お久しぶりです。作者のまはまはです。
ほんとにお久しぶりです。そして、めっちゃ投稿期間が空いてしまい、楽しみにしていた方には申し訳ないです。
リアルが随分忙しく、執筆活動に時間が取れずにいました。
この先もこんな感じで投稿期間がかなり空くかも、間違いなく空くので首を長くして待って頂けたら幸いです。
この後、もう1話投稿するのでよろしくお願いします。
第49話 硫黄島基地紹介と新兵器
12月14日 10:30
硫黄島基地 地上
かつては、飛行場しかなかった硫黄島。第二次深海大戦で深海棲艦に占領後、飛行場姫の他に、離島棲鬼がいたことで深海棲艦の最前線基地となっていた。
そんな硫黄島は、特務艦隊によって奪還された後、工廠の妖精さんとEDFの工兵妖精さん達によって大工事中であった。
飛行場跡地に、大型爆撃機DB-01の離着陸が可能な滑走路を2本持つ航空基地と、摺鉢山を切り崩した所に衛星打ち上げ施設を、地下に衛星の製造施設が建設された。
ここまでがちょうど、衛星打ち上げのテストを行った時である。
あれから、2週間経過した今日、硫黄島基地が完成した。
軍令部には、当初ロケット発射施設だけと言っていたが、正式に基地の申請を行い、承認済みである。この基地については公開をせず、同じく非公開である特務艦隊の基地となる。しかし、当面はまだ横須賀鎮守府にいる予定だ。
航空基地は、地下に航空機の格納庫を設けた。航空機は、DB-01、EB-01、DF-02、AC-20、C-70が配備されている。
地下からは、航空機用のエレベーターを使い地上へと出る。エレベーターは、地上格納庫5つにそれぞれ1つずつ、滑走路直結型を1つ、計6つある。滑走路も空爆はもちろん、46cmの徹甲弾にも耐えることが出来るように補強された。
航空基地の格納庫前に設けられたヘリポートに着陸した人員輸送用のノーブル、C-70Cから降りる。冬ではあるが、緯度の低い硫黄島は、暖かく、しかも天気が良いため長袖の軍服を着ていると、少し汗ばむ。
移動用の車がすでに用意されており、それに乗り込む。運転席の妖精さんに車を出すように言う。
車は、航空基地の敷地から出て、航空基地の反対側へと向かうため、なんにもない草原の中の道を走る。
地上には、対空、対水上レーダー施設を設置。
常時展開している迎撃施設として200セルのVLS、島の周りにレールガン48基とジェノサイド砲12基。他にもCIWSや12.7cm高角砲が、それぞれ100基以上設置された。
さらに、島の大半は草むらのままだが、地下には非常時には地上へと出てくる、多数の兵装ビルがある。
大坂山の辺りは、平地にされ食料生産などのプラントを、大坂山の北にある砂浜、井戸ヶ浜は、地上の鎮守府施設や埠頭が設けられた。
砂浜とは反対側、硫黄島の東側にはテンペスト用のミサイルサイロがある。
ちょうど車は、航空基地の反対側に来た。草原の中に溶け込むようにある地下へと続く、地下駐車場の入口のような、トンネルの中に車は入っていく。
地下へは、硫黄島各地にあるトンネルを使用する。
トンネルは島の地下にある特殊装甲板、(現在は全24層まで完成済み)の真上あたりで専用の軌道モノレールに車両ごと乗り入れ、降りることになる。
車は、そのモノレールの乗車口に着く。ちょうど、到着していたらしく、車ごと乗り入れる。
車のタイヤがロックされ、開いていた乗車口が分厚い装甲壁が降り塞ぐ。
ガクンっと一度揺れ、ゆっくりとモノレールが動き出す。
「こちらを」
運転席の妖精さんが1つの封筒を差し出してきた。封筒には、機密指定とハンコが押されていた。
「ありがとう」
封筒の中から、書類を取り出す。モノレールの走るトンネル内は意外と明るいため、文字を読むのに苦労しない。
書類の内容は、今日打ち上げられる衛星軌道兵器ノートゥング1基と新しい衛星についてである。
衛星軌道兵器ノートゥング。前世界では、攻撃の他に通信や偵察の機能を持つ総合軍事衛星だった。現世界では、サテライトブラスター、スプライトフォール、ラグナブラスターの攻撃専用となる。
そして、新しい衛星は偵察、航法、気象、通信の複数の機能を持つ準総合軍事衛星、アークシリーズである。
今回は、3基打ち上げる。今後の計画では、20基まで増やす予定である。
今回の衛星の打ち上げに伴い、GPS機能、衛星偵察、衛星通信などが使用可能に。そして、ノートゥングを使っての攻撃もできるようなる。
モノレールに揺られること20分、車の窓から光が入る。どうやら外が見える所まで降りてきたらしい。車窓からは、広大な地下空間が広がっていた。硫黄島基地地下空間であるジオフロントだ。
ジオフロントは、半径5km、現在の高さは500mある。硫黄島は火山島のため地下工事には時間が掛かるので、工事期間短縮のため、デスピナに残っていたアルマゲドンを使い、島の地下を消し飛ばした。その結果出来たのが、この空間である。ちなみに、硫黄島の火山は妖精さんによって、完全無効化している。
工廠設備や、通常の艦艇用のドックがある。中央には、硫黄島基地の本施設へと繋がるピラミッド型のガラス張りの建物がある。この施設自体は、基地内唯一の娯楽施設である。今は、妖精さん達がよく使っている。
モノレールは、ジオフロントの地表部にあるモノレールの駅へと到着した。駅は、誰もおらず物静かである。
車は、モノレールから降り、駅の近くの駐車場に止まった。
俺は、妖精さんにお礼を言って、車から降りる。
ジオフロント内は、緑に囲まれ、地上の昼間のように明るい。ちなみに、夜は暗くなる。
ジオフロントの地表部は、広いため動く歩道、水平型のエスカレーターが、各施設に繋がっている。
駐車場から駅の手前へ移動し、動く歩道に乗る。時速30kmほどでる動く歩道に乗って、ジオフロント中央にあるガラス張りのピラミッドへと向かう。
さて、そろそろこの基地の建設目的を話そう。鎮守府機能や航空基地、迎撃施設群、そしてジオフロント、明らかに過剰とも言える施設の数々。
ここ硫黄島基地は、特務艦隊用の基地としてだけでは無い。
フォーリナー、ではなくプライマーとの戦争を想定し、最終防衛ラインとして、人類最後の砦として建設された基地なのである。そのため、日常生活も考え基地内に娯楽施設などもあったりするのである。
11:24
硫黄島 地下基地 第一階層
ガラス張りのピラミッド内にある、長いエスカレーターで下へと降りる。
エスカレーターを降りると、自動改札機のような所に、金属探知機や手荷物検査用機械が置かれ、警備員の妖精さんが立っている。そこで、身分証のIDカードのチェック、金属探知機、手荷物検査を行ない、地下基地の内部に入る。
セキュリティゲートから少し歩くと、階層識別灯の青色が輝く通常階層の中央接続路に出る。今日は、忙しいため妖精さんが、通路を、各階層を行ったり来たりしている。
中央接続路を歩き、入ってきた方とは反対側の廊下へと向かう。
初期とは違い、パイプなどがむき出しになっていない綺麗な廊下を歩き、地下第一階層にあるロケット発射センターへとやって来た。以前は、現在特殊装甲板のあたりにあったが、移動した。
発射センターの前に到着し、セキュリティに俺のIDカードを読み込ませる。発射センターの入口にあった鉄の扉がスライドし、中へと入る。
「お!来たか、待っていたぞ!」
出迎えたのは、オハラ博士である。てか、いつも迎えてくれるけど仕事を、飯綱博士や結城博士に任せているのではないよね?
とりあえず、現在の状況を確認する。
「状況は?」
「今、ノートゥングを載せたロケットが発射台で最終チェック中だ」
オハラ博士の指さすモニターには、島のロケット発射台に設置されているロケットの様子が映されていた。時々、画面が切り替わりロケット台の近くのカメラ映像では、妖精さん達が点検している様子が分かる。
すると、オハラ博士のもとに1人の妖精さんがやって来た。
「オハラ博士、打ち上げ準備完了ですー」
「おぉ、そうか。では予定通り打ち上げてくれ」
「了解しましたー」
妖精さんがオハラ博士の指示を受けると、打ち上げセンター内に打ち上げのカウントダウンが始まった。発射台付近から、妖精さん達が退避し始める。
「それでは、下に行こうかね」
「見ていかないのですか?」
「残りは、任せておけば大丈夫だよ。飯綱博士に結城博士も下で待っておるよ」
そう言うとオハラ博士は、打ち上げセンターの出口へと向かう。
俺も後に続いて、出口に向かった。
硫黄島 地下基地 第三階層 中央接続路
通常階層は、第一階層から第三階層。そして次の階層である第四階層に降りるため第三階層の中央接続路に来ていた。第三階層の中央接続路の床には、重厚な鋼鉄の扉がある。この扉の下に、第四階層へと繋がる階段がある。扉前に立てられている、セキュリティにオハラ博士がIDカードを読み込ませ、パスワードを入力する。
すると、プシューと音を立て見た目とは裏腹にすぐに、扉がスライドし開く。現れた階段をオハラ博士に付いて降りていく。
硫黄島 地下基地 第四階層 中央接続路
硫黄島地下基地の第四階層は、第一階層から第三階層より警戒レベルが上である。その分、上の階層より重要な施設があり、第四階層は武装した警備員が巡回している。
さらに、各施設に入るには上級IDカード以上が必要になる。そのため、入れる者が限定されるエリアになっている。ちなみに、階層識別灯の色は緑である。
オハラ博士は、そのまま第四階層にある、さらに重厚感のある扉の前にあるセキュリティにIDカードとパスワード、網膜認証を行う。今度は、大きな音と開閉を知らせる音ともに第五階層への扉が、下からせり上がってくる。厚さ5m程の扉が開き、階段を降りられるようになり、オハラ博士とさらに下に向かう。
硫黄島 地下基地 第五階層 中央接続路
硫黄島地下基地の第五階層は、第四階層より警戒レベルが上であり、限られた者しかこのエリアに入れないように、警備も無人のロボットやシステムが使用されている。それだけ、ここにあるものが露見することを防ぐ。ちなみに階層識別灯の色は黄色である。
また、この階層には2つの施設しかないため、中央接続路には2つの廊下しかない。階段を降りてきて、右にある廊下を進む。施設までは、沢山の十字路や曲がり角があり、さながら迷路のようである。
歩くこと20分程か、目的の施設の入口に辿り着く。オハラ博士が(以下略)。中に入ると、一面機械だらけであった。ここは、伊401、エピメテウスといったSLBMを使える艦娘に搭載する兵器の製造施設である。
施設内にある一角にオハラ博士に連れて行かれる。そこには、ガラスケースに収められた弾頭に、飯綱博士と結城博士がいた。てか、さっきまで地表のロケット打ち上げ施設にいたよね?移動が速くないか??
「待たせたな、飯綱博士、結城博士」
「待っていましたぞ、オハラ博士」
「ワクワクして、急ぎ来てしまいましたぞ」
と、何やら盛り上がっている様子の3人の博士。
「それで、そこにあるのが例の?」
俺は、3人にガラスケースに収まる弾頭、兵器について聞く。
「そうだ。これが、例の戦略兵器だ」
飯綱博士が、そう言ってガラスケースを外し、弾頭の外殻を慎重に取り外す。
弾頭内部には、透明な容器のようなものがあり、その中に青紫に輝くプラズマ球があった。
「プラズマ球に最大までエネルギーを保有させ、最大圧縮した“ラストプラズマ”。通称LP兵器だ。RZRプラズマランチャーや、プラズマキャノンG型が生成する、プラズマ球の20倍以上の威力がある」
ラストプラズマ兵器、通称LP兵器。
構想自体は、仮想世界である前世界にて、Fウイングと同時期に出ていた、らしい。プラズマランチャーが作り出すプラズマ球をさらに高威力、広範囲にして、艦娘が使える兵器に出来ないか、と。そして、現実世界でも、研究が進められ、先日ようやく試作のSLBM搭載型の弾頭兵器として完成した。そして、この前のロケット打ち上げ時に、ついでに検証実験が行われた。
ウイングダイバーなどのプラズマランチャーと違い、プラズマエネルギーの生成、圧縮が桁違いのため専用の施設が必要になった。製造は秘密しなければならないので、硫黄島の地下基地に製造施設を設けた。
そんなLP兵器の性能だが、プラズマ球の大きさは最大半径100m近くになる。プラズマ球は触れた物体を融解、プラズマ化させる。また、広い範囲に電磁障害を起こすため高高度核爆発のように、空中で起爆させ電磁パルス攻撃としても使える、との三博士の説明だ。
それにしても……
「それにしても、とんでもない兵器が出来上がってしまった……。アルマゲドンに次ぐ、クリーンな兵器の誕生。この国を含め、製造方法や原理は他に知られたら大変だな」
そう呟くと飯綱博士が聞いていたのか、
「そのために硫黄島基地の地下に、秘密裏で製造しているのだ。まぁ、バレたらそれ以上のものを作ればよい」
「これ以上のものですか……、地球破壊爆弾でも作るのですか?」
そう返すと飯綱博士だけではなく、結城博士とオハラ博士の動きが止まる。
うん?あれ、どうしたんだ
「どうしました、博士たち?」
「い、いやーなんでもないよー」
「そうそう」
「ははははははは」
と、すごく怪しい反応を返してくる。まさか……
「これ以上の兵器を開発しているんですか?」
と、博士たちに問いかける。
「いやいやいや、まだ理論段階だよ!」
「つ、作ってないよ!ただ、他の実験中にたまたま見つけただけで!」
「ま、まだ、作れるかさえ分かってないから!!」
「……(ジト目)、前にも言いましたが作る前に先に報告してください!!分かりましたか?」
「「「分かりましたー!」」」
返事だけはいいんだよなー。
硫黄島 近海
硫黄島から打ち上げられたロケットを、潜水艦から潜望鏡を伸ばし、観察する者たちがいた。
「艦長、硫黄島から再びロケットと思われる物体が、発射されました」
潜望鏡を除いていた副長が、艦長に報告する。艦長は、すぐさま通信担当の兵士に命令する。
「これで、4回目か。司令部に報告しろ」
「了解しました」
この潜水艦の名前は、シャイアン。アメリカ海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦の1つである。彼らの任務は、硫黄島及びその近海の監視である。
先日、現職大統領の暗殺という、ケネディ大統領以来の事件が発生した。現在は、副大統領が昇格し、大統領となっている。その新大統領が、就任初日に日本への監視網構築を各関係機関に命令した。アメリカ軍統合参謀本部は、すぐさま監視網の構築を開始、1週間で監視網を構築した。
「!?ソナーに感あり」
ソナー手の一言に、艦内が緊張に包まれる。
「潜望鏡下ろせ、急速潜航」
艦長の素早い判断のもと、シャイアンは潜航を開始する。潜航する中、ソナー手は得られた情報を報告し続ける。
「音紋照合、潜水カ級です」
「深海棲艦か、戦闘は避け現海域から一時離脱する。最大船速」
「ヨーソロー」
シャイアンは、潜水カ級と会敵することなく海域を離脱した。
同時刻
横須賀鎮守府
硫黄島近海からアメリカ本土への報告をほのかは、イーグル・アイを使用して傍受していた。
「うーん、アメリカで何か起こったのかな?ここ最近、アメリカ軍の通信内容の多くが日本に関するものだし……」
ほのかは考えた、10分くらい考えた。が、
「分かんね、めんどくさ。難しいことは、兄ちゃんに任せよう、そうしよう」
そして、ほのかは考えるのをやめた。
「何故そこで諦める!!もっと!!!熱くなれよ!!!!」
「!?なんか物凄く熱い人がいた気がする……こわっ!((( ;゚Д゚)))」