お久しぶりですが、定着しつつある本作品。
まず、投稿が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
(謝罪も定着しつつある本作品)
今回、原稿データを間違えて消してしまうミスをして、バックアップファイルもかなり古いもののため、ほぼ書き直しのため遅くなりました。
そろそろ、タグに不定期投稿の文字がつくかもしれません。
言っていることが2転3転する、頼りない作者ですが、本作品をこれからもご愛読頂けたら幸いです。
あと、2019年の10月10日(主人公と同じ誕生日)に20歳になりました。
わーパチパチパチ!
主人公もそのうちお酒を飲める歳になります。
最後に、兵器などの説明文のまとめを投稿してありますので、ご活用ください。
では短いですが本編です、どうぞ。
第48話 初めての提督生活5 ネタバレ
17:35
司令補佐執務室
片付いた執務室のソファーに俺とほのか、対面側にエピメテウス、翔鶴さんが座り、特務艦隊のことを白状?今までのことを話した。話さないと自分の身が、ヤバいと判断したからだ。
「──ということです。表ではここの司令補佐として、特務では、司令兼艦隊旗艦として着任しています」
翔鶴さんはずっとこちらの話を相槌を打ちながら聞いてくれた。今のところ、何かされるようなことは、なさそうだ。
「そうだったんですね。でも、今更ですがよろしかったのですか?私に話しても」
特務艦隊が機密事項にあたることは、説明してある。
「まぁ、翔鶴さんにならば。今のところ大々的に公開はしませんが、そのうち公表されるそうなので問題ないですよ」
まぁ、あっちの任務、例の計画が知られなければ、問題ないからなと、考えつつ説明する。
そこへほのかの問いかけ。
「で、本音は?」
「もうめんどくさい」
はい。もうめんどくさくなりました。近々、横須賀鎮守府の艦娘にもバラします。
俺は、話が一段落したところで立ち上がり、書類仕事を始めることにする。
「さてと、そろそろ仕事に戻らないと」
時計を見ていたほのかが、
「もうすぐ18時だし、夕食の後にしない?兄ちゃん」
「あー、そうするか。食堂でおk?」
「おk、エピメテウスちゃん、翔鶴さんはどうする?」
ほのかが、翔鶴さんとエピメテウスに尋ねる。
2人は、俺と側にあるT督の被り物を交互に見て、
「どうやって」
「食べるんですか?」
18:12
食堂
ザワザワ…
多くの艦娘が利用する食堂は、いつも賑やかである。が、今日はとある席の様子を見てザワついていた。
その席には翔鶴の他に、巻き込まれた瑞鶴、あまり見ないエピメテウスやガラテナに加え、青葉の新聞で注目の的であるT督がいた。
そのT督の食事風景が、原因でざわついている。
「…まさかの開閉式」
と、エピメテウスが少しひきながら言う。
「お、おもしろいですねー」
と、翔鶴さんの言葉。
「翔鶴姉ぇ、なんで私もここにいなきゃいけないの?聞いてる?」
と、未だに巻き込まれた瑞鶴が翔鶴さんに話しかける。しかし、無視されている。
俺は、口がある部分が開かれた状態のT督の被り物をしつつ食事している。
「てか、こいつ…じゃなくてT督もいっしょなのよー!」
瑞鶴が俺をこいつと呼んだ時、翔鶴さんからオーラのようなものが見えた。
いやー、久しぶりに食堂のご飯を食べた。妖精さん美味しいよー。
「こら、瑞鶴。T督が艦娘と交流したいと思って、わざわざ仕事の合間をぬって来てくださったのよ」
「いや、だったら私たちじゃなくても……」
「ず、い、か、く?」
笑顔の翔鶴さんの後ろに何かが見えた。
「わぁーい、T督さんとご飯だー」
瑞鶴は、全力で翔鶴から目を逸らし、棒読みで喜びを言葉にする。
「提督、翔鶴さんの後ろになにか見えませんでした」
エピメテウスが俺に小声で聞いてくる。
「エピメテウス、気のせいだ。あなた疲れてるのよ」
そうですか、ね。と、未だに疑問に思っているエピメテウス。それ以上は触れてはいけない気がする。うん、俺も疲れてるんだな。
さて、瑞鶴が少し可哀想だし、助けてやるか。
「そう言うな、よく翔鶴さんと瑞鶴と俺でご飯食べたじゃないか」
すると、瑞鶴がこちらを向き、ネタを交えた返しをしてくる。
「え?まさか……いや、やつは2年前死んだはずだ」
「ふふふっ、トリックだよ」
瑞鶴は、いきなり立ち上がり驚く。
「じゃあお前は!」
俺は、ゆるりと立ち上がり、
「そうさ、私だよ!!」
「いや、誰だよ」
と、ほのかがボソッとつっこむ。
「かつて、7つの国を火の海に沈めた暴虐の魔王が復活したのか!!」
「そう、我こそはぁぁぁぁ!!要塞空母デスピナだーー!!!」
俺は、そう叫びながらT督の被り物を脱ぎ捨てる。あ、メガネが一緒に飛んでいった。
「ぶっ、……(笑)」
おい、ほのか笑うな。
「お久しぶりです!デスピナさん!」
「久しぶり、朝潮。いつも可愛いな、よしよし」
「――(照)」
朝潮に犬の耳と勢いよく振られるしっぽが見えた気がした。そこに、にやにやとしながら荒潮とどこか羨ましそうな霞がやってきた。
「あらあら姉さん、嬉しそうねぇ。霞ちゃんも、撫でてもらいなさい」
「な、何を言ってるのよ荒潮姉さん!?」
「霞、遠慮しなくていい。さぁ、こっちにおいで頭を撫でてあげよう」
「べ、別に必要ないわよ!」
と、逃げ出す霞。俺は、前の世界で長門から教えてもらった移動方法を使う。瞬時に、霞の前に回り込み、そのまま霞を優しく抱きしめ、頭を撫でる。
「かわいい、かわいい。霞、俺に甘えてほしいなぁ」
と、霞に囁く。それと同時に、一瞬寒気を感じる。え?今の何?
霞は、顔を真っ赤にして
「するわけないでしょう!!恥ずかしい!!」
「あふっ」
俺にキレイなアッパーが決まる。小さいとはいえ駆逐艦娘である、力強いアッパーであった。
だが、俺は要塞空母。こ、これしきの攻撃、なんらもん
だ…い……
その後、軽い脳震盪で気を失ったが、10分程で復活した。その際、霞が涙目で謝ってきた。
しかし悪いのは俺だったので、気にしないようにと言った。
やっぱり、紳士となるためにYesロリータNoタッチを徹底しなければ……。俺もまだまだ修行が足りていないな。
そして、介抱してくれたのは翔鶴さんと大和さんだった。
大和さんの膝枕の上で、目覚めた。
「お久しぶりです、デスピナさん」
と、ニッコリと大和さんが再会を喜ぶ。
「お元気そうで何よりです、大和さん。すみません、介抱していただいて」
膝枕されたままが良かったが、再び寒気が襲ったので起き上がって挨拶する。
「やはり、T督はデスピナさんだったんですね。しかし、なぜ隠していらしたんですか?」
「まぁ、詳しいことは言えないが、軍令部の高野総長の指示だったので」
俺がそう応えると、大和さんは表情が曇っていき
「そうなんですか…私には言ってくれないんですね……」
その言葉に俺は、一時的に思考が停止した。
「え……。大和さん?」
「あ、すみませんデスピナさん。今のは気にしないでください」
と、大和さんは足早に食堂から出て行った。
その後も色んな艦娘と挨拶をし、再び5人で食事していたが、頭の中は先程の大和さんの一言で占められていた。
私には言ってくれない……か。
大和さんは、俺が他の誰かに本当の理由を言っていると考えている。おそらく翔鶴さんには言ったものだと予想しているのだろう。
しかし、翔鶴さんにも大和さんにも俺は、文言は異なるが高野総長からの指示でと説明した。なぜ俺がT督としていたのか、もちろん個人的な欲望もあるが、例の計画に必要だからだ。
俺がT督として行う例の計画は、俺のほかに高野総長、それと数人の人間、大妖精と副長、砲雷長、航空参謀しか知らない。
食事を終え、食後のコーヒーを飲みながらも、未だに大和さんの一言を考え続ける。
身内のほのかや秘書艦のエピメテウスなどの特務艦隊のメンバーも知らないことである。
そんなこんなで、理論値で話してきたが結果を言えば、大和さんが翔鶴さんに嫉妬しているのだろう。つまり、俺のことが気になっている……
うん?
……大和さん俺のことが好きなのか。
ふーん……
え?
「えぇぇぇぇぇ!!!!」
俺は、驚きのあまり大声を出してしまった。
「うるさい!鼓膜破れる!」
隣で甘味処で買ってきたケーキを食べていたほのかから、結構キレ気味で言われてしまった。
「すまねぇ」
俺は、椅子に座り直し食後のコーヒーを一口飲む。あ、ぬるくなってる。
俺よ、一旦落ち着こう。大和さんが俺のことを好きである可能性がある。
大和さんか…。キレイな人でスタイルもいい。性格もいい、料理も上手。あと、あちらの世界で1度だけではあったが、大和さんが髪型をポニテにする時の横顔とうなじを見て、ドキッとした。純粋な気持ちでキレイだなぁと、感じた。
俺も大和さんのことが、気になっているのかな?いやいや、俺は翔鶴さん一筋だ。……でも、大和さんのことも……。しかし、これはいわゆる浮気になるのでは……。でもでも、大和さんのことも忘れられない……。
「あぁぁ!!!!!」
俺は思わず立ち上がり、頭を掻きむしる。
「うるさいって言ってんでしょ!!!」
「らいさんっ!?」
と、ほのかからの怒りのビンタを貰った。
大声出してすみませんでしたー!
ほのかは、ガラテナの機関部艤装を展開していたため、その力は凄まじいものである。俺は、高速回転しながら飛んでいき、食堂の壁に頭を打ち付け、壁に頭をめり込ませて、再び気を失った。
12月14日
06:00
ピピピッ!!!!!
「うるさい」
アラームを切り、ベッドから体を起こす。
「あれ?なんでベッドに……、誰か運んでくれたのか?」
気を失った俺を誰かが運ぶ……、うん?周りは女性ばかり……
その事実に気づいた時、俺は目が完全に覚めるほどの恥ずかしさが込み上げてきた。
「ああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!!女の子に運ばれちゃっよぉおおおおお!!!!!!!あんまりだァァァァァァァ!!!!!!!!」
バン!
すると、突然部屋のドアが開き
「朝からうるさい!」
と、ほのかから怒られる。てか、なんでお前がいる!
「なんでお前がいる!」
「昨日、お前を運んだのが私だからだよ!!」
「本当にありがとうございました!」
心の底から感謝した。よかった、運んでくれたのがこいつで。
「ほら、朝ごはん出来てるよ」
「ん、今行く」
しかし裕一は、この後知ることになる。気を失った後に、起きたものすごく恥ずかしいことを。
そう、妹におぶられて運ばれる様子を、艦娘達に見られ、青葉に写真を撮られていたことを。
……その日、裕一は恥ずかしさのあまり、高野提督に仕事を任せて硫黄島に出張として逃げた。ちなみに、青葉が撮った写真は何故か消えていたそうな。