うちの鎮守府のラスボスは怖い   作:sikimai

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第十話〖熱〗

生放送は続くよ何処までも~

早く終われよ…

夜の居酒屋鳳翔では絶対面倒な事が起こるはずだ

今のうちに出来るだけ身体を休ませたいのに…

 

青葉の食レポが終わり俺達も食べようかという時

大淀の火傷を思い出す

適切な処置は判らないが母から教えて貰った方法でやってみようか

冷水にガーゼを付けて患部へぐーるぐーる

その上から小さい保冷剤添えて、包帯ぐーるぐーるハイ完成

というか、艦娘なんだから入渠でいいんじゃね…?

まぁ、いいか

艦娘だろうが人間だろうが痛いのは嫌だよな

さて昼食を頂くとしようかね

 

ふむ…あのさぁまだ放送してんの?

もう食レポ終わったから〆ていいんじゃないのかねぇ…

あ?衣笠なんだよ?

(二人の食事風景が欲しいです)

衣笠、お前さぁカメラマン兼アシスタント兼ディレクターもやってんのかよ

すげー有能だな

青葉ちょっと見習えよ?少しのアクシデント位笑って流さなきゃな?

 

「では続いて司令官と大淀さんの実食コーナーです~」

なぁ、このコーナーいる?

俺は問題無いんだが大淀は利き手の火傷で四苦八苦するぞ…

はぁ~~~もっと場数踏んどけよ青葉、貸し二つだ

「少し待っててな」

食器棚からフォークを探し出す

大淀用だ、どこの家庭で素麺をフォークで食べるのか…

いいじゃないか、腹に入れば同じ同じ

フォーク二本片手に皆の元へ

殺気!?

青葉の眼が怪しく光る…お前何考えてやがる

「いや~司令官は優しいですねぇ、火傷を負った大淀さんに手づから食べさせてあげるなんて」

(フォークでアーンして)

うそやん…なにこの姉妹

大淀の顔が青い…流石にダメっぽいぞ

「提督、ゴマダレからお願いします」

マジかよっ!?お前、青葉に弱みでも握られてんのか?

「うわ~これは凄い映像撮れちゃいますよ!」

ふぅ、この流れでやらないなんて興ざめだよなぁ

大淀が頑張ってるなら俺もやってやろうじゃないの!

素麺にフォークぶっさしくるくる~タレも付けて

「ほら大淀、アーン」

さっきと真逆に顔の紅い大淀の口へ

「青葉、見ちゃいましたぁ」

(感想プリーズ)

衣笠、有能なのは分かったがお前は艦娘だぞ?そんなスキルはいらないんだよっ!

「あら、意外なこと。ゴマダレと素麺の相性はとても良いのですね」

猫を被った大淀のコメントだったが青葉は満足したようだ

(次、めんつゆ)

衣笠、段々雑になってきてるぞ?お前のプロ魂はそんなモノなのか?

仕方ない、二本目のフォークを持ち素麺くるくる麺つゆへ

「次は麺つゆだ、大淀、アーン」

咀嚼

「こちらは定番の味ですが皆さんと食べると美味しく感じますね」

なにこの優等生コメント…

いや、確かに大淀は優等生だと思ってたよ?ここに来るまではな?

(次)

雑過ぎるわっ!

もうどっちも食べたから俺がちょっと食べて〆でいいでしょ?

(次、アオバ)

えぇ…これが無茶振りに付き合う弱小タレントの気持ちなのか…

「あ、青葉にもアーンしてやろうか…?」

「いいんですか!?きょーしゅくです!」

素麺をくるk カットだよ

「ホレ青葉、アーン」

咀嚼

「ふぁああーこうやって食べさせて貰うとまた違った味わいになりますね!」

「それは何よりだ…」

(私は後でお願いします)

自分の時だけ丁寧にカンペ出すのやめよ?そういうの良くないと思う

「では視聴者の皆さん『突撃!提督の昼ご飯』今日はここまで、来週も楽しみにしてて下さいね~」

来週もあるのかよ…結局俺素麺食べてねーぞ、こら!

 

「いや~司令官お疲れ様でした。機転利かせてくれて青葉助かっちゃいました!」

「それはなによりだな、俺は素麺食べるのに忙しいんだよ」

(提督、私にもアーンお願いします)

「衣笠、もう放送は終わったんだから話していいんだよ?」

(早く)

……素麺マキマキタレつけほい

「ほれ、あーん」

(美味)

もう俺、衣笠の事わかんないよ…

 

青葉、衣笠姉妹は映像保存するとかで帰っていった

はぁ…疲れた

凄いよな、何が凄いって衣笠この場で一言もしゃべらなかったもん

アイツのプロ魂って凄いわ、でもなんか違う気がする

 

青葉をお仕置きしてやるつもりだったがすっかり疲れてしまった

残った素麺食べて少し寝るか…

「提督、お疲れ様でした」 

「あぁ、大淀もお疲れ」

「提督、私は撮影時に二口素麺を食べただけです」

「そうだな、もう二人は帰ったからフォークでお食べ?」

「私は利き手が使えません」

ん?………え?

「私は利き手が使えません、どう思われますか?」

うーん…これで合ってるの?

フォーク突き刺しくるくるタレつけほい

「アーン」

大淀は口を開けた…咀嚼

お前そんなキャラだったか?

「リラックスして食べるとまた違う味わいがありますね」

そ、そうか…良かった

「ほれ、アーン」

咀嚼

なんか楽しくなってきた

やっぱ艦娘って結構食べるのね

二人分はあった素麺全部大淀食べちゃったよ

俺は一口しか食って無いけどまぁいいや

皆が気分よく食べてくれたなら本望だよ

夜に居酒屋鳳翔で美味いもん沢山食ってやるからなっ!

 

後片付けは俺がやった

火傷とは言え怪我人に家事やらせる気は無いからね

麦茶はさっき飲んだから今度は熱いお茶を二人分用意

「大淀、ほいお茶」

「ありがとうございます。提督」

「気にしなさんな、その火傷痛みが続くなら入渠しておきなよ?」

「はい、了解しました」

まったりお茶を啜る、はぁ~空きっ腹に沁みますなぁ

「大淀、俺ちょっと横にならせて貰うよ」

「了解しました。寝室はあちらですのでごゆっくり」

「ほいほい、大淀も執務あるだろ?鍵開けてていいから適当にな?」

「承知しました。お休みなさいませ」

 

昨日はベッドが変わったせいか眠りが浅かった

川内が抱き着いてたせいとも言えるが多分原因は別だ

不安になる、両親の事、鎮守府の事、提督と言えどここでは異物

ネガティブな思考が回って眠れなかった…

「少しは眠っておかなきゃな…」

目を閉じ微睡みの中へ

誰かの気配を感じたがもう俺は意識を手放したから誰だかわっかんねーわ

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

大淀は眠りにつく自分の提督を眺めていた

寝息が聞こえると彼に近づき膝を突く

彼の頭を優しく一撫でして離れた

彼が施してくれた治療の包帯を

大淀は少しの間、撫で続けた

 

 

 

 

 

 

 

 




続いちゃった
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