フォーサイト、魔導国の冒険者になる   作:空想病

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暴動/潜入

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 ・

 

 

 

 王城。王女の私室にて。

 

「ああ、なんということ……」

 

 涙を零す主君……第三王女の姿を目の当たりにして、クライムは胸がふさがれる思いだった。

 

「私が、もっと何か、打つ手を講じてさえいれば」

「そんな! ラナー様のせいではございません!」

 

 けっして、そのようなことがあるはずがない。彼女の傍で、彼女の施策や思想に触れ続けていた自分だからこそ、確信をもって告げることができた。

 しどけなく従者の胸に縋りつく王女の背中を、クライムは数瞬ほど迷った後に、しかと支えた。

 

(どうして……どうして、同じ国民同士で!)

 

 クライムは胸の内で嘆いた。

 ラナー王女が嘆きの声をあげる戦禍が、暴動が、王国内に巻き起こっていた。

 

 邪神教団による、武力蜂起。

 

 もともと、各領地をおさめる貴族たちへの恨みつらみを募らせていた王国民たちにとって、邪神教団の先導……もとい煽動は、覿面(てきめん)な効果を発揮しえた。

 

 幾年にもわたって続いた帝国との戦争。それによる徴兵と酷使。にもかかわらず、国の重税が民の生活を圧迫させ、村単位で欠如し始める労働力とのバランスにより、収支決済は崩壊。そんな状況を省みることないほど腐敗し、領民を(ないがし)ろにする悪徳な貴族連中。当然のごとく膨れ上がる民たちの怨嗟。それらを御しきれず、放置することしかできなかった王の無能ぶり。すべてが、国家という基礎地盤を崩し始める悪循環に陥っていた。

 

 王を責めることは難しい。

 そもそもにおける才能の有無もあるが、転換点は魔導国の出現とも言えた。

 先の戦争にて、第一王子たる我が子バルブロの死・王の側近として仕えていたガゼフ・ストロノーフ戦士長の欠落・あの大虐殺より生き延びた腹心レエブン候は戦争の心的外傷(トラウマ)によって領内に引き籠り、王国内での地位を半ば放棄した事実などが合わさったことにより、王の精神的かつ政治的な支柱は失われ続け、ただでさえ欠如気味だった政治力は風前の灯と化したことが、事態悪化に拍車をかけ続けていた。残されていた第二王子ザナックや第三王女ラナーの補助を受けても、老いさらばえたランポッサ三世は、もはや一国を担うことは不可能なほどに追い詰められてしまったのである。

 

 そんな治世の中で、邪神教団が台頭するのは無理からぬ事態である。

 

 国家に対する不信と不義が蔓延し、その国家基盤を支える信仰の(やしろ)──四大神信仰──“教会”にいたるまでもが、民たちの不幸を癒すすべを持たず、場合によっては民の生活を困窮させる源……戦傷や病魔に襲われた者に対し、多額の治療代をせしめる悪の枢軸として、やり玉に挙げられる始末。どんなに篤く清い信仰を語ろうとも、実利が伴わぬ説法でおさまりがつかないほど、国民の生活は窮苦の極みにあり続けたのだ。

 

 そんな状況下において、新たな信仰がもてはやされるのは世の常。

 その挙句の果てが──

 

『邪神様を称えよ!』

『邪神様に祈りましょう!』

『貴族や王族を倒せ! 旧き四大神信仰を捨てよ!』

『邪神様と合一すべし! 邪神様の顕現と降臨を歓迎すべし!』

『邪神様・一神教による、秩序ある世界を、崇高なる国家を、共に目指すのだ!』

『邪神様、万歳! 万歳! 万歳!! 万歳!!!!』

 

 先年の戦……帝国との戦争……魔導王による大虐殺によって、唐突に領主を失い、次に据えられた領主たちの不出来と無能をさらした各領地において、民は新たな信仰を旗頭として、一挙に団結。

 古きは去って、新しき時代を。

 その象徴と成り得るのが──とある理由で祭り上げられた神体が──“邪神”。

 邪神教団の悪辣かつ蠱惑的な儀式・即物的な欲求を満たす背徳行為・純粋な経済支援や援助物資・治癒の無償提供に味を占めてしまった民たちは、邪神信仰の熱烈な教徒と化し、次代の領主となった貴族連中を、襲撃。ズーラーノーンという強力な後方支援(バックアップ)に支えられた蜂起の集団は、(にわ)かに勢力を拡大。場合によっては、民の声に呼応した……という風にふるまった貴族まで現れ、民たちと共に王国への叛旗を翻す始末。

 王国の一地域──リ・ロベルではじまった反逆劇は、枯野に火が放たれた勢いで燃え広がり、収拾の目途がつけられないほどの混迷ぶりを見せ始めた。鎮圧に赴いた王国軍と、第三王女からの助力として派遣された王国戦士長“代理”ブレイン・アングラウス率いる戦士団との睨み合いが続く中で、国の各地で同時多発的に暴動が発生。そちらの鎮圧に、王国のアダマンタイト級冒険者──蒼の薔薇などが向かわねばならなくなるほど、国政の破綻ぶりは極まっていた。

 

 もはや王にも貴族にも、事態収拾は不可能に思われてならなかった。

 

 そんなことが可能な力が近隣にあるとするならば──もはや、一国以外に考えられなかった。

 

 王や貴族に対する不平不満が爆発的に高まった、リ・エスティーゼ王国。

 破綻がそこまで迫っているというのに、クライムには何もできなかった。

 なんて悔しい。

 なんて歯がゆい。

 自分の胸に縋り、顔を手で覆いながら泣く姫が、こんなにも悲しみに暮れているというのに、クライムのバカな頭では、解決への糸口さえ見つけられない。

 

 ──それでも。

 自分はこの(ひと)を護る。

 護り抜くと、……誓ったのだ。

 

 クライムの(つたな)くも力強い愛情にこわばる腕と掌を、細い背や肩に感じながら、王女は冷たくも恍惚とした笑みを浮かべた。

 彼には見えない胸の内で。

 彼に最も近い位置で。

 

 

 

 バカな仔犬は、主人の真意に気付くことはない。

 

 

 

 ・

 

 

 

 一方で。

 

「着いたよォ~」

 

 その冒険者の一行は、懐かしい帝国の土を踏んでいた。だが、純粋な里帰りなどではない。

 白いフード付きマントの下に黒を基調とした鎧や防具。各種武器や装備品の数々に身を包んだ中で、オリハルコンの輝きが胸元に煌く。

 彼らフォーサイトは、れっきとした任務で、帝国帝都の、とある場所に赴いていた。魔導国との直通馬車で帝都に到着した時から、この任務は始まっている。

 ヘッケランは潜めた声で確かめた。

 

「ここに、ズーラーノーンの?」

「そ。──正確には、下部組織の邪神教団が使う、まぁ、どこにでもある邪神殿ってヤツがあるみたイ」

 

 微笑むクレマンが案内してくれた場所は、夜闇に包まれた墓地。

 しかし、フォーサイトは全員、物怖じすることなく歩き続ける。

 

 モモンを通じ、魔導王陛下から賜った、特別任務。

 ズーラーノーン……諸国に悪名を轟かせる闇組織に対する、潜入調査。

 その一環として、ヘッケランたちフォーサイトは、邪神教団の拠点があるとされる地に足を運んだ次第。

 

 墓地は月明かりに照らされているのみならず、魔法の光源もある上、墓碑や墓石なども整然と並べられている。なので、そこまで不吉な印象は受けない。アンデッドがとぐろを巻いていた(過去形である)カッツェ平野・現在の魔導国の領土にあった不死者の砦に比べれば、この程度の雰囲気に呑まれるわけがない。

 ただ、「どこにでもある」という彼女の表現に、ヘッケランは眉を歪めた。

 

「話には聞いてましたが……ズーラーノーンって、本当に世界中に拠点があるんですね?」

「そうだよー。帝国や王国、都市国家連合、場所によっては法国にだって、ズーラーノーンは根付いているからネ」

「王国や帝国はいざしらず、あの法国にまで邪教の信仰が根をおろしているとは」

 

 神官のロバーデイクは、宗教国家たるスレイン法国に対する評価を改めるしかなかった。

 それに対し、クレマンは陽気に告げた。

 

「ま、ズーラーノーンが崇め奉る邪神様っていうのが、もともとは六大神信仰の死の神にして闇の神──スルシャーナ様の派生なんだから、むしろ大本って思っておいた方がいいヨ?」

 

 フォーサイトと同じオリハルコン級プレートを首に提げる女戦士は、意外というとアレだが、そういう宗教方面の知識にも明るい様子。知り合ってから日は浅いが、あるいはスレイン法国出身者なのかもしれないと、ヘッケランはあたりをつけていた。

 

「ところで、本当に大丈夫なんですか? こんな堂々と、墓地を歩いたりして?」

「大丈夫だよ、アルシェちゃん。アインズ様……ナザリックを率いる魔導王陛下からお借りした〈不可知化(アンノウアブル)〉の装備……この指輪があるんだから。ここの警備程度なら、楽勝で抜けられるヨ~♪」

 

不可知化(アンノウアブル)〉の魔法は、アルシェの習得している〈透明化(インヴィジビリティ)〉よりも高位の魔法で、姿だけでなく足音や気配などの全感覚を外部にもらさない効能を発揮する。なので、こうして大手を振って歩き、雑談に興じていても、墓守の見回りなどに存在を認識される危険はないという。本当に便利なアイテムである。潜入潜伏要員であるイミーナがご機嫌ナナメになるのも仕方がないほど、この魔法の道具は有能過ぎた。加えて、今のヘッケランたちは互いの存在と意思を繋ぐ魔法の装備で結んでいる為、〈不可知化〉中でも対話可能だ。

 しかし、それほどに便利なアイテムだからこその問題点が、ひとつ。

 

「これを大量に貸し出すのは、情報や技術漏洩の観点から危険すぎるシ?」

 

 クレマンの言う通り、託すに値する人材以外の手には供給されない道理だ。

 実際、魔導国の冒険者になりながら、そこで得られた貴重なアイテムなどを国外へ持ち出し、横流ししようと逃亡を企てた馬鹿もいたらしいが、すべて入国管理官やアンデッド兵らによって拿捕(だほ)・処罰済みらしい。

 

「それと、この装備はより高位の看破魔法や感知能力には、あっさり見破られるかもね。話に聞く〈完全不可知化〉じゃあないから、そこは気を付けていこっカ?」

「ええ。モモンさんをはじめ、組合から十分講義を受けていますから、理解しています」

「うんうん。……あと、ここから先に、私でもどうしようもない類の罠や鍵がある可能性もなくはないから、そこはイミーナちゃんが頼りネ♪」

「──わかりました」

 

 期待された半森妖精(ハーフエルフ)の野伏は、クレマンの申し出に顎を引いた。

 なんだかんだで、クレマンの観察眼は鋭い。

 チームの和を乱さないよう、適時的確にフォローを入れるなど、なかなかスキがない印象だ。

 しかし、

 

「そういえばさ。モモンさんから聞いたんだけど、アルシェちゃんって、“元”帝国貴族なんでしョ?」

「…………それが?」

「ああ、と──これ聞かない方がいいかナ?」

「ええ。そうしてくれると助かります」

「うん。じゃあ、そうすル♪」

 

 知り合ってから日が浅いが故の弊害も、ゼロではなかった。

 クレマンは深く追求することなく、別の話題でアルシェと盛り上がってくれる。

 ヘッケランは思わず安堵の溜息をこぼす。今のチームメイトの反応は、正直無理もない。

 今のアルシェにとって、貴族だった家のことは、もはや禁句に等しい。

 娘に多額の借財を負わせながら素知らぬ顔で遊蕩を続け、あまつさえ、絶縁したはずの娘たちを抵当として闇金融へと売り払った親のことなど、思い出すだけで吐き気が込み上がる部類に入るだろう。こればっかりは、ヘッケランも同じ境遇に立たされれば似たような反応しか返せないと、容易に想像がつくもの。

 この任務が終わったら、ロバーデイクの寄付先──リリアさんの孤児院に顔を出しにいこうと、みんなで決めた時。ためしに「アルシェたちの家の様子を見に行こう」などとヘッケランが提案しても、もう頭から完全に拒絶されたほどの徹底ぶりである。

 その時のアルシェ曰く──「絶対に嫌」だと。

 

「すいません、クレマンさん」

「気にしない気にしない。誰にでも掘り下げられたくない話はあるだろうしね……私も含めテ」

 

 そう言ってヘッケランに微笑む女性の横顔は、月明かりによく映える。

 新人チームメイト(仮)への応対にリーダーとして終始するヘッケランは、背後から突き刺さるような女の視線を感じるが、こればっかりは堪忍して欲しいところであった。

 

「さて、ト」

 

 クレマンに導かれるまま辿りついたのは、墓地の中の霊廟。

 先導してくれた同業者の女性に指示されるまま、アルシェは杖の先端に〈永続光〉を灯す。

 ここが未発見未探索の遺構などであれば、看破や察知に優れる野伏(レンジャー)が入念に下調べを行うのが鉄則だが、石の扉をクレマンは慣れた調子で開けてしまう。〈不可知化〉中は〈静寂(サイレンス)〉の魔法なしでも、声や音が外に漏れる心配がない。チームの野伏(レンジャー)は、霊廟内に入ってから即、気づいた。

 

「ん、……あれ? この下?」

「どうした、イミーナ?」

「下に、大きな空間があるっぽい?」

「大正解~♪ さすが、イミーナちゃン」

 

 楽し気に賛辞を贈るクレマン。

 彼女は霊廟内にフォーサイトを招き入れると、これまた慣れた手つきで石室内に置かれた台座……細かい彫刻の一部を押し込んだ。重い歯車がガチリと噛み合う音色のあと、ゆっくりと石の台座が動き出す。動いた後には、地下へと続く階段が見える。典型的な仕掛け扉の一種であった。

 

「カジッちゃんの見立て……透視した通り、誰もいないね……んじゃあ、行こっカ」

「は、はい!」

 

 有無を言わさず階段を降りていく冒険者クレマンの後ろを、ヘッケランたちは武器を片手に続いていく。

 一応、組合で受け取った調査資料のとおりではあるが、実物を前にしてはいろいろと物怖じしたりしてもよさそうなもの。しかし、そんな常識など、人工ダンジョンを単独で突破してオリハルコン級に至った女には関係ないと言わんばかりに、クレマンは階段を堂々と降りきっていった。妙に頼もしい。まるで、一度ここには来たことがありますよと言わんばかりだ。

 

「──ここが」

「帝都の邪神殿……」

 

 ヘッケランは魔法の光に照らされる地下を見渡した。

 イミーナが上で察知していた通り、地下には大きな空間があった。

 

「──なんとも、おぞましい」

「この臭いは、…………血?」

 

 ロバーデイクとアルシェが眉を顰めるのも無理はない。

 壁にかけられた奇怪なタペストリーや火のついてない真紅の蝋燭の群れ──それら邪悪の教義に基づいた調度品類は、濃厚な血臭をまとっていると容易に判断できた。思わず口を覆い、鼻をつまみたくなるほどだが、武器を手にとって警戒している状態で、そんなことはしていられない。

 そんな一行の中で唯一、平然と内部を物色し始める女性が、一人だけ。

 

「やっぱり、帝国が魔導国の属国になったから、半ば放棄されてる感じかナ?」

「……それって、どういう?」

 

 ヘッケランはクレマンに問い質す。

 

「魔導国はアンデッドの国でしょ? 邪神教団は一応ズーラーノーンの下部組織だから、ズーラーノーンが活動できない──活動しにくい場所だと、庇護を受けられなくて、教団の活動も下火になるしかないんだよ。ちょうど、聖王国みたいなところとかサ」

「でも、ズーラーノーンも、アンデッドを使う組織、なんですよね?」

「まあね。でもね、アルシェちゃん。魔導国とズーラーノーンは、まったくの無関係だからね……帝都にも死の騎士(デス・ナイト)とかのアンデッドが属国の警邏任務の名目でそれなりの数が入っている状況だと、さすがに撤収せざるを得ない感ジ?」

 

 アンデッドでありながらも人間と亜人の融和する国づくりを進めているアインズ・ウール・ゴウン。

 その治世を支えるバケモノたち──死の騎士などはズーラーノーン内部でも、使役可能な逸材はほぼいないと、クレマンは語る。

 

「話に聞く十三英雄の死霊術師(ネクロマンシー)、リグリット・ベルスー・カウラウでも無理な所業みたいだからね。帝国魔法省の重鎮だった(・・・)フールーダ・パラダインでも不可能って、魔法省内部に潜伏していた教団員らが、情報を遣り取りしていた──って、モモンさんが言っていた、ヨ?」

 

 何かを取り繕うように告げる女冒険者に対し、ロバーデイクは問いを投げる。

 

「じゃあ、魔導王陛下は、ズーラーノーン以上の?」

「うん。そういうことになるね……もっとも、盟主の特殊な魔法……強力な幹部をアンデッドに変える技法なんかは、アインズ様もまだ(・・)使えないみたいだけド」

 

「まだ」という言葉を繰り返すクレマン。

 魔導王陛下の話題になると恍惚とした笑みに甘く蕩けた声に早変わりする奇癖が彼女には備わっていたが、近ごろ聖王国で流行している魔導王教──凶眼の狂信者を教祖とする新興宗教、その信者だったりするのかもしれない。いやそれともなにか、こう、ちがう気がするのだが。

 とにもかくにも。クレマン主導のもとで、霊廟地下の調査を行ったフォーサイト。

 警戒を入念に続けながら、奥にある広い玄室のような空間まで調べ終わったが、この邪神殿は月単位で人の出入りがなさそうなことが知れた程度。儀式に使っていたらしい鉄くずや人間程度は容易に包み込める皮袋……クレマンが語る使用方法や儀式の内容を聞くだけで寒気がする。その程度の遺物や残骸しか、残されていなかった。

 目ぼしい成果は得られなかった、

 

「うん。ここはハズレだったか……じゃあ、次の──?」

 

 かに思われた。

 

「? どうかしまし」

 

 たかと言う、瞬間。

 

「な、おまえ、なんでッ!」

 

 クレマンの見開いた視線の先……

 

「──え?」

 

 いつの間にか。

 半森妖精(イミーナ)の背後に。

 誰かが──立っていた。

 誰か、というのは語弊があるかもしれない。

 見た目の印象は枯れ木のような、死体。体つきは小さく圧縮され、手足はカサカサに干からび、顔面の構造もミイラ同然。歯のない口元をもごもごさせているそれは、眼球のない目を、〈不可知化〉の魔法に護られているはずのフォーサイトとクレマン──に差し向けて、

 

「………………」

 

 何かを唱えた。

 

「クソガ!」

 

 イミーナを跳ねのけるようなクレマンの速攻突撃は、しかし、遅きに失した。

 スティレットがミイラの額に突き刺さる前に、転移魔法の光が、五人の足元を照らした。

 

 

 

 

 

 

 

 


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