本格的に眠りだしたビスマルクを眺める
「青葉どうする?このまま収録続けるか?」
と、青葉に聞いてみた
「アハハ…どうしましょうかねぇ?」
青葉も困っている様子だ
ビスマルク、海の上で戦いに赴く彼女は勇猛果敢であり、信頼の置ける艦娘なのだが
陸に上がるとこうまで変わってしまうのか、オンとオフの使い分けが上手なのだろうな
収録の為に、この眠り姫を起こすのも忍びない
「ビスマルクを寮まで連れて行くよ、皆少し休憩な?」
一時撮影を中断
冷蔵庫の中にあった甘いモノを幾つか取り出す
俺の持て成しを受ける気満々だったビスマルクへのお土産だ
「それじゃ、行って来るよ」
ビスマルクを抱きかかえ、ドイツ艦娘寮へ向かった
プリンツに、ビスマルクとお土産を渡して情報部室へ戻って来た
「皆注目!本日六人目のスペシャルゲストはガリバルディだ、はい拍手~」
「Buongiorno!コメンタリーならGaribaldiに任せておけって。やるぜ!」
「ガリバルディさん?司令官どうされたんです?」
室内に居た三人は、ガリバルディを連れて帰って来た俺に困惑している
「帰りに会ったんだよ、それで助っ人として連れて来た」
「何引っ掛けてきてるんですか…」
頭を抱える青葉
引っ掛けるとか失礼なヤツだ
さて収録再開…の前に
ガリバルディの作るカフェラテが美味いと聞いたので、軽い気持ちでリクエストしてみたら
「Caffè Latte?いいよ、入れたげる」
と、作ってくれる事になった。やったぜ!
そんな訳で俺は今、カフェラテを作るガリバルディの後ろ姿を眺めている
ああ^~いいっすね^~
やっぱイタリアの子達は華があるなぁ等と考えていると
「………」
険しい目つきでガリバルディを見る大淀が目に入った
大淀とガリバルディ、二人共軽巡洋艦であり、同じ4スロ軽巡でもある
ガリバルディは気にしていないようだが、大淀は彼女に対しライバル意識を持っているのかもしれない
この人選は失敗だったかな?と思っていた俺に大淀が
「やはり胸ですか?提督?」
ちげーよっ!
ハァ…真面目に考えてた俺がバカみたいじゃねーか
美味いカフェラテを頂きながら収録再開だ
場面は昼寝を終えた俺がリビングで鈴谷と会うシーン
「鈴谷は随分と、騒いでいたようだな?」
聞いた話を大淀へ振ってみる
「えぇ…この時は大変でした」
大淀は、疲れた笑みを浮かべていた
「そこまでやるとは聞いてないっ!私もアーンされたいっ!提督にやって貰うまで連合の相手しないからっ!」
鈴谷の声マネをしつつ身振り手振りで当時を再現する大淀
「ホントに、アイツは…子供かよ」
苦笑しつつ呟く
「そんな状態の鈴谷さんを、提督と会わせるのは不安でしたので」
「朝潮を派遣したと?」
「その通りです」
朝潮も災難だったなぁ
「なぁ提督、アタシのCaffè Latteどう?」
そこでガリバルディがカフェラテの感想を聞いてきた
「すっげー美味い、毎日飲みたい!」
素直に答えた
「だろっ?結構評判いいんだぜ?」
褒められてご満悦のガリバルディ
「ほぅ、毎日ですか?それはそれは…」
机の下で俺の太ももが抓られる
いや大淀さん、カフェラテだよ?
味噌汁じゃ無いんだからさぁ、そんなに怒らなくても…
お次は俺と鈴谷、朝潮の三人で甘味処間宮へ向かうシーン
店内で朝潮を膝に乗せている場面だな
「なぁ、提督はちっこい艦娘が好きなのか?」
ガリバルディから直球な質問を受ける
その火の玉ストレートっぷりに大淀と青葉、衣笠までもが忍び笑いをしている
「そうじゃ無いよ、あのな…」
俺の家は子供至上主義なんだ
子供が喜び、笑ってくれればオールOK
そんな家で育った俺にも、その考えが根付いている
だから艦隊の小さい子達を見てたら、どうしてもさ
構わなきゃ!笑顔にしなきゃ(使命感)みたいに思ってしまうと説明した
「艦隊の長としては、余り良くないとは思うけどな」
「そうですね、提督でしたら艦隊の艦娘全てに目にかけて頂かなくては…」
暗にもっと上の年齢層の艦娘にも構えと、大淀から釘を刺される
「まぁ、いいんじゃね?艦娘を大事にしないヤツよりアタシは良いと思うぜ?」
ガリバルディ…やだ、この子イケメンっ!
俺の中の乙女心がトゥンクと反応を示す
「はいはい、次に行きますよ」
大淀に促され次の場面へ
次の場面は鈴谷を背負い、朝潮と手を繋いで海沿いを散歩するシーンだ
「アタシよく分かんないけどさ、こう言う場面が家族ってヤツなのかな?」
そう、ガリバルディは感じたようだ
「どうかなぁ?俺も奥さんや子供いないから分かんねーや」
「そっかぁ…」
彼女から、先程までの元気が無くなっていた
「なんか元気無いな?どうしたんだよ?」
「なんか無性にさ…姉貴に会いたくなったんだ」
あぁ、この子お姉ちゃん大好きだもんな、やっぱ一人だと寂しいよなぁ…
では、とっておきの情報を教えてやらねばなっ!
「実はな…次のイベントでは君のお姉さんと邂逅出来るらしいぞ?」
「マジでっ!?」
一気にテンションが最高潮になるガリバルディ
「あぁ、そうらしい」
「そっか…提督、姉貴に会わせてくれよなっ!」
「勿論だ、その時はガリバルディの力も必要になる。頼むぞ?」
「やるときはやるぜ?出番、ちゃんとくれよなっ!提督!」
気合十分だな、安心したよ
嬉しそうなガリバルディを微笑ましく眺める面々であった
続いての場面は鈴谷、朝潮の二人と別れ、ベンチで夕日を眺める所だ
そこに大淀が現れて、二人で会話するシーンだな
「当時はさ、このまま鎮守府で生きるのも悪く無いかもって思ってた」
「またそのような事を…」
大淀が困った様な笑みを浮かべる
「結構楽しかったんだ、皆と過ごす時間がな」
「そうでしたか…」
「まぁ、この時”まで”はな」
「あぁ…そうでしたね」
落ち込む俺、憐憫の眼差しを向ける大淀、ニヤニヤしてる青葉、不動の衣笠
ガリバルディは状況が呑み込めずに困惑していたのだが
画面に流れる映像を見て、気が付いたようだ
「まぁ、その…なんだ。元気出しなよ?」
彼女なりの優しさなのだろうが、今はその優しさが辛い
そう、次の場面は俺の尊厳が無くなった場所…居酒屋鳳翔である