ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか 作:黒歴史
つーわけで、ダンまちも7巻分終わったら終わろうと思ってるわけですよ。またやる気を取り戻したらやるけど、引退します。はい
「こ、ここは……」
「な、なんかんすか?」
道が開けたことで現れた目の前の光景に、ベルとオガは顔を引きつらせた
現在地は都市の第四区画、その南東のメインストリート寄り。そこは『夜の街』、背中や腰を丸出しにしたドレスで着飾る蠱惑的な女性達の街だった
アマゾネスを中心に、ヒューマン、獣人、小人族まで揃った女性達が道を行く男性を呼び止めては魅惑的に、あるいは挑発的に微笑んでいる
「あ、あ、あの人達って……」
「女の人が……女の人が……」
ベルが大赤面しながら情けない声をこぼす。オガはベルと同じで赤面しながらブツブツ呟きながらボーッとしていた
「ここの匂いは、どうも慣れないな……」
「うん。なんか吐き気がしてきた。慣れたら治ると思うが…」
あー…エイナさんに
「オラリオに……こんな場所が、あったの?」
己の死期を悟っているとベルがまだ赤面しながら聞いてきた
「この区画は大通りも含め、日が出ている内は扉も窓も閉めきって閑散としています。ベル様がご存知ないのも当然です。ヤミ様は知っていて当然です」
「まるで俺は『ここじゃあ常連』みたいな言い方だが、初めて来たからな?」
そんな会話をし、ベルとオガを連れて、前方にいる命達の追跡を再開した
「カイオス砂漠文化園に、
「
「
そう言って多種多様な建物が並ぶ街を通って追跡を続ける
だが流石にベルとオガには刺激が強すぎたのか固まっていたため声をかけながら進んだ
「お兄さ〜ん。こっちによってかな〜い?」
「サービスするよ〜?」
「すまんな。野暮用で来てるから無理だ」
所々娼婦達に声をかけられその度に断りながらも進み続ける
……アマゾネスが多いな。なんでだ?
「ヴェ、ヴェルフはここに来たことが……」
「ヘファイストス様の元にいた時、同僚連中に連れられた事はあったが、利用した事はなかったな」
ベルが尋ねると、ヴェルフは「肌に合わなかった」と辟易とした表情をする。彼の元にも娼婦達が甘い笑みと共に集まってくるが、億劫そうに押し返す
オガの元にも来ているが「すいません!また今度!!」ときっぱり断り、ベルの方は…リリが威嚇して遠ざけている
「ううっ……命さん達は、こんなところで何を……」
「こんな場所にうら若き乙女が足を運ぶ理由……まさか、お金のために体を?」
「マジっすか!?」
「いや、そんな玉じゃないだろ、あいつらは」
「そうだな。ほら、ベル坊と同じように顔真っ赤だ」
途中で体へ手を伸ばそうとする男が現れると、命は「や、やめてくださいっ!?」と両目を瞑ったまま反射的に吹っ飛ばした。それを受けた相手は昏倒してる
千草に至っては半泣きだ
「確かに、うぶ過ぎる命様達が娼婦の真似事などできる筈ありませんしね……しかし、それならどうしてこの歓楽街に?」
リリが疑問を呈していると、命達は移動を続け、南東のメインストリートに出た。人の多い中に入ったため見失いかけてしまう
「不味い、行くぞ」
「う、うん!」
間合いを有して追跡していた俺達は見失なうまいと、ヴェルフを先頭に駆け出した
メインストリートには先程よりも多くの娼婦が集まっており、呼び込みを行う彼女達の壁をかき分ける。四苦八苦しながらもなんとかくぐり抜けた
先程までと比べると明るさが増した街路をしばらく進むとすぐに二人を見つけた。…ニヤニヤ笑う男神達に絡まれていた
「【絶影】たんに会えるなんて!」
「やっぱり黒髪はいいなー」「極東っ娘萌えー」
「あ、あのっ、じっ、自分には重要な使命が……!?」
壁際で半円状に包囲し、自分達と遊ばないか、と誘いかけてくる神々
あわあわとする千草を背にした命も、流石に神相手では強く出れないようだ。神々に対して言葉に窮している
「…仕方ないですね。ヤミ様。出番ですよ!」
「えっ?ちょ……」
様子見をしているとリリにそう言われ「なぜ俺?」と抗議しようとしたがその前に「行ってこい」「お願いしますアニキ!」とヴェルフとオガに背中を押されてそこに出た
ここまできたら「仕方ない」と腹をくくって命達の元へ向かった
「おーっす命!どうしたこんな場所で?」
「ヤ、ヤミ殿!?」
偶然通りかかった感じで話しかけるとやはり命達は俺を見て驚く
それにつられて男神達もこちらを見た
「【
「やっべぇ、そういえば【ヘスティア・ファミリア】なんだっけ…」
「やっぱ怖えぇ…殺されないよな?」
「殺されなくても、デコピン一発でLv2の冒険者吹っ飛ばすやつだぞ?」
「…逃げるか」
男神達は口々にそう言うとスタコラサッサとその場を後にした
【
「流石ですね。ヤミ様
神々ですら恐怖させるとは……」
「……泣いていい?」
「大丈夫です。ヤミのアニキ!アニキは良い人だって自分達は知ってますから!!」
落ち込む俺をヴェルフとオガが励ましてくれる
「ど、どうしてここに……」
神々から解放された命は、千草と共に狼狽ながら声を絞り出す
向き直ったリリは嘆息した
「命様のご様子がおかしかったので、失礼ですが付けてきました」
「一連托生の【ファミリア】になったんだ、隠し事はするな」
リリ、ヴェルフと言葉を告げられ、命は「うっ……」と肩をすぼめる
「あ、あのっ、命は責めないでください……元はと言えばら私のせいで……」
揺れる前髪から片方の瞳をのぞかせながら、千草が歩み出る
何故こんなとこに?と聞くと説明してくれた
最近、命達の故郷。極東の知り合いと似た人を、歓楽街で見たと千草が交流のある冒険者から聞き、居ても立っても居られなくなったとか
そしてその人は数年ほど前から行方知れずだったらしい
確証もない情報というのもそうだが場所が場所だけに俺達を巻き込むわけには行かず、今に至る
「あの大男はどうした?あいつも同郷で、腐れ縁だろう、連れてこなかったのか?」
そういえば、とヴェルフが桜花の事について聞いてみると今度は千草が赤くなって、うつむいた
「お、桜花は、歓楽街に、連れてきたくなくて………来てほしく、なくて……」
「あの、千草殿は桜花の事を幼馴染としてではなく、その……異性として」
さらに千草が赤くなり、もっと下へうつむいた
そういうことかと納得した俺達はわざわざ命を頼った疑問を氷解した
千草の乙女心を見てリリも「仲間が出来た!」という風にウンウンと頷いた
「あの…ヤミのアニキ?オウカって誰なんすか?」
「あー……知り合い……あっ」
後ろにいたオガに適当な説明をしながら振り向くとあることに気づき、額から汗がダラダラで始めた
俺の声を聞いたみんなが「何事?」とこちらを見てくる
ゆっくりと俺はみんなにそれを伝えた
「……ベル坊が、いない」
それを聞いた瞬間、ヴェルフは声を失い、リリは蒼白となり、オガも「あっ」と声を漏らす
『探
「集合場所は朝までに【ヘスティア・ファミリア】のホームで!!!」
『了解!!』
集合場所を伝えてから一斉に俺達は歓楽街で散らばった