うちの鎮守府のラスボスは怖い   作:sikimai

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第十六話〖予定〗

さてそろそろお待ちかねのおやつの時間が近づいてきた

ちびっ子達が待っているであろう食堂へ向かうとしますかね

「昼前に皆でアイス作ったんだ、大淀食べて行かないか?」

「いえ、私は…」

「あぁ、無理にとは言わないよ。執務あるんだろ?」

「…いえ、ご馳走になります」

「そうか?じゃあ食堂へ行こう」

 

大淀を伴い食堂へ向かったのだが…

なにこれ?

なんか艦娘達が並んでるんだけどなんかあんの?

「提督お待ちしておりました」

「あぁ間宮お疲れ様。今日何かあるの?皆並んでるけど…」

催し物があるならアイスは俺の部屋で皆と食べるか

俺が居て皆の邪魔をしては可哀そうだ

「皆提督のアイスを待っているんですよ?」

マジで?うわぁなんか大事になってるな…

皆無理してない?俺に気を使ってサクラとかやってないよな…?

 

間宮に急かされるまま料理の受け渡し口へ

エプロンを着けられ頭にタオルを巻かれた

俺にアイスを掬って皆に渡す役をして貰いたいらしい

OKOK役立たずより何倍もマシだ、引き受けよう

あぁ大淀、あんなに後ろに並んじゃって…

少しおまけしてやるからなっ!

 

先頭は勿論ちびっ子達だ

自分達の作ったアイスは後日姉妹艦と食べるらしい

今日のおやつは俺のアイスで勘弁な?

ちょっとおまけで多めに掬っておくよ

 

掬っては渡し、掬っては渡し、受け取る時二言三言会話しつつ

アイスを笑顔で受け取ってくれるのは嬉しい事だ

俺に隔意があろうとも甘味は別腹ってか?

まぁいいさ、少しづつ認めて貰えるようになろう

 

「加賀さん離して下さいっ!アイスがっ!」

「赤城さん…今は作戦行動中です」

おっ?一航戦の二人もいるのか?

…うーん、声は聞こえど姿が見えず

作戦とか聞こえたし忙しいんだろうな

まだアイスは冷凍庫に沢山ある

仕事終わってから食べて貰うとしよう

 

基本的に俺が適当に掬って渡すんだが中にはリクエストをくれる艦娘もいる

「みかんがいいです!」

はいよー

「私はイチゴ味でお願いしますね」

ほーい、了解

「バター味って…ありませんよね?」

バ、バター味はおいて、ないです(震え声)

「南瓜アイスをお願いします。えっ?ない?」

すまん、レシピ簡単だから今度作ってみてくれ

「ウォッカを掛けてくれ」

あいあい、小さい子に食べさせちゃ駄目よ?

「瑞雲をくれ」

ねーよっ!

「芋味ちょうだい…」

今日は無いんだ悪いな、今度サツマイモ入れてみよっかな

「卵焼き味は?」

たべりゅうううううううう、俺は定番を大事にする男なんだ

「ていとくぅ、あたしのはビールかけて」

子供ビール(暁用)かけても…バレへんやろ

「提督、メロン味でっ!」

後で感想聞かせてねっ!

等々、改めて艦娘って個性的だな~と思いましたまる

 

ある程度、列が捌けてきた

おっ、大淀お待たせ

俺が誘って待たせてしまったから少しサービス

アイスを若干多め、付け合わせのウエハースを一本から二本へ

意図を理解したのか柔らかい笑みを向けてくれた

何時もその笑顔ならなぁ…あっ眉間に皺寄ったな今

怖い怖い、さぁゆっくりお食べ?

 

さて列も捌き終わり、お替りも落ち着いてきた

皆、結構食べてくれたんじゃないかな?

あ~よかった大量に残ったら悲しくなるからね

「提督お疲れ様でした」

「あぁ、お疲れ様。皆どの味食べる?」

間宮、伊良湖それに午後の調理班の神威と速吸

この四人は冷凍庫からアイスを運び、ウエハースの準備等してくれてたんだ

皆の注文を聞いて多めに掬う、ウエハースもなんと三本だ!

裏方に徹してくれたんだ、少しは役得があってもいいじゃない?

 

「美味しいですよ!また食べたいなぁ」

有難い感想を頂く、多少リップサービスもあるだろうが

「ありがとう、嬉しいよ」

間宮、伊良湖は自分以外が作った物は嬉しいだろうな

他の人が作ってくれた物の方が美味しく感じるアレなんなんだろうね?

 

何故かここでもアーンを要求されたが…

皆頑張ってくれたからね、させて貰うさ

「ほれ、アーン」

順々に食べさせる、親鳥の気持ちってこんな感じなのか…

 

調理班の腹もくちくなったようで一息いれる

お茶を飲みながら食堂でアイスを食べる面々を見渡した

笑顔で居てくれる皆を見れるなんて提督冥利に尽きるじゃないか

今いるのは100人前後って所かな?俺の艦隊の約半数だ

鎮守府に来てから会っていない艦娘がまだ半数

俺に会いたくない子もいるだろう…仕方ない

ゆっくりやって行こう

 

まだアイスを食べて無かった俺は自分のカップにアイスを少量掬う

手伝ってくれた4人にお礼を告げて調理場から離れた

食堂の隅でアイスを食べ終わっていた大淀に近づき

「座ってもいいかな?」

鎮守府に来て初めて相席を申し込んだ

「どうぞ、お掛けください」

「ありがとう」

大淀の正面に座りアイスを一口

うーん、まぁまぁじゃないかな?自画自賛しとこう

「並ばせちゃってすまなかったね、時間は大丈夫?」

「お気になさらず」

そっか

「アイスご馳走様でした。美味しかったです」

「お粗末様でした。簡単なレシピだから今度は大淀の作ったやつ食べてみたいね」

何時もの軽口だが大淀の作った物を食べたいのは本心

「………」

うーむ?ご機嫌斜め?

俺がアイスを食べ終わるまで大淀は無言だった

 

「今何時になりましたか?」

んー?

充電二割程のスマホで確認 16:58

結構時間が掛かったな、まぁ約100人に配給したらこうもなるか

「ヒトロクゴーハチってこっちでは言うんだったかな」

「提督、この鎮守府はいかがでしたでしょうか?」

なによ急に…?まぁ、そうねぇ

「自分の艦隊の艦娘達を見る事が出来て本当に嬉しいよ」

それに

「まだ会って無い子達とも会って話をしてみたい」

俺への不平不満もあるはずだ

それを聞いて改善出来るならやっていきたいんだ

「そうですか…」

「なぁ大淀、どうし『ピンポンパンポーン』ん?」

館内放送だろうか?

 

『司令部より通達、予定の時刻よ、各艦所定の位置へ向かい待機せよ』

五十鈴の声、なんだ?

 

その放送を皮切りに食堂に居た大淀以外の全艦娘達が一斉に移動を始めた

皆どうしたんだ?

「大淀、どういう事だ?」

「………」

予定の時刻?あらかじめ決まっていた何か…?

「提督」

どうした?

「ご案内します。こちらへ」

そう言い残し大淀は食堂の入り口へ歩き出す

その背中は何故か無性に寂寞を…俺に感じさせた

 

 

 

 

 

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