まず、投稿遅くなってすみません。
艦これイベント(大和ドロップやたー!フレッチャー?知らない子ですね。)やリアルが忙しくなかなか執筆が進みませんでした。
はい、私の努力不足です。
それと…もう1つご報告を。
おそらく今回から第1篇の前半のように短めの短期投稿になると思います。
理由としては、書き続けれるようにするため
そして、読者の皆さんをお待たせすることがないようにしたいがためです。
勝手ではありますが、読者の皆さんにはこれからも「要塞空母デスピナ出撃す。」をご愛読頂けたら幸いです。
ちなみに今回も日常回。
第46話 はじめての提督生活3
12月3日 06:30
裕一 自室
冬のため、外はまだ夜のように暗い。
~~~♪
「うーん……朝…か…」
俺は、スマホのアラームを切り、布団から起き上がる。寒さで、少し身震いする。
まだ、頭がぼーっとしている。
電気を付けると、明るさに目を細める。俺はベッドから出て洗面所に向い、顔を洗う。この時期は、水がかなり冷たく、痛みすらある。そのおかげで目がすぐに覚める。
ついでに、微妙にのびてきた髭も剃っておく。
意識もクリアになったところで、台所へ行き朝食の支度を始める。
米を洗い、炊飯器の釜に水を入れ、早炊にセットして炊く。
ご飯が炊きあがる30分ほどで他の準備をする。
まず、納豆を大きめの器に入れ、ひたすらかき混ぜる。
納豆は粘りが命。納豆を混ぜることができなくなったら、醤油、生卵をひとつ入れる。卵が泡立たないように混ぜる。
最後に、青ネギを入れる。たまご納豆の完成。
朝はご飯ならば、納豆一択。TKG?うーん、悪くは無いんだけどね。物足りない。
続いて、鍋に水を入れ粉末タイプの出汁を入れ、蓋をして火にかける。味の〇さんお世話になってます。
具材はお財布に優しいもやし先輩。ひと袋を軽く水洗いして水気をきる。
鍋のお湯が沸騰する前ぐらいでもやしを入れる。
そして、味噌を適量溶き入れる。少しの間弱火にかけて完成。
最後にレタスを一口サイズにちぎり、ミニトマトをいくつか皿に盛り付けていると、ご飯が炊けたようだ。すぐには開けずに数分そのままにして、蒸らしておく。
数分後、炊飯器の蓋を開けると、ご飯のいい匂いが広がる。ご飯を軽く混ぜてから茶碗に盛り付け、配膳完了。
「では、いただきます」
インターネット回線は使えるので、ノートパソコン(買ってきた)を開いて、某動画サイトを見ながら朝食をとる。
「この人、相変わらずいつ寝てるんだ」
とある動画投稿者の生放送のアーカイブが6時間と出ており、配信が終わったのは1時間前。昼夜が逆転していた。
そんな動画を見ながら俺は、ゆっくりと朝ごはんをとった。
7時半過ぎに食べ終え、食器を洗い、身支度を整える。
クローゼットから白の、国防海軍支給の制服を着て、T督の被り物を被る。
部屋の戸締りをして、提督執務室に向かう。
08:00
提督執務室
扉をノックすると部屋の中から高野提督の返事が聞こえた。
「失礼します」
部屋に入ると、高野提督が書類を用意していた。どうやら今日の朝礼時に渡すもののようだ。
「おはようございます……絢香さん」
まだ、名前で呼ぶことになれない。
名前を呼ばれた高野提督は、どこか嬉しそうであった。
「うん♪おはよう。じゃあ、打ち合わせを始めようか」
高野提督は、先程の気分の良さは無くなり、真剣な顔で打ち合わせをする。
「では、予定表通りで大丈夫そうですね」
俺は、予定表を見ながら確認をとる。
「えぇ、今は資材を多く獲得できるわけじゃないからね。数をこなさないとね」
今後の資材備蓄の予定表が書かれた書類と、遠征計画表から別の書類にうつる。
次は、大規模作戦に向けた艦娘の練度上げについてだ。
「全艦娘の練度を60以上にするため、第1~第12艦隊は演習を中心に。他は遠征や対潜哨戒で練度上げの方針で」
「うーん、遠征や対潜哨戒で練度上がるかな。演習を組み込めないかな?」
高野提督が疑問をあげ、別の案を出す。
「それだと、演習の日程が窮屈になりますね。でも確かに、遠征と対潜哨戒だけでは不足しますね」
「全部は無理でも1部だけでも演習させたいし…うーん、私の方でちょっと考えてみるね」
「お願いします。とりあえず、当面はこの方針で回しましょう」
練度上げについては、ひとまず纏まった。
続いて高野提督が1冊の冊子を俺に手渡してくる。
「軍令部からは近く複数のシステム導入があるからマニュアルの確認お願いね」
「内容は…システム導入に関してですか」
俺も高野提督に報告書の束を手渡す。
「昨日の戦闘報告書と遠征。その他、消費資材の決済書に、サインをお願いします」
「おぉ。仕事が早い…」
高野提督が書類の束を受け取り、数枚の紙を渡してくる。
「今日の艦隊割り振り、確認お願いね」
今日の演習、遠征、出撃する艦隊が書いてあった。
このように、様々な書類を互いに確認したり、渡したりして打ち合わせを終えた。
時刻は9時10分前。お互い書類をまとめ、艦娘が来るのを待つ。
少しして各艦隊旗艦の艦娘が提督執務室へと集まってきた。
9時前には、各艦隊の旗艦が全員集合した。
09:00
「皆さん、おはようございます。では、今日の日程です」
高野提督が朝礼を始める。
今日の演習と遠征、出撃任務のある艦隊を伝える。
俺は、今日から、改造や装備開発のために資材集めを強化すること。遠征する艦隊が多くなることも伝える。
「質問はないな。では、本日も頑張りましょう」
09:35
司令補佐執務室
「おはようございます、提督。さぁ、本日も執務を始めましょう」
本日も秘書艦のエピメテウスが今日の書類を執務机に置く。
午前中のため、まだ書類は少ない。昨日の分は、昨日のうちに処理したためだ。
とりあえず、特務の書類を片付ける。
最初の書類は…潜水艦達の外出許可証だ。
書類に目を通し、必要事項の記入と捺印を押す。
「うん?エピメテウスは外出しないのか」
「はい。お部屋のお掃除とかもしたいので」
「そっかー。ついでにほのかの部屋も確認しておいてくれ」
「ほのかさんのお部屋ですか?わかりました」
エピメテウスと話しながらではあったが、10時半前には、今ある書類は片付いた。
エピメテウスに書類を絢香さんへ持って行って貰う。まぁ、隣だからすぐ終わるんだけどね。
続いて、今朝の打ち合わせで渡されたマニュアルの確認に入る。
どれどれ、導入されるシステムは…
「オーダリングシステムと資材管理システム、試作型の鎮守府運営システムか」
各システムのマニュアルを開き、一読しておく。
最初はオーダリングシステムのマニュアルから読み始めた。
12:00
「提督、ヒトフタマルマルです。そろそろお昼にしましょう」
「うん?もうそんな時間か…」
マニュアルを閉じて、背伸びをし、席を立つ。
「エピメテウス、お昼はどうするの?」
「ほのかさんと食堂で食べる約束してます」
「あ、ほのかと。それなら早く行ってこい」
「提督はどうされるのですか?」
「俺?あー…」
そういえば、考えてなかった。特務以外の艦娘の前ではT督の被り物をしなきゃならないし…
「執務室でとるから、気にしなくていいよ。さ、ほのかが待ってるぞ」
「そうですか。では、行ってきます」
エピメテウスが執務室からいなくなり、昼メシを考える。
「そういえば、考えてなかったな…うーん。部屋に戻って何か食べるか」
T督の被り物を被り、一度部屋に戻った。
13:20
執務室に戻ると、エピメテウスが書類を整頓して待っていた。
どうやら、俺のいない間に艦娘達が報告書を持ってきていたようだ。
午後からは、午前中の遠征や演習、出撃の報告書を決済していく。
まず遠征の報告書を見ていく。
艦娘が記入した、遠征の成否、資源回収量、消費した資材量を確認する。極端な数値がないかなどを見ていく。問題がなければ、報告書に捺印を押していく。
捺印を押したあと、午前中の遠征での資材回収量と消費した資材量の合計を算出しておき、今日の資材収支報告書に記入する。
次に、演習の報告書を見る。
こちらは、消費した資材量と練度の状況が記入されている。しっかりと演習を行っているか練度の上がり具合を見て、各報告書に捺印を押す。
こちらも同じく消費した資材量の合計を算出しておく。
続いて、出撃の報告書である。
出撃の報告書は、艦娘の被害、艤装の損害、入渠状況、消費した資材量。そして、出撃報告書の大部分を占めている、戦闘でどんな敵をどれくらい撃沈したのか、被害を与えたのかが戦闘ごとに記入されている。
この戦闘データは、各艦娘の艤装に記録媒体が記録したものである。
これらは、エピメテウスと分担して確認していく。エピメテウスには、各艦隊のMVPが誰かを出してもらう。
エピメテウスの処理が終わったものから、もう一度俺も確認してから捺印を押し、消費した資材量を集計しておく。
午前中の報告書を全て片付けた頃、時刻は16時近くになっていた。
「エピメテウス、少し休憩しようか」
「では、何か飲み物を用意しますね。何にしますか?」
「うーん、そうだな…。給湯室の冷蔵庫にあるりんごジュースを持ってきてくれ。エピメテウスも飲んでいいぞ」
「ありがとうございます。持ってきますね」
エピメテウスが給湯室に向かうため、司令補佐執務室を出ていった。
その様子はどこか嬉しそうであった。エピメテウスもりんごジュースが、好きなのだろうか
そんなことを考えていると、部屋の扉を誰かがノックした。
「すみません、T督。入ってよろしいでしょうか」
声から判断するに、大淀のようだ。
「す、少し待ってくれ」
俺は慌てて、T督の被り物を被る。確認してくれる人がいないので、執務机の引き出しから鏡を出してチェックする。問題がなかったので、大淀を入室させる。
「失礼します」
大淀は、部屋の中を見渡しながらこちらへとやってくる
「どうしたんだ。キョロキョロして」
「申し訳ありません。執務室と内装が変わらないんだと思って、つい」
「なるほど。まぁ、たまにここに来るといい。飲み物ぐらい出すよ」
「ありがとうございます。それで早速なんですが…T督。高野提督が逃げ出しました」
「……は?」
ことの始まりは、1時間前になる。
「うーん…」
高野提督は唸っていた。
「うーーん……」
なぜか積み上がっている書類のタワーを見ないように。
「うーーーん………」
「唸っていないで仕事してください」
自分の席で、黙々と仕事をしていた大淀がつっこむ。
「だってー、私がお昼休憩から帰ってきたら、この書類のタワーが建築されてたのよ!しかもしかも、国防省の書類って、すっっっごくめんどくさいからヤダ!ヤダ!」
床の上で、手足をじたばたさせて、駄々をこねる。
大淀は呆れつつも、仕事を継続する。
「…提督はどうしたいのですか?」
「仕事を断固拒否したい!」
高野提督が「書類反対!」「労働者を守れ!」のプラカードを掲げ抗議する。いったい、いつ用意したのだろうか。
「ダメです。はぁ…私も手伝いますので、提督はまずこれをやってください」
大淀は、提督にさせる仕事を整理し、優先度の高いもの(比較的に。どれも重要だが)からさせることにする。
しかし、大淀が高野提督の方に振り返ると、そこに高野提督はいなかった。
「あばよー、とっつぁん!」
開けっ放しの執務室の扉と廊下を高野提督の声が反響していた。
そして、現在
「──という状況です」
「……はぁ」
高野提督、絢香さんはもう少ししっかりした方だと思っていた。いや、しっかりした方なんだろうけど、国防省の書類だけがイヤなだけか。
「……国防省の書類を貰えるかな。こちらでやっておくよ」
「申し訳ありません。直ぐにお持ちしますね」
大淀と入れ替わる形でエピメテウスがグラスに入れたりんごジュースを持って戻ってきた。
「どうかされましたか?大淀さんがこちらから出てきましたけど」
俺は、ひとまずエピメテウスからりんごジュースを一気に飲んでから答える。
「お仕事の追加のお話だ」
「えっ?これから午後の分の書類が増えるのにですか!?」
「高野提督が逃亡したためだ。ついでに言うと、今から来る仕事が嫌で逃亡したそうだ」
「どんな仕事なんですか、それ」
「国防省からの仕事らしいが……、あれだ」
エピメテウスが振り返ると大淀の上半身が隠れてしまうほどの書類の山があった。
はぁ…仕事は、終わるだろうか。いや、無理だな。
20:35
「……エピメテウス、今、何時かな」
「20:35です。……あ、ありました!この資料です!」
「おぉ!!でかした!よしこれで書類に取り掛れる」
あの後、大淀から国防省の書類を貰ったが、内容が鎮守府の再建や鎮守府周辺の土地の接収などなど……、軍令部で片付けて欲しい仕事ばかり。しかも関連資料を探す必要があった。そのため急遽、資料を漁ることになった。
ちなみに、午後の各報告書ももちろんある。よって、現在机には4つの書類のタワーが建築されている。
普通にやっていては、時間がかかる。
「仕方ない……エピメテウス部屋の鍵を閉めてくれ」
「はい」
エピメテウスがトビラをロックするのを確認して、俺は艤装の艦橋部だけを展開する。
なりふり構っていられない。昨日に引き続き、デスピナの処理能力を動員する。
「副長、今日も頼む」
「了解です。じゃあ、始めますよ」
そして今日もめちゃくちゃ書類仕事をした。
12月4日 06:30
執務室
「Zzz……(ビクッ)、ふごっ……うーん、あれ?」
頭がボーッとしたまま、俺は執務机から体を起こす。それと同時に体にかけられていた毛布が落ちる。
どうやら昨夜、仕事が終わったあと寝てしまったようだ。
秘書艦の席の方を見るとエピメテウスも、机に突っ伏して寝ていた。エピメテウスも、頑張ってくれたからな。
ふと、執務机の方を見てみると、メモが置かれていた。
給湯室の冷蔵庫に
栄養ドリンクとおにぎり入れて
あるから食べてね ほのか
おそらく、この毛布もほのかが掛けてくれたのだろう。
まったく、いい妹だ。
直ぐに、給湯室に向かった。T督の被り物を被り物してから向かった。
給湯室の冷蔵庫に入れてあった栄養ドリンクを1本その場で飲んでおく。T督の被り物を外してから飲む。くっ~、染み渡る
それとレンジで温め直したおにぎりとエピメテウス用の栄養ドリンクをお盆に載せて、執務室に戻る。T督の被り物は……いいや、どうせ誰も居ないだろう。
そう考え、T督の被り物を外したまま給湯室を出た。
廊下を歩いているとふと、誰かの気配を感じ、振り返る。
しかし、誰もいない。気のせいだったか?
司令補佐執務室に入り、食事のため鍵を閉めておく。
さて、エピメテウスを起こそうか。
時は少し戻り……
裕一が給湯室に戻ろうとした時、気配を感じた。その気配は……
「あ、青葉見ちゃいました」
裕一が、しっかりT督の被り物をしていれば問題なかった。
しかし、被り物をせずに戻り、運悪く、そこをたまたま青葉に見られてしまった。
「横須賀鎮守府にデスピナこと、裕一さんがいました!しかも、謎の司令補佐、T督の正体が裕一さんです!!とくダネです!号外です!」
この後、青葉は部屋に戻り、号外を作成し朝礼前に、艦娘へ配布し始めるのであった。
『号外!T督の正体が早くも判明!?』
青葉さんが1時間でやってくれました。
09:35
執務室
朝礼が終わり、艦娘達が執務室から出ていく。
しかし、今日はかなり視線が気になった。ちなみに翔鶴さんは昨日まで視線も合わせていなかったのに、今日はめっちゃこっちをガン見していた。何かあったのか??
「今日はずいぶんと注目されてたね〜」
ニヤニヤと、こちらを見てくる高野提督。俺は、椅子に座る高野提督を見ながら答える。
「そうですね。何かあったんですかね?」
椅子に座った、椅子に縛り付けられた高野提督。どうやら、逃走防止のため朝礼前に大淀に縛られたようだ。
ちなみに、どこか嬉しそうなのだが……。
いや、触れないでおく。でも、翔鶴さんになら……
「うぇ、ゲホゲホ!」
「どした?大丈夫?」
危ない危ない、変な方向に行きかけた。
「えぇ…う、うん。少し、むせただけです。では、私も戻りますね」
「昨日はありがとうね」
司令補佐執務室に戻ろうとした時に、高野提督から突然感謝された。
まぁ、国防省の仕事については、俺も逃げ出したくなった。しかし、やってもらわなければならない。俺がやりたくないからね。
「今日からまた、ちゃんと仕事してくださいね」
「もちろんよ──」
高野提督は嬉しそうに微笑んでいた。うん?なんだろう。胸騒ぎが……
「ってことで、今日はこれをお願いしたいんだけど……」
そう言って、高野提督が書類を出してくる。
「ですよねーー」
はい、お仕事追加です。
ちなみに断るという選択肢はない。どうせ命令という形で押し付けられるからね。
諦めも時には必要なのだ。
次回予告
早くもバレた裕一。
アップを始める翔鶴と大和。
裕一を求め、2人の艦娘が迫る。
次回 初めての提督生活4 シュラバヤ沖海戦
次回も、サービス、サービス♪
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