次回からstaynight編スタートになります。
後書きにも読者へのアイデアの募集あるのでできればお読みください。
『なーんて、世界は考えているかもしれないよ?』
真っ白な空間で絶世の美女はそういった。
常人を遥かに凌駕したその美貌は一種の精神ショックを起こすほどだ。
しかし、この場にそれを起こす者はいない。
『世界がもしも考える力を持っていたらの話だけどね。淡々と機械のように行ったのかも知れないしね』
あっけからんと言ってみせる
『残念ながら失敗してるんだけどね!』
腹を抱えてそれは笑う。
『あの程度の火で魂が燃えるもんか。燃やし尽くしたいならクー子ぐらいの火が欲しいよね。それにあの力は私が渡したものだよ。世界が知らなかったからといってあれは悪手だったよ。身体を焼く間に魂を掬い上げる暇があるんだから!』
それは指をこちらに向ける。
『だからこそ君は生き残った訳だ!…………いや、死に損なったところかな?』
「ああ、絶望的だな」
俺は口を開く。
久しぶりに会い、全てを思い出した俺は嫌々返事する。
『そんな君に質問だ!まぁた死ねなかった感想は!?』
「もう、飽きた」
『君は面白い。君がいたお陰で私の実験場で人間達は素晴らしい活劇を見せてくれた。その褒美に君に目をかけたと言うのに…………飽きたなんてっ!!』
まるで本当に悲しんでいるかのような演技をする。
性格を知っていなければ、中身を知っていなければ騙されてしまうほど完璧な悲しい方だ。
人類にはこれ以上の演技はできないだろう。
『君は本当に面白いね。精神がぶっ壊れ、狂人と呼ぶに相応しいのにそこまで冷静なんだから。常人と変わらず行動ができる。それは一種の才能だよ』
「だからこそ、壊れたら捨てられる筈の存在で遊び続けているんだろう?自分が飽きるまで……」
『そうだよ』
『でも、今回は本当に褒美だったんだよ』
半分嘘で半分正解。
わざとそれは人類に分かる程度の演技をする。
それを見た人間を嘲笑うかのように。
『1度世界に定着させて、私は君に関わらなかった。死ぬその時までね。視聴に徹したというのに』
「魔導書は?」
『あれは私の気配を感じて、召喚された存在だ。君に似た英霊ならシュヘラザードが召喚されるはずだよ。死にたくないからこれからも死んでいたいなんて非生産的な思考するのはあれくらいなものさ』
「死んだ存在を何度も使うのも生産的と呼べるのか?」
『エコだからいいのさ!人間も好きだろう?本質的には無駄へと繋がっているのにエコだからとものを使う。そして自身の利益……健康とか?の為にエコを簡単に切り捨てる。全くなんて馬鹿で愛らしいのだろう』
「本当に人間が好きだな」
『そうさ!私は人間が好きだ!愛してる!!男も女も子どもも老人も常人も狂人も!私はそんな人間の煌めく瞬間や選択の瞬間が好きだ!…………そんな君に選択肢を与えよう』
俺の前にゲームでの選択肢が4つ現れる。
『1、死ぬ。折角休暇を与えたのに30年くらいで死んじゃったからね。もう私は関わらない。君に永遠の死を与えよう』
『2、また、遊び道具になる。無限の研磨の作業に入るんだ。今度は黒幕として人間に敵対してみない?給料はキチンと出すさ』
『3、輪廻を巡らせる。新たな人生を見つけるんだ。君という存在は消える。新たな君は前世なんか知らずに暮らすんだ』
『4、あの世界に戻る。もう、抑止力に邪魔されることも無いだろう。サービスで魔導書も預かってあげる。休暇を続ければいい。君が次に死んだら2に行ってもらうけどね』
「4」
『へぇ』
『一応理由聞いていいかい。私としては1か3だと思っていたからね』
「まだ終わってないからな。永遠の死は魅力的だが、やり残した事を残して死ぬのは我慢ならない。なんであれ、完遂しなければいけない」
『難儀な性格だよね。期限を過ぎようとも終わらせなければ次に進めない。本当に困った人間だ』
「邪魔が無いのだろう。なら思いっきりやらせてもらう。それともまた、記憶を無くすのか?」
『いや、選択肢に無いからね。ダーニックを
「持っていくさ。俺の力だからな。できればAFも持っていきたいがな」
『いいよ。持ってた君の原作知識というやつも持って行っていいし』
「ただの未来視に変な設定をつけるとはな」
『だって今流行ってるでしょ。異世界転生!その世界の知識を持って転生とか!大丈夫!面白かったよ!!』
「だろうな」
『じゃあ、行ってらっしゃい。兵衛くん』
「その名もあと数百年は聞かなくなるのだろうな」
『一世紀以上、休暇するつもりだね。まあ、いいさ』
「今度はそうそうに死なないようにするさ。既に人生設計は済んでいる」
『君が休暇を楽しめるのを楽しみにしているよ』
「行ってきます」
『彼は数百年合わないって言わなかったな……』
『まさか、私の力を与えた存在や侵略を未来視で見たかな?』
『未来視は回収したし、ただのバグが生まれたけど……』
『まあ、彼は存在するだけで
『読者の君たちもそう思うだろう?』
『私の様な存在でなければリアルタイムで文章に起こして、別世界に伝えるなんて所業出来ないのだからね』
『私は仕事があるから文章に起こすのは別のものにやらせてるのを知っているかい?』
『君たちには関係ないか』
『君たちが興味あるのはあくまでも兵衛…いや、ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアがどのような亀裂を生むかだ』
『楽しみにしてなよ』
『碌でもないことになるのは間違いないから』
『ひとつネタバレをするなら』
『彼はどのシナリオでも彼の願い通りになったことはない』
『全く救われないね』
『一応、締めをしておくね』
『これにてZEROは終わり、1が始まる』
『1は本来の1ではない』
『バグにより、主人公の男の子に訪れる平行世界のどれでも無い奇妙な道に巻き込まれる』
『これの結末は神のみぞ知る……いや、』
『神にも想像できない結末になるだろう!』
『それが名作か駄作かも分からない』
『お楽しみに』
この話投稿後活動報告にサーヴァント募集のページを設けます。
staynightで使うかも知れませんし、その後の嘘予告にある通り、あちらで使うかもしれないものです。
詳しくは活動報告をご確認ください。