姉さんと間違われて役得だと思うのは間違っているだろうか 作:苺ノ恵
それではどうぞ
「団長!おかえりなさい!!ご無事で何よりで___え?アリスさんですか?アリスさんなら少し前にダンジョンへ行かれた筈ですが」
「入れ違いだったか」
「リヴェリア、疲れているところに悪いけれどもうひと仕事だ。アリスを呼び戻して来てくれるかい?道中に今回得た情報を彼女に伝えてくれると助かる」
「分かった。レフィーヤ、ポーション等の補充の手配は頼んだ」
「はい!分かりました」
「暫く僕たちの休日はお預けかな……ごめんよ、アリス」
◇◇◇
「へ~、これ面白いね」
目の前にある玩具の一つに思わず手が伸びる。
ギルドを後にし、エイナと別れて私はダンジョンへと歩を進めた。
その途中、何となく目についた露店に立ち寄った私は気になるものを見つけた。
「水晶にしては柔らかいし、お菓子にしてはちょっと匂いが薬品くさいし…おばあちゃん、これ何?」
私は店番をしながら子供たちの相手をしていた初老の女性に問いかけた。
「ん?ああ、それは跳ね球だよ」
「跳ね球?」
「そう、こうやって地面に落とすと跳ね返ってくるのさ」
「へ~面白いね。これって基は何からできてるの?」
「何でも、とある木の樹脂からできてるらしいよ。巷じゃ『ゴム』って言われてるね」
「ふーん…『ゴム』ねえ…。よし、おばあちゃんこれ頂戴。他にもこれと同じ種類の物はある?」
「あるにはあるけど…こっちのは欠陥品だね。ほら、跳ね返ってこないだろ?」
「ふむふむこれも面白い…りょーかい。そっちのも一緒に売ってもらえるかな?」
「え?いいのかい?こんなので?」
「うん、それがいい」
「…変わったお嬢さんだね。__はい、毎度あり。これはおまけだよ」
「ありがとう」
「あんた若いけど冒険者だろ?気を付けていってらっしゃいね」
「うん、おばあちゃんも無理しちゃだめだよ?」
「大丈夫さね。私はまだ96だよ」
「何とも返答に困るご年齢で…」
再びおばあさんが子供たちに呼び戻され、手持ち無沙汰になった私はそっと露店を後にする。
そして少し移動し、行きつけの喫茶店に入り一番隅っこの席に腰を落ち着ける。
ここはマスターからしか私の場所が見えず、他のお客と遭遇することが滅多にない好立地な場所だ。
背負っていた装備の一つをテーブルに立てかけると、同じタイミングで紅茶の入ったカップが出される。
視線を上げると顔の怖い中年男性がぶっきらぼうに口を開いた。
「…いらっしゃい、お嬢」
「ご無沙汰してます。Mr.クリスティ」
「…お嬢、何度も言うがクリスティはやめろ…。…俺はクリスだ」
「クリスティーナと呼ばないだけマシでは?」
「…いくらお嬢でも、怒るぞ…?」
「ふふふ、ごめんなさい。年上をあまりからかったら失礼ですね」
「…前々から思っていたが…お嬢の敬語には敬いが足りん…」
「私が貴方をどう思っているのかはともかく形式は大切なんですよ、クリスティーn…クリス」
「…もういい、それより___仕事か?」
「貴方はせっかちですね。でも、仕事が早い男性は私、好みですよ?」
……あと10年歳取ってから出直してこい。意外と現実的な数字を提示する彼に不思議な愛らしさを感じつつ、私は隣に立てかけていたものを彼に渡す。
「…また、大物を持ってきたな」
「ギルドの許可は取ったので、明日の朝までに試してみて下さい」
「………本当にいいのか?」
「良いのか悪いのかで言えば、勿論悪いですね。ですが___その方が燃えるでしょ?」
「…了解した」
「ところでこの紅茶、いい味ですね」
「…自画自賛か?虚しいぞ」
「そこで『お嬢直伝だからな』とか『お嬢を想って淹れたからな』とか言えない辺り、貴方の底の浅さが浮き彫りになっててちょっぴり残念です」
「…お嬢の中で俺はそんなことを戯れる野郎だと思われてることに寒気がするな」
「まあ、そんな素直じゃない貴方も素敵ですよ」
「………とっととそれ飲んでダンジョン行って来い…性悪女が」
「あら酷い。でも、性悪女だって偶には本音を溢すんですよ?特にこういう雰囲気の場所では」
「……………」
「___フウ、ご馳走様。それじゃあ、また明日伺いますね」
「…さっさと行け」
「ふふ、はーい」
疑問:いい加減戦闘シーン書けよ
AUOは私のカルデアがお気に召さなかったようです…
お陰様で石の貯蔵庫はすっからかん…
次のハロウィンイベで酒天ちゃんが配布は嬉しい!
来週からは時間に余裕が生まれると思いますので定期的に更新しま…できたらします。
あ、10000UAありがとう