ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか 作:黒歴史
ワァッハッハッハ!!!…ふぅ
(うーん。おかしいな?ベルはダンジョンに向かったと思うんだけど…読み間違えたか?)
現在俺はダンジョンの5階層に来ている。数時間モンスターを狩りながら探しているが見つからない。教会に帰ったかもと思い帰ろうかと思うと6階層へと続く道があった。そしてそこから足音がコツコツと聞こえる。俺はゆっくりと覗きこむように見ると
「ベル坊!!?」
ベルが体中血だらけになりながら歩いて来ていた
「ヤ…ミ…さん…」
弱々しく呟くベルにすぐに近づくと肩を貸して歩き出す
「おいおい、普通に予想外の事してくれんじゃねーか。まさかあのベル坊が俺も行ってなかった6階層に行くとはな〜」
「…ごめん」
「いや、怒ってないから謝らなくていい、むしろ喜んでるぞ?ベル坊一人で行って、生きて帰ってこれたじゃねーか。今はそれだけで十分だ」
「…ヤミさん」
ベルが小さな声で聞いてきた
「僕…強くなれるかな?雑魚じゃない、あの人に釣り合うだけの強さになれるかな…?」
ベルの質問に即答で答えた
「知らん」
「…え?」
ベルから変な声が聞こえたが構わず続ける
「人間諦めも大切だが、それはやってからの話だ。お前はまだ何もやってない。あの人に釣り合うだけの強さになれるかは何かをやった時にしか分からん」
そう言うとベルは何かを思い出したかのように俺に話しかけて来た
「バレたらエイナさんに怒られますね…」
「…やめてくれ。流石にもう説教は嫌だぞ?」
ベルの言葉に冷や汗をかきながらダンジョンから出た。その時にはちょうど朝日が出ていて俺達を優しく照らしてくれていた
「ヤミ君にベル君!!!一体何処に…ベル君?!」
教会に入るとヘスティア様がいたこちらを見るとプンプンと怒っていたが、傷ついたベルを見た途端に血相を変えて迫り寄ってきた
「どうしたんだい、ベル君のその怪我は!?まさか誰かに襲われたんじゃあ!?」
「いえ、そういうことは、なかったです……」
「じゃあ一体どううして!?」
「……ダンジョンに潜ってました」
「ヤミ君は!?」
「ダンジョンでモンスターを狩りながらベル坊を探し回ってました」
俺達の一言にヘスティア様は唖然とすると
「ば、馬鹿っ!何を考えてるんだよ!?そんな格好のままでダンジョンに行くなんてっ……しかも、一晩中!?」
「「……すいません」」
今思えばベルも俺も防具を着ていない。そんな裸同然の状態で一晩中モンスターと戦い続けたのだ
俺は5階層までしか行ってない上にそこまで大量のモンスターと対峙していなかったためそこまで大した傷はついてはないが6階層、その上ソロでベルが行った結果がこれだ
「…ベル君はどうしてそんな無茶をしたんだい?そんな自暴自棄のような真似、君らしくないじゃないか?」
「……」
「…ヘスティア様、聞かないであげてください。色々あったんです」
無言になったベルの代わりに俺が答えた
「…わかったよ。仮にベル君に無理矢理聞いたとしても、意外と頑固だからね。それよりもシャワー浴びておいで。血はもう止まっているみたいだけど、傷の汚れを落とさないと。そのあとすぐに治療しよう」
「……はい、ありがとうございます」
とりあえずベルをシャワー室まで運んでいる間、ヘスティア様が思い出したように口を開いた
「ベル君、君はベッドに寝ること、いいね?」
「いいんですか……?」
今ベルに必要なのは休息だからな。よし俺はダンジョンに出稼ぎ…
「ヤミ君は今日は絶対寝る事!!」
「…え?」
ヘスティア様の衝撃的な一言に今度は俺が唖然とした
「何を驚いているんだい!!!そこまで大した傷じゃないとはいえ一晩中、寝ずに探し回ったんだろう?!」
「いや、そうですが…俺は全然大丈…「寝なさい」…はい
…そういえばヘスティア様は何処で寝るんですか?」
そう言うとヘスティア様のツインテールがピクリと動いた。何かイタズラを思いついた顔だ
「ボクもベル君と同じベッドで寝させて貰おうかな?君達を探すために散々駆け回ったんだ、もうヘトヘトだよ。…フフ、まさかぁ断ってくれないよかねぇ?」
ああ、いつものベルなら断れないなこれは…さて、ベルの反応は…
「あぁ、そうですね。神様も疲れてますよね。じゃあ、すぐに一緒に寝ましょう」
「……なぬっ?!」
断れないんじゃなくて断らなかったか…もうほとんど頭回ってないな
「神様、ヤミさん…」
「にゃ、にゃんだいっ?」「どうしたベル坊?」
「…僕、強くなりたいです」
まっすぐとした眼差しを俺達に向けて言ってきた。俺はベルに言葉を返す
「…きっと強くなれるさ、ベル坊なら」
ヤミ・カズヒラ
Lv1
力:E483→D564
耐久:G210→G231
器用:F326→E404
敏捷:G351→E401
魔力:G367→G391
≪魔法≫≪スキル≫そのまま
丸一日寝たあと、起きたのは翌日の朝
ベルの絶叫で朝を迎え、今はとりあえずベルの【ステイタス】の更新をしている。先に俺からやってもらうと、何やら偉業を成したようでランクアップが出来るらしい。
だがこうなるといつでもランクアップ出来るらしい、ヘスティア曰く世界最速でのランクアップらしい
だが『もうちょっと鍛えてからがいい』と言って次にベルを見てもらっている
多分俺と同じくらいかそれ以上の成長をしているだろうベルの数値を見てヘスティア様は固まってしまっている
どれどれと気づかれないようにそっと【
ベル・クラネル
Lv1
力:H120→G221
耐久:I 42→H101
器用:H139→G225
敏捷:G225→F313
魔力:I 0
≪魔法≫≪スキル≫そのまま
更新した俺の数値より上がっている、ベルが6階層であんな血だらけになるまでやったんだから納得だが…俺、近々ベルに抜かされそうだ…いや、ベル以上に頑張れば…!
「ベル君、口頭で【ステイタス】の内容を伝えていいかい?」
「あ、最初。僕は構いませんけど…」
ヘスティア様がベルに確認を取ると≪スキル≫の内容を伏せて上がり具合をベルに伝えると質問してきた
「とまぁ、熟練度がヤミ君以上に凄い勢いで伸びているわけ。何か心当たりはある?」
「い、いえっ、全然……「いやあるだろ?」…あ」
俺がベルに一言うと気づいたようだ
「何?」
「い、一応…一昨日は6階層まで行ったんですけど……」
「ぶっ!?あ、あふぉーッ!!防具もつけないまま到達階層をふやしてるんじゃない!ヤミ君が見つけられなかったのはそれが原因か!!」
「ご、ごめんなさい!!?」
ヘスティア様からの説教がベルを襲った。…ベルよ。俺がエイナさんから受ける説教はこんな生温いものじゃないぞ
「……これはボク個人の見解に過ぎないけど、ヤミ君も凄いが君にも才能があると思う。冒険者としての器量も、素質も、君は兼ね備えちゃってる……君はきっと強くなる。そして君自身も今より強くなりたいと望んでいる」
「……はい」
「約束してほしい、無理はしないって、この間のような真似はもうしないと、誓ってくれ。ヤミ君もだ」
「…ぽ、僕は……」「……」
「強くなりたいっていう君の意思をボクは反対しない、尊重もする。応援も、手伝いも、力も貸そう。…だから」
ヘスティア様はゆっくりと俺達に願いを伝える
「……お願いだから、ボクを一人にしないでおくれ」
ベルは俯いて自己の内面に潜る。長い沈黙が訪れる
「…はいっ」
ベルからいい返事が帰る。その顔は笑顔で、偽りがないと信頼できる笑顔だ
「無茶、しません。頑張って、必死になって強くなりますけど…絶対、神様を一人にしません。心配、させません」
「その答えが聞ければ、もう安心かな。ヤミ君は…」
ヘスティア様の視線が俺に向く
「……俺が女泣かせる人間に見えるか?」
「フフッそうだね。そこは信頼できるからね、君は」
『そこは』って何だ『そこは』って…
「…よしっ今日は宴だ!!!ご馳走作るぞ!!!」
「本当!!?」
俺の言葉にベルが目を輝かせる。だが…
「すまないっ!!!ボクは今日の夜……いや何日か部屋を留守にするよっ。構わないかなっ?」
ヘスティア様がそう謝ってきた。
「えっ?!あ、わかりました、バイトですか?」
「いや、行く気は無かったんだけど、友人の開くパーティーに顔を出そうかと思ってね。久しぶりにみんなの顔を見たくなったんだ」
それなら仕方ないと俺達はOKを出した
「…ベル君にヤミ君、もしかしてダンジョンに行くのかい?」
「そのつもりなんですけど…やっぱりダメですか?」
「ううん、いいよ、行ってきな。ただし、引き際は考えるんだよ?ヤミ君もちゃんとベル君を見ていてくれよっ!」
ヘスティア様が俺にそう言うが…
「…すいませんその事なんだが…そろそろベル坊も強くなってきたし、ソロで潜ってみたいと思うんだがいいか?」
「「…え?」」
前書きのは嘘です。日付時刻間違えただけです。すいません