ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか   作:黒歴史

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第2話いざオラリオへ

「ほれほれ、遅いぞ」

「クッソ!じいちゃん少しは当たれよ!!」

 

 あれから1年経った、一年間俺は木刀を振り続け中々様になってきた所だ。身長は169〜170くらいになる。そして俺は今、毎日の模擬戦でじいちゃんを打ちのめようとしている。だがじいちゃんはいつもと違いおちょくっているのか何度振ってもじいちゃんは紙一重で躱してくる。そろそろストレスでどうにかなりそうだ

 

「そいや!」

「ガッ!」

 

 じいちゃんの木刀が頭に振り下ろされた。最近こんな事ばかりなため、大体の痛みには慣れてしまったが痛いものは痛い

 

「いってぇ…」

「お主はまだまだ未熟じゃ。そんな物では子供が剣を振るのと大して変わらんぞ?今日の稽古はここまでじゃ、自分の部屋で何故未熟なのか考えてみぃ」

 

 頭を押さえている俺にじいちゃんはそう言い残し家の中に入って行く。入れ替わるようにベルがこちらに歩み寄って来た

 

「大丈夫?」

「大丈夫大丈夫。…ベル坊、俺ってそんなに弱かったか?」

「そんな事ありませんよ!おじいちゃんも凄いですけどヤミさんも十分凄いですよ!何故勝てないのか不思議なくらい…」

 

 ベルから嬉しい評価を受けた。少し元気をもらった俺はすぐに立ち上がりベル坊の頭を撫でた

 

「ありがとよ。んじゃ、部屋でじいちゃんが言ってた『何故未熟なのか』を考えてみるわ」

 

 そう言って自分の部屋へと足を動かした

 

 

 

 部屋で寝転びながら俺は真面目に考えていた

 

「何故未熟なのか…実力はベル坊から聞いた通り十分だと自分でも思う…何で勝てない?」

 

(俺とじいちゃんの違いを頭の中で比べてみた

 

「太刀筋…は違うのは当たり前だ。避け方は……待てよ?何で最初じいちゃんは反撃せずに、しかも紙一重で避け続けたんだ?」

 

 次にそれをされ続けた事で俺に何が起きたかを考えた結果、答えが出た

 

「…イライラしてとにかく当たれ当たれと振りまくってたな」

 

 思い返せばあの時の俺は確かに子供みたいな感じだった。そう思うと恥ずかしくなる。子供みたいな振り方もそうだが、それ自体に気づかなかった事が特にだ

 

「慢心しすぎてたな。確かにこれは未熟者だ。つーか慢心してる事自体ダメじゃねーか」

 

「ヤミさーん!ご飯出来てるよ!」

 

 最後に呟くとベルの声が廊下から聞こえる。俺は時間を見た。部屋に入ったのは午後14時くらい、今は午後18時だ

 

「おーもうこんな時間か…わかった!今行く!」

 

 そう言って夕飯のある部屋へと足を動かした

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、昨日もやったじいちゃんとの模擬戦を始める

 

「もうどうすれば良いか分かったか?」

「わかった気がするだけだ。とりあえず今からするのは答え合わせだ。んじゃベル坊、開始の合図をしてくれ」

 

 お互いに少し言葉を交わすとベル坊に開始の合図を促した。それを聞いたベルは右腕を上にあげる。俺とじいちゃんは合図を静かに待った。そしてベル坊は一気に右腕を振り下ろし叫んだ

 

「始めっ!」

 

 先に動いたのはいつも通り俺、いつも通りじいちゃんに木刀を振るうがじいちゃんは昨日と同じで紙一重で躱して反撃してこない

 俺は昨日とは違い冷静に戦いに集中し、隙を伺う。

 数分振り続けているとついに昨日と同じタイミングで反撃してきた

 だが、反撃のタイミングに少し生じた隙があった。俺はそれを見逃さずカウンターを仕掛けた

 

(当たる!)

 

 

 

 

 

 ガンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 当たると完全に思っていたが、綺麗に木刀の柄の端で弾かれた。

 

「正解じゃ」

 

 じいちゃんはそう言って木刀を振り上げ即座に振り下ろし俺の頭に当たる。だがその一撃はいつも以上に痛かった。つまり…

 

「今までやつは本気じゃねえのかよぉぉぉぉぉ!!!」

「なんじゃ?もう儂に追いついたかと思っていたのか。ん?」

 

 俺はこの時に決めた。『この人(じいちゃん)より絶対強くなって泣かせる』と

 

 

 

 

 

 〜ベル視点〜

 

 ヤミさんが最後に放った一撃は僕もヤミさんが勝ったと思った。だけどおじいちゃんは柄で防いでヤミさんにまた攻撃を与えた。これには僕も驚いた

 しかも今までおじいちゃんは本気ではなく、これからが本番だと言う。だけどヤミさんの目は諦めていない。それどころか目から炎が出たのを幻視した

 

「プッハハハハハハ!!!」

 

 つい僕は笑ってしまった。ヤミさんとおじいちゃんがこちらを見た

 

「クッ…」

「フッ…」

 

 ついに2人も吹き出しその場にいた全員が笑った

 

「「「ハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」」」

 

 その日はみんなして笑い合った。こんな日がいつまでも続来ますようにと心の中で僕は願った

 

 〜ベル視点終わり〜

 

 

 

 また一年が経ち、じいちゃんが亡くなった。結局一戦も勝てず泣かせずにあっけなくじいちゃんが逝ってしまった

 泣いているベルの頭を無言で撫でた。俺も声を殺して泣いている

 そのあと俺はベルと2人で協力して生きていった。修行は毎日の習慣としてやっている

 

 そんな毎日を数ヶ月しているとベル坊にある提案を切り出した

 

「…なあベル坊、俺はじいちゃんの言っていたオラリオってとこに行くがお前はこれからどうする?」

 

 答えは分かってはいるが、一応聞いておく。ベルは俺の目を見て口を開いた

 

「…僕も…オラリオに行く…!」

「…そうか。頑張ろうな、ベル(・・)

 

 こうして俺達2人はオラリオへ行く事を決心した

 

 

 

 

 

「よし、これで大丈夫。行くか」

 

 支度を終えて俺は右手に木刀を持って家を出るとベルが立って待っていた

 

「んじゃ行くか。ベル坊」

「うん!」

 

 ベルが元気な返事を返して俺についてくる

 

「おっとその前に…」

「?」

 

 俺は足を止めて家に向き直ると頭を下げた

 

「今までお世話になりました!!!」

 

 まるで俺達を祝福しているような心地よい風が吹いた。ベルも頭を下げて「ありがとうございました!!!」と言っている

 頭を上げ家を背にすると再び歩き出す。オラリオまで俺達は少しずつ歩を進め始めた

 

 

 

 歩き始めて数時間、俺達はオラリオに入った

 

「着いたね!見て見て!あの食べ物!美味しそう!」

 

 テンション高いベルが屋台に指差してぴょんぴょん跳ねている。俺はそんなベル坊を横目に感想を述べた

 

「あぁ、初めて来たが。村とは違ってガヤガヤしてるな。おいベル坊。あんま遠くに行くなよ〜この街意外と広いから

 …まずはギルドってやつに冒険者について説明聞かないとな」

 

 とりあえずはしゃいでいるベルを落ち着かせギルドを探す。まずは街の人にそこらの屋台の女の人に声を掛けた

 

「すいません。ギルドに行きたいんですけど、ギルドってどこか教えてくれませんか?」

「おや?アンタ達は冒険者になるのかい?ギルドならあっちに…まぁ〜可愛い弟をねぇ!ほら食べな!」

 

 そう言って女の人はジャガ丸くんをベルに差し出した

 

「い、いえ。いいです!その…僕お金ないんで…」

「いや、これくらい買ってや「いいのいいの!おばさんからのサービスだよ!」

 

 女の人がそう言って笑いながら遠慮気味のベルに無理やり渡す。にしても…

 

 おばさんっつーより、お姉さんだろ」

「あら、嬉しい事言ってくれるねぇ!お兄ちゃんにもサービスしちゃう!」

 

 どうやら口に出していたようだ。上機嫌になったお姉さんにジャガ丸くんをもらうと2人で礼を言いながら頭を下げジャガ丸くんを片手にギルドへと歩き出した

 

「美味しいね!」

「そうだな。結構美味い、ある程度金貯まったらまたあそこで買うか」

 

 そんな言葉を交わしながら歩き、食べ終えた頃に丁度ギルドに着いた

 

「んじゃ行くぞ」

「うん!」

 

 そう言って俺達はドアを開け、初めてギルドに足を踏み入れた

 ベルは出会いを、俺はじいちゃんに勝てる強さを求めた話が今始まる

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