この文章は9月7日にブラウザゲーム『艦隊これくしょん』にてメンテナンスが行われる設定で書かれた物です
メタ視点、裏設定等含まれているので各々ご留意下さい
オマケ程度のモノですので気軽に読んで頂けると幸いです
第X01話〖艦隊通信〗
今から見て貰うのは俺が鎮守府から戻った翌日からの記録だ
艦隊のドラ〇もんこと明石から齎された驚異の技術
俺のPCのゲーム画面と鎮守府の執務室の間を一日に短時間だけ繋ぐ装置
通称『艦隊通信』のログ、とでも思って欲しい
この装置を使えば、俺からは皆の顔は見えないが声は聞こえる
艦娘の皆は『艦隊通信』を使わなくても俺の姿を見えるし声も聞こえる
だが装置を介さなければ俺に声が伝わらない
つまり、提督用に明石が作ってくれた電話って訳さ
8月18日
「提督、ちょっと」
最初の相手はやっぱお前だよな
「五十鈴、どうした?」
「アンタ大淀に何かしたの?」
…表情には出ていないはずだ
「いや?心辺りが無いな…」
あんな事、素直に言える訳ねーだろっ!
「大淀がね、ちょっと変なのよ」
「ふむ、変というと?」
「なんかボケーっとしているし、急にニヤニヤしだすし…」
ほぅそれはそれは…
「執務中に急に笑い出すし、怖いのよね…」
五十鈴が引く程なのか?これは俄然見たくなってきたぞっ!
「五十鈴、青葉に今の大淀の姿を動画で保存しておくように頼んでくれ」
「バカね、青葉が簡単に動く訳ないでしょ?」
大丈夫だ、問題無い
「青葉にこう伝えてくれ『生放送の借りを返せ』と」
「何それ?まぁいいけど、言っておくわ」
サンキュー五十鈴っ!
8月19日
「提督ー聞こえてますか?」
「おー聞こえてるぞ、明石」
今日は明石のようだな
「ちゃんと『艦隊通信』動いてくれてるようでなによりですよ」
「明石のお蔭で皆と会話を楽しめるよ、ありがとな」
「所で提督ぅ、私この装置作るの結構大変だったんですよねぇ…?」
………
「あぁ~私疲れちゃったなぁ~」
…お前なぁ
「明石、要求は何かね?」
「提督、上着脱いでみま「通信状態が良くないようだ今日はここまで、またなっ!」ちょっ!」
お前はホントに欲望に忠実だよな…
8月20日
「ねぇ提督さん」
「おぅ瑞鶴、元気にしてるか?」
鎮守府へ行った際にも瑞鶴とは殆ど話せなかったから嬉しいね
「この前の閉幕式の時にさぁ…」
うん?なんかあったか?
「なんかすっごく失礼な事考えて無かった?」
………あっ
「提督さんの顔見えてるの分かってる?」
いや、ちがうんですよ瑞鶴さん…
「いい訳無用!全機爆装、準備出来次第発艦!」
ははっ、何を言っておるのかね?
此処と執務室では文字通り次元が違っているのを忘れているようだ、愛い奴よのぅ…
「目標、自室の提督、やっちゃって!」
バァン
「いってーーーーーーっ!」
後頭部に衝撃が走った、いってぇ…何?
「よし!いい感じじゃない」
えっ?何?瑞鶴の爆撃は次元を超えるの?
ヤバいじゃん、瑞鶴怒らせたら生命の危機じゃん
「へぇ~このボタン、ちゃんと動くんだ」
あ?ボタン?
「提督にムカついたら押せって書いてあるよー」
マジかよっ?何その無駄な技術
明石、余計なモノまで作りやがって…
8月21日
はぁ~~~今日もダメだった…
仕事の面接行って来たけどまたご希望に添えないってさ
まぁ、職歴とか年齢とかあるから仕方ないけど、やっぱ辛いな…
「提督、お疲れですか?」
見られていたのか…いかんな
「やぁ翔鶴、俺は元気だよ」
無理矢理笑顔を作ってみた、落ち込んだ顔は皆に見せたくない
「提督…ご無理はなさらないで下さい」
そうはいうけどな…
「今の提督のお姿を見ているのは私達もとても辛いです」
むぅ…
「何があったか教えて頂けますか?」
うーん…まぁ聞いて貰うとしようか
愚痴を零すのはイヤだが心配させちゃったしな、正直に言おう…
「提督、どうか焦らないで下さい」
翔鶴のその言葉に救われた俺がいる
そうだな、焦らずゆっくりとでも進んで行くべきだよな?よしっ!
「翔鶴ありがとな、元気出てきた!俺のペースでやってみるよ」
「良かった…こちらから皆で応援しています」
ははっ、ちょっと泣きそう…
8月22日
「Hey、提督ぅー!」
誰だか説明不要だな
「やぁ金剛、この前は世話になったね」
金剛とはオ〇ガごっこした際に少し話しただけだったからな
「次回の大本営システムの近代化改修始まる時間には私が迎えに行くデース!」
あ、やっぱメンテ中しかお互い行き来出来ない感じなのね
「そうか、楽しみだな」
実際楽しみだ、連合の面々ともちゃんと話をしてみたい
「皆でTea Time楽しみましょうネー勿論、私手作りのスコーンもあるヨー」
ほぅ、そりゃ楽しみだ
「提督ぅ、ずっと鎮守府に居てもいいんデースよ?」
魅力的な提案だが…もう少しこっちで頑張ってみたいんだ
「ありがとう金剛、今度会えるの楽しみにしてるよ」
皆に誇って貰えるような提督にはまだまだ遠いが…
8月23日
よしっ、やったぞ!仕事決まったぜ!!
清掃業だがこの際文句は無い
出来る事をやっていこうって決めたもんな
「ふむ、提督随分と機嫌が良いようだな」
おっ、この声は
「長門か?あぁ仕事が決まったんだ」
「ほぅそれは目出度い、おめでとう」
あの長門が祝福してくれるなんて…嬉しいなぁ、テンション上がるぜ
「ありがとう、皆が残してくれた世も悪くないって証明してやるから見とけよ見とけよー?」
「ふっ…わかった、こちらから見させて貰おうか」
よし、早速明日から仕事だ、張り切っていくぞ!
8月24日
………やべぇよやべぇよ
清掃業ってやべぇよ…
何がヤバいってあんなに大量のGが居るなんて…
一匹二匹なら家でも見た事あるし叩いてポイするけどさ…
ふぅ、まだ就職して一日目だ、これから慣れていけるさ…多分
「司令官…」
あら珍しい
「よう初雪、どうした?」
「司令官、私もあのゲーム…やってみたい」
ん?どのゲームの事だ?
「あのD〇Dってゲーム…鬼ごっこみたいで面白そう」
インドア派のお前が鬼ごっこゲームに興味があるとは意外だわ
「良いじゃないか、今度の運営のメンテ中に時間取れれば一緒にやるか?」
「うん…司令官を虐めてドヤ顔してあげるから…」
ほぅ、ぬかしおる…俺のトラッパーでボコボコにしてやるわっ!
「ハゲドワ使って屈伸ライトカチカチしてあげる…」
や、やめろよぅ…トラウマになってんだよ…
8月25日
「提督」
おや、この声は…
「やぁ大淀」
これはこれは、五十鈴に引かれていらっしゃる大淀さんではありませんか
バァン
「痛ってぇ…お、大淀、今ボタン押した?」
「すみません、手が滑ってしまいました」
絶対嘘やん…
「そ、それで大淀、何か用があったのか?」
「提督にご報告を」
ふむ、なんじゃろね?
「先日の提督鎮守府訪問ですが、映像化が決定致しました」
ファッ
「明石の酒保にて映像媒体4枚組で販売予定です」
ちょ、待って
「待って待って!監視されてたのは知ってたけど撮影もしてたの?」
「はい、情報班の青葉さんと衣笠さんが全て撮ってくれていました」
マジかよ、アイツらぁ!
でも全てって、居酒屋鳳翔での事も…
「ご安心下さい、一部はR指定となっており該当の艦娘は購入出来ないようになっております」
ご安心できねーんだよっ!
なんなの?俺をワラってそんなに楽しいのかよっ!
「艦娘皆からの要望が強く、私も心を痛めております…」
嘘だっ!ここから見えないがお前今絶対に嗤ってるだろ!?
いや…まだだっ!ここから反撃するんだよっ!
「は、販売すると言ったな?勿論俺にも出演料が入るはずだよなぁ?」
「報酬は既に支払い済みですが?」
はぁ?貰ってねーよっ!
「乙女の唇では割に合いませんか?」
ははっワロス
バァン
「いってーなぁ…もぅ」
「報酬は満足されましたよね?」
「満足しない事も…無いです」
ぐぬぬ…
まぁ実際嬉しかったけどさぁ
8月26日
はぁ、栗畑での綺麗な大淀は何処へ行ってしまったのか…
アイツは鎮守府に居るとあんな感じになってしまうのだろうか…
「元気ないわねーそんなんじゃ駄目よぉ!」
おっ今日は心安らかでいられそうだ
「よぅ雷、大丈夫俺は元気だよ」
「司令官、もうお仕事してるのよね?大丈夫?辛くない?」
仕事も少しは慣れてきたし、なんとか頑張ってるよ
「大丈夫だよ、心配してくれてありがとな」
「そう?じゃあ頑張ってる司令官は今度鎮守府に来た時にいーっぱい私に頼っていいのよ?」
本当にこの子は優しいんだよなぁ…
「わかったよ、そっちへ行ったら頼らせて貰うからな?」
あぁ…ホントに癒しの存在だわ
どっかの鬼畜眼鏡と大違いだよ…
バァン
「いったー!」
「し、司令官どうしたの?急に前のめりになっちゃって…」
いってぇ…雷がボタン押す訳ないよな?
ま、まさかこの通信はヤツに監視されているのでは…?
8月27日
「司令官お疲れ様です、青葉ですぅ!」
…やってくれたな青葉
「やぁ青葉、俺に何か言う事は無いか?」
無い訳ないよなぁ?
「司令官凄いんですよっ!この前の映像を今編集中なのですが」
もう編集機器ごと全部壊れたらいいんだ…
「既に予約が殺到しててもう大変なんですよぅ!」
チキショーメーッ!
お前はその売り上げの一部を懐に入れるのだろうっ!?
俺はまぁ…報酬貰ったけどさ、なんか納得いかねぇんだよっ!
「あっ、この前五十鈴さんから言われた件ですが」
ん?あぁ、大淀撮影しとけってやつな
「ちゃんと映像残してあるのでご安心を」
…ほぅ
「それと少しオマケもご用意しておきますよっ!」
…ふむ、悪くないな
映像化の流れは既に止められない所まで進んでいる
それなら少しでも俺の利益を回収した方がマシだ
これでアイツの醜態を…
バァン
「いってぇーーーー!」
「司令官どうしたんですかっ?司令官!?」
8月28日
わかった、俺は確信した
この通信は監視されている
そして何故かアイツの手元にボタンがある
年末バラエティ番組のタイキックボタンを他人に握られている気分だ
これはもう何時も見られてると思って良い
こんなオッサン見て何が面白いんだか…
アイツ俺の顔見て考えてる事が分かるからなぁ…はぁ
「提督、浮かない顔だな」
お、今日も声が聞こえてきた
「やぁ長門、ちょっと考え事してただけだよ、俺は元気だからな?」
「そうか、所で提督よ聞きたい事があるのだが…」
「ふむ、どうした?」
なんか困り事かね?
「提督は駆逐艦達と親しいようだな?」
そうか?普通だと思うけど…
「だっこやかたぐるまをしていただろう?」
まぁ、してって言われたから…
「私もやってみたいんだ」
………え?
「私も皆をだっこやかたぐるましたいんだ!」
あっ、これは…
「提督は何か勘違いをしているようだな」
そ、そうだよな…あの長門だもんな
「まぁ聞いてくれ、今鎮守府には提督という大黒柱が不在だ」
ふむ、そうだな
「幼き子達は寂しさを感じて居るだろう、そこでだ!」
聞こうじゃないか
「私が提督の代わりとなり、皆の寂しさを埋めようという事だ!」
なるほどな…長門はそこまで考えてくれていたのか
「で、本音は?」
「幼女達と触れ合いたいのだっ!」
大淀っ見てるだろ?今すぐ長門を憲兵に突きだせっ!
「提督、幼女をだっこするコツを教えてくれっ!」
大淀っ早くこいっ!
「ご歓談中失礼します」
「どうした…大淀、何をする?やめろっ!放せっ!私は、私はーっ!」
8月29日
ウチの長門は違うと思ってた…
違うと想っていたかった…
閉幕式での格好良かった長門は何処にいったのだろう…
まぁ、今まで懸念材料だった俺が多少マシになった事で地の部分が出てきたとも言えるが…
「提督、お疲れ様です」
あぁ、大淀か
「長門はどうなった?」
「現在、独房にて謹慎中です」
そうか…よし、長門の事は今は忘れよう
辛気臭い顔見せるのも皆に悪いしな
「大淀、ちょっと聞きたい事があるんだ」
「はい、なんでしょうか?」
「転移の事だ、メンテ中にだけ双方行き来が出来るという認識で合っているかな?」
「はい、その認識でよろしいかと」
なるほどね、じゃあ
「メンテ中に皆でこっちに来て俺の地元を観光するとか出来るんじゃないか?」
大人数は無理でも数人なら車で案内出来るのでは?と思ってさ
「………」
ん?やっぱ難しいのかね…
まぁ、急な話だし仕方「決定です」ん?
「提督、私はこれから打ち合わせがありますので今日はこの辺りで失礼します」
「あぁ…わかった、またな」
急にどうしたんだアイツ…
8月30日
あぁ~今日もお仕事疲れたよっと…
「ちょっとアンタッ!!」
んー五十鈴か?どうしたそんなに声荒げちゃって…
「アンタが余計な事言うから大淀がっ!」
大淀がどうしたのよぅ…?
「ヒェッ」
五十鈴?
「お、大淀違うのっ!これは…」
大淀も居るのか?
「……………」
なんかボソボソ喋ってるけど聞こえねーよ…
「提督、大淀です」
「大淀お疲れ、五十鈴はどうかしたの?なんか怒ってたけど」
「どうかお気になさらず」
そうか…?まぁいいけどさ
「大淀悪い、今日ちょっと仕事で疲れちゃってさ、早めに休ませて貰ってもいいかな?」
皆と話すのは楽しいんだけどさ、俺も歳かねぇ
「お仕事お疲れ様でした。どうぞお休み下さいませ」
「あぁ悪いね、またな」
結局五十鈴は俺に何を伝えたかったんだろうなぁ…
8月31日
ふぅ、仕事終わってシャワーも浴びたし飯も食った
ゆっくり艦隊指揮執るとしますかねぇ
「司令官…こんばんは」
おっ、今日は霰か
「やぁ霰、こんばんは」
そういやメンテ中の事、先日大淀は乗り気だったがどうなったんだろうな…?
「今度皆でこっちに遊びに来るって話はもう聞いたかな?霰も来れるのか?」
「聞きました、霰は…お留守番」
ありゃ、そうなのか残念だな
まぁ大人数は無理だから順番にするつもりなのだろう…
「霰、こっちの観光が済んだら鎮守府にも顔を出すから待っててくれるか?お土産一杯持っていくからな」
「はい、待ってます…お土産も楽しみ」
「おう!期待しててくれ」
俺はニートと言えど僅かばかり貯蓄を残していたんだ
皆の為に使えるのなら惜しむ訳が無い
ここらでパーッと使ってしまおう
なんせ就職も出来たんだ、これから貯蓄は増える一方さ
9月1日
大分仕事にも慣れてきた、あの大量のG以外はな…
「提督、お疲れ様です」
「よぉお疲れ、大淀」
今日は大淀らしい
「昨日霰に聞いたんだが今度のメンテ中はこっちに来るつもりなんだよな?」
「はい、そのように決まりました」
そっかそっか、んじゃ俺も色々準備しておかなきゃな
「大人数は難しいからその辺りの調整任せてもいいかな?」
メンテはこれから何度もある、順番で皆を案内しよう
「了解しました、お任せ下さい」
あっ、それと
「人選も任せるけど、今回喧嘩は無しで頼むよ」
「承知しております」
よし、鎮守府の事は大淀達に任せてよさそうだな
俺は観光雑誌でも買って案内する場所の候補を考えておくかね
9月2日
「こんばんは提督、静かな夜だね」
おや、明日は良い事ありそうだ
「やぁ時雨、こんばんは」
鎮守府では少しだけ話せたが、ちゃんと話すのは初めてだ
「聞いたよ提督、大本営システムの近代化改修中にそちらの世界を案内してくれるそうだね?」
「あぁ大した場所ではないけどな」
皆も偶には鎮守府以外の場所に行ってみたいだろうし
「今度のメンテ中は時雨もこっちに来れるのか?」
「いや、僕は今回遠慮したんだ」
そっか、まぁ順番だろうししゃーないか
「でも楽しみだね、提督と行く…佐世保は」
…え?佐世保?
「僕は知ってるんだ、提督は佐世保が大好きだって事」
………
「先日の艦隊異動でわざわざ同じ九州にある鹿屋基地から佐世保鎮守府へ異動する程だもんね」
白熱する戦果争い、天井知らずのボーダーライン、うっ頭が…
「だけど最近は、ブルネイ泊地に興味があるようだね」
7-1周回しなきゃ(使命感)
「でも僕は…佐世保の方が好きかな」
ま、まぁそうだろうね…
「分かった、時雨の順番が来たら佐世保へ行こうか」
「ありがとう、やっぱり世界が変わっても思い入れのある地を一目見たいんだ」
そうだよな…
「約束だよ提督、一緒に行こう」
「あぁ、約束な」
往復時間考えたら2時間位しか観光出来ないだろうけど…まぁ頑張るとしよう
アレ…でもこの流れ危険じゃね?
皆の行きたい場所や故郷とか言われたら…
9月3日
ふぅ、今日は仕事が休みでまったり過ごせた
毎日がホリデーだった時が懐かしいぜ…
「Buona sera提督、聞きましたよ~皆の行きたい所に連れて行ってくれるって!」
アカン(アカン)
「や、やぁアクィラBuona sera」
「提督~アクィラはそちらの世界のジェノバに行ってみたいです」
無理無理無理ぃ~イタリアとか絶対無理だって!
遠すぎるし、メンテ時間内にイタリアへ移動出来る訳ないって
「アクィラ…時間制限がある事を忘れてはいないか?」
お互いの世界にメンテ終了までに戻っておかないと色々と不味いだろう
「あっ、そうでしたね…」
うわぁ…滅茶苦茶テンション下がってる
凄い罪悪感だ、なんとか出来ないかねぇ…
おっ!これでどうだ
「アクィラ行くのは難しいがジェノバのワインを取り寄せるよ、こっちで美味しいプランゾと一緒にどうだい?」
これでイケるか?もうコレ以上は手が無いぞ…
「まぁ!提督の作ったプランゾとジェノバのワイン…素敵ですねぇ」
俺が作るなんて一言も言ってねーよなぁ?
クソッ!だが喜んでるアクィラの手前言い出しにくい…
どうしよう…イタリアンなんてつくれねーよ
ナポリタン出しても、怒られへんか…イヤ無理だ
リベッチオなら騙せるがアクィラは無理だ、ましてやローマに出そうものならボコボコにされてしまう
やっぱ眼鏡は怖い、はっきりわかんだね
バァン
「いったあーーーっ!」
「あら提督、どうしました?」
9月4日
はぁ…疲れた
慣れてきたと言ってもやっぱ仕事って辛いな
小さいミスもまだまだある、なんか凹むわ…
「提督、お疲れ様です」
あぁ、大淀
「随分とお疲れのようですね?」
ちょっと仕事が上手くいかなくてな…
「そうでしたか…」
いかんな、皆が見てるのを忘れちゃ駄目だが、今は元気が出ない…
「…そんなにお辛いのでしたら、鎮守府へ来られますか?」
ん?メンテ中しか行き来出来ないんだろ?
「いえ、転移する事は可能です」
そうなの?じゃあ…
「ですが」
ん?
「大本営システムの近代化改修中以外で、此方へ来られた場合は…」
うん
「私は貴方を二度と其方へ返しません」
………くっくっく、あははははは
そうだな、分かってるよ
俺はまだ皆に誇って貰えるような提督では無い
鎮守府で過ごす、そんな贅沢は当分先だよな?
「提督次第かと」
そりゃそうだ
ふぅ、なんか元気出て来たよ
「ありがとな、大淀」
「お気になさらず」
やれやれ、俺は何時まで大淀の掌の上で踊るんだろうなぁ?
「おイヤですか?」
「まぁ…悪くないよ」
9月5日
ふぅ、今日の仕事はまずまずじゃないかな
昨日大淀に尻を叩かれたし頑張らなきゃな
「提督、仕事上がりかしら?」
お、五十鈴じゃん
「ああ、さっき帰ってきた所だよ」
そういやもうすぐメンテなんだけど
「五十鈴、メンテ中にこっちに来る子はもう決まっているのかな?」
人数とか確認しておかなければ
「あー…そうね、まぁ」
??なんか歯切れ悪いな、五十鈴らしくない
「誰が来るんだ?後、人数も教えて欲しい」
「えーっと…あぁ、まだ決まっていないのよ」
あれ、そうなんだ
「そっか、まぁ当日を楽しみにしておこうか」
案内する場所は変わんないし、まぁいいか
「五十鈴はやっぱ艦隊指揮あるから来れそうにないよな?」
「ええ、流石に五十鈴は無理ね」
まぁ司令代理お願いしちゃってるしな
「分かった、案内終わったらそっちへ行くからお土産期待しといて」
「あら、期待していいの?五十鈴を満足させられるのかしら?」
ハールド上げんなよ…
「色んな種類買っていくから一つ位気に入るモノがあるだろうさ」
9月6日
いよいよ明日がメンテの日だ
さて誰が来るのかねぇ
「提督、お疲れ様です」
「おっ、来たな」
大淀だ
「明日の予定なんだが、メンテ始まったら栗畑集合って事でいいかな?」
「はい、そのように」
それと
「こっちに来る子達の服装なんだが…」
奇抜なファッションの子が多いからさ
周囲の人達への配慮が欲しいよな
特に大淀なんか…あのスリットは駄目だろ
バァン
「いったぃ…」
「そのような視線を向けるのは提督だけです」
嘘やん?皆ガン見するよな?
「服装の件、承知しました」
「あいよ、他は…カメラ位かな?飲み物とかは準備してるからさ」
「了解しました」
おし、こんなもんかね
明日はどうなる事やら
9月7日
栗畑到着っと、今メンテ5分前だから少し待つとしようかね
さてさて今日は誰が来るのやら
俺は辺りに落ちた栗を拾いながら時間を潰した
「提督」
おっ、来たか
振り返ると大淀が居た
ふむ…お洒落してるな
似合ってる…
結構、綺麗だと思うよ
「やぁ大淀、他の子達は?」
「私一人です」
…え?マジで?
皆あまりこっちの世界に興味無かったのかなぁ…
なんか悪い事しちゃった気がする
でも時雨とか結構乗り気だったよなぁ?
「観光に参加したいと希望する艦娘が多数いまして」
そうなんだ、皆興味はあったのね
「皆さんとの話し合いの結果、私一人が此方へ来る事となりました」
…お前何したんだよ?
「何もしておりません、ただ…」
ただ?
「デイリー任務の軍縮条約対応は何方が適任かを皆さんに尋ねただけです」
……………
「皆さんには私を推薦して頂けました。ふふっ、不思議ですね?」
良い笑顔で何て事言いやがるんだコイツは…
「私一人では、ご不満ですか…?」
…ったく、そんな顔見せられたら怒れないじゃん
はぁ、仕方ねえなぁ
「ホラ、いくぞ」
手を差し伸べる俺
「はい、提督」
その手を繋ぐ大淀
ホントに困ったヤツだよお前は
鎮守府へ行ったら皆に怒られそうだが…まぁいいさ
折角の機会だ、楽しんで貰えるように
精一杯エスコートさせて貰うよ
「お嬢さん、行ってみたい場所はあるかい?」
「貴方となら何処へでも…」
おわり
お付き合い頂きありがとうございました