サイクロン! ジョーカー!(人違い)
崩れ落ちていく身体を保てない。
視界は霞み、感覚も消えていく。
「まだ、だ……!」
自身の命が風前の灯であると本能で理解している。
しかし、彼は生き延びることを諦めていない。プライドを捨てて地を這ってでも進む覚悟でいる。
「俺様はまだ、あいつらに勝ってねぇ……!」
『ウェイクアップ!』
『CHARGE AND UP』
かつて自身を葬りかけた戦士の姿を、敗北して全てを失った自身の姿を燃料にして彼は時の砂漠を進み続ける。
絶対に勝利する悪の組織を創り上げる。全てはその野望のために。
まずは、身体が必要だ。
「あぁ……感じるぜぇ、ワルのオーラってやつを……!」
そして彼が運転する時の列車────ネガデンライナーは時の砂漠の果てに向かって行った。
*
翌日、大地とレイキバットは再びミルクディッパーへと向かう道中にいた。
「記憶を消すライダーか……これまた変わったライダーの世界に来ちまったらしいな」
「変わってないライダーの世界が無かったような……逆にレイキバットさんはどういう世界が普通だと思うんです?」
「そうだな……世界征服を企むコッテコテの悪役に立ち向かう仮面ライダーなんてどうだ?」
「世界征服かあ……ロイミュードが近いっちゃ近いのかな」
そんな他愛もない会話をしながら、一人と一羽はミルクディッパーへ向かう。
侑斗と会い、話を聞いた現状ではミルクディッパーの来訪は大地の余暇活動以上の意味は持たないはずだった。
だが、昨夜別れる間際に侑斗にこんなことを言われたのだ。
『明日、ミルクディッパーに来てくれ。野上にはゼロノスやイマジンのことは知られたくない。あいつ、頑固でお人好しだから絶対首を突っ込もうとしてくるはずだ』
野上とは弟の方、つまり良太郎のことを指しているのだろう。
そういえば彼だけは侑斗に関する記憶が消えていないことを思い出して尋ねてみると、侑斗曰く彼は「特異点」なる存在らしい。
大地も詳しく説明された訳ではないが、特異点とは時間の改変による影響を受けない特殊な人物の呼称のことらしい。故にゼロノスのカードを使っても良太郎の記憶から侑斗は消えないし、イマジンが時間を改変しても良太郎には何も起こらない。
特異点には他にも重要な役割があるそうなのだが、その詳細までは侑斗は語らなかった。
『あの姉弟は戦いに巻き込みたくない。もしお前がミルクディッパーに入り浸ってなければ、俺もあそこには行かなかった。変に勘繰られる前に、俺とお前で誤解だったってことにするぞ』
野上姉弟を戦いに巻き込みたくない、という点には大地も同意しているので侑斗の申し出には二つ返事で了承した。
良太郎には悪いと思うが、彼には勘違いだったで押し通すことになるだろう。
しかし、まさか行きつけの喫茶店にライダー関連の目的で行く羽目になるとは思いもよらなかった。
辿り着いたミルクディッパーの看板を、大地は複雑な心境で見つめる。
「……じゃ、レイキバットさん、入りますよ」
いつも通り、なるべく笑顔を心掛けて、大地は入店する。
ドアを潜れば、そこにはコーヒーと星が織りなす心落ち着く空間が────
「……大地、ここは本当に喫茶店なのか」
「これは……!?」
一瞬、店を間違えたのかと大地は思ってしまった。
大地震が起こったのだと言われれば信じてしまいそうなほどに荒れ果てた店内がミルクディッパーの変わり果てた姿だと思えなかった。
「酷い……」
床には割れたコーヒーカップや皿の破片に、大地が読み耽った星の書籍が散乱しており、椅子やテーブルまでもが倒されていた。
しかも異変はそれだけに留まらず、常連客達や良太郎までもが床に倒れていた。中には流血するほどの酷い傷を負っている者までいる。
「うぅ……だ、大地くん……?」
「良太郎さん!」
比較的傷の浅い良太郎が辛そうに身体を起こそうとしている。
大地は急いで駆け寄って、その身体を支えた。
「何があったんですか!?」
「前にうちに来ていたらしい、藤代さんっていう人が突然やって来たと思ったら暴れ出して……姉さんを攫っていこうとして。僕達は止めようとしたんだけど……ぐぅっ!」
「無理をしないで!」
(こんな白昼堂々と誘拐!? ……まさかイマジンの仕業!?)
それは短絡的な思考のようで、だが真実を得ていた。
良太郎が震える手で指差したカウンターの一画には一枚の紙切れが置かれていた。
そこには殴り書きされた地図が描かれており、その中のとある場所を強調している。
「姉さんを返してほしければそこに来いって言って、さっき来た侑斗がもう……後、もう一人うちの常連さんが……う、うぅん────」
「りょ、良太郎さん!? レイキバットさん、救急車を! 早く!」
気絶してしまった良太郎の息があることを確認してから、大地は地図を瞬時に脳内へ叩き込む。
そしてポーチから放り出される形となったレイキバットの返答も聞かずに店を飛び出して、ダークディケイドライバーを腰に巻き付けた。
──許さない。
ドライバーを付けた瞬間に何かが心の奥底で首をもたげた。
それは、心優しい青年である良太郎が傷付けられた悲しみ。
それは、お気に入りの空間を血で汚された怒り。
それは、顔も知らぬ犯人への衝動的な殺意。
大地は己の中で目覚め始めた暗い衝動を自覚して、クリアな思考を保つために意識して呼吸を深くする。
事態の全貌はまだ見えないが、もし本当にイマジンの仕業であれば愛理や侑斗が危険だ。彼を変身させず、かつ二人の安全を確保するためならダークディケイドへの変身は躊躇わない。
「変身!」
KAMEN RIDE DECADE
ATTACK RIDE MACHINE DECADER
変身と召喚はほぼ同時に行われていた。
飛び乗ったバイクをフルスロットルで吹かして、全速力で指定された場所に走らせる大地に黒い装甲が重なる。
ダークディケイドの頑強な肉体を活かして、マシンディケイダーは生身では到底耐えられないスピードにまで到達する。
日常では決して得られることのない風景と爽快感に躍りかけた心を「不謹慎だ」と抑えつける。バイクに乗るのは嫌いでは無いし、むしろ好きな部類に入るが、今そんな気分になるのは流石におかしい。
速く、もっと速く──。
最高時速で駆け付けた先は、町外れにある廃工場。
「うああッ!」
侑斗の悲鳴を耳にして、ハンドルを握る力がさらに強くなる。
スピードを緩めることもせず、置かれていた資材へバイクで突っ込む。強引に吹っ飛ばされたドラム缶や木材から巻き起こった粉塵すらも突っ切って、マシンディケイダーは廃工場へ突入した。
そして埃に汚れた視界を払って、グレースーツの男に踏みつけられている侑斗を見て、ダークディケイドは喉が裂けんばかりの、声にもならない叫びを上げた。
侑斗の口元から流れる一筋の紅色に頭の中が真っ赤に染まって、口角を吊り上げている男にドス黒い感情が噴き出した。
大地が友達だと思っている相手が傷付けられていた。
「──────ッ!!」
男の足元に侑斗がいなければ、轢き殺していたのかもしれない。いや、きっとやっていた。ダークディケイドライバーから流れる激情に記憶に身を任せそうになりかけていた。
放り投げるようにして乗り捨てたバイクから、ダークディケイドは男に飛びかかった。
しかし、人間離れした怪力を発揮した男は掴みかかるダークディケイドの腕を難なく振り払った。
息を荒げながら、倒れている侑斗を庇うように構えるダークディケイド。
その構えは見た者に獣を連想させ、思考すらも暴れていた。
(侑斗さんを助けよう)
『この男を殺そう』
(愛理さんも探さないと)
『より強い苦しみを与えよう』
「だ、大地くん……」
「──侑斗さん、デネブさん。もう大丈夫です」
苦しげに開かれた侑斗の言葉でダークディケイドの思考は急速に冷えていく。殺意に塗り固められかけた心も、感情も白と黒が混じるグレーの色になる。
結果的に平常心は保てていないが、衝動に支配されてもいない中途半端な状態に落ち着いた。
グレースーツの男はダークディケイドを見てニヤリと笑い、その身体から夥しい量の砂を溢れさせた。
砂溜まりから徐々に人型の存在が形作られ、男の横で実体化する。
黒いアリと緑のキリギリスを半々ずつ繋ぎ合わせた外見の怪人──アントホッパーイマジンとして。
イマジンが人間の身体に憑依すること、実体化の瞬間などは前もって知っていたダークディケイドは別段驚く必要もない。
「ふぅむ、予想より早かったな。ダークディケイドより先にゼロノスを潰すつもりだったが……まあいい」
「やっぱり僕らを誘き寄せるために愛理さんを攫ったのか……!」
「こいつの望みが御誂え向きだったのでな。いい加減、お前らのような邪魔者は排除させてもらおう」
アントホッパーイマジンに「こいつ」と指されたグレースーツの男は既に悲鳴を上げて逃げ出していた。何か禄でもない願いをしたのか、それともイマジンに曲解されたのか、いずれにせよ憑依されて利用された哀れな男なのだろう。
──その事情がわかっていても尚殺意を抱いた自分は一旦無視する。
「で? どっちから先にやられたい」
「気をつけろ大地くん、そいつかなり強い」
「心配ありません。二人は愛理さんを」
「かたじけない!」
ダークディケイドはD侑斗──口ぶりから察するにデネブが憑依している──の警告に小さく頷き返し、アントホッパーイマジンと対峙する。廃工場の奥へ向かったD侑斗を見送ってから、ライドブッカーを構えた。
「ダークディケイドか……確か姿がコロコロ変わるんだったな。退屈はしなさそうだ」
「ご期待に添えるかどうか……わかりませんがッ!」
ダークディケイドはわざと軽口を叩くことで心に余裕を持たせてから、剣を振り下ろす。
アントホッパーイマジンは機械的な動作でスコップに似た剣を振りかざす。
剣と剣がぶつかって、飛び散った火花が世界を照らした。
*
廃工場の奥を目指して駆ける侑斗は口元に流れる血を拭った。
憑依させていたデネブも侑斗の中に引っ込んでおり、今の人格は正真正銘侑斗本人のものだ。
(ごめん侑斗、あいつかなり強くて……)
デネブの謝罪は侑斗に怪我をさせてしまったことに対するもの。
最後まで言わずとも、長い付き合いになる侑斗には些細なことでも気に病んでしまう自身の相棒の性格は嫌というほど理解していた。自身の代わりに戦ってくれた彼を責めるつもりも毛頭なかった。
「馬鹿! お前が謝ることはねえよ」
(いいや! 大地くんが来てくれなかったら今頃どうなっていたことか……)
「……まあ、カード使わずに済んだのはあいつに感謝してる」
これが無事に終わったら、真面目に感謝してやってもいいか。
普段から素直でない侑斗だが、大地の気遣いにはそう言ってやってもいいとは考えていた。
イマジンの総数は不明。しかし、残る変身回数は3回。節約できるならそれに越したことはない。この2ヶ月でカードを使ってしまったのも止むに止まれぬ状況だったからだ。
一緒に戦ってきて、大地が今時珍しい御人好しなのも侑斗はわかっている。時の運行を人助けと同じ感覚で守るのは気に食わないが、イマジンを倒してくれているのでそこは我慢だ。
それに……これは絶対に口に出すつもりはないが、記憶喪失という大地の境遇を初めて聞いた時、侑斗は彼に協力したいとも思った。
忘れられる痛みは十分に知っていても、忘れる辛さを侑斗は知らない。
二度目の忘却をされた時はらしくなく憤慨して、大地には少し冷たく当たってしまったが、冷静になればそれは酷というもの。それに昨日の、侑斗から数えれば三度目の遭遇であったが、大地はいつも同じように好意的だった。そんな彼が記憶を取り戻しせるのなら、できればそうしてやりたい。
こんな風に考えてしまう原因はきっと────
「大丈夫!? 怪我はない?」
「あら、桜井くん」
埃っぽい物置きの奥で、侑斗はついに愛理を発見した。
こんな場所にいたせいか、服や肌の所々に汚れが付着してしまっているが、幸い手荒な扱いは受けていないらしい。それどころか、いつもみたく笑いかけてくれる彼女を見て、ほっと胸を撫で下ろした。
さて、もうこんな場所に長居は無用として愛理を連れ出そうとした侑斗であったが、彼女はその手を取らない。
「待って、あそこにもう一人いるの」
愛理が見つめる先には、確かに一人の男が横たわっている。
見るからに冴えない感じのする男で、あのイマジンが憑いていた藤代という男の望みとも関係はなさそうであるが、何故あんな場所で倒れているのだろうか。
「うちのお店の前によくいる菊池さん。さっき私を助けに来てくれたんだけど、すぐに倒れちゃって……」
「はぁ? 一体何しに来たんだよ」
ここまで来た菊池という男の勇気だけには感心してもいいが、ここで倒れては何の意味も無い。
だがここで放置しておくわけにもいかず、菊池を背負っていってやろうとした侑斗はそこである事に気付いた。
(こいつ……どうやってあのイマジンの目を掻い潜って来たんだ)
デネブのように抜けているイマジンならともかく、あの仕事人気質のアントホッパーイマジンがこの冴えない男を見逃すとはどうにも考え難い。
侑斗は警戒しながら近付くと、男の周囲にある奇妙な物を発見する。
廃工場にあってもさほど不自然ではない物が男を囲むように散らばっている。
そう、大量の砂が。
*
ダークディケイドとアントホッパーイマジンの戦いは、互いに一歩も譲らない接戦となっていた。
どちらかと言えば、敵の荒々しい太刀筋が放つ迫力に圧倒されがちなダークディケイドの方がやや不利となるだろう。
ATTACK RIDE BLAST
「甘いッ!」
剣で駄目なら銃ではどうか。
そんな浅はかな考えを基にしたディケイドブラストも、アントホッパーイマジンには剣を回転させて弾かれる。
カードを使った技が牽制にすらならない事実に歯噛みしたダークディケイドは次なる手を考える。
自身から誘き寄せてきただけあって、アントホッパーイマジンは中々手強い相手と認めざるを得ない。悔しいが、ダークディケイドのままでは勝ち目は薄い。
侑斗と愛理の安否も懸念していたダークディケイドは、速攻で勝負を決めるべくサソードのカメンライドカードを取り出した。
こちらの出方を伺っているせいか、敵との距離も十分。
KAMEN RIDE
バックルに装填し、そのまま発動しようとしたが────
「「隙ありぃ!」」
「があッ!?」
それらは同時に起こった。
左脇にあった資材の影から飛び出した者の剣にダークディケイドが斬られた。
右上にあった足場を蹴って、飛びかかってきた者の爪にダークディケイドが斬られた。
ダークディケイドはその衝撃と激痛に、バックルを操作できぬまま床に倒れ伏せる。
なんとか顔だけでも上げると、そこには先のアントホッパーイマジンも合わせた三人のイマジンがダークディケイドを見下ろしていた。
「ヒャハハハ! 引っかかった! 引っかかった!」
耳障りな哄笑をあげて、煽るように跳びはねているのはアントホッパーイマジンと瓜二つのイマジン。
このお調子者に見える方が『自由気ままなキリギリス』の人格を、冷静な方が『勤勉なアリ』の人格を持っており、彼らは二人で一人のイマジンであったのだ。
「こんなに上手くいくとはな! 腕っぷしと違って、頭の方は弱いのか?」
『違うよ馬鹿なんだよ』
『ばーか! 馬鹿馬鹿!』
「違わねえだろ!」
もう一人のイマジンは金色のブタを模した、ピギーズイマジン。
彼は左肩と右肩に付いている顔にもそれぞれ人格があり、その姿はすなわち「三匹の子豚」を一人で再現したイマジンなのである。
側から眺める分には愉快なイマジンに見えるが、両手の鋭い爪はダークディケイドの装甲に深い裂傷を刻む威力を発揮する。
「フン、見た目通りのガキだったということだろう。少しは期待していたんだが……まあいい、さっさと仕留めるぞ」
若干残念そうにしているアントホッパーイマジン、『勤勉なアリ』と『自由気ままなキリギリス』の二体は藤代という男と契約していた。
そしてそれと同時に、愛理に惚れていた男──菊池と契約したピギーズイマジンは「愛理を救う」という契約でこの場に来て、アントホッパーイマジンと結託して待ち伏せしていたのだ。
その辺りの裏事情を知らないダークディケイドにも、これだけはわかる。
今の自分は罠に嵌り、3対1の危機に陥っているだと。
「じゃあやっちゃうよ? やっちゃうってばよ!」
「こんなところで……やられてたまるかぁぁ!!」
コンクリートを叩き、ダークディケイドは叫んで立ち上がる。
中断されたせいでサソードのカード排出されてしまったが、カードは他にもある。危機的状況なのは確かでも、クロックアップが使えれば打開は容易のはずなのだ。
そう考えたダークディケイドは剣をめちゃくちゃに振り回して、ザビーのカードを取り出した。
「カードを使わせるな!」
しかし、それを目敏く観察していたアリの声に従ったピギーズイマジンが強烈なタックルを仕掛けてくる。
横に転がって躱してから、カードを装填しようとしたダークディケイドの腕を、今度は剣が狙う。キリギリスの斬撃が直撃した手からザビーのカードが離れていった。
「囲め!」
「袋叩きだ!」
『違うよリンチだよ』
『わーい! リンチ! リンチ!』
「うるせー!」
それはもはや戦いと呼べるような領域では無かった。
ダークディケイドが何かしようとすれば、必ず押し寄せる攻撃の波によって阻止される。反対にダークディケイドには一人の攻撃を防げても、残る二人の攻撃までには上手く対応できない。
(どうにかしてカードを使わないと……!)
ダークディケイドが強力であるのは、あくまでその能力を発揮できた時。
並のライダー程度のスペックしかない通常形態時のダークディケイドに逆転の目があるとすれば、ディケイドイリュージョンを発動するしかないのだが、それすらカードを介した能力だ。行動を潰されてしまう状況下では発動する術が無い。
もしも相手が単体であったならば、カードに頼らず己の技量のみでも経験を積んだ今のダークディケイドなら勝ち目は十分にあっただろう。
しかし、当然ながら仮定の話をどんなにしても勝敗に影響は出ない。
「ごふっ! ぐぅ……がぁぁ……!」
結果としてあるのは地に伏したダークディケイドと、それを踏みつけるイマジン達、ただそれだけ。
そしてそのすぐ先にあるのは冷たい敗北という名の────死。
「歯応えなさ過ぎじゃねえか、おい?」
「この状況じゃ流石にな……よし、トドメを刺せ」
「やっちゃえよ! ほらほら!」
「えぇ!? 俺がやるのかよ……まあいいけどもさ」
顎で使われた形となったピギーズイマジンは小声で愚痴を漏らしつつ、爪先をダークディケイドの背中に振り下ろそうとする。これで心臓を串刺しにされれば、ダークディケイドも一巻の終わりで間違いない。
だが、この絶好のタイミングで救援はやってきた。
ダークディケイドの頭上を通過していく無数の弾丸。
それが着弾したピギーズイマジン、アントホッパーイマジン達の身体から火花が噴き上がった。
特により多くの弾丸を食らったピギーズイマジンからは工場全体に響き渡る、耳を押さえたくなるほどの甲高い奇声を上がっていた。倒れた彼の股間から煙が上がっていることと、きっと無関係ではないだろう。
「大地くーん!!」
「デ、デネブさん……!」
その弾丸、フィンガーミサイルを放った主であるデネブがドタドタと走ってくる。
そして、その後ろに続く侑斗の手には黒と緑で彩られた、見慣れないベルト。
「大地、まだやれるか。……ま、寝ててもいいけどな!」
「侑斗! ここは俺が!」
「お前だけでも2対3だろ。俺がやる」
ダークディケイドが見上げる侑斗の腰にゼロノスベルトが巻かれ、彼はホルダーから緑のカードを一枚取り出した。
その小さな一枚のカードにどれほどの重みがあるのか、その一端だけでも知るダークディケイドは叫ぶ。
「待ってください! 僕はまだやれます!」
「強がってんのバレバレ。俺が本当の強さってやつを見せてやる。……もう三度目だけどな」
「でも!」
「うるせえ! カードは使うべき場面で使うって言ったよな? 今がその時なんだよ!」
ゼロノスベルトから和風の待機音が響き渡る。
今の不甲斐ない自分では侑斗を制止できないのだと、ダークディケイドは直感で理解してしまった。
それ故に侑斗の右手にあるカードがゼロノスベルトに流れていくのを、ただ見守ることしかできなかった。
「変身」
ALTAIR FORM
一切の躊躇なく装填されたカードにより、ゼロノスベルトは起動した。
溢れ出したオーラが侑斗の全身を黒いスーツ、緑のアーマー、金色のレールの順に包み、最後に牛型の電仮面が顔面を走って、変身を完了させた。
侑斗が変身したそのライダーこそ、仮面ライダーゼロノス アルタイルフォーム。
ゼロノスは人差し指を立てて、イマジン達を一人ずつ指していく。まるで全員が俺の獲物だと言わんばかりに。
「最初に言っておく。俺はかーなーり強い!」
変身の代償という悲劇をものともしない、その勇ましい立ち姿にダークディケイドは己の魂が震える鼓動を確かに感じ取った。
微かに項垂れて、すぐに目元をゴシゴシと拭ったデネブもゼロノスの横に並び立った。
「ゼロノスか。ちょうどいい、ここで纏めて始末する」
「ウヒヒヒ! お前より俺らの方が強いよ? ちょー強いってばよ!」
「自分で言うからには強いんだよなぁ、ゼロノス?」
『違うよ弱いんだよ』
『雑魚! 雑魚!』
ゼロノスの登場に対し、イマジン達が示した反応は三者三様。共通しているのは、全員が現れた獲物に舌舐めずりをしていること。
だが、ゼロノスは自身に集中している殺意の視線に臆さない。腰に装備されたパーツを外し、連結させた武器────ゼロガッシャーをボウガンモードにする。
「俺が雑魚かどうか……試してみろよ!」
そう言うやいなや、ゼロノスはゼロガッシャーを連射しながら駆け出した。
輝く矢の乱れ撃ちがピギーズイマジンの顔面を焼き、キリギリスとアリを怯ませる。しかし、アントホッパーイマジンが怯んだのは本当に一瞬でしかなく、彼らはすぐさま剣を振りかぶって、接近しながら撃ち続けるゼロノスを待ち構えた。
「甘いんだよ!」
近接戦において、ボウガンが剣を相手に勝ることはほとんどないと言っていい。少なくとも、ゼロノスとアントホッパーイマジンの間にはその事実を覆せるだけの実力差は無い。
彼ら全員がそれを理解しており、だからこそゼロノスはアントホッパーイマジン達を目前にして────跳んだ。
「オラァ!」
宙で回転したゼロノスはアントホッパーイマジン達の頭上を通り越して、その背後に落下する。その際にガラ空きになっていた彼らの背中にボウガンを撃ち込むことも忘れない。
「ギャインッ!?」
「ヌゥ……! 口だけではないようだな」
「はっ! 今更気付くとか、遅過ぎるだよ」
ゼロノスの猛攻は止まるところを知らず、イマジン達は皆ゼロノスとデネブに注意を集中させている。
つまり、ダークディケイドは今の一種で完全なフリーになったわけだ。
「うぁぁあああーッ!!」
KAMEN RIDE DRAKE
ATTACK RIDE CLOCK UP
「ッ! しまっ──」
雄叫び上げて立ち上がったダークディケイドはドレイクへとカメンライドした。
さらに続けてクロックアップを敢行し、全てを置き去りにする時間の流れに突入。アントホッパーイマジンの声すら、もう聞こえない。
「ぐ……ぅううう……!」
クロックアップがDDドレイクに与える負担は大きく、身体中の傷が疼くようだった。
一旦膝を着いて、少しずつ、本当に気が遠くなるくらい少しずつ、振り返ろうとしているアントホッパーイマジン達を見据え、DDドレイクはどこからともなく取り出したドレイクゼクターの照準を合わせる。
FINAL ATTACK RIDE D D D DRAKE
「ッツアァ!」
銃口に集まった青いエネルギー弾が、止まっているに等しい時の中を直進していく。
そして、DDドレイクが発射したライダーシューティングはアントホッパーイマジンの片割れ、キリギリスの胴体に直撃した。
青い爆風にアントホッパーイマジンの上半身がゆっくりと消しとばされていく、なんてグロテスクな光景をスローモーションで見せつけられる前に、DDドレイクはクロックアップを解除する。
「た!? ……なっ!?」
「────アアアアアアアァァーッ!?」
その次の瞬間にはキリギリスが一瞬で爆発四散していた。
あっという間に倒された相棒に狼狽するアリ。だが、すぐに苛立ちと憎悪を込めた剣先をDDドレイクに向けた。
気付けば仲間が一人減っていた事に驚くピギーズイマジン。だが、自身の顔を撃ったゼロノスへ借りを返すべく、歩を進める。
「貴様! ただでは済まさんぞ……!」
「こっちこそ……!」
「てめえ、よくも俺の顔を!」
「肩の顔も全部ぶっ潰してやるよ!」
こうしてライダーとイマジン達はそれぞれの敵と対峙した。
DDドレイクは近接戦に備えて通常のダークディケイドに戻り、再びライドブッカーの刃を伸ばす。
躍り掛かってきたアントホッパーイマジンの上段からの振り下ろしに対し、剣を横に構えて受け止めた。
相棒を喪ったにも関わらず、敵はさっきまでと変わらず冷静沈着であり、ダークディケイドの守りを崩そうとあらゆる角度から剣を振ってくる。
ダークディケイドもそれを防ぐのに精一杯で、中々反撃に転じることができない。
だが、敵の猛攻に押し切られる前に、アントホッパーイマジンの背中から火花が上がる。
その苦痛から剣を止めてしまったところへ、ダークディケイドがすかさず前蹴りを繰り出して吹っ飛ばした。
「ありがとうございます、デネブさん!」
「なんのなんの!」
デネブは煙が残る手でサムズアップだけすると、ゼロノスの援護に向かって行った。
援護射撃の主にお礼を述べたダークディケイドは再びアントホッパーイマジンに攻め立てられぬ内に、カードを取り出した。
敵が走り出すのと、ダークディケイドがバックルを回転させるのはほぼ同時。
KAMEN RIDE LEANGLE
「ぐああぁ!?」
ベルトから出現したのは蜘蛛が描かれた紫のゲート、オリハルコンエレメント。
アントホッパーイマジンの進路を阻んでぶっ飛ばしたそれは、ダークディケイドの方へ自動的に接近し、彼をすんなりと受け入れた。
ゲートを通過したダークディケイドは、クラブのカテゴリーエースの力を宿したライダー、DDレンゲルへと姿を変えていた。
フォームチェンジした敵を見て、警戒を強めるアントホッパーイマジン。またしてもカードを取り出したDDレンゲルの行動を阻止すべく駆け出したが、DDレンゲルを止めるには一人だけでは無理がある。
アントホッパーイマジンの妨害は間に合わず、結果としてDDレンゲルは無事にカードを装填完了していた。
ATTACK RIDE REMOTE
音声が読み上げられた直後、DDレンゲルはライドブッカーからさらに数枚のカードを抜き出し、虚空にばら撒いた。
ばら撒かれたカードは全てレンゲル用のアタックライド。そして発動されたテイピアリモートの光が、それらのカードに封じられていた力の根源たる存在を解き放つ。
「「「ギシャァアアーッ!」」」
「湧いた……!? こいつら、一体どこから?」
突如出現した三体の怪人────モールアンデッド、ジェリーアンデッド、エレファントアンデッドを前にしてアントホッパーイマジンは面食らってしまった。
テイピアリモートの効果は封印されたアンデッドの解放。
その効果はアタックライドとなっていても問題なく発揮され、他のアタックライドに因んだアンデッドを再現・召喚したのだ。
「やっちゃってください!」
DDレンゲルの号令に従い、アンデッド達はアントホッパーイマジンへと一斉に群がった。
これは堪らんと踵を返した二色の背中に、エレファントアンデッドの鉄球が直撃し、さらにモールアンデッドとジェリーアンデッドが追い縋る。
アンデッドに囲まれたアントホッパーイマジンがしこたま殴られて、蹴られて、また殴られる。
その光景はイマジン達がダークディケイドにした行為と同じ、所謂リンチと呼ばれるもの。いや、そこへレンゲルラウザーを持ったDDレンゲルが加わって四人がかりになった分、イマジン達よりも残酷と言う者もいるかもしれない。
DDレンゲルは無意識のうちに意趣返しをしていた自分に一切の疑問も抱かず、レンゲルラウザーをアントホッパーイマジンの肩に食い込ませた状態でカードを装填した。
ATTACK RIDE BLIZZARD
「き……さ、まぁ……!」
アントホッパーイマジンは呪詛のような呟きを残して、内側から凍りついていく。
氷の彫刻と化したそれを、DDレンゲルは無感動に見つめてレンゲルラウザーを放り捨てた。振り返って、アントホッパーイマジンとは反対方向にゆっくりと歩いて行く。
無論、見逃したわけではない。
FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE
ディメンションスラッシュを発動するだけの、距離が欲しかっただけだ。
「ツァアアアアー!」
身動きの取れないアントホッパーイマジンには、その斬撃を回避することなど到底不可能であった。
*
ダークディケイドが悪趣味で、思わず目を疑うような残虐ファイトを繰り広げているとは露知らず、ゼロノスとデネブはピギーズイマジンを相手に戦闘を続けていた。
ゼロノスはゼロガッシャーをサーベルモードに連結させて接近戦に持ち込んでいたが、大柄のピギーズイマジンが繰り出す攻撃はその一撃一撃がかなり重く、打ち合う度にゼロノスの腕を痺れさせた。
見た目も仕草もふざけた野郎だと思っていたが、それ以上に強靭なフィジカルが厄介だとゼロノスはピギーズイマジンへの認識を改めた。
「このやろっ!」
「全然効かねえよ!」
数多くのイマジンを斬り裂いてきたゼロガッシャーの斬撃を爪で弾くことを、ピギーズイマジンは全く苦に感じていない。
なんて馬鹿力だと内心で独りごちたゼロノスはまともに付き合ってはいられないとも感じた。
スピードではこちらに分があるので、ピギーズイマジンの攻撃を躱せはするものの、いつまでも続けられはしない。攻めあぐねている苛立ちが溜まり、動きも段々と粗雑になっていく。
「侑斗ぉ!」
そこへ駆けつけたデネブによるフィンガーミサイルの掃射がピギーズイマジンを側面から叩く。
やたらと痛そうな悲鳴は上がるくせに、大したダメージにはなってないのがまたゼロノスの苛立ちを募らせた。
こういう相手には自分よりも相棒の方が適任だろう。
「デネブ、来い!」
「了解!」
ベルトから一旦カードを引き抜き、裏返して再び装填するゼロノス。
その背後にすかさず立ったデネブが両腕を交差させ、ゼロノスの両肩の上に置いた。
VEGA FORM
ゼロノスベルトが宣言した音声は、すなわちゼロノスとデネブが一体化する合図。
デネブの腕はキャノン砲としてゼロノスの両肩に装備され、彼の服と同じ黒色のマントが背面に纏う。
すでにあった緑の電仮面は消失し、代わりに星型の電仮面が赤い複眼を光らせる。
そして厚くなった胸部装甲にデネブの顔がにょきっと生えることで、フォームチェンジは完了した。
仮面ライダーゼロノス・ベガフォーム。
デネブと一体化することで、パワーと重量を引き上げた形態。
身体の操作権も侑斗自らが「かなり強い」と評するデネブに一任しており、実質的なゼロノスの強化形態と言っても過言ではない。
「最初に言っておく!」
開口一番、ゼロノスは堂々とそう言い放つ。
ベガフォームから醸し出される威圧感に圧倒され気味のピギーズイマジンも、その次の言葉を固唾を呑んで見守る。
見るからに隙だらけなのはわかっているが、何となく今攻撃してはいけないとピギーズイマジンは思ってしまった。
「────胸の顔は飾りだ!」
「────はぁ?」
そしてずっこけるピギーズイマジン。場の緊張感も解けて台無しである。
ちなみにゼロノスが……というよりデネブが言ったことは本当だ。
「お前! わざわざそんなこと言うのかよ! 舐めてんのか!?」
「いや、弱点だと勘違いさせたら悪いと思って。お前も両肩に顔付いてるし……」
「いやそうだけども!」
ピギーズイマジンが胸の顔が弱点だと思っていたことはここだけの話である。
「でもこうして見ると俺達そっくりだなぁ」
「言われてみれば確かに……」
複数の顔、複数の人格。共通点と言えばそれぐらいだが、そこで共通する者はまずいない。
互いに無言で見つめ合うゼロノスとピギーズイマジン。
その胸中にはほんの少しの親近感が芽生えていた。
『────馬鹿! 何仲良く話してんだ! 早く戦え!』
「そんなぁ! 肩が喋るなんてちょっと気持ち悪いけど、もしかしたら侑斗の友達になってくれるかもしれないのに」
「き、気持ち悪い!? 貴様、よくも俺の弟達の悪口を!」
『違うよ、兄貴の悪口だよ』
『お兄ちゃまキモーい!』
「な!? お前らついに反抗期か!?」
ご立腹のピギーズイマジンは勝手に肩と喧嘩を始めてしまった。その光景は実際気持ち悪い。
しかし、この喧嘩には気持ち悪いという感想以上の意味があった。
FULL CHARGE
ゼロノスベルトに光り輝くVのマークは必殺の印。
ゼロノスはフリーエネルギーがチャージされたカードをゼロガッシャーをセットし、サーベルにエネルギーを伝達させる。
「ハアアアァァ……!」
『『「はぇ?」』』
廃工場を照らす光の奔流に今更気が付いたピギーズイマジンが兄弟共々腑抜けた声を出す。
今が戦いの真っ最中だと思い出し、がむしゃらに突っ込んでくるイマジンをゼロノスはただ待ち構えるだけ。
突き出されたピギーズイマジンの爪と、ゼロノスのサーベルが交差する。
自慢の爪はゼロノスの装甲に浅くはない傷を付けた。しかし、それだけだ。
ゼロノスの斬撃、スプレンデッドエンドはピギーズイマジンの身体をV字状に、
『兄貴!?』 『お兄ちゃま!?』「すまん、弟達よぉぉお!!」
ピギーズイマジンは敢えなく爆散した。
装甲に刻まれた傷をチョンチョンとつつきながら、デネブは「悪いことしたなあ、少し卑怯だったかなあ」と要らぬ心配をしていた。
*
興奮していた心が熱を失っていく。
脳を焼いていた血液が急速に冷えていく。
虚しさが広がっていく。
ダークディケイドは、かつてアントホッパーイマジンだった氷塊を足で散らした。
あんなにも憎いと思っていたのに、こうなるとその感情をも氷塊と同様に溶けていくようだった。
「……もう終わった。終わったんだ」
自分にそう言い聞かせて、変身を解く。
大地はアントホッパーイマジンの残骸から目を逸らして、ゼロノスがベルトからカードを抜く瞬間を目撃した。抜かれたカードが粒子となって消失していくところまで、余すところなく。
一人のゼロノスから、侑斗とデネブの二人に分離された。
戦闘は勝利に終わったというのに、皆浮かない顔ばかりだ。
大地は目を瞑って、黙って十秒間数えた。
目を開けてもそこに侑斗はいる。そこにいる人物が侑斗だと認識できる。
大地の言わんとすることを察した侑斗は抱いた希望を否定した。
「緑のカードを使っても、お前は俺のことを忘れない。お前が忘れるのは残り一枚の赤のカードを使った時だ」
「僕が侑斗さんのことを忘れたのも、侑斗さんが赤のカードを使ったから?」
「そういうこと。で、お前の目的は果たせたのか」
侑斗が言った目的という言葉が「ゼロノスのライダーカード」を指しているのだと気付くのに、大地は数秒の時間を要した。
言われて取り出したゼロノスのカードは、やはりブランクのままであった。
「……後2回。それでも駄目ならもう俺にできることはない。とっととこの世界から出て行け」
「……」
「……返事くらい、しろよな」
カードを消費したということは、また誰かの記憶から「桜井侑斗」が消えたということ。
それなのに、侑斗の表情はいつもと変わらぬ仏頂面。
そんな彼に何を言うべきか、大地にはわからない。
そもそもカードを使わせてしまったに等しい自分が何を言う資格は無いのだと、大地は黙って唇を噛み締めるのだった。
*
「結局失敗か」
無様に散ったアントホッパーイマジンを嘲笑っているのは、廃工場を眺めているドウマ。
イマジンが三体寄り集まった程度でダークディケイドを打倒できるとは最初から期待しておらず、この結果は簡単に見えていた。
だからこそ2ヶ月という長い期間を設けて準備した計画があるのだ。
「機を見て動く。準備だけはしておけ」
「わかっている」
ドウマの背後に潜む複数の人影、その内の一人がそう答える。
突風が吹いて、その影からたなびくマフラーを見てドウマは不気味に口角をつりあげた。
アントホッパーイマジン
仮面ライダー電王 第31話と第32話に登場した所謂分裂するタイプ。本編では明確に電王を標的にして暗躍した初のイマジンである。
単体でも電王やゼロノスと互角以上の強敵であったが、二人がかりでボコボコにしようとしてくるのだからタチが悪い。
余談だが、遠目に見ると仮面ライダーWに似ている気がする。
ピギーズイマジン
超電王トリロジー エピソードRED 「ゼロのスタートウィンクル」に登場。
両肩にそれぞれ弟の顔と人格が付いたへんてこりんなイマジン。その格好はまさにイマジン版クライマックスフォーム。(実際劇中でもそんな風に言われてた)
契約者の望みを叶えるため、邪魔となる電王を排除するためにデンライナーに忍び込んで暴走させるなど、意外とクレバー。しかも割と強い。
ほぼ戦闘しかしませんでしたね。次回更新は未定です。