仮面ライダーダークディケイド IFの世界   作:メロメロン

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サブタイはちょっとしたお遊び

特に意味はございません




グレイト♪オール・フル・ホワイト

 

 川岸でただ1人、釣りに興じる男がいた。

 

「釣れねえなぁ〜……」

 

 お決まりの言葉を漏らすばかりじゃ獲物はかからない。

 都心に近いこんな汚れた川で釣りをすること自体が間違いだったと釣り人はぼんやり考えていた。

 せめて雑魚でもいいから1匹くらいは成果をあげたいものではある。

 

 そんなこんなでだらだらしている間にもう夕暮れ時になってしまった。

 

「はぁ〜もう帰ろうか……な……?」

 

 引いた。それも大物だ。

 

「うおおおおおおっっ!?」

 

 こいつはでかい。かつてない大物だ。

 竿にかかるとんでもない力は釣り人を逆に川に引きずり込もうとしているようだ。

 どんなに踏ん張っても釣り人は徐々に川の方に引き寄せられてしまう。

 

「ああっ!」

 

 そして釣り人の抵抗も虚しく、糸はぷつん、と引き千切れてしまった。

 己の敗北は悔やしいが、せめてその面くらいは拝んでやろうと釣り人は思い、恐る恐る川を覗き込んだ。

 水面は相変わらず濁っていてとてもじゃないが魚の影など見れそうもない。

 釣り人が諦めかけたその時、水面に小さな気泡が浮かんできた。

 どんどん増えていく気泡が水面を揺らし、ついに巨大な水柱が上がって釣り人に泥水が降りかかった。

 

「うああああーッッ!!!! 鬼塚ァ!!」

 

「おわあああっっ!?」

 

 鬼神の如き形相で川の主……ではなく、名護啓介が引き千切った釣り糸を放り捨てて川から自力で上がったのだ。

 濡れた服も腰を抜かした釣り人も全く気にせず、名護は何処かへと走り去って行った。

 

 

 

 

 

 人気のない研究所で鬼塚は1人作業に没頭していた。

 戦利品のダークディケイドライバー、サガークとメイジドライバーをケースに保管している作業の途中で、ふと思い出したようにイクサベルトを取り出して紅音也の写真の側に置いた。

 

 忌々しい名護啓介がイクサナックルを持っているために完全な形ではないが、イクサへの変身自体は封じられている。何も恐れる必要などない。

 

「待っててくれ。すぐにナックルも回収して音也に捧げよう」

 

 もしこの場に他の人物がいたならば、今の鬼塚の表情に言葉を失ったに違いない。

 

 誰にも見せたことのない恍惚の笑みを浮かべているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 頭をガンガンと突き刺さる痛みが酷い。身体も凍るように寒いし息苦しい。

 

 何より心が痛い。

 

「はぁっ!……ぐ、ゴホ!ゴホ!……はぁ」

 

 急速に覚醒する意識。肺に違和感を感じて咳き込む。

 背中に当たる砂利は痛いし、身体中が汚れた水でベタつく不快感も相当なものだ。さらには周囲の夜の景色に違わぬ冷え込んだ空気がより一層大地の濡れた身体を凍えさせる。

 

 確か自分は味方だと思っていた仮面ライダーリヴォルの攻撃で……川に落とされて……。

 

 胸の傷を抑えながら、上体だけ起こした大地は見知らぬ青年と目があった。この人が自分を助けてくれたのだろうか。

 

「あ、気がつきましたか……?」

 

「え、あ、えと……」

 

 知らない青年が心配そうに尋ねてきた。

 青年と自分の間には小さい焚き火がパチパチと燃えていて、大地の冷えた身体を少しだけ温めてくれた。

 しかし、いくら焚き火に手を向けても大地の心の震えは治りはしない。

 

「鬼塚さん、どうして僕を……」

 

『3つ、君自身には興味がないよ!』

 

 鬼塚にとっては大地など都合のいい実験動物でしかなかったということか。

 あそこで大地を攻撃するなど、あの時言われたこと以上の意味なんて思いつかない。ダークディケイドライバーも奪われた今の自分に興味がないと言われても仕方ないのかもしれない。

 

 落ち込む大地から醸し出される気まずそうな雰囲気に青年も黙ったまま座っていたのだが、やがておずおずと口を開いた。

 

「あの……貴方は太牙君とどういう関係なんですか。どうしてあんなところに?」

 

「……え?」

 

 ここで初めて気づいたのだが、青年の隣にもう1人の男が寝かされているのだ。一体誰なのかは知る由もないし、太牙なんて名前に心当たりはない。

 それでも念のためその男の顔を見たその瞬間、大地に戦慄が走った。

 何故ならその男の顔に見覚えがあり、尚且つ戦った敵でもあるからだ。

 

「キング!? どうしてこの人が……!?」

 

「キング? なんのことですか?」

 

 ファンガイアのキングが太牙と呼ばれていて、しかもこの青年はキングを知らない。

 

 まさかよく似た別人か?

 

 だが実際キングもあの時川に落ちてるし、服装だって同じだ。

 となるとこの青年もキングの仲間のファンガイアかもしれないが、だとすると自分まで助けて生かしておく理由がない。

 

「えっと、貴方こそこの人とはどういう関係なんですか」

 

「太牙君は僕の友達で、今日探し物をしている時にたまたま貴方と倒れているのを見つけて……ごめんなさい。僕、携帯忘れちゃって助けも呼べなくて」

 

 そう言って謝る青年は本当に申し訳なさそうで、よく見るとその手も火を起こす時にできたであろう小さな傷や煤で汚れている。

 見ず知らずの自分までこんなになってまで助けてくれたのに、疑うのは非常に失礼なのではという思いが大地の中で浸透し始めた。

 

「いえ、助かりました。僕は大地っていいます」

 

「僕は、紅渡です」

 

「……紅?」

 

 かなり珍しい名字だけれども、大地にとっては最近聞いたものでもある。

 

 紅音也ーーー鬼塚から聞いた22年前のイクサの装着者。

 

(もしかして、親子とか、兄弟とか?)

 

 しかしそんな偶然ありえるのだろうか?

 そんな疑惑に囚われて、大地が困惑顔の渡に音也の事を尋ねるべきかどうか悩んでいる時、渡がおずおずと尋ねてきた。

 

「もしかして……父さんを知ってるんですか? 僕、父さんの音楽が聞こえたような気がしてここに来たんです。もしかして、何か知ってるんじゃないですか!?」

 

 若干興奮した様子の渡が早口でまくしたててくるが、大地にはさっぱりわからないことだ。彼は父親の名前すら言っていないのに、どこから答えたらいいのか判断に困ってしまう。

 そうして答えに窮している大地はこちらに詰め寄る渡の背後に奇妙な物体が浮いているのを目撃した。

 

 虹色で先が尖った牙のような……。

 

「ッ! 危ない!」

 

「うわっ!?」

 

 間一髪その正体に気がついた大地が渡を押しのけた。標的を失ったファンガイアの吸血器官が渡が座っていた場所に突き刺さり、音もなく消滅した。

 もし大地が助けるのが少しでも遅れていれば渡がどうなっていたことか、想像するのは容易い。

 

 未だ気絶したままのキングが犯人でないとすれば、これはいつの間にか大地達の背後に立っている男の仕業で間違いない。

 

「太牙様から離れろ! 貴様等のライフエナジーは太牙様に献上されるのだ!」

 

 男の姿は鹿の角を想像させる頭部のムースファンガイアへと変貌した。

 

「ふぁ、ふぁ、ファンガイア……!?」

 

「やっぱり……!」

 

 どうやらこのファンガイアはキングを助けに来た部下らしく、自分達は完全に餌として認識されている。

 そして一番の問題は今の大地にはファンガイアに対抗する術がないことだ。唯一ライドブッカーだけは落とさずに持っていたが、これだけでファンガイアと戦えるわけがない。

 

 だとしても、青い顔で尻餅を着いている渡を見捨てて逃げるのは論外だ。

 

 意を決した大地はライドブッカーの銃口をムースファンガイアに向けて、渡を庇う形で立ち構えるが、腕の震えと流れ落ちる汗は止めようがない。

 

(威嚇射撃で怯ませて、その内に紅さんを連れて逃げるしかない!)

 

 その目論見は成功するかもしれなかったが、行動に移すまでが遅過ぎた。

 銃口を確認したムースファンガイアが撃たれる前に放った吸血器官が大地の両肩に突き刺さってしまったのだ。

 

「がはッ!?」

 

「まずは貴様のライフエナジーを太牙様に捧げる……」

 

 ダークキバにライドしていた時と同じ急激な脱力感を前に大地の身体からライフエナジーが抜かれていく。体内の血液が沸騰しているかのような高熱に不鮮明になっていく大地の意識。

 

「……? なんだ、このライフエナジーは?」

 

 ムースファンガイアが首を傾げていようが関係なく、大地の意識はもはや保っていられる限界を迎えようとしていた。

 

「う、うわぁぁああ!」

 

 そこに救いの手が差し伸べられた。

 渡がムースファンガイアの腰にしがみついて、必死に揺さぶる。不意の事に驚いたか、そのおかげで大地に刺さっていた牙は消滅した。

 それでも大地には立っていられる力は残っておらず、背中から地面に崩れ落ちた。

 

「邪魔をするな!」

 

 食事を邪魔されたムースファンガイアの怒りは渡に向けられた。

 ムースファンガイアとしてもいつでも殺せる獲物に変わりはないため、まずは活きのいい方から始末しようと考えたのだろう。

 再び出現させた牙が尚もしがみつき続けている渡に突き刺さろうとするのを、大地にはただ見ているだけしかできなかった。

 

「紅、さん……!」

 

「やめろォォ!!!」

 

 蛇の唸りを幻視させる怒号がムースファンガイアの動きを制止させた。

 その叫びの主は探すまでもなくムースファンガイアを止められる人物など、この場には1人しかいない。気怠げだが、確かな意思を宿した瞳でムースファンガイアを睨みつけるキングその人である。

 

「大牙様! 何故止めるのです!」

 

「その人間に手を出すな! 命令だ!」

 

「しかし、今の太牙様を回復させるためにはこの人間のライフエナジーが」

 

「俺の命令に背く気か!」

 

「……はっ!」

 

 乱雑に投げ捨てられた渡は苦しそうに咳き込んでいるものの、命に別状はなさそうだ。

 それよりも信じられないのはあのキングが渡を守ったことだ。つまりあの2人は本当に友達だということになる。

 

「太牙君……?」

 

「渡君、僕は君と友達であり続けたい。だから君も今日のことは忘れてくれ」

 

 渡にそう告げるキング、大牙の声は同じ人物とは思えないほど優しく表情も柔らかで、大地の心を掻き乱す。

 

「そんな……」

 

「本当にすまない……それと、ありがとう」

 

 去って行く太牙達を見送る渡の複雑な表情を見て、大地の中に生まれ始めた不確かな疑問が確固たる形になっていく。

 

 ファンガイアが全て敵だとは限らないのではないか、と

 

(鬼塚さん、どうして貴女はどうしてそこまでファンガイアを倒そうとするんですか。僕には……あのキングを倒していいのか、わからなくなりました)

 

 命は助かったのに、喜ぶ気にもなれない。そんなモヤモヤが霧となって大地の思考を霞ませていた。

 純粋な気持ちを踏み躙られ、正しいと思っていた事が間違ってるかもしれないなんていう複雑な状況に大地はこれから自分が何をすべきかわからなくなっているのだ。

 

 こんな時、道を示してくれそうな名護も今はいないというのに。

 

 

 

 

 

 渡に丁重にお礼を言って別れた頃にはもう日は昇って朝方になっていた。

 身体の疲れは大分取れてきたが、やはり心のモヤモヤは晴れないまま大地はどこに行くでもなくトボトボと歩いていた。

 

 変身できない不安、裏切りへの悲しみ、方向を見失った正義感。

 

 そのどれもが大地を蝕んで、行き場を無くしてしまったのだ。

 視線も自然と下向きになっていて、そんな風に歩いていれば当然人とぶつかってしまう。その拍子に大地は転倒してしまったのだが、そのまま道沿いに座り込んでしまう。ぶつかった相手に謝らなきゃと思う気持ちはあっても、今はもう顔をあげたくない。

 

 そうしてぼんやりとアスファルトを見続けていると、視界の中心ににその衝突した相手の綺麗な革靴が写り込んだ。

 文句でも言われるのかと思いきや、降ってきた声は呆れを含んだものだった。

 

「やれやれ、てっきり迷子にでもなったのかと思ったよ。君のことだから家出なんて真似はしないと思ったからさ」

 

 顔を上げずとも、この声の主、ガイドがいつもの笑顔で大地を見下ろしているのは嫌でもわかってしまう。

 何となくその笑顔を直視するのも今の大地には辛く思えて、顔を組んだ両腕の中に埋めたまま返事をした。

 

「……貴方に僕の何がわかるんですか」

 

「はは、そういえばそうだな。俺は君のことを何にも知らないし、逆に君も俺のことは全く知らない。君は知らない相手に心を許し過ぎなんじゃないか?」

 

 衝動的に顔を上げそうになった。

 

「どうして、その事を」

 

「君の過去は知らないが、それでも君の仕事ぶりは見ているよ。依頼人だからな。ま、俺もあの女がゴブリン族の末裔とは流石に知らなかったがなあ」

 

「ゴブリン族って、確かキングも同じことを」

 

「絶滅したと思われていた魔族のことだよ」

 

 そういえばガイド曰く、この世界にはファンガイアの他に人間とは異なる多種多様な魔族が多数存在していたらしい。だが、ファンガイアによって殆どの魔族は絶滅に追い込まれたのだという。

 

 つまり、鬼塚はその魔族の一つであるゴブリン族の生き残りということになる。

 

「じゃあ、どうして鬼塚さんは青空の会に?」

 

「恐らくは組織を隠れ蓑にしつつ、ファンガイアに対抗しようとしたんだろう。あのままだったらイクサを支援する一科学者としてファンガイアから特別目を付けられるようなことはなかったかもしれん」

 

 けどな、とガイドは続ける。

 

「君が状況を一変させてしまった。異世界の技術を手にしたことであの女に直接ファンガイアに復讐する機会が与えられてしまったんだ。あの仮面ライダーリヴォルの出現でこの世界のパワーバランスは覆る。サガとダークキバを同時に、しかも無傷で倒すのはキングでも無理だからな」

 

「でも、それは悪いことじゃないと思います。だって、結果的には人類は救われるんでしょう?」

 

「大地、君の純粋な心は俺には眩しくて敵わんよ」

 

 コツン、と大地の頭に何かが軽くぶつかった。

 顔を上げた大地はそれが可愛らしいピンクの色合いの箱であることを知った。開けてみると、中には片手サイズのサンドイッチが詰め込んである。

 

「瑠美ちゃんのお手製弁当でーす! もし君に会えたら渡してくれってさ。良い子だねえ」

 

「花崎さんが……これを」

 

 そういえば昨日から何も食べていなかったな、と今更思い出した途端に胃が痛むような空腹を自覚してしまう。考える前に手が自然に動いてしまっていた。

 時間が経って少し萎びたレタスも、ちょっと硬くなったパンも今の大地には御馳走だ。冷めてるのに、サンドイッチなのに、どうしようもなく温かく感じてしまうのは何故だろう。

 

 無我夢中でサンドイッチを貪って、全部平らげた時にはガイドの姿は何処にも見えなくなっていた。

 

「ご馳走様でした」

 

 多少は腹も膨れたが、やはり体力の消耗は無視できない。

 このまま光写真館に帰って休みたいという身体からの訴えには同意するが、まずは名護の安否を確かめなければならない。

 とりあえずはマル・ダムールに行ってみようと決めた大地はその道中で見知った顔に出会う。

 

「はぁっ、はぁっ、良かった………無事だったのね! 名護君の居場所は知らない!? 連絡つかないし、大変なことになってるのよ!」

 

「麻生さん……? いえ、今名護さんがどこにいるのかは僕も知らなくて……」

 

 名護はあの後どうなったのか、大地には知る由もない。恵が名護を探しているということはやはり無事では済んでないのかもしれないが、鬼塚が名護を襲う理由も見当たらない。

 

「実は、今朝鬼塚さんから青空の会のメンバーにこんなメッセージが届いて」

 

 恵が携帯を開いて見せてきた画面にはいつもの白衣を着た鬼塚が映っている。ただしその表情にはあの時のようなニヤつきが浮かんでいたが。

 

『これは青空の会の全てのメンバーに送信されている。私は単独でファンガイアのキングを打倒し、その鎧も確保した。後はこの世界に蔓延るファンガイアを殲滅すれば私の復讐は達成される。そこで君達に伝えたいことがある。

 

 1つ、イクサを始めとしたライダーシステムは全て私が掌握していること。2つ、これより青空の会は私の指揮下に入ること。3つ、もし従わないのならば手当たり次第に人間を殺していくこと。

 

 また、誤解しないでもらいたいのは私はファンガイアよりも諸君ら人間と良い関係を築きたいと思っていることだ。では良い返事を待っている』

 

 声が出ない。映像が途切れても、食い入るように黒いスクリーンから目が離せない。

 

 ガイドの言っていた意味がなんとなくわかってしまった。敵の敵が味方なんてこと都合のいいことなんてない。

 最初は鬼塚がファンガイアを倒すのならば、この世界の人間は救われるのだと思っていた。だが実際のところ、鬼塚は人間の味方ではなく、ただファンガイア殲滅の為の奴隷として扱うことしか考えていなかったのだ。

 人間の視点から見れば、ファンガイアが鬼塚に変わっただけでしかない。

 

 そして鬼塚のそんな野心に火を点けたのは他でもない、大地自身である。

 

 純粋な善意で大地が渡した技術が、結果的にこの世界の人々を苦しめようとしている。

 

「お願い! 大地君の力を貸してほしいの! 鬼塚さんがどうしてこんなことを言っているのかわからないけど、母さん達のイクサを人殺しの道具にされたくないの! だから、お願い!」

 

 人間が死んでいい筈がないのは勿論のこと、今の大地にはファンガイアも倒していいのか疑問だ。鬼塚だって、これで倒す相手だと認識することが正しいとは思えない。

 それ以前に変身もできない自分では何も為し得ない。記憶だって取り戻せない。

 

「僕、誰と戦えばいいのかわからなくなりました。だから、その答えを探しに行きます。麻生さんと一緒に」

 

 だからせめて、ベルトだけは返してもらおう。

 

 

 

 

 大地達は恵の運転する車で山道を進んでいる。目的地はかつて訪れた青空の会の研究所。

 研究所の職員の証言から鬼塚は今研究所に潜伏しており、職員達は皆強制的に追い出されてしまったのだという。自身の居場所を知らせるということはそれだけの余裕があるのだろう。

 

「付き合わせちゃって悪いわね。嶋さんには止められたけど、私にはどうしても我慢ならなかったの」

 

 恵は切迫詰まった表情でそう語る。

 運転している車は山道を走るのに適していないかなりの高級車に見えるのだが、今の彼女なら地を這ってでも行きそうな雰囲気だ。

 変な話だが、自分の変身アイテムを取られた大地よりもよっぽど感情的で、何が恵をそこまで駆り立てるのか、自然と尋ねていた。

 

「名護さんならともかく、何故麻生さんがそこまでイクサに拘るんですか?」

 

「イクサはね、私のお祖母ちゃんが作って、母さんが繋いだ大っっ切な物なの。今は名護君が使ってるけど、私もいつかイクサに変身してみせる。その為に訓練してるんだから」

 

「それが、恵さんの正義なんですね」

 

「もー、名護君みたいに言わないでよ。そんな大層なもんじゃないわ。私は母さんと同じ戦士として、やるべきことをやるだけよ」

 

 名護の話をすると、恵はいつも機嫌が悪そうになる。

 それだけ聞くと仲が悪そうなのに、戦闘では抜群のコンビネーションを発揮するのだからわからないものだとつくづく思う。

 

 そんな会話をしている内に、いよいよ研究所が見えてきた。

 手前で車を停車させて、恵はファンガイアバスターを、大地はライドブッカーを手に研究所の周囲を探る。

 先日訪れた時からわかるようにこの研究所のセキュリティはかなり厳重に管理されており、正面突破などダークディケイドに変身しない限りは不可能だ。

 どこかに抜け道はないものかと探っている途中で、2人は妙な光景を目にした。

 

 鋼鉄で出来た研究所の外壁がある一箇所だけ滅茶苦茶に切り裂かれて、人1人が通れそうな穴になっているのだ。所々が尖っていて危険ではあるが、注意して潜れば問題はなさそうだ。

 

「なんか……食い破られた後みたいですね」

 

「でも何でこんなものがあるっていうのよ。まさかファンガイア?」

 

 この穴を開けた犯人がサガの鎧を取り返しに来たファンガイアという可能性は確かにあり得る。鬼塚に会う前に襲われる危険性もあるので、慎重に行動する必要がありそうだ。

 

 

 

 

 

 

 研究所内のセキュリティを管理するとある一室で鬼塚は監視カメラを通して侵入者達の様子を観察していた。

 現在モニターに映っているのは大地、恵。それに加え、謎の異形までもが研究所に侵入した様子が記録されている。

 

「ほう、あれで生きているとは思わなかった。彼も中々タフだな。それにアレは一体何だ?」

 

 研究所内に侵入した者がいることを警報で知った鬼塚はその正体を確かめるために監視カメラの映像を確認できるこの部屋に移動していたのだ。その時に侵入者とは入れ違いになっていたようで、現在モニターには鬼塚の部屋を物色する異形の姿が捉えられている。

 

 今、鬼塚の興味はその獣の異形に向けられている。

 

 

 

 

 2人は穴を潜り抜けて研究所内に侵入する。

 この広い研究所の中でファンガイアと遭遇せずに鬼塚を見つけるのは骨折ものであることに違いないが、鬼塚がいそうな場所はある程度目星がつく。

 

「まずは鬼塚さんの部屋に行ってみましょう。もしかしたらそこに変身アイテムもあるかもしれません」

 

「賛成よ。私が先に進むから、大地君は背後を警戒して」

 

「はい!」

 

 背中合わせになって周囲を警戒しつつ進んで行く2人。

 どこにファンガイアが潜んでいてもおかしくはないため、大地の緊張は極限まで高まっていく。静か過ぎる研究所が余計にそれを駆り立てる。

 ゆっくりとではあるが、確実に鬼塚の部屋に近づいてはいる。

 

「っ! 大地君、あれ!」

 

 恵が指し示したのは鬼塚の部屋の入り口。何重ものセキュリティがかけられているはずだが、外壁と同じように強引に突破された跡がある。耳をすませば、部屋の中からは何かを探すような音も聞こえてくる。

 中にいるファンガイアに悟られぬよう、2人は声を潜めて話し合う。

 

「私が先に行くわ。大地君は援護して」

 

「僕は変身できませんよ? 止めた方が……」

 

「そんなの慣れっこよ。でも、こんなところで言うのも遅いけど、危なくなったらすぐ逃げて」

 

 何となく心を見透かされた気がして、ドキリとした。

 本音を言えば今すぐ悲鳴をあげて逃げ出したいのだが、ここで逃げるのはビーストの世界の時と何も変わらない。

 なけなしの勇気を振り絞って、何としてもベルトを取り返すしかないと自分に言い聞かせてようやく立っていられるのだ。

 だからこそここは無理矢理にでも笑顔を作る。

 

「大丈夫です。僕は麻生さんを置いて逃げません!」

 

「もう、仕方ないわね。行くわよ!」

 

 鬼塚の部屋に突入した2人はこちらに背を向けて部屋を物色する異形の怪物に射撃用の形態にしたそれぞれの武器を向ける。

 

 しかしその背中は確かにファンガイアらしいカラフルな模様なのだが、ステンドグラスとは程遠い……というよりも全く違う。質感だってファンガイアよりもかなり生物的で、どっちかというとファントムに近いような印象を受ける。

 

「あれ……ファンガイア?」

 

「違うわよね。どう見ても」

 

「イッ?」

 

 その異形がこちらに気づいて振り返った。

 巨大な複眼と触覚に鋭い大顎、どう見ても昆虫タイプのその怪人は一瞬こちらを観察した後、大袈裟な動作で威嚇らしき声をあげてくる。

 何となくではあるが、ハンミョウに似ている気がするこの怪人が語る言葉はその姿に負けず劣らずの奇妙な内容だった。

 

「ルルリリリリリリィ!! 何だ貴様らは!? まさか、アマゾンライダーの仲間か!」

 

「あ、アマゾンライダー? 仮面ライダーの事ですか?」

 

 珍妙な鳴き声と外国人のような妙なイントネーションで喋るこの怪人は仮面ライダーの事を知っているようである。

 そこまで考えて、大地は妙な引っ掛かりを覚えた。

 

「! やはりそうか! 死ねぇ!」

 

 しかし、残念ながらこの怪人は大地達の味方ではなかった。

 人間離れしたスピードで突進してきた怪人は大地と恵の弾幕を物ともしない様子で、彼等の武器を叩き落とした。

 一旦距離を取るために恵が放った蹴りも全く効果はなく、逆に怪人の振るった腕に吹き飛ばされてしまった。

 

「うああっ!?」

 

 恵の身体は山積みになった機材の中に衝突し、打ち所が悪かったのか、意識を失ってしまう。

 急いで助けに行こうとする大地の前に怪人が立ちはだかる。

 

「次は貴様だ!」

 

「ちょっと待ってください! どうして僕達を襲うんですか! 貴方、ファンガイアじゃありませんよね!?」

 

「俺はガランダー帝国のハンミョウ獣人! 貴様等が何者であろうと、ガランダーの姿を見た者は生かしておけん! イィーーッ!!」

 

 これ以上の話は無用と判断したハンミョウ獣人の鋭い顎が大地の身体に迫る。慌ててしゃがみこんで、ギリギリのところで回避に成功した大地は頭上から何かが引き裂かれる嫌な音を聞いた。

 なんとそれはハンミョウ獣人の顎が鉄で出来た壁を紙のように割いている音だったのだ。

 

「や、やっぱり壁を壊したのは貴方だったんですか!」

 

「この研究所ならば人工地震を起こす装置を作製できるはず!だが、今は貴様等の息の根を止めるのが先だ!」

 

「そ、そんな滅茶苦茶な!?」

 

「黙れ! すばしっこい奴、大人しくしろ!」

 

 逃げる大地、追いかけるハンミョウ獣人。

 なりふり構わず逃げ回りながら、なんとかライドブッカーを拾いに行こうとはするのだが、狭い部屋の中ではそれも難しいことだ。

 だが、飛び道具を持たない敵ならばこの狭い部屋で距離を一定に保つだけならばなんとかなるかもしれない。

 大地のそんな淡い期待も、業を煮やしたハンミョウ獣人が自身の顎を取り外して投げつけてきた事で掻き消されてしまう。

 

「イイーーッ!」

 

「うがぁあああ!?」

 

 この瞬間、大地にとって幸運、不幸の両方に当てはまる出来事が起こる。

 

 不幸なのは足元に散らばる書類に足を滑らせてバランスを崩してしまったことで、投合された牙を避けられず肩から胸部にかけて決して浅くはない傷が刻まれたこと。

 

 幸運なのはよろめいた大地がそのまま後方に倒れ込み、置いてあったガラスケースを割ってしまったことだ。

 

 しかし、流れ出る血液が大地の正常な思考能力を衰えさせてしまい、最初はただガラスケースを割ったことだけしか認識できなかった。

 大地の衣服と身体がゆっくりと鮮血に染まっていき、意識すらもぼんやりと薄くなっていく。ギチギチと顎を鳴らすハンミョウ獣人が迫ってくるのがわかるが、あの牙の前では再び逃げ回る気にもならない。

 

(ここが、僕の死に場所になるのか)

 

 諦めて目を閉じかけそうになるが、側で倒れている恵の存在を思い出して歯を食い縛る。細かいガラス片を掻き分けて立ち上がろうとしたその時、大地の頭を何か硬い物体が叩いた。

 

 それは決してハンミョウ獣人の鋭い牙でも、爪でもない。

 

 小さな白い蝙蝠だった。それが怒鳴りながら大地の頭を何度も小突いているのだ。

 

「おい起きろ! 何だお前らは! 何で俺を叩き起こした!」

 

「こ、蝙蝠が……喋ってる?」

 

「な、何だこの蝙蝠は!」

 

 驚くハンミョウ獣人。彼にとってもこの喋る蝙蝠は驚愕に値する存在らしい。

 

 確かこの白い蝙蝠はこの部屋で何度か見た覚えが大地にはあった。まさか喋るとは思いもしなかったが、現に目の前で喋っているのだから否定のしようがない。

 実は先ほど大地が割ったガラスケースの中で眠っていたのがこの白い蝙蝠なのだが、血を流して倒れる大地にはそこまで考える余地はない。

 

「チッ! 寝ぼけやがって! おい!そこの化け物! これはどういう状況だ!」

 

「貴様ァ! さてはゲドンの獣人か! ちょうどいい、そこの小僧共々血祭りあげてくれる!」

 

「……なるほどな。なんとなく状況はわかった」

 

 勝手に納得し始める蝙蝠。

 以前何かのライダーの記憶の中で似たような蝙蝠を見た覚えがなくもないのだが、それにしたって随分と乱暴な口調の蝙蝠だとは思う。しかしこのまま大人しくしていてもハンミョウ獣人に殺されるのは目に見えてるので、せめてこの蝙蝠に協力を仰げないだろうか。

 そう考えた大地が口を開く直前に、大地に向き直った蝙蝠が目線を合わせて語りかけてきた。

 

「おい、お前はこのままだと殺されるらしいがどうする?」

 

「ど、どうするって」

 

「何をごちゃごちゃ抜かしている!」

 

「てめえこそ黙ってろ!」

 

「イイーッ!?」

 

 互いに怒号をぶつけ合い、蝙蝠の体当たりがハンミョウ獣人の複眼を叩く。

 その小さな体格に見合わぬ威力があったようで、ハンミョウ獣人は攻撃された眼を抑えて唸っている。

 蹲ったハンミョウ獣人をフン、と鼻で笑い飛ばした蝙蝠は再び大地に問いかけた。

 

「おいお前! お前には華麗さの欠片もねえが、あのバカ虫に生身で抗おうとする激しさは気に入った! そこで特別に力を貸してやってもいい!」

 

「本当ですか!?」

 

「だがな! 高確率でお前は死ぬ! それでも構わないな!?」

 

 それでは結局同じじゃないかと内心憤慨しかける大地だったが、今は他に選択肢があるわけがない。

 絶対に死ぬ、と言われていたら拒否しただろうが、確率の問題ならば今までの戦いも、さらに言うならダークディケイドだってそんなようなものだったのだ。今更何を躊躇する必要があるのか。

 

 何よりも、ここで彼(?)の提案を拒否するのは逃げるのと何も変わらない。そんな思いが大地の覚悟を固めた。

 

「……はい!」

 

「良い返事だ! 俺の名はレイキバット! お前は?」

 

「大地です! 苗字は知りません!」

 

「じゃあ大地! 行こうか! 華麗に!激しく!」

 

 白い蝙蝠、レイキバットを掴み取ると、大地の腰に黒いベルトが出現する。ベルトの中央部にはちょうどレイキバットが収まるくらいの窪みがあり、ここまでくれば、この後の動作は言われなくても理解できた。

 

「「変身!」」

 

 大地とレイキバット、両者の声が重なり、レイキバットがベルトの窪みに収まった。瞬間、大地の周囲に広がるのは血を凍てつかせる冷気。しかし、不思議と恐れはなく、それが自身とレイキバットに力を与えるエネルギーになるのだと理解した。

 冷気はやがて超局地的な吹雪へと移り変わり、大地の肉体は吹雪の中にホワイトアウトする。吹雪の流れはダイヤモンドミストの紋章を形作れば、それを通過した大地の肉体は白い暴風の中で強調される黒のスーツを身に纏う。その上に純白の装甲、黄金とノーブルに彩られた仮面を重ねることで完全なる変身は完了された。

 

 これこそが青空の会がキバの鎧を模して作り上げたライダーシステム。

 

 その名は仮面ライダーレイ。

 

「貴様、仮面ライダー! ガランダーの敵!」

 

「ふう……よし」

 

 変身した途端に激痛でも感じるのかと身構えていたのだが、意外にも身体に変調の兆しはない。これなら十分戦えるはずだ。

 

「戦う前に……聞いておきたいことがある。貴方が花崎さんをこの世界に攫ったんですか?」

 

 ファンガイアでない上、人工地震を起こすなどという危険極まりないこの怪人を倒すことには躊躇はない。

 それとは別にこの怪人の独特な喋り方はもしかすると瑠美を攫った犯人ではないかという疑念が大地の頭にはあった。もし瑠美をビーストの世界に戻す手掛かりを知っているのならば、まずはそれを聞き出しておきたかった。

 

 だが、ハンミョウ獣人が出したのは大地の予測していた答えとは異なる奇妙な返答だった。

 

「花崎瑠美は我らガランダーのために運んだ………いや、俺はそんな命レいは受けてイない」

 

「……え?」

 

 ハンミョウ獣人の唐突な戸惑いにレイの仮面の奥で大地も困惑する。

 惚けているというよりも、本当にわからないといった様子なのが尚更不思議だ。

 

「何故俺ハあんな女ヲ?そもソモ何故俺はコこにイる?グゥ……グアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

「ッ!」

 

 突如として発狂したハンミョウ獣人の突撃が始まった。

 もはや知性も感じられない完全な獣と言っていいその叫びに一瞬だけレイは圧倒されるも、すぐに持ち直して迎え撃つ。

 ダークディケイドやメイジよりも若干身体が重たいが、それでも敵の突進は回避できた。すぐさま背後に回り込んで鋭い蹴りを後頭部に叩き込む。

 

「イイッ! イイーーッ!」

 

 しかし、先の一斉掃射を耐え抜いた身体にはその程度の攻撃では効き目は薄い。すぐに向き直ったハンミョウ獣人の鋭い爪がレイの装甲を抉った。

 それはレイの防御を貫くほどの威力ではないが、中の大地の傷口にはしっかりと衝撃が伝播されている。故にレイの仮面からは呻き声が漏れ出てしまい、なんとか踏み止まって追撃される前に顔面を殴り飛ばしても、これすらも大した効果はなく、逆に殴り返される始末だ。

 

 当たり前だが、変身できたからといっても勝てる保証は元々ない。しかもこのハンミョウ獣人は大地の体感で言えばそれなりの難敵に分類される能力を持っている。ビショップとの戦闘から殆ど身体を休めていない大地には些かキツい相手である。

 

 変身者の体調が芳しくないと理解したレイキバットはレイが暴力の雨霰に晒される前に戦法を授けてくる。

 

「このままじゃ俺達が不利だ。まずは俺があの野郎の動きを止める! その間に決めちまえ!」

 

「わかりました!」

 

 敵の下半身に倒れ込むようにタックルを当ててハンミョウ獣人を転ばせたレイはガラス片に混じって落ちているフエッスルを拾う。

 そして敵が起き上がると同時にバックル部のレイキバットは口から氷の弾幕を発射した。マイナス200度もの極低温の冷凍弾幕が命中したハンミョウ獣人の身体の大部分を立ち所に凍結させ、完全に動きを封じることに成功する。

 

「イイーーッ!? なんだこれは!」

 

 動きを止められたハンミョウ獣人は狼狽するあまり、自分の飛び道具を放つことすら忘れている。

 その隙にレイはフエッスルをレイキバットに噛ませ、秘めたるパワーを解き放つ。

 

「ウェイクアップ!!!」

 

 レイの両腕のカテナが解放され、巨大な鉤爪 ギガンティッククローが装備される。

 その両腕にエネルギーが充填されていく感覚の中、レイはまるで両腕に引っ張られていくような全力疾走でハンミョウ獣人に接近する。新たに出現した武器の危険性を本能で感じ取ったか、ハンミョウ獣人は2本の顎を同時に放つも、どちらもギガンティッククローの一振りの前にあっさりと弾かれる。

 

 抵抗の術を失ったハンミョウ獣人の頭部に凄まじい冷気を纏った鉤爪の一撃、ブリザードクロー・エクスキュージョンが振り下ろされた。

 

「ッッアアアアアア!!」

 

「イイーーッ!?」

 

 切り裂かれた頭部から橙色の体液が吹き出されるが、それすらも超低温の冷気によって凍りついていく。切り裂かれた箇所から始まった凍結は全身に広がる過程で声帯すら凍てついたハンミョウ獣人の悲鳴は床を濡らす体液の噴出と共に停止した。さらに腹部にクローを振り抜かれ、凍てついた身体を粉々に砕かれる。

 舞い散った身体の破片が花火の如く閃光を放ち、ハンミョウ獣人は爆発四散した。

 

 倒れていた恵はレイが咄嗟に庇うことで爆発の被害をほぼ受けることなく済んだ。

 

 爆発の煙が晴れる頃には、レイの変身を解いた大地が肩で息をしながら、レイの戦闘の余波で生まれた雪の中に埋もれるように倒れ込んでいた。

 

 ひんやりとした雪の感触が火照った身体には程よい心地良さを与えてくれた。

 

 

 

 

 

 レイとハンミョウ獣人が戦闘を開始した頃、研究所の付近に他にも訪れている人物がいた。その人数は2人で、片方は大地を救ったあの紅渡である。

 

 その傍にいるのはスーツ姿で掘りの深い顔立ちの男性。

 

 渡の手に握られているバイオリンといい、2人とも山登りにやってきた者達でないことは明らかである。

 

「心配するな。お前はここでやりたいことをやればいい」

 

 不安げに研究所を見つめる渡をその場に残して、男は単身研究所に足を進めて行った。

 

 

 

 

 





仮面ライダーレイ

青空の会がイクサに続いて開発したライダーシステム。キバの鎧を部分的に模しているが、イクサのやや上程度の出力が限界であり、使い手も限られているため、実戦に投入されることもなく研究所で保管されていた。


レイキバット

レイのシステムを司る自立型端末。ファンガイアに奪われた際の対策としてAIも搭載されているが、やや気難しい性格をしている。

これらは本来ならば異なる世界の3WAという組織が開発するライダーシステムであるが、この世界ではイクサの後継機として青空の会によって開発された。開発の違いによる差異は殆どない。



ハンミョウ獣人

仮面ライダーアマゾン 18話に登場したガランダー帝国の獣人。
何故かエセ外国人風の喋り方なのが特徴で、作中では人工地震でパニックを起こそうとした不謹慎極まりない怪人。
花崎瑠美をビーストの世界から拉致した上、イクサの世界でも何かをしようとしていたようだが、何故ガランダー帝国の怪人が世界を移動できるのかは謎である


はい、仮面ライダーレイ登場です。今後の活躍に期待ですね。

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