低ランク勇者がヌベスコだらけの世界に転移!? 〜この過酷な世界で今度こそ生き延びてやります〜   作:白黒 赤青

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見る人にとっては不快に思われる表現が多々あります。ご了承の上でご閲覧いただければ幸いです。


1.落ちこぼれの無能勇者

 俺には……厳しすぎたんだろうな。少し良い武器が手に入ったからって、俺の実力が良くなった訳では無いというのに。

 やっぱり俺はいつまで経っても低ランクの勇者なんだなって、はっきり思い知らされたよ。

 自惚れてドラゴン討伐なんか受け持つから……俺は……。落ちこぼれの無能勇者……そんなの一番俺がわかっているよ……。

 

 

 ――男は絶望の中、ただただ最後の瞬間を待っていた。

 ぐしゃりという生々しい音と共に男の命は尽きた。

 

 

「……!?」

 

 開くはずのない男の目が開かれると、そこは炎に包まれた建物が多くある、それはまさに地獄絵図とも言える見覚えの無い場所だった。

 

「アツイアツーイWWW」

 

「はやく水WWWいや沝WWWくれや㴇WWWはやく淼WWW水沝淼㴇㵘水沝淼㴇㵘WWW」

 

 あれは一体なんなんだろうか。まるで塗料でも塗ったかのような白すぎる肌に、謎の奇声。人型のようだがそれでも人間のような姿では無い。顔がどれも同じようなギョロっとした瞳に、少しだけ舌を出し、口角を極限まで上げた口元。何も考えていないようなその姿は、ある一種の廃人のようだ。

 

「ヌゾヂョンヌWWWヌ? ヌ?」

 

 二体の謎の生物がこちらをその大きな目で睨みつけてくる。

 

「ヌギャアアアWWWニンゲンボギョォWWW?」

 

「ニンゲンWWWそれよりくれや水沝淼㴇㵘水沝淼㴇㵘WWW」

 

 人語と思わしき言語を発しながら奇妙な足取りで、それも速すぎる動きで近付いてくる。

 

「ニンゲン……ボョ?」

 

 一瞬で距離を縮められる。腰に装備した剣を引き抜く間さえ与えられないまま、その大きな瞳と極限まで上げた口角を男に近付ける。

 

「ニュルボヨヌWWWこいつやっぱりニンゲンボギョWWW殺す殺す殺すWWWそして仲間にするWWWキシャアアアWWW」

 

 逃げ出したい……だが、絶対に追い付かれる。結局此処が何処なのかさえ分からないまま、俺はこの謎の生物によって殺されるのだろうか。

 

「クソが……」

 

 ……そんなの嫌に決まっている!!

 

「ヌビョ!?」

 

 剣を引き抜き、謎の生物の腕を斬り落とす。ただ、血のようなものは無いようだった。

 

「ヌビョアアア!? イタイイターイWWW包帯WWWいや絆創膏WWWやっぱりキズパワーパッドWWW」

 

 斬った感触、それはどうにも柔らかすぎる物で、はっきり言って手応えという物が無いように感じた。

 

「いける? いけるのか!?」

 

「もう怒ったWWWこれはもう激おこプソプソ丸WWW」

 

 謎の生物は確かに怒りを口にすると、極限まで上げた口角を更に上げ、少しだけ覗かせていた舌は全て出たかのように長く、そして大きな眼はより大きくなり、血走り始めた。

 

「ンヒョアアアア!! ヌベスコキィィィック!!」

 

 それは飛び上がると、空中で態勢を整え、ドロップキックの様な形をとり、襲い掛かって来た。

 

 あれぐらい肉質が柔らかければ剣で防いでも大丈夫だろうか。物は試しだ……!!

 

「人間舐めんなァ!!」

 

 襲い掛かる足を前に、剣で守りの姿勢を取り、上手くその攻撃を受け流した。

 

「よし!!」

 

「ボクの超究極滅人奥義WWW敗れたりWWW」

 

 謎の生物は地面に頭部を強打すると、腕や脚をじたばたとさせ、赤子のように暴れ始めた。

 

「じゃあな……」

 

 剣先を右胸に置き、後は軽く押すだけで心臓を貫けるようにする。

 

「さよおならWWW」

 

 ……。

 

 調子が狂うんだが。

 

 男は軽く押し、謎の生物を殺した。

 

「そういえばあの燃えた奴が居ないな?」

 

 確かに今殺した生物の他に、もう一匹水を欲していた奴がいたような。

 

 そう、炎が燃え上がったあまりにも酷い周りを確認した時、ドンッと火薬の弾ける大きな音が聴こえる。

 

「水くれないWWWお前悪いヤツWWW罪を償ってモゲロンボョWWW」

 

 その音が聴こえる先に、黒く焦げたその謎の生物が銃を持って狙い打っていた。

 

 武器も扱えるようだな……ただしそこまで練度が高いとは言えないと。

 まるで俺のような中途半端な奴だな。

 

 剣を鞘に納めた俺のすぐ隣を、蒼い魔法弾の様な物が通過する。

 

「水WWW来た淼WWWでもさよおならWWW」

 

 咄嗟に黒く焦げた謎の生物を見ると、額に風穴が空いていた。

 

「危なかったわね」

 

 ただただ驚く俺の後ろから、女性の声が聞こえてくる。

 あの奇声のような声では無く、列記とした人間の声が。

 

「君は……?」

 

 つばの長い帽子を深く被り、顔を見せないようにしているのが伺える。肌も基本的に見せないようにしているようだが、服の上からも確認できるほどの胸の大きさで性別は確認出来る。

 

「私はリーミア」

 

 帽子のつばを上げ、こちらから顔を確認出来るようにしてくれる。

 顔は非常に可愛らしく、整っており、こんな状態でもその翡翠色の瞳は希望の光を持っていた。

 

「あ、えっと俺はルレウス」

 

「……君は戦える?」

 

 帽子を再び深く被り、すぐ隣まで歩いてくる。

 

「あの生物はヌベスコっていうの。顔や肌の色で仲間だと認識する生物。君が倒したこれもヌベスコ」

 

「コイツらいきなり襲ってきたんだが」

 

「そういう生き物。っと言うしか無いわね。今は謎だらけだけど分かってることは、人間を襲うことかな。因みにアイツらあまり良い目をしてないから、かなり至近距離まで近付かれなければバレることはないと思うけど、一応肌とか隠した方が良いよ」

 

 あれが至近距離まで近付いたのは確認する為だったのか。

 

「避難施設を用意してあるから案内するね」

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