うちの鎮守府のラスボスは怖い   作:sikimai

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第十四話〖癒し〗

あーあっつい…何?

何処ここ?

ゆっくりと思考が働きだす

ん~鎮守府の寝室か…

俺、昨日どうしたんだっけか…?

……………はぁ

思い出した、忘れて居たかった…

酒で忘れる等と世間は言うがそう都合よく行くものではないなぁ

俺、部屋までは歩いてきたよな?

帰って来て大淀が居た事は憶えてるんだが…

大淀に変な事しなかったよな?

うわぁ、わっかんねー思い出せない

まぁ、俺が何かしたらボコボコにされるだろうから大丈夫だったんだろ、きっと

 

今は部屋に誰も居ないようだ

食卓にお握り二つ、味噌汁も

大淀かな?後で頂くとしよう、感謝

昨日の二の舞はゴメンなので朝からシャワーを浴びる

寝汗が不快だし、酒が残っているのかボンヤリしてる

着替え取って来て風呂場へGO

 

よしっ!目ぇ覚めた

水シャワーはこの季節最高だな

味噌汁温めながらお握りを頬張る

うん、美味いじゃん梅干しが良い具合

 

ご馳走様でした。両手を合わせ感謝

使った食器を片付けつつ今日は何をしようかって所で

 

ピンボーン、ピンピピンポーンピンポーピンポーン

 

うっせーよ!チャイム連打すんなっ!

んもぅ…誰だよ?

ドアを開ける

「でたっぴょん!卯月でっす!」

あぁ、なるほどお前はそういうヤツだったよな…

卯月の後ろには松輪と霰

松輪、そんなにオロオロしなくても大丈夫だぞ

 

「がはっ!」

 

上から何か降ってきた、首にしがみついてる

なんだよっ!?

「佐渡だぜ。シ・レ・イ!」

はぁ…お前かよ

この悪ガキ共め

「皆おはよう、佐渡降りなさい」

「いひっ!」

かたぐるまから降りようとしない佐渡

もう、いいよ…そのままでいたらいいさ

「それで?四人で来たのか?」

「はい、松輪は……あの」

「うん」

松輪には自分のペースで話をさせてあげたい

聞くに徹しよう

「あの……こっ、これをっ!……つ、作りました、私達!」

差し出されたのはクッキーであった

「霰も……クッキーを作ってきました」

マジか…

「佐渡様も作ったんだぜぇ!」

「うーちゃん!頑張ったぴょん!」

うわ、うわぁ…マジか

鎮守府に来て一番嬉しいかもしれない

「あ、ありがとう。一杯あるんだな、皆で食べよう」

皆を部屋へ招き入れる

入室の際、佐渡がドア縁で頭をぶつけてたが悪ガキには天罰が下るので仕方ないね

まぁ、クッキーを作って来てくれたから冷〇ピタらしきモノを張って相殺としよう

 

四人にソファを勧めて俺は飲み物の準備だ

小さめのコップを四つ、冷蔵庫からジュースを取り出し入れる

俺はインスタントコーヒー…だよなコレ?まぁ、いいやコレを淹れる

お盆に乗せ皆の元へ

大人しく座ってる訳が無い二人があっちこっちを見て回っていた

逆に大人しく待つ二人

実に対照的な四人組だな、普段から仲良いのだろうか?

この四人には共通点があった

[提督を迎えに行き隊]のメンバーだ

昨日の時津風、卯月、佐渡は正確には[提督と遊び隊]なんじゃねーかと思うのだが…

まぁ、俺を心配してくれてたのだろう

その気持ちは嬉しいものなんだ

 

「ホラ佐渡、卯月飲み物持って来たから食べようぜー」

「おう!たべるたべるぅ!」

元気だねぇ、微笑ましいもんだ

頂きますを合唱し早速一枚

「司令…それは、松輪が作りました」

ほほぅ、楽しみだな

咀嚼

「うんっ!美味しいっ!凄いな松輪、お菓子作り上手なんだな」

「あ、ありがとうございます! 嬉しい」

こっちが嬉しくなるよ、あぁ癒される…

「司令官…コレは霰が…作ったクッキー」

「そうか、頂くよ」

咀嚼

あぁ、美味いじゃないか

「美味しいよ。霰もお菓子作り上手だなぁ」

「ちょっと…恥ずかしい…」

はは、ちょっと泣きそうだ…

傷ついたメンタルが癒されていくよ

「シ・レ・イ!お次は佐渡様の作ったやつだぜ」

「おう、勿論食べるぜー」

咀嚼

意外や意外、ココア風味の佐渡クッキー美味しいわ

「佐渡、やるじゃん、美味しいよ」

「へっへへー!まぁー佐渡様が作ったからなぁ?」

笑顔だ嬉しいなぁ

「うーちゃん特製クッキー食べるっぴょん」

「おう!食べるぜ食べるぜー」

咀嚼

!!!!!!!!!!!!??????????????

かっらいっ!一味?ナニコレ?口の中痛いっ!

はぁ…前の三人で油断してた…

コイツはそういうやつだよな、忘れてた

だがここで怒っては空気が悪くなる

なんとか顔に笑顔を張り付け飲みこんだ

「卯月、個性的な味だな!悪くないよ」

「ぷっぷくぷ~!」

殴りたくなる顔でほざきやがる…

「ちなみに卯月が作ったクッキーまだあるのか?」

「え~っと、うーちゃん忘れたぴょん」

コイツ…俺は良いが三人が食べたら大惨事になるぞ?

「コレと…コレ」

霰が二つクッキーを差し出してきた

よくやったぞ霰!

「卯月、昨日の放送見てただろ?俺は不公平が嫌いなんだ、アーンしてやるよ」

「え゛っ!?」

「ホラ、遠慮するなってアーン」

卯月の口を無理矢理開けて…一欠片入れてやった

「うびゃあ!!」

はっ、これで少しは懲りるだろうよ

残った卯月クッキーは覚悟を決めて食べた

味はともかく作ってくれた物を粗末には出来ないよな?

 

残りのクッキーを皆で食べ尽くした

ご馳走様の合唱

「皆ここへはクッキーを持って来てくれただけ?何か用事でもあったのか?」

四人は視線を交し合う

何らかの決定がなされたようだ、佐渡の口から

「司令!この佐渡様が遊んでやってもいいんだぜぃ?」

ふふっ、遊んでやってもと来たか…

まぁ、クッキーのお礼と考えれば安いものだ

特に予定も無いんだ、遊んで貰うとするかね

 

皆で外へ出てさあ何処で遊ぶかと考え中

「いひっ!ここは佐渡様のものだー」

俺の背中に佐渡が乗ってくる

ったく、元気なもんだね

ん?霰どうした?

「司令官は…不公平…嫌いだよね…?」

俺の眼を真正面から見つめてくる霰…

松輪は俺を窺うような視線

卯月はしらん

はぁ、しょうがねーな

親戚の子供を複数あやしてた俺の必殺技を見せてやるよ

 

佐渡は背中、松輪と霰は両肩へ、卯月は右脇に抱え装備完了

フルアーマーニートと化した俺達は遊ぶ場所を求め鎮守府を練り歩く

「さどー落ちるなよー」

「おうっ!まっかせなって」

佐渡は俺の首に手を回し掴まっている

締まると皆が危険な位置だ、頼むぞ?

「松輪、大丈夫か?」

「少しこ、怖いです…」

「俺の頭に手を回して固定してみて?怖かったら言ってくれよ」

俺の頭へ身体を傾け安定感を取る松輪

「霰、平気か?」

「うん…平気。司令官…ありがとう」

「いいよ、不公平は良くないもんな?」

霰は落ち着いている様だ、最近改二になり精神的にも成長したかな?

「うーちゃんも肩がいい~!」

「お前一番お姉ちゃんなんだから後でな、後で」

落ち着いたら、かたぐるましてやるって

 

運動場らしきモノの片隅で五人で遊ぶ

部屋から持ってきたゴム紐を使いゴム飛びを

木を使って、だるまさん転んだ

途中から[提督を迎えに行き隊]の皐月も合流

近くを散歩してた響も迎え入れちょっとした大所帯となった

「おーい、秋雲もやるかー?」

少し離れたベンチに座る秋雲にも声を掛ける

「秋雲はコレがあるからさー」

スケッチブックを持ち上げ見せてくる

好きだねぇ

まぁ、絵描きの練習台になるとしようか

 

遊んだ面子と秋雲を誘い、自販機で飲み物を購入

日陰に座り休憩っと

「司令官!ボクも後でかたぐるましてよっ!?」

「わかったよ、休憩してからな」

皐月に返事をしつつゆったりした時間を過ごす

「そういえば提督ー昨日の放送見てたけど、料理できんの?」

「ああ、少しだけな?」

秋雲に返答しつつ、思い出す

一時期、俺が家の家事全般をやって居た時の事だ

勿論料理もやってて少しは食べる物が作れる

そう伝えると

「へぇ~じゃあ何か作ってよ」

ざわ…

おい秋雲、余計な事言うんじゃねーよっ!

ほらぁ…もう断れない空気になってんじゃん…

そんな目で見られても大した物作れないっつーの

間宮、鳳翔さんと比べられるとかキビシイって

今の時間を確認 10:22

ん~~~~~よしっ!あれ作ろう

 

「皆、ちょっとここで待っててくれるか?」

期待の眼差しを向ける皆へそう告げ、その場を離れる

建物と建物の隙間へ歩き

「川内、川内居るか?」

近くに居るであろう川内を呼び出す

「んんっ!そんなに川内さんが良いんですかっ!?」

なにっ!?

後ろを向くと腕組みをした彼女が立って居た

軽巡洋艦『阿武隈』

ご存知軽巡の切り札、一水戦の旗艦様だ

「一水戦は艦隊の盾っ!本来護衛任務は私達が主役なんですよっ!?」

今は川内に代わり阿武隈率いる一水戦が俺の監視…もとい護衛役を務めているようだ

 

平謝りしつつ普段の行いを褒め

護衛任務への感謝を告げ、あの手この手で阿武隈を持ち上げる

てれっとした表情で

「えへへへ…」

ははっ、チョロいぜ

「阿武隈、ちょっと頼みがあるんだ」

俺は神妙な顔で阿武隈に頼み事を伝えた

 

「わかりました、一水戦の分も作って下さいよ!」

そう、俺は阿武隈に材料の調達を頼んだって訳さ

 

 

 

 

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