パンドラ・ファミリアのホーム『エルピスの館』の扉を開き、廊下を進み一階のリビングに出る。
「あれ、メナールだけか、他のみんなは」
「パンドラ様がお腹が減ったってダダをこねたから、みんな先に言ってるって。私はロイへの伝言役の為に残ったの」
リビングを覗くといつも居座っているメンバーがおらず、一人しかいなかった。
彼女の名前は”メーナル・アルクルLv.2。二つ名は『
青白い肌に首筋にある蛇のような鱗の筋に黒目が縦に長く横に細い蛇のような目に緑色の目、薄い金髪が特徴の。絶対数自体が少ない
もとはオラリオに奴隷商人によって無理やり連れて来られ、オラリオの治安を守る事件団のようなアストレア・ファミリアの人と、うちのメンバーで合同で奴隷商人のアジトを潰した時に、助け出した後。うちのファミリアに所属することを選んだ。
ソファに座り読んでいた本をパタン、と閉じて机の上に置き立ち上がる。
「ちょっと装備だけ部屋に置いてくるから待っててくれ」
そう言って部屋に急ぎ足で戻り。机に剣を立てかけて一階に降りている最中に、首に赤いマフラーを巻いているメナールの姿が見えた。
「アスフィに頼んで
メナールは首を横に振った。
「いい。私はロイに貰ったこれがいいの」
「そうかい。普通のマフラーなんだけどね。さて行こうか」
今夜の宴を行う会場『豊穣の女主人』というお店を目指してホームを出た。
豊穣の女主人に到着するお店に入る前から中から騒がしい声が聞こえていた。
「ちょっと~まだロイセとメナールは来ないの~」
「ガハハ!パンドラが腹減ったって我儘いうからロイが帰ってくるのを待たずに先に来たんじゃないすか」
後ろ姿からでも分かる大きな体に纏う最低限の服、引き締まった無駄のない筋肉に黒髪の頭から生えた二つの小さな角を持つ男―――牛の獣人 Lv.2アタケス・ウルハ、二つ名は『
手に持ったドワーフの火酒を水のように煽っている。
「追加だ!同じものを頼む!」
「飲みすぎよ、アタケス。貴方が酔うと面倒なんだからやめてよね」
短いポニーテールにした緑の髪、白い肌と種族特有の長い耳。男物の鮮緑色の長袖で腰丈のコートに、同じく男物の黒い半袖シャツと長ズボンにモンスターの皮を使ったブーツと女の子らしくない服装に美しすぎる見た目から美少女というよりは美男子に見えるエルフ―――Lv.2クロスター・ステル、二つ名は『妖精の舞手《エルフィン・ダンサー》』
「確かに団長もメナールも遅いわね」
「何してんのかな、主役なのにね」
そう言いながら傍らチーズを口に放り込むパンドラ
「その主役を置いてきたのは、貴方でしょパンドラ様」
はぁ~、どうしてこのファミリアはこうなのだろうかと、と頭を悩ませるクロスター。
そんなことを考えながらも、片手ではキレイに切られてたステーキを口に運んでいた。この辺りは類は友及ぶというべきかそれとも同類と呼ぶべきなのだろうか。
「すまん、遅れた」
「到着した」
少しばかり遅れきた本日の主役、ロイセと隣に立っているメナールが到着した。
ロイセとメナールが椅子に座ったの確認して全員が食事を辞めて、グラスに手を掛けた。
「我らが団長のレベルアップとファミリアのさらなる繁栄を祝して…かんぱーい!」
「「「「かんぱい!」」」」
「ロイは武器は新しくするのか、するなら祝いとして儂が払ってやるぞ。金はあるからな!」
「なら私も同じく鎧を送ろうかな。」
冒険者にとって装備はステイタスやレベルと同じ位に重要なものだ。
敵を倒すものである、自分の命を救うものでもあり、仲間の命を守るもの。
手入れを怠たれば、いざという時に役に立たないこともある。
それくらいに大事なものだ。
「
ヘファイストス・ファミリアの鍛冶師見習いから買った名前もない剣。持ち金を叩いて買ったあの剣は何度も研ぎ直して使い続けてきた。
「久々に直接契約の鍛冶師に会いにいくかな」
グビ、と木製のグラスを傾けて酒を煽った。