ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか 作:黒歴史
また鎖が飛んで来た。だが2度も同じ手が通じるわけないためそれを左手で掴む。その隙に他の者が俺に襲いかかってきたが
「よっ」
回転しながら闇を纏わせた木刀でぶっ叩いて気絶させる。その際に持っていた鎖が引っ張る
「うわあああ!?」
なにぶんいきなりなため、鎖に引っ張られた人がこちらに飛んで来ていた。この人にもハイキックを食らわせて気絶させる
「さぁて、さっさと全員来い」
不敵に笑いながらそう言った
「これで良しっと」
「さすがアニキ!!」
残りのアマゾネス達を倒して闇を付与させた鎖で縛る。数分したら解けるため大丈夫だろう
「さっさとここから逃げるぞ。女はもうこりごりだ」
「でも、俺達のホームって半分くらい女っすよ?それにベル先輩は……」
…あ、やべ。ベル逃げ切れたかな?逃げ切れてなかったら殺される。誰にとは言わないが殺される
生きてて?お願いだからベルは生きてて?
オガの言葉を聞きそう心で願いながら空を見る。もうそろそろ朝だ
つまりはみんな約束通り集まる時間である
ホームに帰った。アイシャ達に見つからなかったのは運が良かった。その後がやばかった
「で?説明してもらおうか?」
俺達の目の前には修羅がいた。ベルもなんとか逃げ切れたようではあるが、朝帰りというのが問題であったらしい
「オガ君は良いんだ。ヤミ君を探すために歓楽街で走り回っていたんだから…けど、君からはいや、君達からはオガ君よりもキツイ甘い匂いがプンプン来てるんだよ」
気づいていなかったが、匂いが染み付いてしまったらしい
「いや、ヘスティア様?俺達女に追われてたんですよ。なぁ?」
「そ、そうです」
「オガは俺が戦う瞬間を見ているし……」
そう言っているとヘスティア様が口を開いた
「いや、ヤミ君の朝帰りは問題じゃあないんだよ。まずはこれを見るんだ」
えっ?という顔で俺達が首を傾げているとヘスティア様はリリから小瓶を受け取り見せつけた
「これは、なんだい?」
ヘスティア様が見せるのはチェスの駒によく似た容器、ラベルに書かれていた文字はーー『精力剤』
「え…?え?アレ、誰の?」
「その反応……嘘ではないね。てっきりヤミ君からの経由でベル君が手に入れたのかと思ったんだけど……」
…!?
ベルって言った!?
ベルが持ってたの!?
その薬?!
「ベル坊の心は純粋だと思っていたのに。まさか……」
「ヤミさん違うよ!?歓楽街で貰って……」
「じゃあ誰からだ?言ってくれ。ちょっくらそいつシバいてくる」
「………」
ベルが無言になり、ガクリと糸のなくなった操り人形のようにうなだれた
「……どうしますか、ヘスティア様」
そんな中、リリがヘスティア様に裁断を仰いだ
「神の前では嘘をつけない。2人とも嘘は言っていない」
その言葉を聞きベルが復活し、安堵の息を吐く
が、ヘスティア様はすぐに修羅の顔へと戻った
「ただしっ、歓楽街に行ったことは許さない!!ヤミ君にも行くな行かせるなって口を酸っぱくして言ってたのに!!そもそも歓楽街なんぞに興味を持ったことが許せない!!」
「ヘスティア様。俺くらいの年頃になると歓楽街くらい興味を持つぞ?」
「うるさいよ?」
弁明しようとしたがヘスティア様の絶対零度の視線を受けて黙ってしまう
「今日一日、君達には罰を与える。それで反省すること。いいね?」
「「はい……」」
俺達に科せられた罰は奉仕活動だった
要するに新居移転の挨拶に伴ったご近所の手伝い
「おっさん!この荷物はここで良いんだよな?」
「おう、そうだ!にしても悪いなぁ、【リトル・ルーキー】に【悪魔】さんよっ!」
「い、いえっ!」
路地の清掃、魔石街灯の補填、荷物運搬をこなしていく途中で気立ての良い親父さんやおばさんにも声をかけられる事もあった
【ファミリア】にとって、こういった社会貢献も大切なんだとヘスティア様も言っていたな
「『りとる・るーきー』だー!?」
「本物だー!?『でーもん』もいるぞー!?」
荷物運搬。材木を運んでいると、路上で遊んでいた男の子と女の子が指差してくる
戦争遊戯の所為なのか小さい子にまで二つ名まで覚えて貰っていることにびっくりしていると男の子がキラキラした目で俺に口を開いた
「ねぇ!アレやってよ!こう、ブワァ!ってなるやつ!」
「ブワァ?ブワァ……ああ、竜巻出すやつか。無理だな今忙しいし」
「ええ〜…」
「…しゃあねえな。ホラ、金やるから兄妹仲良くお菓子でも食ってな」
そう言ってお金を渡すと「ありがとう!」と2人の子は笑顔で走っていった
「ヤミさん。強そうとか言われてたよ。僕は弱そうってさ…ハハハ…」
「そりゃお前、見た目だけの話だ。そんなことよりも、さっさと運ぶぞ。おやっさんに怒られる」
そう言って2人で材木を運んで行った
「ベル坊、釘をくれ」
「うん。わかった」
手を差し出すとその手の上にベルが釘を手渡してくる。その釘をトンカチで屋根に打ち付ける
「黒髪、ミャー達のために頑張るニャ!」
「頑張ってーヤミさーん!」
「アンタ等。応援してないで仕事しろ」
アーニャとルノアが声を張り上げて応援してくるため注意したが休憩時間であるため大丈夫であるらしい
ここはいつもの酒場『豊穣の女主人』、ここでの仕事は雨漏りしている屋根の修理だ。それをトントン拍子で直していると下から話し声が聞こえる
「にしても、ヤミ君ってなんでも出来るよねー」
「白髪頭、ホームじゃあの黒髪は何やってるニャ?」
「……朝昼晩の食事に、ホームの全体掃除…とか家事は大体やってます…ね」
屋根から降りたベルがそう言うと「おおーっ」と声を上げる。ふむ、褒められて悪い気はしない
「じゃあさ、【ファミリア】内じゃ頭が上がらなかったり……」
「あ、いえ。ヘスティア様やリリ…サポーターの人には……」
ベルがそう言うと声が小さくなり、ルノアとクロエが呟いた
「上には上がいるもんね……」
「なんか情けない話ニャー…」
「おいコラ聞こえてんかんな!?あと終わったぞ!!」
そう言って梯子を使わず飛び降り、地面に着地すると何かを殴る音が響いた。何事かと見れば盆を持ったリューさんと「「「ぐあぁ!?」」」と悲鳴を上げる三人
リューさんの後ろにはシルさんがおり、出迎えてくれた
「お疲れ様でした。クラネルさん、カズヒラさん」
「あ、うん。頑張ってやったから、どうか殴らないでいただきたいです」
「カズヒラさんは私をどう思っているんで……ん?」
リューさんがそこで言葉を止めると急にすんすんと匂いを嗅いでくる
「カズヒラさん。なんだか甘い匂いが凄いですね。香水でもつけているんですか?」
冷や汗がブワッと出た。歓楽街に行ったなんて知れたら嫌な予感がする。なんだかわからんが嫌な予感がする!!
そんなことを考え、言い訳を考えているとシルさんも「そういえば」と言ってベルに同じように匂いを嗅いだ
「ベルさんも甘い匂いが……この匂いは…」
「す、すいませんっ、ま、まだやることがあるので僕達はこれで!!」
「そうだったぁ!!すまんがまた今度な!?」
瞬間、ベルと俺は走り出した。まだ悶えている三人の横を通り過ぎ、その場を後にした
「どうするよベル坊。風呂入って匂いは落としたと思ったらまだ匂いがこびりついてるらしいぞ?」
「う、うん。どうしようか……」
北西のメインストリートでとりあえず足を止めて休む俺達は、そう相談しあう
「そういえばベル坊、お前あれからどこに逃げ込んだんだ?」
「春姫さんって言う
そうか。と深くは聞かずに終わろうとするとそこに聞き覚えのありすぎる女性の声が聞こえてきた
「あれ、ベル君にヤミさん?」
ヤミ・カズヒラ
Lv3
力:F371→E403
耐久:E431→E456
器用:E418→E439
敏捷:F368→F381
魔力:H108→H198
純粋:H 付与:I
≪魔法≫≪スキル≫そのまま
ベル・クラネル(Lv2からLv3になった部分は抜きます)
Lv3
力:I0→I94
耐久:I0→H144
器用:I0→I95
敏捷:I0→G299
魔力:I0→I78
幸運:H 耐異常:I
≪魔法≫≪スキル≫そのまま
オガ・アーチス
力:I0→I16
耐久:I0→I17
器用:I0→I5
敏捷:I0→I3
魔力:I0
≪魔法≫≪スキル≫そのまま