うちの鎮守府のラスボスは怖い   作:sikimai

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rec.11

さてと、収録の続きだ

次の場面は何だろうと画面を見ている俺に、大淀が声を掛けてきた

「提督、私は素晴らしい事を思いつきました。聞いて頂けますか?」

「あぁ、どうした?」

大淀は神妙な顔で、説明を始めた

「まず…私が提督の気分を落ち込ませます」

ちょっと前提が酷過ぎないか?

「その後、落ち込まれた提督は私を抱きしめる。これは双方にメリットがありますよね?」

まさかとは思うが…双方の中に俺が含まれているのかな?

「これはもう、幸せの永久機関になれるのではありませんか?」

随分とガバガバな機関だな?

「大淀落ち着いてくれ、一度冷静になろう」

君は今、頭のネジが2、3本外れてしまっているんだ

「提督、私は至って冷静ですよ?」

なるほど、自覚症状が無いタイプか…厄介だな

「大淀、貴方…天才かしら?」

戦慄の表情を浮かべる足柄が参加してきた

「足柄さん、この理論は私が考えた物です。使用したいのであれば特許使用許諾を取得して下さいね?」

この短時間で大淀は特許を取得していたようだ、艦娘とはまだまだ謎が多い存在である

「そんなっ!?ねぇ大淀、礼号組の誼でどうにかならないのかしら?」

このコントは何時まで続くのだろうか?それが今一番の関心事だ

「分かりました、私も誼は大切にしたいので、お値打ち価格でご提供しましょう」

なぁ青葉、ゲラゲラ笑ってないで霞を呼んで来てくれないか?

「でも…お高いんでしょう?」

俺ではこの二人を制御出来る気がしないんだよっ!

「霞ちゃんを称える会の会費3回分です!」

さてはこいつ等、礼号組で集まったら何時もこんな感じだな?

「くっ…背に腹は代えられないわね、払うわよっ!」

霞は何時も、この二人の面倒を見ているのか…苦労が偲ばれる

今度霞に会ったら、間宮券を渡そうと心に決めた

 

二人の茶番が一段落ついた瞬間に

「足柄さん、そろそろお時間です。ありがとう御座いました~!」

「提督っ!私はまだやれるわっ!?」

もう十分堪能したよ…

「我儘言うなって、青葉達にも段取りがあるんだからさ?」

「うぅ、仕方ないわね」

「足柄のお蔭で助かったよ、ありがとう」

これは事実、彼女が居なければ、この枠はもっと酷い事になっていただろう

「いいのよ、提督と大淀も頑張ってね。それじゃ」

颯爽と退室して行く彼女を見て、やはり足柄は…良い女だなぁと思った

「大淀、随分と楽しそうだったな?」

あれ程、表情豊かな大淀は初めて見た

やはり気心の知れた相手だと素の部分が出るのだろうな

「足柄さんとは不思議と波長が合うんです」

笑顔で答える大淀

「今度、礼号組の集まりがあるんです、提督もご一緒しませんか?」

「嬉しいお誘いだが、遠慮しておくよ。本人の前で愚痴は言い辛いだろうからな?」

「ふふふっ、分かりました」

霞悪いな、健闘を祈る

 

次のゲストを迎え入れ、収録再開となる前に衣笠からカンペが出された

(模様替えを提案します)

どうやら今の構図では、カメラの固定が難しいとの事なので、以前の撮影環境に戻す事になった

コタツ机とカーペットを片付けて、椅子とテーブルを設置

ゲスト用の椅子も設置しようとすると

「司令官、ゲストの座る場所は本人に決めて貰いましょう」

と、青葉が言い出す

「なんでだよ?」

「今までのゲストは好きな場所に座ってたはずですよ?」

「まぁ、そうかもな?」

「まさか司令官ともあろうお方が、公平な対応をしないとは言いませんよね?」

「わかったよ…でも、本人が椅子に座りたいって言ったら椅子を出すからな?」

「ええ勿論、まぁ…そんな事にはならないと思いますよ?」

ニヤニヤ顔でそんな事をいいやがる

 

「本日八人目のスペシャルゲストはこの方です!どうぞ~」

拍手でお出迎えだ、さてさて誰が来るのかな?

「金剛型四番艦 霧島です、どうぞよろしくお願いします」

おや?収録に来るのなら、金剛が来るとばかり思っていたが

霧島だったとはな…意表を突かれた

「あ、あれ?霧島さん、金剛さんはどうされたんですか?」

焦る青葉が霧島に尋ねる

「金剛お姉さまはその…熱を出されてしまって」

あぁ、やはり金剛が来る予定だったのか

それにしても…熱?

艦娘も風邪をひく事があるんだな

「今日の収録を大変楽しみにされていたのですが、昨夜一睡も出来なかったようで…」

遠足の前日眠れずに、当日熱が出るアレみたいだな?

「その様な訳で、代役として参りました」

「了解です!霧島さん、よろしくお願いしますね」

「こちらこそ」

青葉と霧島の挨拶も終わった様だ

「霧島、お疲れ様。収録終わったら金剛のお見舞いに行くよ」

「お気持ちはありがたいのですが、司令がいらっしゃると金剛お姉さまの熱が更に…」

「わかった…金剛にお大事にと伝えてくれ」

「お気遣いありがとうございます」

霧島は疲れた笑みを浮かべ、そう言った

 

霧島も交えて収録再開…の前に

「霧島、何処に座る?椅子出そうか?」

「司令の膝に座る決まりがあるとお聞きしました」

そんな決まりは無いけどな?

「司令、失礼しますね」

そう言いながら霧島は、俺の膝に優雅に腰を下ろした

「金剛さんに悪いとは思わないのですか?」

大淀は半眼となり、霧島をチクリと刺す

「それとこれとは話が別です」

余裕を持って答える霧島

なるほど、霧島もなかなか強かなようだ

艦隊の頭脳を称するだけの事はある

 

 

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