「武器を造って下さい。お願いします!!」僕はヘファイストスファミリアに来ていた。そして今、絶賛土下座中である。僕の前には大金をいれたアタッシュケースと、とても驚いた顔をしたヘファイストスが立っていた。何故、このような状況というとエマの武器を造ってもらう為である。本来は神の宴でやるつもりだったんだが、ヘファイストスは神の宴に参加せず、予定も合わなかったため、当初の予定より二週間あとになってしまった。
「どうしてそこまでして武器が欲しいの?」エマの為、それ以外に理由はない。
「エマの為です。他に理由はありません」
先週の事だった。どうしても聞きたくなって聞いた。もし、もしエマのお姉さんが見つかったらどうするのか。冒険者を辞めるのか、このファミリアから、僕の前から消えるのかと。そう聞いたら直ぐにエマは答えた。
「もしお姉ちゃんを見つけても冒険者は辞めません。ずっとこのファミリアにいますよ。レイ様!!」そう言ったエマの姿が脳裏に浮かんだ。ここで折れるわけには行かない、と頭を地面に押し付けた。するとヘファイストスがクスリと笑った。
「貴方がそこまでするとは思わなかったわ。もう長い付き合いになるけどそんなあなは見たことがなかった」
「?」
「貴方ってなんでも上手にやるから。沢山の人と仲良くするけど何時も貴方は独りで。だから貴方が人の為に必死になってる姿を見たことがなかったの。ただの一人言よ。気にしないで。分かったわ。武器を造ってあげるわ」その一言い救われた。もう一度自分の頭を地面に打ち付けて礼をした。
「貴方の子の得物は?」
「双剣です」
「どんな武器が欲しいの?」
「まだ冒険者を初めて直ぐの人が持つにふさわしいもの。上級者になっても、何れだけ強くなっても使える武器」そう言うとヘファイストスは武器をつくり始めた。どんな武器ができるのだろうか。さっき協力して、とは言われたのだが何をすれば良いのだろう。
「貴方って光と闇の神、夜と朝に神でもあったわよね」父親から譲り受けた能力はそれだ。神化して備わる能力は違うのだろうけど。
「じゃあ、この素材には光を、この素材には闇を出して」2つの素材が目の前に置かれた。そして両目を閉じてた開くと、片眼は黒に、片眼は銀に光った。そのまま素材に光と闇を浴びせ続けた。やがて素材は僕の眼と同じ色に染まりきったところでヘファイストスに素材を渡した。そのまま時間がたちきずけば夕方になっていた。少し寝ていたかも知れない。暫くボーッとしているとヘファイストスが来た。
「出来たわよ」僕に双剣を渡した。どちらとも同じ長さで、同じ銀色であるが形状は全く違った。一つは綺麗な形状で、もう一つは見ている人に恐怖を与えるような形状。
「その剣は今使っても弱い。ギルドの支給品の双剣より少し強いくらい。でも持ち主が力を発揮したとき、その武器の本当の姿を持つに相応しいとその武器が判断したときにその武器は姿を変える。名前はどうしましょうか。前にヘスティアに同じような武器を造ってあげたときにヘスティア・ナイフと名付けていたけれど、、」レイ・ソードとエマ・ソードなんてどうだろう。あんまりかな。あんまりだな。
「今は銘なしで。でもその武器が姿を変えたときに良い名を名付けます。エマと二人で」そう答えるとヘファイストスは笑顔になった。帰ってエマに渡そう。そう言えばお代は、、
「これっていくらですか?」
「うーん。鈩の製法再現するの大変だったからなぁ」さっき鈩をヘファイストスに鈩を貸せ、と言われたのはそう言う訳だったのか。でも鈩ってそんなに大変な製法してるのかな?鈩を指して言った。
「これってそんなに大変な製法してるんですか?」
「大変もなにも凄い複雑な製法してるのよ。多分椿でも造れないと思う。だから6億ヴァリスね」アタッシュケースに丁度6億ヴァリスが入ってるだろう。
「一括でお願いします」ヘファイストスにアタッシュケースを差し出して武器を受け取った。帰ったら渡そう。
「エマ、渡したいものがあります」帰って直ぐにエマを呼んだ。そして鉄のケースを差し出した。
「開けてみて下さい」エマはゆっくりと箱を開けた。
「!!!これは!」銀色の双剣。塗装もされてないが非常に質が良いものだとは見れば分かるだろう。
「貴女の為の武器です」この武器は最初に持ったものにしか扱えない。だから厳重なケースに入れて持ってきた。エマが武器を取り出して持つと光った。片方は銀に、片方は黒に、静かに光った。
「!!」驚いて声もでないようだ、そう言うのが正しいのだろうか。光ったのは一瞬でエマは銀色の剣とケースに書かれたヘファイストス・ファミリアのロゴを凝視していた。
「大事に使ってください」驚くエマをそのままにしてシャワールームに入った。