大淀の後を早足で追いかける
「大淀、何処へ行くんだ?」
「………」
無言で歩を進める大淀
返事も無い、悲しい…
うーん、とりあえずついて行くしかないか?
大淀を追って歩くと艦娘の集団が整列で待機していた
この鎮守府に来て何度か顔を合わせた子達
[提督を迎えに行き隊]の面々、それに比較的穏やかな印象の子が多い
大淀の先導で皆の前へ赴く
「敬礼っ!」
その言葉に反応し、艦娘達は敬礼を受ける俺
神妙な雰囲気に飲まれた俺は見様見真似の答礼で返す
「こちらへ」
大淀が先へ促す
俺と大淀の後ろを先ほどの集団が付いて来る
なんか大事になって来たぞ…
歩きながら説明を受けた
後ろを歩く艦娘達は[良識・友愛派]と呼ばれる集団との事
良識に属する艦娘達は俺に思うところはあるが提督への敬意を持っている艦娘達だそうだ
友愛に属する子達は[提督を迎えに行き隊]の面々に加え、提督に対し文字通り友愛を示しているらしい
派閥とかあるんだ…こえーな…
先へ進むとまた別の集団が見えてきた
遠目から見てもボロボロでほぼ全員が中破状態
集団の一番前で地面に倒れてる艦娘を見つけ俺は駆け寄った
「なにやってるんだよっ金剛!」
うつ伏せに倒れ、左手を頭上へ掲げ人差し指を伸ばしている
ご丁寧に左手で書いたであろう[ていとくぅ]がダイイングメッセージにしか見えない
マジで何やってんの?他人が見たら完璧に俺の犯行に見えるからな?
~~~~♪
ん?何処かで聞いたピアノの伴奏…?
き、霧島?お前ピアノなんか弾けたのかっ!?
というか、そのグランドピアノ何処から持って来たんだよ?
「~~~~~~♪」
急に歌いだす榛名…君はそういう子じゃないと俺は思ってたよ…
あぁ…この曲、聞いたことあるわ…
ノロノロと顔を上げた金剛が何か言ってる
「なんて顔してるネェ…提督ぅ」
金剛、この流れはもう止めよう
「提督ぅ…」
艦娘の尊厳を守るのは提督の仕事だっ!
「ツッコミが無いと止まれないネェ…」
いいからいくぞっ!大淀が待ってんだ
茶番に付き合う気が無いのか大淀はスタスタ歩いて行く
比叡に支えられノロノロ立ち上がる金剛達を率いて大淀を追う
皆、中破して辛いと思うが…止まるんじゃねぇぞ…
榛名、霧島BGMもう止めていいぞー
額に青筋を浮かべる大淀に低姿勢で説明を乞う…俺は悪く無いよな?
「後ろの茶番集団は…」
後ろの面々は通称[連合]
今回の提督鎮守府訪問に際し俺との接触を禁止された集団だそうだ
[提督と愛し愛され隊]皆ご存知、金剛筆頭の集団
[提督を甘やかし隊]ロリおかん雷、夕雲ママを筆頭とする艦娘集団
その他少数勢力を纏めた存在こそが[連合]
俺が鎮守府でのほほんと過ごしている間に大淀が所属する組織とリアルファイトを繰り広げていたそうな…
両陣営の交戦規定は二つ、艤装の使用禁止、交戦時間は本日午後5時まで
連合の作戦目標は提督である俺の奪取
大淀陣営の作戦目標は時間まで提督を奪取されない事、それと俺に気づかれない事
俺が無事で居るという事は大淀陣営の勝利で終わったようだ
そして[連合]の本当の狙いは…
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道中、各派閥の想いを大淀に教えられた
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大淀、俺、150名程の艦娘の順で先へ進む
次の集団が見えてきた[武断派]と呼ばれる集団らしい
あぁそうだよな…
俺への敵意、失望等を隠そうとしない面々だ
集団の先頭に立つ艦娘
戦艦『長門』、大和型戦艦二番艦『武蔵』
この鎮守府の切り札達だ
強く勇ましく堂々と指揮を執る提督を望み…そして
俺の一番の被害者達だった…
長門らを加え総勢170名程の集団は進む
いよいよ終点のようだ
海を見渡せる場所に設置された壇上
其の傍らには艦隊の初期艦『吹雪』
艦隊に3名しかいない指輪保持者『五十鈴』『瑞鶴』『由良』
他にもこの鎮守府を最初期から支えた艦娘達
[古参・指輪組]と呼ばれる大淀の所属する集団
斯くして、今この場に艦隊に所属する全艦娘が揃った
「壇上へお進み下さい」
大淀の声を受け俺は進む
皆を見渡せる位置に着いた
艦娘達はそれぞれ派閥ごとに固まり整列する様子が見える
壇上の左側に吹雪、指輪組の三人、大淀が並ぶ
「これより閉幕式を始めます」
大淀の澄んだ声が響いた
金剛は連合の団長だからね、仕方ないね