平々凡々   作:四識

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今回は秋彦視点で進めます。


二話

一時間目が終わった。

 

あの後休み時間はなく、そのまま1時間目に突入してしまった。

せめて水分補給をさせてほしかったなー。全く喋っていないのに喉が渇いて仕方がない。アイアムサースティー。さて、今日のドリンクは気分を落ち着かせる緑茶を持ってきた。「おーいお茶濃い味」。・・・うん・・・・おいしい。

 

「何飲んでるんだ?」

「ん?」

 

イケメンが話してきた。・・・まさかそっちから話してくるとは思わなかった。いや俺は話しかけるつもりなんか毛頭ないよ?

 

「おーいお茶濃い味」

「それうまいよな。あ、俺、織斑一夏っていうんだ。よろしくな!」

 

・・・笑顔が眩しい。

てか飲み物から自己紹介に持っていくか・・・・コミュ力高いなーおい。

 

「内海秋彦です。まぁ、よろしく」

 

作り笑顔で対応させてもらおう。ポーカーフェイスは得意だ。ポーカーフェイスいる状況じゃないけど。

 

「秋彦って呼んでいいか?」

 

最初から名前呼びたぁ・・・恐れ入る。まぁ、別にいいけど。

 

「あぁ、いいよ」

「いやぁーにしても本当に秋彦が来てくれて助かったよ。やっぱり女子だけの空間に男子一人は辛いものがあるよなぁ。」

「はは、そりゃそうだろうな」

 

それから休み時間いっぱいまで俺がいなかった四日間の出来事を愚痴ってきたが、適当に相槌を打ってやった。全くの違和感なく。

 

「初日は客寄せパンダの気分だったよ」

「まぁ、仕方ないな」

 

「一日で13回も千冬姉に叩かれてさぁ」

「それはすごいな」

 

「ルームメイトの箒は木刀で部屋の扉ぶち抜くし、」

「なにそれ怖い」

 

 

 

 

 

 

織斑一夏か。

 

正直、好きにはなれないな。何故かって?

織斑がきっかけで俺の人生の道はずいぶん細くなってしまったからだ。織斑が見つかって全国で男性適合者狩り否、男性への適合検査。そして俺が発掘された。

IS適性が見つかった時の選択肢はIS学園行き、もしくは生体研究所行きのどちらかだ。研究所は火を見るより明らか。投薬→生体実験→解剖→ホルマリン漬け→廃棄。こんなもんだろう。生きる選択肢があるならそちらを選ぶに決まってる。でもIS学園も箱庭状態だ。外に出ればどこぞのマッドに誘拐されてさっきの流れに矯正させられる。あと女性権利者団体に後ろから刺される。こう、ドスッと。つまり男性適合者が次々に湧かないと俺は外に出られない。いや、外出届出せば外に出れるよ?でも自分から死にに行くようなことなんてしないさ。

それに・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかく大学に受かったのに。しかも国公立。俺の学習時間一年分を返せ。

・・・うん。俺18歳だよ。二、三週間前まで大学合格したばかりの高校三年だったよ。でも今高校一年やり直し中。つまり全生徒の中で一番年上。

考えてもみろ。合格しました。念願の第一志望校です。でもIS適性あるからそれ蹴ってIS学園に入学しなさい。じゃなきゃモルモットです。

・・・・やってられん。そもそも重要人物保護法みたいのあるから強制的なんだよね。

一時間目の内容だって受験生にしたら余裕のよっちゃんだ。ISのことだけじゃなくて一般科目として普通の高校生の授業やるんだよね。テスト一番取れてしまうぞ。ちなみにこのことを自己紹介で言わなかったのは、そこまで頭が回らなかったからだ。たぶん俺が言わなかったから山田先生も織斑先生も言う必要はないと判断したのかもしれない。明日にはバレるだろうけど。

 

 

てな理由で織斑のことは好きになれない。織斑が悪くないことはわっかているけどさ。俺の運がなかっただけだ。それでもやっぱやるせない。プラスの感情にもならないけど、マイナスの感情にもならない。まぁ、織斑の性格的にマイナスにはならんだろう。

 

 

 

休み時間になる度に織斑が来た。自分のことをマシンガントーク一歩手前の速度で喋り、授業が近くなると去っていく。そして俺に向けられるのは負の感情がこもった視線。

 

(あいつがいるせいで織斑君と話せないじゃない。)

(何の変哲もない男のあんたが千冬様の弟と話してるんじゃないわよ。)

 

おい、廊下にいる二人、聞こえてるぞ。あれか、所謂信者という奴か。まさか初日から目をつけられるとは。予想はしていたがずいぶん早いな。そりゃイケメンと地味面が一緒にいたら「え?なんでお前そこにいるの?」ってなるよな。イケメンの友達は大抵イケメンの法則。ただし例外はある。

 

 

 

さて、ここでの身の振り方はどうするかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

 

 

 

ISの授業がただの暗記科目だった件について。

使用用途に「枕としても使えます。※肩が凝る可能性が御座います。」とか「鈍器としてもお使いになられます。※個人差により殺傷力は異なります。」とか書いてそうな教科書流し見たけど、基礎理論の証明とか、ISのエネルギー計算とか以外は覚えてしまえば終わりというものだ。まぁ興味のない科目なんて暗記科目になってしまうよな。

 

今日は疲れた。主に精神的に。織斑の言ってた通り、女子の空間に男子は辛い。さーて信者に絡まれる前に帰るか。織斑もポニーテールに連れてかれたし。教員室で山田先生から部屋の鍵もらってくかな。

 

 

 

 

 

 

 

「本当にごめんなさい!!」

「いや、いいですよ。別にそれくらい。てか先生悪くないですよ。それ。」

 

 

山田先生が俺の前で頭を下げてる。

一体何が起こったのか説明しよう。

 

織斑のIS適性が見つかった時、情報規制が間に合わなく家にマスコミやら科学者やら軍人やら某国大使が来たそうだ。その後の処理は相当手こずったようで、二の鉄は踏まないと俺の情報は今日の九時まで秘匿されていたとか。あまりに隠し続けるとバレた時に各国からのバッシングは必至である。ならば入学させてから明るみに出し、各国からIS学園への不干渉権を盾にしてしまえばいいと。正直そんなうまくいくのか甚だ疑問だが。

俺のことは朝のニュースの最中に臨時で流れた。これでIS学園にいる二人目には誰も手が出せないだろうとゆうことだ。確かに誰も手が出せなかった。だが別の問題が発生した。俺の情報が開示されたということは、顔写真と名前と年齢が晒されたわけでして。こんなどこの馬の骨とも知らん、年上の、見るからに魅力のない奴が、部屋は違うとはいえ同じ建物で自分の娘と暮らすのだ。生徒たちの親から電話のコールが殺到した。やれ何か間違いが起きたらどうしてくれる。やれそんな男がISを動かせるわけがない。やれ家の娘がそんな男と同じ学び舎に行くなど耐えられない。etc,etc

織斑の時はそんな電話がなかったという。そりゃそうだ。齢15,6年で持つ家事スキル、ご婦人も落とせそうな甘いスマイル、そして元IS最強織斑千冬の弟。今のご時世これ以上の優良物件があるだろうか。いや、ない。むしろ私の娘と同じ部屋にしてくれと電話があったほどだ。

 

 

 

つまり、俺には帰る家がないということだ。

 

 

予想は

 

 

 

 

 

 

 

していなかった。

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。

主観の方が書きやすいな


――――ISのことだけじゃなくて一般科目として普通の高校生の授業やる
    自己解釈:普通はやるだろうなーと思って

――――イケメンの友達は大抵イケメンの法則。ただし例外はある。
    経験談

――――ISの授業がただの暗記科目だった件について
    自己解釈:最初は座学でしたよね?つまりそういうこと。
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