ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか 作:黒歴史
〜ベル〜
「……ん」
霞んだ視界がゆっくりと開いていく、完全に意識が戻るとガバッと起き上がり動こうとすると
ガシャッ
「…ッ!」
壁につながれた鎖が片足に取り付けられていた。何故こんな事になっているのか混乱していると
「目が覚めましたか!ベル殿!!」
同じように捕まっていた命が目覚めたベルに声をかけた
「えっと…確か僕達はダンジョンで……まさか、捕らえられた?」
ゆっくりとダンジョンでの出来事を思い出す
(確か、ダンジョンで『怪物進呈』に合って…アイシャさんと打ち合って…負けて……)
うーん…と考えていると手元に何かが当たる。それに気づき視線をそれに向けるとそこには
「鍵?」
「そ、それはもしや自分達につけられた鎖を外すためのものでは!?」
見つけた物を拾い上げ、見ると鍵束であった。命はそれを見るなり少し興奮気味に話すがすぐに落ち着き呟く
「何故こんなところに……まさか、春姫殿?」
「春姫さん……が?」
2人で鍵束をくれた恩人の事を考えていると上からコンッコンッと誰かが降りて来る足音が聞こえてきた。慌ててベルは鍵束を隠し、命は礼儀正しく待つようにする
「よう。目が覚め……た!?」
見回りの人らしきアマゾネスが覗き込むようにこちらを見て来るがベルと命を見た瞬間に顔色を変えた
「おいっ!【
「ヤミ殿ですか?自分が起きた時にはいませんでしたが…」
「え?ヤミさんも捕まっていたんですか?」
キョトンとした感じで逆に尋ねるとアマゾネスは何やらブツブツと呟きだす
「仲間を見捨てた?いや、あの悪人面でも仲間を大切にしていると聴いてる。となると…まさか!?
おいっ!本っ当に知らないんだよな!?」
「知りません……あの、一体何を……」
ベルが尋ねようとしだが次の言葉を聞いた瞬間そこで止まった
「あんのヒキガエルゥ……」
今度は言葉ではなく時が止まった
(え…ヒキガエル?ヒキガエルって確か、フリュネさん…で合ってるよね?ヤミさんがいない話の次にフリュネさん…って事は……
………何されるんだろう)
身も心も純粋なベルにはいったいヤミがナニをされるのかはついぞわからなかった
自分の兄が地獄へ連れて行かれたとは知らずに
〜ヤミィィィィィィィィイ!!!?〜
「ふぁぁ…上のやつ…うるっさいなぁ…少しくらい寝かせろよ「ゲゲゲッ!やっとお目覚めかい?」うおっ、ガマガエルゥ!?」
視点切り替えのアレに文句を言いながら目を覚まして目を開けると目の前にガマガエル…もといフリュネが目の前がいた
驚きのあまり飛び引いこうとしたが、ジャラッと音を立てて動きを封じる鎖によってそれは出来なかった
「無駄だよぉ。その鎖は『ミスリル』製、何重にも巻かれれば上級冒険者だろうとすぐには壊せない…【悪魔】と謳われるアンタには念を込めてさらに何重にも重ねてある
魔法を使おうものなら魔力伝導率が高いミスリルが反応して、鎖が巻きついた手首ごと吹き飛ぶよぉ」
ニヤニヤと笑いながらそう語るフリュネ
実際は【闇魔法】ならワンチャンあるかもだが、目の前にLv5がいるため、逃げようとしたところでその力で捕まるだろう。鎖も何重にも巻かれているし…要するにほぼ『詰み』だ
「あぁ、美味そうだぁ」
「ーーーーーーーーーーーーーーーー」
ペロッと頬を舐められた。それだけ、たったそれだけで罵倒される事で地味に強化された鋼の精神に亀裂が入った
「ベッドへ行くか、それとも道具を使うか……」
「どっちもいやあああああああああああああああ!!!」
「ゲゲゲッ、やっぱり最初は無理矢理かねぇ」
いやだああああああああああ!!!
どうせ初めてを奪われるなら普通のアマゾネスの人がいい!!!ガマガエルとなんていやああああああ!!!
暴れるもジャラジャラ鳴るだけで微動だにしない鎖
そうこうしているうちにフリュネは覆い被さり、右手を股についている棒に……
「……チッ。見た目は男でもこれはガキか。しょうがない、精力剤を持ってくるかぁ」
俺の棒が硬くない事に舌打ちしながらフリュネは立ち上がりニタリと笑う
「待ってな、すぐに男にしてやる」
そう言って、フリュネは呵々大笑しながら部屋の奥に姿を消した。鉄格子の開閉音がした事を察するにここは牢屋のようだ
「って、冷静に分析してる場合じゃねぇ!!?
早く逃げねえと!……よし、闇魔法使っても手足は吹き飛ばねぇ!!引きちぎ……れねぇ!!やべぇ詰んだ詰んだ!!」
ギャーギャーみっともなく喚いているとギィィ…とまた鉄格子の開閉する音が鳴った
「あぁ……すまんベル坊、俺はここまでみたいだぁ……」
絶望に打ちひしがれているとその人はゆっくりと姿を現した
「ベル坊……って事はやはりクラネルさんの言っていた『ヤミさん』…で合っているのでしょうか?」
視界に移ったのは狐の耳に、金色の尾。和服を見に纏い、見覚えのある刀を手に持った少女だった
「だ、誰だアンタ!?」
「し、しーっ。しーっ、でございます。ヤミ様っ」
疑問の声を上げようとしたが少女の指が口に立てられる
少女はすぐに鎖を確認した後、周りをキョロキョロ見回す。すると何かに気づいたのかそちらに行き、何かを持って帰ってきた
鍵束だった。戻ってきた少女は何重のも鎖に悪戦苦闘しながらも鍵を差し込んでいく
「解けましたっ」
「ああ……ありがとう…ありがとう……」
鎖が解けた瞬間に跪き、泣いて感謝する。男はそんな簡単に泣いたらダメだと考えていたんだが、今は泣いてもいいと思う
「ふぅ…みっともない姿を見せちまったな」
「い、いえ」
少しすると落ち着いたため、訪ねたい事を助けし訪ねた
「質問したい事が3つ
一つ。最初も言ったが、アンタは誰だ?
二つ。何故俺の刀がここに?
三つ。ここはどこだ?」
「では一つずつ…
一つ目は。春姫と申します
二つ目は。ここに来る途中で落ちていたのですが、何故か『持って行った方が良い』と体が勝手に…
三つ目は。フリュネさんしか知らない秘密の通路……です」
綺麗に全て答えてくれた
春姫…ベルと命が言っていた
刀は…忘れてだが【妖刀】だったなコレ。離したくても離れない…軽くホラーだな
「そうか、アンタがベル坊の言っていた春姫さんか。この前はベル坊が世話になりました。そしてこの度助けていただき「そんなにかしこまらなくてもいいですよ」あ、そう」
ある程度話すと、とりあえずフリュネから逃げるためその場から離れる事にした
「そういえば、『フリュネしか知らない秘密の通路』って言ってたが、なんで……」
少しした疑問を歩きながら聞くとゆっくりと答えてくれる
「実はたまたまフリュネさんがホームで秘密の通路に出入りする光景を目撃したのですが、喋ったらタダじゃおかない、と言いつけられていて…」
「…ん?それじゃあ春姫……が危ないんじゃないか?」
春姫の言葉を聞き、心配そうな顔をしながらそう言うと春姫はその心配を他所に笑みを浮かべた
「
「…………」
なんだかその微笑みにはなんだか悲しさを感じられた。だが、何故そんなに悲しいのかがわからないため何も追求をしないようにし、歩を進めた
「…クラネルさんや命さんも、無事に逃げ切れるでしょうか?」
「えっ?ベル坊達も捕まってたのか?」