要塞空母デスピナ出撃す。第2篇   作:まはまは

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作者のまはまはです。
始めましての方は、まず第1篇の方をご覧ください。あらすじのところにURLがあるので
そして、第1篇から飛んでくださっている皆様
お待たせしました。

第2篇の開始です。
一応、第1篇の続章になるので話数などは継続されています。
作者としては、最初はここからスタートする予定でしたが、地球防衛軍5のことも考え第1篇を作りました。長い長いプロローグが終わり、いよいよ本編だと思っています。

より良い作品にしていけるよう頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。

11月7日 少し改変
2019/10/23 収納の指輪の削除
これに伴い、デスピナ、ガラテナの艤装の収納は他の艦娘と同様に


第5章 本土奪還編
第38話 再会


第5章 本土奪還編

第38話 再会

 

 

…ピッ、ピッ、ピッ

病院でよく聞く心電計の音が鳴っている。

目を開けると、そこは…

「知らない天井だ…」

知らない部屋のベッドで寝ていた。

周りを見回すと、心電図のモニターや自分につながっている点滴、ベッドサイドには椅子がある。

(確か、戦闘中だったはずだが…大破でもしたのか俺)

記憶を辿ろうとするも、うまく思い出せない。とりあえずベッドから起き上がろうするも体がなかなか動かず再びベッドに倒れこむ。

(やば、体が重い。そんなにひどい損傷だったのか?)

もう一度、起き上がろうと体に力を入れベッドの手すりに掴まりながら体を起こしていたとき、部屋の扉が開き軍服を着た一人の女性が入ってくる。

その女性は俺の様子を見て、固まり俺と視線が合う。そして、俺も女性を見た瞬間驚きのあまり固まる。

「!?起きたの…お兄ちゃん」

「!?なぜおまえがいる…ほのか」

軍服を着た妹のほのかが抱き着いてくる。

「よかった、目が覚めたんだね。予定より早く装置から出すことになったから、後遺症で目を覚まさないかもって心配したよ~」

何を言ってるんだ?てか、なぜ妹がいる?なぜに軍服?

俺の頭の中は疑問だらけであった。でも…

「久しぶり…ほのか」

久しぶりの身内との再会を喜ぶことにした。

 

 

 

……っと思ったか!感動の再会と思ったか!!

「で、説明しろほのか」

「やっぱり、記憶が抜けてるのね…お兄ちゃん」

上目遣いで心配している表情で話しかけてくる、ほのか。しかし

「いい加減、その演技をやめろ。俺のかわいい妹にしてもらいたいランキング第3位の『上目遣い』をするな!俺の妄想を返せ」

そう言うと、俺から離れて心底残念そうな表情で

「はぁー。やっぱダメか」

舌打ちしてきた。これこそ、いつもの妹だ。

「あったりまえだ、お前が俺の心にドストライクなことをするのは判り切っている」

「相変わらずだね~兄ちゃんは」

それを、聞いてどこか安心したような表情になった。

 

さて、そろそろ本題に入ろう。

「じゃ、俺の頭と読者の皆様にもわかるように説明プリーズ」

「はいはい。じゃあ、まずは…兄ちゃんが今までいた世界は、今いるこの世界の7年前までの戦いのデータを基に作られた国防海軍と妖精による訓練シミュレーターによる偽りの世界だよ」

明かされた真実、そのショックはあまりにも大きかった。俺の翔鶴さんとの思い出や盗さ……記念写真フォルダが……。

俺が大きなショックを受けていることは気にせず、ほのかは話を続ける。

「兄ちゃんは、前世で死んだあとこの世界に初の男の艦娘として転生したの」

……は、大丈夫、また作ればいい

無事にショックから復帰。そんな俺のことは気にせず、ほのかは話を続ける。

「転生後、すぐに艦娘訓練用のシミュレーターの装置に入ったの。その中で、艦娘としての戦い方や今まで遭遇した敵との戦闘を行っていたの」

へー、そうなんだー。

「ちなみに、あっちの世界はちょっとしたバグで時系列がおかしくなっていてね。今は、2020年8月15日。前世から見ると3年先の平衡世界だよ」

「だから、少し違和感があったんだな」

「それから、3年と少し経った3日前。深海棲艦の大規模な攻勢の前兆が確認されてね。それで急遽、兄ちゃんを装置から出したんだけど昏睡状態で3日ほど目を覚まさなくて、今日ようやく目覚めた。ここまで理解できた?」

「お、おう。艦娘として転生して長期間訓練していて、今までの記憶は、全部シミュレーターの中の世界で、艦娘の訓練の途中で叩き起こされた…てことで良いんだよな?」

「そうそう、そんな感じ。次に私がここにいる理由。それはね…」

内容はあまりに複雑なため端的に言うと、半年前に同じく艦娘として転生した。以上だ。

「なるほどね、それで事の真相をよく知っているだろう大妖精は?」

「今、高野総長のところにいるはずだよ」

「あの人実在してるのね…。よっこらしょ」

力が入り始めたので、上半身を起こす。

「あ、ダメダメ。まだ寝てなきゃ」

と、ほのかが再び俺を横にしようとする。

「もう大丈夫だ。体に力が入るようになった、それに…」

ほのかの頭に手を乗せ撫でてやる。

「時間がないんだろ、早い方がいい」

少しうれしそうな顔をしているほのかの頭から手を離すと、名残惜しそうな顔をする。

「わかったよ、じゃあ海軍の軍令部に案内するね」

 

2020年8月15日 15:26

 

ほのかから貰った階級章が大尉の真っ白な軍服に袖を通す。サイズはちょうどであった。

訓練施設のある茨木県から東京都にヘリコプターで移動するため施設の屋上に上がり、ヘリコプターに搭乗する。

しばらくして、東京上空に来て外の景色を見ると

「いったいこれは…」

「2年前、東京はプライマーによる攻撃で壊滅したの。首都は今、長野県の松本にうつされているよ」

ほのかも外の景色を見ながら説明を続ける。

「今も人は住んでいるけど、ほとんどは海軍を中心とした関係者しか住んでいないんだけどね」

ほのかが窓の向こうを指さす。

「あれが国防海軍軍令部の建物だよ」

その建物の周りにはレーダー、対空砲や対空ミサイルのランチャー、とてつもなく大きい主砲があり要塞の様であった。

ヘリコプターがヘリポートに着陸し、パイロットに礼を言って降りる。

そのまま、ほのかの後に続いて中に入る。

しばらく歩いて、多くの軍人が歩くホールのようなところに出た。そこにある受付で来客用のパスを貰いセキュリティゲートの1つを通る。

その後、エレベーターに乗り16階に向かう。2分ほどで着き、絨毯がしかれた廊下を歩きとある部屋の前に着く。

妹が扉をノックすると、中から声が

「誰かね」

「山本であります」

扉のロックが外れた音が聞こえ、ほのかが扉を開け中に入っていく。

それに続いて中に入り、ほのかと同様に敬礼する。

「失礼します」

「し、失礼します」

そこには、デスクチェアーに座った訓練中に何回か出会った高野総長とソファーに座った大妖精がいた。

「来たか、とりあえず座ってくれ」

勧められた通りソファーの前に腰を掛ける。タイミングを見計らい高野総長が話を切り出す。

「こちらの世界では、初めてだったな。高野公佑だ」

立ち上がり、敬礼をして自己紹介をする。

「初めまして、山本裕一です」

「久しぶりです、裕一さん」

猫を撫でながら声をかけてきた、大妖精にも挨拶。

「久しぶり」

「さて、今日はどうしたのかね。今日目覚めたばかりであろう」

「はい。今日は大妖精から、この世界の現状を詳しく伺いたく参りました」

それを聞いてキョトンとする大妖精。

「うん?私??」

「では、隣の会議室を使ってくれ。私はもう少し仕事が残っているのでね。終わったら行くよ」

「分かりました」

立ち上がり、脇に大妖精を抱え退出する。

「ちょっ、普通に歩けるからおーろーしーてー!」

 

15:48

 

隣の会議室に入り、床に大妖精を落とす。

「プギャ!…いたた、もうレディに対する扱いがなっていませんよ」

「ほぅ、人を転生させておいて説明を十分にせず、俺を機械に放り込んだお前さんが言えた事か」

「うっ…、仕方なかったんですよ~」

少し申し訳なさそうな感じで言っているので、悪気はないんだろう。

「はぁー、まあいいや。今日はさっきの話を聞きに来た」

「世界の現状でしたよね」

「あぁ。7年前に何があったんだ。そこから聞きたい」

すると、大妖精が会議室のスクリーンを出し、懐から端末を取り出しプロジェクターに繋ぐ。

スクリーンに、巨大な円盤から巨大な何かがせり出し光が先端に集まっている写真がであった。

「7年前、西方方面反撃作戦第二段階遂行中に佐世保鎮守府上空に大型円盤1隻が飛来。これをマザーシップと呼称。そしてジェノサイド砲による攻撃で鎮守府は壊滅し、86名の艦娘と軍関係5,000名近くが死亡。その後、市内にも攻撃を行い約10万人が死亡する事件が起きました」

写真が変わり、鎮守府施設が跡形もなく吹き飛んだ佐世保鎮守府と廃墟となった佐世保市の様子だった。

「この時、彼らをプライマーと命名しました」

「その後、西方から帰還した艦隊全てを本土防衛につかせ警戒。3か月後、マザーシップ4隻と深海棲艦1万体以上が日本に襲来しました」

「私たちも、急ピッチで艦娘を増やし戦力を整え応戦しました。しかし、プライマーの強化による異様な装備をした一部の通常型や鬼、姫級に歯が立たず九州、四国、中国地方を破棄し撤退」

「そして、舞鶴鎮守府の壊滅によりほとんどの艦娘が撃沈され、佐世保、呉、舞鶴の周辺は占領されました」

ビルの屋上や至る所に高射砲やミサイルランチャーの設置された東京の上空にマザーシップがいる写真。

濃密な弾幕が映っているが装甲に阻まれ火花がいくつも散っている。

「そして、2年前東京にマザーシップ1隻が飛来。そして、壊滅しました…」

「その後、首都を松本に移され、東京は国防省を中心に要塞を兼ねた海軍軍令部を建設しそれに繋がる道路のみを整備しました」

「資材不足のため、今も東京は復興が進まず、 それどころか国内も経済が破綻しかけています」

「また、プライマーはその後姿を現していません。が、1か月前深海棲艦による大規模な攻勢の準備と思われる動きを感知し、急遽裕一さんを起こしました」

「ここまで何かありますか?」

大妖精が質問があるか聴いてくる。

「まず、あの世界にいた艦娘は?」

「新たに建造された艦娘達です。あと7ヶ月で、シュミレーターから出てくる予定になっています」

「その時の記憶はあるのか?」

「はい、ある程度は」

そうか…翔鶴さんや大和さん、ウォースパイトさんは覚えていてくれるかもだな。

「次に現在、残りの横須賀と大湊には艦娘はいるのか?」

「今も30名前後は横須賀にいます。大湊の艦娘は全て横須賀にいます」

「それならば、ある程度の制海権確保はできるはずだ。経済破綻には、早々繋がらないんじゃないか?」

そう言うと、大妖精の表情が暗くなる。

「それを今から説明します…」

プロジェクターを切り近くの椅子に座る。

「2年前、東京への攻撃で残っていた上条提督、中村提督がお亡くなりになりました」

「…そうか」

中村提督は、もういないのか…。本当に惜しい人を亡くした。

「その時、攻撃で軍内部はかなり混乱していました。おそらくその時に、横須賀の近くにあった米軍の基地に横須賀鎮守府が合法的に合併されてしまいました」

「は?」

「結果、現在私も含め海軍は横須賀鎮守府の状態を確認出来ていません」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。米軍だと?あの世界では米軍の基地なんてなかったぞ?」

「ありましたよ。政府が隠していたんです。鎮守府の工廠の隣のエリアに隣接してたんです。私もよく確認していませんでした」

「じゃあ…今、横須賀鎮守府は」

「アメリカ軍の基地となって艦娘も彼らの指揮下にあります」

「政府は…いや、アメリカ軍は何をしているんだ」

「裕一さん、なぜ経済が破綻しかけで留まっていると思いますか?」

「まさか…」

「定期的に横須賀から資材が届けられるからです」

??つまりは…

「政府が裏でアメリカ軍と繋がっている?アメリカ軍は現状維持をして、政府から利益を得ているのか?」

「はい。それに……艦娘の状態もおかしくなっている娘もいるみたいです。噂では……性的なことも……」

……いよいよ、ややこしくなってきたな…。

「最後になぜこの世界はプライマーの侵攻を受けた?」

「…ちょうど、深海棲艦の出現した頃に神様から連絡がありました。とある世界で時空破砕災害が発生してその衝撃で近くにあった世界と繋がりフォリナーが現れました。それが事の始まりです」

じくうはさい…? ナニソレオイシイノ?

「時空破砕災害とはなんだ?」

「私も詳しくは分かりませんが、爆心となる世界が破裂しその衝撃波などが周りの世界にも影響を与えるみたいです」

うーん、そうなのかー(棒)

「話を続けますね。そして、7年前に繋がった世界の情報が更新されてフォーリナーが消失、プライマーが現れました」

「それが西方方面反撃作戦中に起きたのか」

「その通りです。やはり会敵していましたか…」

「あぁ、あちらの世界で博士達が研究していたよ」

「他にはありますか?」

「いや、無いよ」

「では、先程の部屋に戻りましょうか」

 

16:35

 

再び先程の部屋に入ると、何やら騒がしい。

高野総長がこちらを少し見たがすぐに視線を逸らす。

「なに!?横須賀から艦娘1名がこちらに助けを求めてきただと!」

え?

「うん。…分かったすぐに保護をしろ」

電話を切り、すぐに別のところに繋ぐ。

「高野です。横須賀から艦娘1名がこちらに助けを求めて来ました」

どこに電話しているのだろうか

「はい。わかりました、お待ちしております」

短い電話であった。しかし、高野総長は疲れたような顔を見せた。

「あぁ、戻ったか。悪いが急ぎの用が出来てしまった。これで失礼させてもらうよ」

やっぱり、説明してくれないか

「横須賀鎮守府から艦娘が保護を求めてきたんですね」

「そうだ。だが…「私もついて行ってもいいでしょうか?」なに?」

「同胞が助けを求めているのです。同じ艦娘として見過ごせません」

「高野総長、私も同行させてください」

「ほのか君もか…まぁ、良かろう。付いて来なさい」

「「ありがとうございます」」

「もちろん、私もいいよね?」

高野総長は少し頬を緩め

「いまさらだ。構わないよ」

高野総長の後に続き艦娘がいる場所へと急いだ。

 

軍令部の正門にやって来た。すでに、警備の人たちが集まっていた。

「艦娘はどこかね」

高野総長に気づいたその場にいた人たちが敬礼をして艦娘のいるところまで道を作る。

そこには体の至る所から出血をした睦月型の駆逐艦文月がいた。文月はストレッチャーに乗せられ赤十字を背中に着けた人たちが運んで行った。

高野総長のもとに手当てをしていたうちの一人がやって来た。

「艦娘の容態は?」

「出血がひどくバイタルが安定してないです。これより手術に入ります」

そう言って、急いで中に入っていった。

「総員、警戒態勢を取れ。横須賀からの攻撃の可能性がある」

「「「了解」」」

「高野総長!?」

俺は驚いて、聞き直す感じで言う。

「あれはおそらく逃走時に攻撃を受けてできたものだろう。おそらく横須賀は取り返しに来るぞ」

「確かに、あり得ますね」

俺が賛同を示したタイミングで

軍令部の敷地内に低い音の警報が鳴り響き、緊急の放送が流れる。建物の窓全てに隔壁がおり始める。

「私たちも急いで中に入ろう。入れなくなってしまう」

高野総長が急ぎ足で建物に向かっていく。それを再び3人は追いかけた。

 

高野総長に付いてエレベーターに乗る。高野総長が自分のIDをエレベーターのボタンの横に付いているカードリーダに読み込ませると、エレベーターは地下に降りていく。

エレベーターは地下4階を超えさらに下っていき階数の表示がされなくなる。

そこから少しして、チーンと音が鳴りエレベーターが目的の階に着いたこと知らせる。

扉が開き、その先は薄暗い空間だった。

薄暗い廊下を歩くと重厚な扉が見えてきた。高野総長がそれを開き中に入ると、

「司令部?」

「ここは、非常時の地下司令部。軍令部の機能は現在すべてこの地下に移されているよ」

多くの画面と人が慌ただしく動いている。そして今いるところは一番高いところにある。

「「すげー、リアル第1発令所だ」」

妹と二人して感動していると、高野総長が話しかけてくる。

「そうだ。言い忘れていた、ここより少し下に艦娘の整備用ドックがある。一度君たちの艤装をチェックしておいてくれ」

高野総長が司令席に座り、指揮を執り始めるために各部所の幹部を呼ぶために電話を取り出す。

「艦娘を相手しなければならなくなるかもしれん。覚悟も決めておいてくれ」

そう言って、電話をし始めた。

横須賀が敵になるかもしれない、……艦娘を殺さなければならないかもしれない。

「―、ではドックに行きましょう。艤装の妖精さんにも会っておきましょう」

大妖精に勧められ俺とほのかはドックに向かった。

 

17:06

 

ドックに着くととある広大な空間に連れてこられた。

「ここは、艤装の展開や修理、改装などなど工廠設備をすべて行える場所です」

「ヤッホー!!」

どれくらい広いのかと思い、大きな声を出すと声が木霊した。

「すご、どれだけ広いのよ。ここ」

「うん?知らなかったのかほのか?」

「うん。ついでにまだ艤装もないよ」

「え?」

え?どうゆうことだってばよ

「ちょっと、いきなり大声を出さないでくださいよ!」

と、少し涙目の大妖精が文句を言ってくる。その大妖精の首根っこをつかんで持ち上げる。

「おい、家の妹の艤装がないってどういうことじゃ。説明せーや、あん?」

「裕一さん、それカツアゲみたいで怖いですって、あ、ごめんなさい。説明します」

さらに、目つきを怖くすると素直に謝ったのでそのまま離してやる。重力に沿って…落ちることはなく浮かんでいた。

「ふふん、もう学習しましたからね」

「ちっ」

「今、舌打ちしませんでしたか?」

「してない」

「いやでも…「はよ、説明せーやごら」はい!ほのかさんはまだ建造途中なんです」

「ドユコト?」

妹も分かっていない模様

「艦娘は、最初に肉体の構成が完了して訓練中に艤装が完成して配備されるんです」

「「へえー、そうなんだ」」

二人して棒読みで答える。

「つまり裕一さんもまだ建造途中なんですよね…現実世界ではまだお二人の艤装がありません」

「「な、なんだと…」」

「なので、今から大急ぎで建造します。ちなみに何人かの妖精は呼び出せますよ」

さっそくあのメンバーを呼ぶ。

すると、肩にわらわらと副長と砲雷長、航空参謀、3博士が出てきた。

「裕一さん!いったい何が!?艤装とのリンクが切れたんですが!」

と、副長が。

「いきなり、意識がなくなったのですが…ここは?」

と砲雷長。

「Zzzz」

寝ている航空参謀。あ、副長と砲雷長に左右からストレート貰って人間サイズ100cmほどになって転がっていった。

「おーここはすごい」

「工廠の設備が壁に内蔵されているのか」

「なんというテクノロジー」

すでに、肩にはおらず同じく人間サイズになり空間を興奮して走り回る3博士。

「え?これが妖精?元気だね」

「うん、元気だな。すまないな、副長、砲雷長。事情は後で」

「分かりました」

ついでに、大妖精に聞いておく。

「大妖精、その設計図自分たちで引いてもいいか?」

「どうしたんですか」

「あの世界での経験をもとに大改造したい。ついでに、妹用も設計したい」

「まあ、構いませんが」

大妖精がこちらに大きめのタブレットを渡してくる。

「これで、設計できるので使ってください。終わったらあそこの内線で読んでください」

タブレットを受け取る。

「了解」

「では、資材の準備をしていますので」

そう言って、大妖精が出て行った。それを見送ると妹の方に振り返る。

「お兄ちゃん…始めようか」

ほのかが真剣な目をしている。俺も気を引き締める

「あぁ、最強の…」

「「艤装を設計しようか」」

「「「設計?開発?魔改造??」」」

3博士が反応した。

 

「やっぱり火力ですよ!圧倒的な火力で敵を粉砕すべきです」

「いやいや、時代は空!戦闘機を増やしましょうぜ!」

「違うわ。情報こそが重要よ」

「そんなものより、新しい破壊兵器を作った方がいい!」

「ミサイルをたくさん」

「堅牢に!!」

「飛行できるようにしましょう!!」

「超長距離兵器を!!」

「ジェノサイド砲だろ!!」

「重爆撃機を!!」

「近接装備を!!」

って、感じでほぼ趣味のレベルで出した結果…

「絶対に無理だろうこれ」

「無理ですね、詰め込みすぎです」

「「「「それな」」」」

と、副長をはじめ全員が賛同。しかし、すべて必要なものだ。どうしようか…

「A〇みたいのが出来ればな…」

「〇Cですか?うーん、艦娘の必要性あります?」

それもそうだ。そこにほのかの一言

「一層のこと、目的に応じて艤装を切り替えればな…」

「では、コンセプトごとに艤装を作ろう」

「収納の指輪に艤装をしまえないか?」

俺は、疑問に思い博士たちに聞いてみる。

「あれは、この世界で実現不可能な物だ。だから、この世界では、艤装の輸送方法を考えておかないとならん」

なるほど、それは残念だ。とりあえず艤装は何とかなる。

 

「そういえばオハラ博士、例の航空戦力の話ですが」

結城博士と飯綱博士と設計していたオハラ博士に話しかける。

「あぁ、すでにデータはあちらで検証済みだ。ここでおそらく作れるはずだ」

「博士本当ですかい!!!」

航空参謀が飛んでくる。文字通り飛んできた。

「本当だ。新しいエネルギー機関が出来たぞ。私たちはこれをフォーリナーウイング通称Fウイングと呼んでいる」

「「おぉぉーー!」」

「そして…、新型戦闘機の設計図も」

「じゃーーん!!」

結城博士と飯綱博士が設計図を2枚広げる。

「これが新しい戦闘機…」

「うん?どれどれ」

と、妹ものぞきに来た。

「妖精さん、この戦闘機名前はついているの?」

「いや、まだだ」

なるほど。じゃあ

「ディフェンスシリーズ。Fウイング搭載機の総称にしよう」

「そして、左をYF-01。右をYF-02とする。いいかな?博士」

博士3人ともいい笑顔で賛同してくれた。

「ディフェンスシリーズ。由来は何ですかい?」

航空参謀が聞いてくる。

「空を守る守護者たち的な感じのものだ」

「へへっ、守護者たちですかい。あいつらにも早く聞かせてやりたいな」

「博士、2枚あるということはどちらか選べばいいのかい?」

「そうだ、好きな方を選んでくれ」

「じゃあ…」

右にあったYF-02の設計図を手に取る。

「やはりそっちでしたか」

と、結城博士。

「コンセプトは、汎用。目的に応じて様々な種類に派生できます」

「いいですね」

「兄ちゃん、それ私が名前つけてもいい?」

「別にいいぜ」

「ありがと、そうだな…ジェネラル。汎用性を意味する単語」

ジェネラルか。かっこいいと思う

「では、YF-02をDF-02 ジェネラルとする」

 

「次に、ほのか。お前の艤装についてだが…艦名は何だ?」

「私の艦名は、ガラテナ級航空母艦1番艦ガラテナだよ」

「?そんなのあったけ」

たしか、デスピナ級は1隻しかなかったはず。

「ガラテナ級航空母艦、デスピナ級の建造計画凍結に伴い新しく計画された大型空母。三胴艦のデスピナと違って、ガラテナは全幅を大きくした単胴艦となるはずでした」

と、副長が教えてくれた。

「そうそう。でも、計画だけされて建造はされなかったの。しかも、資料関係はほとんどないよ」

「つまりは、設計からやり直しってことか」

「まぁ、そうなるね。でも、その分好きなように出来るよ」

たしかにそうだ。とりあえず…

「ガラテナは航空母艦であるから、航空機は俺と同じでいいだろ」

「あ、お兄ちゃんこれできないかな?オハラ博士たちもこれ構築できる?」

そう言って、渡された1枚の紙。そこには、とあるシステムの構想案が書かれていた。

「妹よ。お前は国家機密でも盗むつもりか?」

なにこれ、NSA(アメリカ国家安全保障局)、CIA(中央情報局)もびっくりなものなんですが。

結城博士は、

「これまた、すごいな」

飯綱博士は、

「大丈夫だ、問題ない」

オハラ博士は、

「任せておけ」

博士たちはやる気満々だからいいや。

 

その後、

俺たちの艤装の様々なバリエーションも設計し、装備のバージョンアップも行った。

 

 

8月17日 18:48

 

2日後

「お二人ともお待たせしましたー。少し資材を集めるのに時間がかかりまして。そういえば全く連絡がありませんでしたが、どうかしましたか…って」

そこで大妖精が目にした光景は

全員が床にぶっ倒れていた。

「ひええぇぇーーー!!!ど、ど、どうしたんですか!!」

その悲鳴に気づいた裕一が顔を上げる。

「だ、だい、ようせい…?」

「裕一さん!なにがあったんですか!?」

大妖精が人型サイズになり、裕一を抱き起す。裕一は目の下に隈を作り、顔色も悪かった。

「ど、どうしましょう…あわわわわわ」

大妖精が慌てていると、グゥーとお腹の虫が大きな鳴き声を出した。

「た…食べ物を…(ガクッ)」

「……。」

 

ムシャモグ、ムシャモグ…

「それで、艤装や装備の開発を2日間ぶっ続けでやっていたんですか…」

ムシャモグ、ムシャモグ…ごっくん

「あぁ、その代わりいいものができたよ」

「そうそう、兄ちゃんのところの妖精はすごいよね。あ、おかわり」

ほのかが、ごはん茶碗を大妖精に渡しお櫃からごはんをよそう。

「にしても、何でも出来るんだな」

「ふふん、妖精のトップに立つものとして当然です」

そう言って、ぜっぺ…ゲフンゲフン、つつま…ゲフンゲフン、程よいお胸を張る。

「裕一さん、喧嘩売っています?」

「す、すみませんでした!!」

その場で鮮やかな土下座を無駄な動作なくする。

「まぁ、いいでしょう。たかが胸で、本気で怒るようなことはしないですよ」

しかし、その眼は笑っていなかった。

「とにかく、艤装を作るための資材が足りないので完成は1週間後になります。それまでは、大人しくしていてくださいね?」

「「はーい」」

 

そして、1週間後。大妖精から艤装が完成したとの連絡があった。

 




次回、艤装紹介

次回も、サービスサービス!


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