転生駄肉は触手に愛される   作:飛翔するシカバネ

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遅くなっちったテヘペロペロ



軍勢

冬木大橋。

 

Fateの世界ではよく戦いの場に選択される。

それでいて、橋が破壊されるどころか傷もつかないことから最強建造物としても名が高い。

 

だからなのか。

 

ここが戦いの場所に選ばれたのは。

 

 

「呼び出しに応じて感謝する!征服王イスカンダルとそのマスターよ!」

 

フードをはずし、白髪を見せながら間桐雁夜は叫んだ。

 

「余らの前に正々堂々と戦をしかけ、そして立ち塞がった。ならば、余はそれを正面から征服するのみだ!」

 

戦車(チャリオッツ)に乗り込み、間桐雁夜を威圧させる。

 

例え、使い魔(サーヴァント)だとしても、コピーと言ってもそれは王の覇気。

普通なら後ずさり、逃げ出してしまうだろう。

 

しかし、間桐雁夜には勝算があった。

 

 

千を超える軍勢を持つとしても。

 

神話の騎獣が相手でも。

 

かの征服王だとしても。

 

 

彼にはバーサーカーがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うだうだ言っても仕方ない。さっそく始めようではないか。のう?バーサーカーのマスターよ」

 

間桐雁夜の横には黒い霧を纏った鎧姿のサーヴァントがいた。

 

この戦争でバーサーカーの姿はまだ、見ていない。

 

しかし、アレがバーサーカーではなくなんだというのだ。

 

今静かに待っているのはマスターの技量であろう。

 

そこにある力の強さはあの騎士王を名乗るサーヴァントに匹敵するやも知れぬ程だ。

 

「その前に一つ確認がある!」

 

「なんだ!!」

 

「こちらはお前達の全てと戦い勝利を納めたいと考えていてな。是非ともライダーの最強宝具、王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)を発動してほしい!」

 

「何言ってんだ!?あいつ!!」

 

まさか、最初から切り札を切るように言ってくるとは。

これは流石に征服王も予想外であった。

 

「ほう、吐かすではないか…」

 

征服王に王の軍勢は使う予定は無かった。

 

敵は単騎。

 

その宝具は未知数だが、バーサーカーというクラス状、頭を使う様な能力は発動しないはず。

 

しかし、それでも!

 

かの征服目標は全力を望んだ。

 

全力の征服を突破すると!

 

これで宝具を使わなければ征服王の名折れ。

 

 

 

「ならば、余もそれに答えねばなっ!見よ!これが我が最強宝具王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)なり!!!」

 

ライダーを中心として固有結界が形成される。

 

その心象は砂地の平野。

 

かのイスカンダルとその配下が駆け抜けた大地。

その全員の心象であるからこその景色。

魔術師でなくとも人の思いはこれほどの力を出すのだ。

 

 

「感謝する!征服王!!こちらも全力で答えさせて貰おう!!!バーサーカー、宝具幸福の護りを発動せよ!」

 

「イエス、マイマスター」

 

「!?」

 

マスターは確かにバーサーカーと呼んだ。

 

そしてそのサーヴァントは確かに返事をした。

 

しかし、返事をした?

理性を無くし、叫ぶことしかできないはずのバーサーカーが言葉を発した。

 

それに驚く間もなく更なる驚きを見せてくる。

 

 

幸福の護り。

そう呼ばれた宝具は()を形成する。

 

平野に現れた白塗りの西洋城。

城を取り囲むように湖も形成される。

それはまるで平野におけるオアシスのようだ。

 

 

「これで軍勢を迎える城が出来た。後は城を守る兵だ」

 

 

「宝具裏切りの円卓騎士(トゥレチェリ・ラウンド)

 

そして二つ目の宝具。

 

城の周り、城壁に騎士が召喚される。

 

それは征服王の軍勢と同じく皆、サーヴァントである。

 

少し違うのは数と質だ。

 

騎士は多くて50名。

軍勢にははるか劣る。

 

しかし、軍勢の中には勇士おれど、全ての兵が名のある英雄が多い訳では無い。

 

その騎士達は全てに名が後世に残され、そして一人一人に物語があると言える。

 

それはかの騎士に付き従った騎士達。

かの騎士王ではなく、彼がいたから円卓の騎士に所属したものたち。

 

かの騎士が円卓の騎士を辞めるならば我らも辞めよう。

我々は貴方に憧れ、貴方の為になるために騎士王に準じたのだから。

 

 

彼らは最高の騎士と謳われた湖の騎士ランスロットに憧れたものたち。

 

バーサーカーのような狂気を持ってるものには呼ばれない。

セイバーのような騎士道精神を持ち、一体一を好むものには呼ばれない。

 

本来そのような宝具なのだ。

 

同盟者である魔術師が起こした奇跡。

 

そしてようやく呼ばれた彼らはかの騎士への恩義、憧れのために剣を振るう。

1人の騎士として。

 

 

「さて、征服王。これが俺と俺の最強のバーサーカーの宝具だ。……征服できるものならしてみろ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅむ、此度の遠征もなかなかだのぅ」

 

目前に見える城と光り輝く騎士たちを見て、ライダーは口を開く。

 

「なかなかどうして、征服しがいのある戦か……まさか我らが大地に割り込んで来るとはのぅ」

 

よしっ!といったように征服王は眼前の城を見やる。

 

 

「いざ、蹂躙……いや、征服せよ!!!かの城を超え、はるか万里の彼方まで!!!」

 

開戦の火蓋は切って落とされた。

 

「「「「「うおおおおおおおおおお!!!!」」」」」

 

 

 

 





幸福の護りのいい感じの読み方募集してまーす!

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