ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか   作:黒歴史

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いつかやった一時間遅れです
ねぇねぇどんな気持ち?
「失踪か…」
と思ったら1時間遅れで来た時どんな気持ち?


第45話お仕置きの時間だ

「おおおお……!?あ、あんな巨大なモンスターがいるなんて聞いてないぞ!?」

「あっははははっ!?死ぬかと思ったー!」

 

 四つん這いになってゼェーハァーと息を乱すヘスティア様と、地面に座り込んで大笑いしていると男神がおり、それ以外にも肩で息をしている冒険者達がいた

 

「……あ」

 

 ヘスティア様がキョロキョロ周りを見渡すとその視線はベルのところで止まり

 

「ベル君!!」

「おふぅ!?」

 

 目にも止まらぬ速さでベルに飛びついた。その勢いに耐えきれずベルはそのまま押し倒される形で倒れた

 

「ベル君、ベル君っ!本物かい!?」

「か、かみひゃま……!?」

 

 ヘスティア様はベルの体をくまなくペタペタと触り、最後に頬を引っ張る

 

「何してんだヘスティア様……」

「ヤミ君!いたのかい!?」

「ハッハッハ。シバいていいですか?」

 

 いつもならヘスティア様は「や、やめるんだ!ヤミ君!」とか言うのだが、今回ばかりは違った

 

「……良かったぁ」

 

 ヘスティア様から安心した声が上がる。顔を見ると涙を目尻に溜めていた

 

「いい加減にしてください、ヘスティア様」

「あ、コラッ、感動の再会を邪魔するんじゃない!?は、離せーっ!?」

 

 リリが割って入り、ベルに馬乗りになっていたヘスティア様を引き剥がす。ヘスティア様は抵抗するが『恩恵』のあるリリの方が力が強い、幼女が幼女に引きずられていく

 

「クラネルさん、ヤミさん、無事でしたか」

「え……リューさん!?」

 

 え……なぜぼったくり酒場のバイオレンス女が…

 

 ガスッ

 

 リューさんの肘が俺の腹に直撃し、腹の痛みに悶え苦しむ

 

「痛い…なぜ俺だけ殴られた?」

「なんだかカズヒラさんは失礼な事を考えていると思ったので…」

 

 この人、エスパーか?そんでこの一撃、ただ者ではないのは知ってたけどこれ程とは……

 

「どうして、リューさんまで……」

「とある神に、冒険者依頼を申し込まれました。貴方達の捜索部隊に加わってほしい、と」

 

 彼女が視線をずらす、その視線を追えば先ほど愉快に笑っていた男神がいた

 その神は神を揺らしながら周囲を見回し、ぽんぽんと土を払って立ち上がる

 

「オーケー、状況はわかった」

 

 いつの間にか集まっていた【ロキ・ファミリア】の人達の顔を見て、得心の笑みを浮かべる

 そうしてこちらにも気づき、笑みを纏ったまま寄ってくる

 

「君が、ベル・クラネルかい?」

「はっ、はい」

 

 その神の問いに立ち上がったベルが答えると次に俺に向いて

 

「そして君が、ヤミ・カズヒラ…と」

「そうですが、アンタは?」

 

 問いに答えを返し、問い返すと「ああ、すまない」と謝り、自己紹介を始めた

 

「オレの名はヘルメス。どうかお見知りおきを」

「ヘルメス、様……?」

「ああ。よろしく、ベル君。ヤミ君も」

「……よろしく」

 

 なんだろうか、信用できない感じが拭えない

 

「ヘルメス様、なぜ見ず知らずの俺達を助けに来たんですか?」

「なぁに、オレはヘスティアのマブダチだから協力したまでさ。君達を助けたいと言っていた彼女の望みにね」

 

 リリと口論しているヘスティア様を見ながらヘルメス様は笑いかける。「あ、ありがとうございます」とベルが感謝の言葉を送る

 まぁダンジョンの中層までヘスティア様が来れたのも、この神のおかげなのだろうし……

 

「また今度差し入れ持っていきます」

「おっ!君の料理は絶品なんだとヘスティアから聞いているからね。楽しみにしているよ

 あと、感謝ならオレ以外の子達にしてやってくれ。そこの覆面の冒険者や、彼等のおかげで、ここまで来れたようなものだからね」

 

 ヘルメス様の視線を辿ると、冒険者達と目があった

 その中の統一した装備の三人の冒険者には見覚えがあった

 

「……おい、ベル。ヤミさん」

「わかってる」

 

 後ろからヴェルフに言われるがそう返す。なんかまた面倒事が起きそうな気がする

 

 

 

 

「申し訳ありませんでした」

 

 貸し与えられているテント内

 中にはリューさん、ヘルメス様とその眷属のアスフィさんはこの場にいない

 目の前では一人の少女が綺麗な土下座をしていた

 どうやらこの人達、桜花さん、千草さん、命さんは極東の出身らしい。この世界では本家の土下座だ

 

「「おおっ……!?」」

「いや『おおっ』じゃねぇよ」

 

 ベルとヘスティア様が本家の土下座を見て戦慄しているためツッコミを入れる

 

「いやだって!本家の土下座だよ!?」

「いやそれでも今じゃねぇだろ。確かに綺麗?な土下座だったけども」

 

 そう話している光景を見てリリとヴェルフが呆れた顔をしながらも話す

 

「……いくら謝られても、簡単には許せません。リリ達は死にかけたのですから」

「まぁ、確かにそう割り切れるものじゃないな」

 

 喉を鳴らしていた馬鹿二人を他所に、土下座を物ともしないもう二人は険のある声を崩さない

 生真面目かつ先走った命さんに困り果てていた桜花さんと千草さんは顔をあげ、リリ達を見る。命さんも土下座を解除してリリ達を見る

 

「あの、その、本当にごめん、なさい……」

「リリ殿達の怒りはもっともです。いくらでも糾弾してください」

 

 モンスターの押し付けはダンジョン内では日常茶飯事だと聞くが、今回は、リリの言った通り死にかけたので、嫌悪な空気が続いている

 許せるかもしれないある方法があるが、何も知らないリリとヴェルフは許すか?

 

「あれは俺が出した指示だ。そして俺は、今でもあの指示が間違ったとは思っていない」

 

 巨漢の男、桜花さんが言い切った。その言葉には絶対に曲げないと言う感じの信念が入っている気がした

 

「……それをよく俺等の目の前で口にできるな、大男?」

 

 それを聞いたヴェルフが口を釣り上げ対峙する。もう睨み合ってると過言でもない感じに発展している

 …しゃあない、ちょっと手加減無しになるが、やるか

 

「ヴェルフ、ちょっと待ってくれ」

「なんだよヤミさ…アンタ結構悪どい顔してるぞ」

「そ、そうか?…コホンッ。まぁベル坊とヘスティア様にもやってる軽いお仕置きをこの三人にやる。それでどうだ?」

 

 それを聞いた瞬間、ベルとヘスティア様がガタガタ震えだし、二人ともおでこを抑え出した

 

「「そ、それは何をするつもりですか()?」」

 

 それに気づいたリリとヴェルフは冷や汗を流しながら聞いてくる。俺はそれに笑顔で答えた

 

「デコピン」

「「「「「…は?」」」」」

 

 俺のお仕置きの内容にリリ、ヴェルフ、桜花、千草、命が一斉に口を揃える

 

「いやいや、ヤミ様。子供じゃないんですし…」

「おう、こんな時に冗談は笑えないぞ?」

 

 当たり前だがそう反対するリリとヴェルフ、だがベルとヘスティア様は

 

「…そ、それでいいんじゃないかな?ベル君は、どう思う?」

「あ、あれ以上の罰を受けるのは可哀想だし、僕もそれで良いと思う」

「「ベル!?(様!?)」」

「よし、決まりだな。桜花…さんはもういいや、デコ出せ」

 

 驚きの声を上げる二人を他所にそう言う俺に対し、何もわかっていない桜花は素直におでこを突き出す

 俺は中指を親指で引き絞り……

 

 

 

 

 中指に闇を纏わせた

 

 

 

 

「グアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

「「桜花っ!?」」

 

『耐久』無視のLv2のデコピンが直撃し、苦痛に悶える桜花

 それを見て心配する残りの二人

 

「さぁて、次はどっちが受ける?」

「「ヒッ…」」

 

 あ、やばい。今悪い顔してるのを自覚できる。後ろからリリらしき声で「あ、悪魔…」と言う声が聞こえるが気にしない、気にしない

 おしおきだ、お仕置きだ、O★S I★O★K I★DA

 

 

 余談だが、この後千草と命に顔を合わせるたびに逃げられるようになった上、数日の間リリから最低な男を見る目で見られる羽目になった

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