、砂煙の中を目にも留まらぬ速さで真っ直ぐに飛ぶと、そのまま『カルラ』に攻撃を命中させた。
『へへ、どんなもんだ――はっ!?』
「え……こ、これって!?」
砂煙が晴れた後、驚きの声を上げるユウヤ達の視線の先にあったモノ、それはごろりと転がった怪獣の姿をした緑色のぬいぐるみのような物とニヤリと笑うアサヤ達の姿だった。
「はい、残念でした。今、ウィンの攻撃を受けたのは、カルラの『みがわり』で出来た分身だよ」
「『みがわり』……って事は、まさか……!」
「……御名答。『みがわり』は自分の体力を使って分身を作り上げる技。今の攻撃をギリギリ耐えたみたいだから、あと一回はコイツが攻撃を受けてくれるぜ。いやー、変化技も一部を除いて無効に出来るし、ほんと『みがわり』って便利な技だよなぁ……!」
「くっ……!」
「そして、『みがわり』の真骨頂はここからだ! 『つるぎのまい』!」
『了解』
アサヤの指示を受けると、カルラとみがわり人形の周囲を無数の光の剣が取り囲み、それと同時にカルラから発せられる波導がその強さを増すと、ユウヤの顔に焦りの色が浮かんだ。
「『つるぎのまい』は使ったポケモンの攻撃力をスゴく上げる技……つまり、カルラの物理攻撃の威力が上がったという事になる……!」
「その通り。だけど、俺達の作戦はそれだけじゃないぜ? カルラ、『ニトロチャージ』!」
『うん』
アサヤの指示でカルラとみがわり人形は体に炎を纏うと、それぞれ別の方向へ向かって走り出した。そして、そのままウィンを挟み込むような形でウィンへ向かってぶつかっていく中、ユウヤはみがわり人形とカルラを交互に見てからウィンに指示を出した。
「ウィン、上に飛んで『ニトロチャージ』を交わしてから足元に向かって『かぜおこし』!」
『お、おう……!』
ウィンは翼を大きく広げて飛び上がり、みがわり人形とカルラがウィンの足元ですれ違おうとした瞬間、ウィンはそれに向かって翼をはためかせて風をぶつけた。そして風がぶつかった瞬間、みがわり人形がポンッという音を立てながら小さな煙と共に姿を消し、カルラが『くぅっ……!』と声を上げながら背後へ向かって小さく吹き飛ばされると、ウィンはカルラを見下ろしながらニッと笑った。
『へへ、どうだ! あのヘンテコな人形も消えたし、これでこっちが不利じゃなくなっ――』
「ううん……不利なのは変わらないよ、ウィン。それどころか、今ので倒しきれなかった分、もっと不利になったかも……」
『え……それはどういう事だ?』
「今の技、『ニトロチャージ』は使う度にすばやさを上げる事が出来る技。つまり、今のでもすばやさが少しは上がってしまっている事になる。けど、一番の問題は――」
「『つるぎのまい』や『ニトロチャージ』でステータスアップをさせてしまっている上、『みがわり』で体力が削れたのに加えて、さっきの『かぜおこし』のダメージで『ある物』の条件を満たしてしまった事、だろ?」
アサヤの余裕気な様子にユウヤがギリッと歯を噛みしめて悔しさを露わにしていたその時、カルラは痛みで辛そうな表情を浮かべながらゆっくりと立ち上がった。そして上空のウィンを睨むと、カルラの体から炎のような赤いオーラが立ち上った。
『な、何なんだよ……あれ……!?』
「『もうか』だよ」
『もう……か?』
ウィンの疑問にユウヤは静かに頷くと、カルラの姿を見据えながら説明を始めた。
「『もうか』は特性の一つで、発動した後は炎タイプの技の威力が上がった状態になるんだ。そしてその発動条件というのが、『もうか』の特性を持ったポケモンの体力が残り少なくなる事、つまりアサヤは攻撃力やすばやさを上げながら『みがわり』を使ったりわざとカルラに攻撃を受けさせる事で、『もうか』の発動条件を満たしたっていう事になる」
『な、なるほどな……』
「そしてカルラが持っている攻撃技は、どっちも炎タイプの技だから『もうか』の恩恵を受ける事が出来るし、『ニトロチャージ』は『つるぎのまい』の攻撃力アップの影響も受ける。言ってみれば、今の状況はアサヤ達にとってとても有利な状況になっているんだよ」
『……マジかよ』
ようやく状況を理解したウィンの顔が引き攣る中、カルラはゆらりと体を揺らしながらウィンをしっかりと見据え、いつでも攻撃に移れるような体勢を取った。そして「カルラ、『ニトロチャージ!』」という指示の声がバトルフィールド上に響き渡った瞬間、カルラは炎を纏いながら先ほどよりも速いスピードでウィンに向かって飛び上がった。
『さあ……格段にパワーアップした僕の攻撃を受けてもらうよ……!』
「くっ……ウィン、一旦避けて!」
『お、おう……!』
ユウヤの指示でウィンはどうにか『ニトロチャージ』を躱したが、『ニトロチャージ』の使用によりカルラのすばやさが更に上昇した事で、アサヤは嬉しそうな笑みを浮かべた。
「ははっ! 良いぞ、カルラ! 連続で『ニトロチャージ』だ!」
『うん!』
アサヤの指示でカルラは再び『ニトロチャージ』を使いながら更に速いスピードでそのまま飛び上がると、ユウヤが指示を出す前にウィンへ向かって勢い良く突進した。
『あぐっ……!』
「ウィン!」
カルラの『ニトロチャージ』の直撃でウィンは強く地面に叩きつけられ、その衝撃で発生した土埃の中にウィンの姿は消えた。そして土埃が晴れていくと同時に、ユウヤはウィンの波導を探査すると、とても弱々しいながらもまだ戦えるだけの元気がある事が分かり、ホッと胸を撫で下ろしながら声を掛けた。
「……ウィン、まだ行けそう?」
『……へっ、このくらいどうって事ねぇよ……。ちっと体がふらつく程度だから、まだまだ俺は大空へ羽ばたいていけるぜ……!』
「……うん、分かった」
残り少ない体力を振り絞りながら立ち上がるウィンの姿に元気づけられた後、ユウヤは息を切らしながら自分達を見つめるカルラへ視線を移し、ここからの戦いについて考えを巡らせた。『こうげき』と『すばやさ』の上昇と『もうか』の特性の発動、そしてウィンの体力の低下というユウヤ達にとって現在の状況は明らかに不利であり、いくら考えても打開策が浮かぶ様子は無かった。しかし、ユウヤはそんな状況でも一切諦めずにここまで一緒になって頑張ってくれていたウィンのために必死になって打開策を探した。そして、『ある技』の存在を思い出した瞬間、ユウヤは闘志の炎を燃やしながらウィンに指示を出した。
「……ウィン、今から良いって言うまでそこから動かないでね」
『動かないでって……お前、何を――』
「お願い。たぶん、この作戦が成功すれば僕達にもチャンスは巡ってくるから」
『……分かった。お前が無策で指示を出すわけが無いもんな。こうなったらとことん付き合ってやるよ!』
「うん、ありがとう」
ニカッと笑うウィンに対してユウヤが微笑み返していると、それを見ていたアサヤが余裕気な表情でユウヤに話し掛けた。
「何を思いついたか知らないけど、『こうげき』と『すばやさ』が上がった状態で『もうか』を発動してるカルラに勝つのは、流石に無理だと思うぜ? 見た所、ウィンには『まもる』みたいな防御技は無いみたいだし、『カウンター』のような反撃技はそもそも覚えないからな!」
「ふふっ、確かにそうだけど……僕はこの作戦とウィンの事を信じてるからね。最低でも一矢報いてみせるさ!」
「へえ……なら、その作戦とやらを見せてもらうぜ! カルラ、『ニトロチャージ』!」
『うん!』
カルラは大きな声で返事をすると、微動だにする事無く立ち続けるウィンへ向かって『ニトロチャージ』を使って再び突進した。そしてウィンとカルラの距離があと少しのところまで近付いた瞬間、ユウヤは「……今だ!」と大きな声を上げ、ウィンに指示を出した。
「ウィン! 『すなかけ』で壁を作って!」
『……おうよ!』
ウィンは待ち侘びた様子で返事をした後、足元の砂を強く蹴り上げ、指示をされた通りに一時的な砂の壁を作り上げた。そして、その砂の壁にアサヤは少し驚いたようだったが、それをあまり脅威には感じなかった様子でカルラに再び指示を出した。
「カルラ、そのまま壁を打ち破れ!」
『了解!』
指示通り、カルラは『ニトロチャージ』で砂の壁に向かって突っ込むと、そのまま勢い良く壁を突き破った。しかし――。
『……え? ウィンが……
壁の向こうにいるはずのウィンの姿が無かった事で、カルラの表情には焦りの色が浮かび、砂の壁が崩れた事で立ちこめた砂煙の中で必死にウィンの姿を探した。しかし、砂煙で視界が遮られている上、ウィンの影すら一向に見つからず、カルラの表情には徐々に恐怖の色が浮かび始めた。
『ど、どこ……!? 一体どこにいるの……!?』
「カルラ、落ちつけ! まずは一旦落ち着――」
その時、アサヤは
「ウィン、これで決めるよ! 『ブレイブバード』!」
『おう!』
その返事と同時に、ウィンは潜んでいたアサヤの背後から勢い良く飛び出すと、低空飛行で飛びながら翼を折り畳み、砂煙を切り裂きながらカルラへ向かって突撃した。
『これでぇ……
『え――う、うわあぁっ……!!』
「カルラ!」
『ブレイブバード』がカルラに直撃すると、その衝撃でカルラは勢い良く吹き飛ばされ、バトルフィールド上をゴロゴロッと転がった後、傷付いた姿でその場に倒れ伏した。そしてウィンも息を荒くしながらバトルフィールド上に着地した後、辛そうな表情で地面に膝を付いた。
「カルラ! おい、カルラ!!」
「くっ……ウィン! しっかり!」
アサヤは余裕をすっかり無くした様子で、そしてユウヤは願いを込めて自分のポケモンに声を掛けると、カルラは痛みに耐えながらゆっくりと起き上がりだし、ウィンは目の奥で闘志の炎を燃やしながら起き上がろうとした。しかし――。
『ごめ……ん、アサヤ……』
『はは……ここまで、か……』
二匹はそのまま倒れ込み、瀕死状態となった。そしてレイは、二匹の様子を見てコクンと頷くと、両手を上げながら大きな声を上げた。
『ウィン、カルラ、共に戦闘不能! よって、このバトルは引き分けとする!』
その瞬間、アサヤはカルラの元へ、そしてユウヤ達はウィンの元へ駆け寄ると、ユウヤとアサヤはそれぞれのポケモンを心配そうに抱き上げながら声を掛けた。
「カルラ、大丈夫か……?」
『う、うん……大丈夫だよ』
「……ウィン、大丈夫……?」
『……ああ、俺も大丈夫だ』
双方のポケモン達が弱々しいながらもしっかりとした笑みを浮かべると、ユウヤ達は安心したように息をつき、ポケモン達を抱き抱えた状態でゆっくりと立ち上がった。
「はあ……まさか、引き分けになるなんてな……」
「あはは……まあ、こっちとしては負けなくて良かったってところだけどね。あの作戦が無かったら、間違いなく負けていただろうし」
「作戦――そうだよ、突然カルラが砂煙の中で焦りだしたと思ったら、後ろからウィンが『ブレイブバード』で飛んできて、そしてそのダメージが決め手になって、俺達は引き分けに持ち込まれたんだ……!」
先程の状況をアサヤが言葉にしながら振り返っていると、ユウヤはクスリと笑ってから静かに口を開いた。
「まあ、作戦とは言ったけど、実はそんなに大した事はしてないよ。僕達がやったのは、カルラの隙を作ってから一か八かの賭けに出たくらいだからね」
「一か八かの賭け……それがあの『ブレイブバード』だよな?」
「うん、そうだよ。まず、僕はわざとウィンにその場に立ち止まってもらい、アサヤ君達に警戒心を持たれないようにするのに加え、ウィンがカルラの攻撃をしっかりと見切れるようにした。そして、カルラが『ニトロチャージ』で向かってきた時、『すなかけ』の砂の壁を崩させる事で、ウィンを攻撃から守りながらカルラの視界を砂煙で広範囲に渡って遮り、カルラがウィンを見失っている間にウィンにアサヤ君の背後に回ってもらった」
「背後に回ってもらったって……砂煙の中ならさっきみたいにカルラとウィンの条件は同じのはずだろ?」
「ううん、ちょっと違うよ。ウィン達ポッポは、本来は戦いを好まない温厚な気質で、敵に襲われた時には羽ばたいて砂煙を起こす事で身を守っている。そしてポッポ達の方向感覚は、どんなに遠くからでも帰ってこられる程に優れているし、カルラに声を掛けるためにアサヤ君も大声を出していた。だから、ウィンには壁を作ってもらった直後にさっき言った事を利用しながらアサヤ君がいる方向へこっそり動いてもらったんだ。因みに『かぜおこし』じゃなく『すなかけ』で壁を作ったのは、アサヤ君に怪しまれる恐れを無くすため。『転生者』のアサヤ君ならポッポの図鑑の説明文を知ってる可能性があったからね」
「……ははっ、なるほどな。そして俺がウィンの気配に気付いた瞬間に『ブレイブバード』の指示を出し、俺が回避の指示を出す前に見事攻撃を命中させた、と……。だが、『ブレイブバード』の反動ダメージでカルラと相討ちになった事で、こうして勝負が引き分けになった。そうだろ?」
「うん。まあ……何かの役に立つかと思って『ブレイブバード』を覚えておいてもらった事を思い出したから勝てたわけで、それが無かったら確実に負けていたけどね。この作戦には、『気付かれない事』と『確実に当てる事』が必須だったから」
「ははっ、確かにな。はあ……でも、まさかバトルにポケモンの生態の知識を持ち込んでくるなんて流石に思ってもみなかったよ。やっぱり『前世』でやってたバトルとこっちのバトルは色々勝手や考え方が違うなぁ……」
アサヤは帽子越しに頭をポリポリと掻きながら 小さく溜息をついていたが、すぐに楽しそうな笑みを浮かべると、ユウヤへスッと右手を差し出した。
「けど、それを改めて知る事が出来たのは収穫だったし、スゴく楽しいバトルをする事が出来た。だから、本当にありがとうな」
「アサヤ君……うん、こちらこそ良いバトルをありがとう」
ユウヤとアサヤが固く握手を交わし、お互いの健闘を称え合うように笑い合っていたその時、「……あ、いたー!」という大きな声が辺りに響き渡り、その突然の事にユウヤ達はビクッと体を震わせた。そして揃って声の方へ体を向けると、遠くの方からこちらに向かって走ってくるミナトとポッチャマのミナモの姿があり、その後ろからは二匹のジヘッドを連れた一人の黒のコート姿の男性が少し呆れた様子で歩いてきていた。そして、ミナト達がユウヤ達の目の前まで来ると、ユウヤは驚いた様子でミナトに話し掛けた。
「ミナトちゃん……どうしてここに?」
「どうしてって……そんなの決まってるでしょ? ユウヤ君のお母さんから聞いたんだよ」
「あ、なるほど……それじゃあリュウガさん達はどうしてここに?」
ユウヤが小首を傾げながら訊くと、リュウガは呆れた表情のままで静かに理由を話し始めた。
「……コイツらの散歩の帰り、ここに向かって走っていくミナト達を見掛けてな。んで、理由を聞いたらお前達が朝飯を食わずにバトルをしに行ったらしいって言うから、ミナト達と一緒に迎えに来たんだよ。いくらバトルが好きだとは言え、飯を食わずにやるのは流石に無茶が過ぎるからな」
「そうだったんですね……わざわざすいません、リュウガさん。それに、ミナトちゃんとミナモも来てくれてありがとうね」
「ううん、これくらい気にしないで。これは私達が好きでやった事だから。ところで……バトルはどっちが勝ったの?」
「それは――」
ユウヤが先程のバトルについて話そうとした時、リュウガは軽く溜息をつきながらそれを手で制止した。
「……それを話すのは、帰りながらにしようぜ。ソイツらの回復だってしねぇといけねぇし、バトルで頑張った分お前達も腹も減ってるだろうからな」
「……言われてみれば」
「確かにそうだな……」
「だろ? という事で、まずは戻る事にしようぜ?」
『はい!』
リュウガの言葉にユウヤ達は揃って返事をした後、並んで歩きながら先程のバトルの事について話を始め、時には笑ったり時には驚いたりしながら楽しげに話を続けていった。
同時刻、『ツキクサのもり』の中を小さな紫色のポケモンを連れた薄紫色の髪の少女が少し不安げな様子で歩いていた。
「うぅ……何とか『ヤマト地方』まで着いたけど、目的地まではこっちで合ってるのかなぁ……」
『ベベ! ベベベ!』
「ルベリ……うん、そうだよね。お姉ちゃんを見つけるために頑張るって決めたもんね。さっきは悪戯っ子なポケモンに悪戯されたり、体の大きなポケモンの尻尾を踏んで追い掛けられたりしたけど、こんなところでへこたれてはいられないし、頑張って『ツキクサタウン』を目指そう!」
『ベベベー!』
ルベリと呼ばれたポケモンの楽しげな声に少女はクスリと笑った後、目的地である『ツキクサタウン』へ向けて再び歩き始めた。
第2話、いかがでしたでしょうか。そろそろ冒険に出ろよ、というツッコミをされそうですが、話の流れ上、次回まではまだ『ツキクサタウン』での話になるかもしれません。
そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けるととても嬉しいです。よろしくお願いします。
それでは、また次回。