ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか 作:黒歴史
「『
「まぁまぁ、人間生きてりゃ良いことも悪いこともあるもんさ」
めちゃくちゃ落ち込むラウルの肩を叩きながら慰めているとロキ様がやってきた
「そういえばヤミ…ちゅうたか?うちが『ゾンビものやったら』って言うたら納得したけど、ゾンビ知っとるんか?」
「まぁ、はい。似たようなもん…ていうか、ゾンビものの
「案外下界でもゾンビもんなんかあったんか……」
ロキ様が何か呟いた気がしたが聞こえなかった。ま、俺には関係ないだろ
そんなことを考えながらラウルを慰めているとパタパタとエイナさんがやってくる
「皆さん!関係ありそうな手記を見つけました!!」
その声を聞いた途端に周りがざわざわとなる。エイナさんはその場でゆっくりと読み始める
『ーーついに完成した。意識も恐怖も持たぬ『生きる死人』、いわゆるゾンビを生成する秘薬が
この秘薬で作り出されたゾンビは、■■■■■■や体液の交換で飛躍的に拡散していく
都市に満つ恐慌、阿鼻叫喚の混乱、未曾有の混沌に見舞われる日も近い
惜しむらくは■■■■■■という『第一感染者』の結成を使えば秘薬の効果は消失されてしまうと言う事だが……
むしろ、それが我々の切り札となる』
「予想した通り、娯楽に飢えた神の悪戯か」
ロキ様がそう呟く
手記の話はそっちに任せるとして…
「ウゥゥゥゥ…」
「ちょ、ちょっと!しっかりして!!」
なんか顔色悪くしながら唸ってる女性冒険者がいた。仲間と思われる冒険者が声をかけるが返事がない
え、えーと…ゾンビものじゃこの後起きるのは…
「……ゥアアアアアアアアアアア!!」
「きゃあああああああああああああ!!」
ゾンビになり、呼びかけていた人を襲う…てヤバイヤバイ!!!
「ゾンビ?!ここには噛まれた奴はいないって聞いてたんだが?!」
「馬鹿な!確かにここには噛まれた人はいないはずです!!私達が徹底して調べました!なのに、どうして?!」
間一髪でゾンビから離れアミッドさんに聞くと訳がわからない様子で答える
その間にもゾンビによる被害が増える
冒険者もゾンビになってしまった
「恐れてた事態が起こったか……!
今までより10倍はタフになったと思うんや!」
そういった【ロキ・ファミリア】の面々は逃げようとしたが、バリケードが邪魔をする
「とっておきの城が檻に!変わってしもうた……!
やっぱりラウルが作ったバリケードじゃこんなもんやー!」
「これ以上、自分の胸を抉らないでほしいっす!?」
ロキ・ファミリアの面々が騒ぐ中、エイナさん…は最初から感染していたらしい
「ヤミ!早よ逃げな置いてくで!!!」
「ロキ様危ないぞ」
「え……」
ロキ様がなんか騒いでいる間にロキ様の後ろからゾンビが来ていた。俺は迷わずゾンビの元へ走り
「しゃオラァ!!!」
「「「え……」」」
元人間、元仲間のゾンビを殴った
殴られたゾンビは吹っ飛びそこらの壁にぶつかり止まる
「さ、最低っす…」
ラウルはそれを見て口から零し
「さっきまで人間だった…仲間だったんだぞ!?」
酒場の時の獣人…ロキ様曰くベートがそう言い
「あんな凶悪な男がアイズさんと訓練なんか……」
ロキ様曰くレフィーヤは……なぜ知ってるその情報?
「……………」
リヴェリアさんは無言の圧力。怖ぇ、怖ぇよ……
「助けてくれたんはありがとうやけど、最低やな……」
助けた
「「「ヴァァ……」」」
「オイコラゾンビ共、若干引くな」
「説……教……」
「エイナさん、あんた本当は自我あるでしょ?」
この後、周りからの精神攻撃に耐えながらもゾンビを殴り飛ばしながら建物の屋根の上へ逃げ切った
「ギ、ギルド本部が落ちた……ここからどうするっすか!?」
ラウルが慌てながらそう言うと
「それより……ヤミ、お前が殴ったゾンビはなんか動かんなってたけど、殺してへんよな?」
「当たり前だ。殴って脳を揺らして一時的に動けなくしただけだ」
ロキ様が質問してきたため正直に……って殺したと思われてたの?
「そうか。悪魔みたいな雰囲気してるからなぁ自分。人なんか当たり前みたいに殺してそうな…」
「どんな雰囲気!?」
「まぁ汚れ仕事は任せたーーん?」
なんか酷いこと言われそうになり、ロキ様が口を止めた。視線の先を見るとシルさんがそこにいた
「あれは…酒場の店員か?」
「あ…【ロキ・ファミリア】の皆さん……とヤミさん!?」
ベートがそう言ってる間に向こうは気づいたらしい
「なんと!シルちゃんやないかー!
こんな屋根の上でどうしたん?」
「え〜っと……実は助けてくれた方々がいるんですけど……今は離れ離れに……ってヤミさん!!ベルさんが!ベルさんか!」
「?ベル坊がどうかしたのか?」
そういえば、ベル坊ってシルさんと地下水路の掃除に行ったんだったな……
〜シルさん説明中〜
「あァ?兎野郎もおかしくなっただと!?」
「はい、地下水路の掃除中に……実は、私を助けてくれた人達にもお願いして、探してもらっているんですけど……」
シルさんによるとベルまでゾンビになってしまったらしいが、シルさんに聞いた話にちょっと気になるところがあったために聞いてみる
「ベル坊はゾンビに襲われたのか?」
「え……ゾンビ?
ベルさんは誰にも襲われていないですけど……?」
「どう言うことですか?」
俺の質問に答えたシルさんの発言にレフィーヤが多少驚きながら聞く
「えっと……地下水路を掃除中、ベルさんが急に唸りだして……」
「…いつ頃?」
「昼に地下水路に入って……その時にです」
するとリヴェリアさんがぼそりと呟いた
「昼頃、まだ街は平和だった……」
………
「ちょっとベル坊シバいてきます」
「ちょっと待てぇ!本では単独行動したやつが死にやすいのを忘れたんかぁ!!」
勝手に地下水路へ行こうとする俺をロキ様が止めたところでそれは聞こえた
バギバギバギィ!
「なっ……何や!?」
謎の破壊音が俺達を襲う
ドォォォオン!!
それも一つ二つじゃない。あらゆるところから音が聞こえ、悲鳴も続いて聞こえてくる
「……!!お前は逃げろ!ここから離れるんだ、早く!!」
「は、はい!」
リヴェリアさんがシルさんをその場から逃す。ロキ様はベートの後ろに下がり待機する
そしてそれは来た
「ーーあぁぁぁぁぁあ!!」
「う、うそっす……」
ラウルから絶望に染まった声が漏れる
「ははは、夢だよな?悪い夢だよな?」
「ああ……悪夢の域だ。お前まで、とはな」
俺が乾いた笑いを零しながら聞くとリヴェリアさんが親切に答えてくれた
俺達の目の前には金髪金眼のゾンビ、アイズ・ヴァレンシュタインがそこにいた
「……ジャガまる、くぅぅぅぅん……あんぱぁぁぁぁぁぁん」
謎の言葉?を発しながら歩いてくる。怖い、めちゃくちゃ怖い
それを見ているとアイズさんと俺の目が合った
「あぁぁぁぁぁぁんぱぁぁぁぁぁぁん!!!」
「うおっ!?来んな来んなぁぁぁぁぁあ!!」
明らかにあんぱんと言いながら追いかけてくる。全力で屋根に飛び逃げようと試みるが…さすが元はLv6、すぐに追いつかれる
「そ、そうだ!ほらアイズさん!」
アイズさんの目の前にあるものを突き出した
それは何か?クッキーだ
案外クッキーに興味があるようでそれに釘付けになった
「取ってこーい!!」
「あぁぁぁぁぁぁあ!」
空高くクッキーを投げるとアイズさんはクッキーを追いかけて走り去って行った
「あんぱんは無理だからあれで我慢してくれ……」