姉さんと間違われて役得だと思うのは間違っているだろうか   作:苺ノ恵

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悲報:作者転スラにハマり過ぎて原作を購入すべきか迷い中

今までのあらすじを簡単に__

【ありすたん可愛い】

それではどうぞ


さよならは苦くて

 

 

 

 足の運びは軽く。

 

 踏み込みは鋭く。

 

 一撃は重く。

 

 回避は柔らかく。

 

 剣術に限らず、近接戦闘における動作の理想は大まかにこの4つに分類される。

 

 対モンスターを想定するのなら、戦士、盾役、盗賊、魔法使い等々、それぞれの分野を極めた一点突破型の冒険者4人でパーティーを組み、それぞれの役割を果たすことが合理的かつ効率的な判断だと愚考する。

 

 ただし、それは特別な人間。

 

 言い換えれば天才に限るという素敵な様式美がついてくる。

 

 そもそも凡人には一つの分野を極めることすら至難の業だ。

 

 時間を掛ければいいというわけではない。

 

 寿命という期限を課せられた中で、どれだけ効率的に目的の領域に到達できるかという、所謂要領の良さが要求される。

 

 そもそも、自分が凡人だと理解していくことは、自分が特別ではないことを直視し続けることは、焼けただれた自分の顔を鏡に写すかの如き残酷さを孕んでいるように思えてならない。

 

 そのような意味で言えば、天才とは他者との違いを明確に知る者と言い換えて差し支えないだろう。

 

 天才は火傷をする前に火を消すのではなく、火傷をする危険があるならそもそも火を起こさないのだ。

 

 火中の栗を拾うのは、いつでも多数派の中の一人だということだろう。

 

 マイノリティ万歳。

 

 さて、前置きが長くなったがこれは冒険者の物語。

 

 その在りよう、ダンジョンで生き抜くための術は実に多種多様である。

 

 剣、ナイフ、斧、弓、盾、槍___そして、魔法。

 

 ダンジョンという地下での戦闘を想定してか、遠距離武器はあまり使用されないのが昨今成らず歴史からの傾向である。

 

 そのような意味で言えば、遠距離攻撃の最適解は魔法であるといえるだろう。

 

 しかし、ここで疑問に思ったことがある。

 

 もしもこの世に魔法がなかったら?

 

 闘いとは、もっと単純で今以上に沢山の冒険が待っていることに違いない。

 

___果たしてそうだろうか?

 

 人間は魔法の代わりに、もっと恐ろしい何かを生み出すのではないだろうか?

 

 仮にそのナニかが存在するとする。

 

 ソレをモンスターに使うのならまだ良い。

 

 だが、もしもソレが人間同士の争いに使われるとする。

 

 それは、見るに堪えない凄惨なものではないだろうか?

 

 これは例えば、そう、例えばの話だ。

 

 論理的根拠もない、ただの虚言。

 

 口にすれば痛いものを見る目で見られるか、医者に係ることを勧められるだろう。

 

 それでも、俺は考えずにはいられない。

 

 あの娘が___お嬢がいる限り、この疑問は俺が墓に入るまで抱き続けるのだろう。

 

 カランカラン__入口のドアが開く、来客だ。

 

「…いらっしゃい、お嬢」

 

 今日も俺はこの可憐な怪物にいいようにからかわれる。

 

 しかし、俺にはそれがどこか心地よかった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 天啓を得た。

 

 そう思うほどの閃きが私の脳内に降り立った。

 

「小規模の質量体をある力によって弾き飛ばす…。弓矢なら張力。投的なら腕力。それを効率的に、正確に、連続性を持って、圧倒的な射程で、理不尽な威力で…確実にモンスターを殺せるシステムを」

 

 私は紙に様々な構想案を書き記し、実用性度外視で片っ端から【虚偽なる事象(リ・クリエイト)】を使って試作機を作っていく。

 

 木材の形状を変えただけの物のため耐久性はないに等しいが、資材の費用を気にしなくても良いから、満足いくまで試作し放題だ。

 

「質量体は…とりあえず真球で、指向性を付与するにはここを筒状にして…よし、できた!」

 

 見た目はただの木の棒だ。

 

「うーん…コレだとただの吹き矢だよね」

 

 私は真球にした木材を筒の片方に詰め、筒の反対側に唇を押し付けて息を吹き込んだ。

 

「すぅ~…ふっ!………弱!!」

 

 空気が逃げないように真球と筒の空洞の大きさを同じにしたが、真球のなだらかな表面が空気の力を逃がしてしまったようだ。

 

 真球は放物線を描いて床に落下する。

 

「うーん…真ん丸じゃなくて、丸太みたいな形がいいのかな?」

 

 今度は円柱状に加工した質量体を筒に詰めて、同じように試射する。

 

「すぅ~…ふっ!……さっきより勢いはいいけど、こっちの方が落ち方が急だね…」

 

 勢いよく飛び出した質量体が急制動を掛けたようにお辞儀して床に落下する。

 

「空気を受ける面が大きいとそれだけ質量体に力を伝えやすくなる代わりに、飛ばしてからの空気の抵抗を受けやすい…。真ん丸だと空気を避けて進むから真っすぐ進むけど、力が伝わりにくいから空気だけじゃ充分な威力で飛ばせない、かぁ…」

 

 それに、真球でも空気の抵抗は少なからず掛かってる。

 

 本に書いてあった通り、物を投げる時に邪魔になるのは空気だという文言は、どうやら真実らしい。

 

「ん~………、要は質量体のお尻の方を面にして、先の方は尖らせれば…」

 

 円錐状に加工した質量体を筒に(以下略)

 

「すぅ~…ふっ!___よしっ!壁に届いた!!」

 

 今までの最長距離の更新に心が躍ったが、どうせなら壁に突き刺してみたいという欲が出てきた。

 

「もうちょっとお尻から胴体の方を太らせて…先っぽにいくにつれてシュッとなだらかに…」

 

 …傍から見たら私変態みたいだなと思ったが黙殺する。

 

 加工した(以下略)

 

「すぅ~…ふっ!___やったっ!壁に刺さった!!!!」

 

 この後、リヴェリア(お母さん)に壁に穴を開けたことを説教されることになるなど、この時の私にはまだ知る由もない。

 

 あ、ついでに筒の中に斜めに溝を掘ったら質量体改め弾が回転して貫通力が上がった。

 

 そのせいで壁に穴が開いた…。

 

 やめてリヴェリアお願い私の作った子たちを燃やさないであああああああ!!

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 久々にダンジョンで肩慣らししてたらいきなりリヴェリアが来て連行された。

 

 解せぬ。

 

 道中、先ほどまで振り返っていた過去のことをリヴェリアに何気なく聞いてみた。

 

「ねえ、覚えてる?そんなことあったんだよ?」

 

「設計図ごと燃やしておけばよかったと思っている」

 

「酷い!!?」

 

 そして、ホームに戻って書類作りに駆り出された。

 

 今日の昼食はフィンの嫌いなものにしようそうしよう。

 

 

 

 

 

 




疑問:時系列がごちゃごちゃし過ぎで読み辛い

簡単なあらすじ(真面目)

ロキファミリアが遠征に行っている間、何故か一人ホームにいた剣姫アイズ・ヴァレンシュタインの妹であるアリス・ヴァレンシュタイン。肩慣らしのためダンジョンへ向かう道すがら用事で立ち寄ったギルドで出会ったのはベル・クラネルという少年だった。ベルのリアリス・フレーゼに現れた【偽物】という言葉の本当の意味とは?様々な想いが交差する中、彼女の物語が動き出す___

アリスの武器製作過程を描き切ってから時系列を元に戻そうと思います。

ド派手な戦闘シーンはその後で(プレッシャー…)

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それではまたの機会に
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