ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか 作:黒歴史
二第派閥の一つの主神、ロキが最近の情報の報告を済ませ次のお題、命名式を仕切る
「資料は行き渡ってるなー?んじゃ行くでー?んじゃあ、トップバッターは……セトのとこの冒険者から」
「た、頼む、どうかお手柔らかにっ……!?」
「「「「「断る」」」」」」
「ノォォォォォォォォォォォォォォォオ!」
セトと呼ばれた神は必死に訴えるも全員から断られ発狂する
神々がおかしいのか子が愚かなのか。真偽は定かではないが、ともかく、子供達が目を輝かせる裏で神達は身悶えてしまう『痛恨の名』
「…決定。冒険者。冒険者セティ・セルティ、称号は【
「イテェェェェェェェェェェッ!?」
そんな称号を授かり誇らしげにする子供と、悶絶する神々、彼等はその両名に指をさし、今日もころげまわる
そんな神々を見てヘスティアは呟いた
「酷すぎる…」
「あんたの気持ちはよーくわかる……」
ヘスティアの隣にいたヘファイストスも「私も昔はそうだったし」と同調するヘファイストス
(ベル君にヤミ君…すまない。泥水をすすっても普通の二つ名はつきそうにないかも…)
そうたった二人の眷属に対し心の中で謝罪するも今宵の神会は終わらない
俺とベルはギルドにて他の者と待っていた。自分の二つ名が気になるためだ。他の者もまだかまだかと待ちわびている
すると奥のドアが開く音がなり俺とベルを含めたその場にいた全員が一斉に振り向く
扉の前には、息を切らして書類の束を持った職員がいた
「来た、届いたぞっ!神会の結果!」
「やっとか!」
「おい、見せてくれ!」
彼等はすぐにその紙の束に押し寄せる。群がりはやがて縁になり、二つ名の記された何枚もの紙が沢山の手に渡って行く
その際俺も他の人の二つ名はどんなものか見てしまった
セティ【暁の聖竜騎士】、命【絶†影】、ヤミ【
俺…【悪魔】?人じゃないの?ねぇ……いや、確かに最近悪魔だの何だの言われてるよ?見た目が悪いのも知ってるさ。目つきが悪いのも知ってるさ…でも…
「ヤミさんの二つ名、カッコいいですね…」
紙を見ながら『豊穣の女主人』に向かって歩いているとベルから声をかけられ隣を見るとベルが俺の紙を見ながら羨ましそうに見ていた
「ベル坊はどうだったんだ?」
「……【リトル・ルーキー】」
ベルは小さく、小さく呟いた。ギリギリでそれが聞こえた
「要約すると『未完の新人』か…良いじゃねぇか。俺なんか人間扱いされてないんだぜ?」
「でもカッコいい…」
まだそんな事を呟くベルに「ハァ」と溜息を吐くと。自分自身で考えた事を口にした
「ベル坊、二つ名ってのは神様達にとって俺達はどう思えているのかがよく出てんだ。俺の場合は『完全に悪人顔だろw』みたいな感じだろうぜ。きっと」
「じゃ、じゃあ僕の場合は…」
「ベル坊の場合は『
俺の勝手な
「見っけぇえええええええええええええええ!!」
「え」「ん?」
突如として大声が俺達を襲った。なんだなんだと周りを見ると神様達がこちらに向かって走って来てすぐにババっと囲まれた
「【
「ロリ神んとこのホームがちっとも見つからなくて苦労したぜぇぇ……」
「近辺を張っていた甲斐があったというものよ……」
「待ち伏せは狩猟の基本」
「マジで悪魔みたいだな…」
「目つきわりー」
「人間か?人間なのか?」
「やっと出て来たな小悪魔に子兎ちゃん☆」
こんなことは初めてだ。怒りが一瞬で悪寒に塗り替えられた
ベルなんか兎だから数人からの視線に怯えちゃってるよ
「先手必勝!二人共オレの【ファミリア】に入らなーい?!今だったら【ファミリア】総出で大歓迎するよ!」
「あっ、てめっ!?必死すぎるだろ、節度持てよ!これだから弱小【ファミリア】は……!」
何故か知らんが【ファミリア】からの勧誘が始まった。今更だ
だけど、この神様達の相手は面倒だ
「すんません。俺は別にどこの【ファミリア】でもいいんですが、ウチの弟、ベルがどうしても【ヘスティア・ファミリア】にいたいと言っていまして」
「え?ヤミさん?」
その言葉を聞いた瞬間神様達はぶつぶつと呟きだした
「ということは?」
「ベル君を落とせば?」
「ヤミ君ももれなくついてくる……」
そう、全てベルに任せることにした
「「「ベル君!さあ
「ヤミさーーーーん?!」
ベルの悲痛な叫びが響く。だが『助けて』とは言わない辺り成長しているな
「真剣な話、お前達の成長速度の正体は体質か?スキルか?それともいかさまなのか?」
「レアスキル、レアスキル?ねぇ、ねぇ!?やっぱりレアスキル!?」
「もし良かったら、その服脱いでくれない?ヤミ君でもいいし、上半身でもいいからさ、お金も奮発しちゃうよ?……むふっ」
やばい。
ベルも鳥肌が立ってしまっているのか肌をさすっている
「…よーし。…逃げるぞ!ベル坊ッ!!」
「うんッ!!」
俺達は全力で逃げ出した
「あ、やっと来たニャ!」
「あはは、よく遅れるねえ、冒険者君」
『豊穣の女主人』に着くと夜に変わっていた。
「シル達はずっと待ってるニャー。厨房の方もクソ忙しいのに融通きかせているんだから、さっさとするニャ」
「女がクソとか汚い言葉を使うもんじゃないと思うよ」
「女に変な理想を抱いているから捨てな。それと、主役がいないようじゃ始められないからね、早く行ってあげな」
アーニャさんに行った言葉をルノアさんに返され、ベルは席へ、俺は厨房へ……んん?
「あの、なんで俺は厨房なんですかね?」
「黒髪はシル達の代わりに働くことになっているニャ。まずは皿洗いからニャ!」
台所に行くと山詰みになった皿がバベルのように高くそびえ立っていた。そこには一枚の紙がありそこに短く文字が書かれている。読むと
『ヤミさんへ
前に私から逃げた罰だと思ってください
シルより』
「サボってないでさっさと洗いなッ!!」
「はいぃ!!ミアさん!!」
ガチャガチャと皿を洗いながらふと俺は思った
シルさん、やはり貴方は魔女だ。と
慰めるように高評価ありがとうございます。涙出ました…じゃない心の汗が出ました