ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか   作:黒歴史

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話ね進む速さがめちゃくちゃ遅いですが、毎日投稿してるし、いいですよね?
ていうか、遅くしないと1カ月も物語が続かないからいいですよね?


第10話今回はベルがほとんどを占めていますね

 ベルに負けないように一気にソロで7階層まで来た。5階層よりも溢れ出るモンスターを切って切って切りまくった。三十数体目を切るとあることに気づいた

 

「俺、【妖刀】をずっと持ってるな」

 

 思い返せば【妖刀】は必ず俺の近くにある。酒場の時も、今も…

 

「そういえば、どんな事があっても使い手から離れる事はないとか言ってたが…」

 

 試しに【妖刀】を置いて行こうとしてみた

 

「…あれ?」

 

 無意識に勝手に動いて置いた刀を構え手に持ってしまった。これは本物だ

 

「おいおい、これ呪いの類いじゃねーか…刃こぼれしたらどうすんだよ…直してる近くで寝泊まりとか嫌だぞ?…やべ、もう三十体くらいこれで斬り捨ててた…」

 

 そう言って刀身を見てみると何も変わらず刀身は綺麗だった。三十数体も切ってたら傷くらいついてもおかしくはないのに…

 

「…もしかして…いやでもなぁ…」

 

 ある事を考え実験したくなった。だけどもし失敗したらさっき言ったように直してる近くで寝泊まりする事となる

 

「背に腹はかえられない…」

 

 決心した俺は

 

 

 ギィンッ!!!

 

 

 ダンジョンの壁を切りつけた。金属が放つ嫌な音が耳を通る。壁は多傷ついていない、俺の刀は…

 

「刃こぼれどころか傷一つなしかよ…」

 

 刀は変形せず、刃こぼれもない。試しに数十回壁を切りつけたがやはり変化はなかった

 

「認めた奴しか刀は抜けない…傷がつかないと言う事は鍛冶屋に頼んで直す必要もない…絶対に離れない…

 この【妖刀】って主人に一途な刀なのか?

 だが変化がないと言う事は砥石で研いでみても切れ味は一定、故に主人の剣の腕によって強さが増す武器ってところか…」

 

「面白い」そう言おうとするとモンスターが切っていた壁から溢れ出した

 

「お、丁度いい。出てきていきなりで悪いが切り刻ませてもらおうか!!!」

 

 そう言って新しい刀を持ってまたモンスター狩りだした

 

 

 

 〜ベル〜

 

 現在僕はヤミさんに「お金は払っておいたけど勝手に逃げ出したお前をシルさんが仕事そっちのけで探しに行ったんだぞ?礼するなり何なりしてからダンジョンに行け、わかったか?」と言う訳で『豊穣の女主人』の前に立っていた

 

「ちょっと気まずいなぁ…」

 

 少し悩んでから意を決して酒場に足を踏み入れた。カランカランと、ドアをくぐった頭の上で鐘が鳴り響く

 

「まだミャー達のお店はやってないのニャ!」

 

 店内でテーブルにクロスをかけていたエルフの定員とキャットピープルの店員が、ベルにすぐ気づいて対応してきた

 

「すいません、僕はお客じゃなくて……その、シルさん……シル・フローヴァさんはいらっしゃいますか?」

 

 僕の言葉に少し目を丸くした二人は、何かに気づいたようにこちらを見る視線を改めた

 

「ああぁ!あん時の食い逃げニャ!シルに貢がせるだけ貢がせといて役に立たなくなったらポイしていった、あんクソ白髪やろうニャ!!」

「貴方は黙っていてください」

「ぶニャ!?」

「失礼しました。すぐにシルとミア母さんを連れてきます」

「は、はい……」

 

 獣人の少女の襟を掴み、ズルズルと引きずっていくエルフの定員を汗と一緒に見送った後、手持ち無沙汰になったベルは店内をぐるりと見る

 

「ベルさん!?」

 

 階段を急ぎ足で下りる音がして、すぐに店の奥からシルさんが現れた

 

「一昨日はすいませんでした。勝手に出て行って…」

「……いえ、大丈夫ですから。こうして戻ってきてもらえて、私は嬉しいです。…そういえばヤミさんは?」

「今日から僕達はバラバラでダンジョンで戦うので、先に行ってしまいました」

 

 シルさんは「そうですか」と言うと次に「少し待っていてください」とキッチンの方へと消える

 戻ってきたシルさんは大きめのバスケットを抱えていた

 

「ダンジョンへ行かれるんですよね?よろしかったら、もらっていただけませんか?」

「えっ?」

「今日は私達のシェフが作った賄い料理なので、味は折り紙つきです。その、私が手をつけたのも少々あるんですけど…」

「いえ、でも何で……」

「差し上げたくなったから、では駄目でしょうか?」

 

 少し首を横に傾けたシルさん、照れ臭そうに苦笑する

 そのどこか優しい表情を見て、鈍感な僕でも察することができた

 元気付ける……いや、応援してくれているのか

 

「…すいません。じゃあいただきます」

 

 彼女の気持ちに気付いた僕は相好を崩してバスケットを受け取る

 

「坊主が来てるって?」

 

 ぬぅ、とカウンターバーの内側にあるドアから出て来たのは女将さん…ミアさんだった

 突如として現れたえもいえない存在感に、僕は少し後退してしまう

 

「シル、アンタはもう引っ込んでな。仕事ほっぽり出して来たんだろう?」

「あ、はい。わかりました」

 

 シルさんがお辞儀をして戻っていく傍ら、ミアさんは豪傑な笑みを浮かべて僕の旨をどついて来た

 曰く、「このまま帰ってこなかったらこっちからけじめをつけに行ってやった」とか、「後一日遅れて来たら久しぶりにアタシのスコップが轟き叫ぶところだった」だとか

 ヤミさんありがとう。命を救われた

 

「シルには改めて礼を言っときな。アンタの仲間が払ったとは言え。ウチはアタシも含めて血の気が多い奴等だから、アレが説得していなかったら、アンタ今頃は湖に沈んでるよ」

「……」

「シルは飛び出したアンタを追いかけて行ったみたいだけど、結局会わなかったんだろう?塞ぎ込んで帰ってきたシルを見て、ほれ、あのエルフのリューが真剣持って出て行きそうになってね。止めるのに一苦労したもんさ」

 

 エルフ好きの僕はどうやらエルフの事を誤解していたらしい

 

「…坊主」

「何ですか?」

「冒険者なんてカッコつけるだけ無駄な職業さ。最初の内は生きる事だけに必死になっていればいい。背伸びしてみたって碌なことは起きないんだからね」

 

 あの時のミアさんもカウンターにいたから、僕の事情を見通しているのだろうか?彼女はニッと笑みを浮かべる

 

「最後まで二本の足で立っていた奴が一番なのさ。みじめだろうが何だろうがね。すりゃあ、帰ってきたソイツにアタシが盛大に酒を振舞ってやる。ほら、勝ち組だろ?」

 

 ミア、お母さん……っ!

 

「気持ち悪い顔をしてるんじゃないよ。そら、アンタはもう店の準備の邪魔だ、行った行った」

 

 くるりと回転させられドンと背中を押された。呼吸が半分止まりながらも、僕も感謝の念は尽きなかった

【ロキ・ファミリア】のあの獣人の青年の言葉が、今は純粋な燃焼材に変身していた。今できること、最高速度で、無茶なく、後は必死に生きる

 

「坊主、アタシにここまで言わせたんだ、くたばったら許さないからねえ」

「大丈夫です。ありがとうございます!」

「そうかい。あぁそうそう…」

 

 ダンジョンに行こうとした僕にミアさんがまた話しかける

 

「アンタの仲間に伝えときな。『今度はあんな無謀なことはするんじゃいよ』ってさ」

「あの、それはどう言う意味でしょうか?」

「なんだい、聞いてないのかい?アンタの仲間がアンタの事を話してたアイツに喧嘩売って、そんで勝っちまったのさ。今じゃアイツの事はオラリオ中で噂になってるよ。アンタ、いい仲間を持ったね」

 

 僕は耳を疑った。あの【ロキ・ファミリア】の人に?あの獣人の人に?Lv5に? もしかしたら殺されていたかもしれない戦いを挑んだ?

 

「……帰ったらヤミさんにお礼を言わないと」

 

 そう言って僕はダンジョンに向かって走り出した

 

 

 

 

 

 

 

「へくしっ…なんだ?誰か俺の噂をしてんのか?それとも【妖刀】の呪いか何かか?…お、モンスター発見!」

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