Spirit-Another stories-   作:藺草影志(OVERBLOOD)

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目次

Phantom 2.「vampire」

Phantom 3.「Blood」


Phantom flim 2「吸」

Phantom 2.「vampire」

――ラビットハウス――

 

 

ココア「チノちゃん、お菓子ちょうだい♪」

 

 

チノ「ココアさん、その衣装は……」

 

 

ココア「倉庫の手品グッズの中にあったんだ、なんだかドラキュラみたいでしょ?」

 

 

チノ「それ、ほんとはマジシャンの衣装なんですが……」

 

 

ココア「そっくりだから大丈夫だよ。それよりチノちゃん、早くお菓子くれないといたずらするよ」

 

 

チノ「はぁ……どうして今更ハロウィンなんですか、もうお正月も終わって冬ですよ」

 

 

ココア「この衣装を着たらやってみたくなっちゃって、トリックオアトリート♪」

 

 

チノ「持ってません」

 

 

ココア「即答!?」ガーン

 

 

チノ「近所に恥ずかしいので早く着替えてください」スタスタ

 

 

ココア「むー……えいっ!」ギュッ

 

 

チノ「っ!」

 

 

ココア「お菓子をくれない子には~いたずらだよ」

 

 

ココア「かぷっ♪」

 

 

チノ「ひゃっ!こ、ココアさん……!//」

 

 

ココア(チノちゃんの耳たぶ柔らかい)

 

 

ココア「はむはむ」

 

 

 

チノ「くすぐったいです、やめてください……//」

 

 

ココア「いたずらだもん、だからもう少し」ギュッ

 

 

ココア「ふふっ、チノちゃんは冬なのにぽかぽかだね」スリスリ

 

 

チノ「ココアさんが冷えすぎなんです」

 

 

ココア「この衣装だとさすがに少し寒くて……くしゅん!」

 

 

ココア「あはは、ごめんね」フキフキ

 

 

チノ「……………………」

 

 

チノ「ココアさん、まさかこの後みんなのところを回るんですか?」

 

 

ココア「うん、もちろんだよ。お菓子をもらえるまで頑張ってくるね」フンス

 

 

チノ「……ちょっと待っててください」

 

 

ココア「あ……」

 

 

 

チノ「お菓子ではないですが、これを」

 

 

ココア「これ、貼り付けるタイプのカイロ?」

 

 

チノ「はい、たくさん貼れば少しはマシだと思います」

 

 

チノ「風邪を引いたら大変ですので……」

 

 

ココア「チノちゃん……!」

 

 

チノ「あの、あまり迷惑がかからないように――」

 

 

ココア「チノちゃん!」ダキッ

 

 

チノ「っ!?」

 

 

ココア「ありがとう、帰りはたくさんお菓子もらってくるからね!」モフモフ

 

 

チノ「もごご……!」

 

 

ココア「えへへ、チノちゃんもふもふ♪」

 

 

チノ(ぐ、苦しい……!)

 

 

ココア「カイロくれたからいたずら終了だよ♪」スッ

 

 

チノ「」バタン

 

 

ココア「あれ……チノちゃん!?」

 

 

チノ「」ピクピク

 

 

ココア「ヴぇあああぁああ!チノちゃんがぁ!!」

 

 

チノ「」チーン

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

――甘兎庵――

 

 

ココア「こんにちは♪」

 

 

千夜「あらココアちゃん、いらっしゃい」

 

 

千夜「まぁ、その衣装なにかのキャンペーン?」

 

 

ココア「ううん違うよ、トリックオアトリートだよ」

 

 

千夜「ふぇ?」

 

 

ココア「千夜ちゃん、お菓子くれなきゃいたずらするよ」ガオッ

 

 

千夜「それってハロウィン……」

 

 

千夜(いまはもう2月、とっくに終わったはずなのに……――はっ!)

 

 

千夜「ココアちゃん、これってもしかしてフリかしら?」

 

 

ココア「フリ?」

 

 

千夜「わたしとしたことが……ごめんなさい!もう一度言ってもらえるかしら?」

 

 

ココア「えっ、う、うん。えっと、トリックオアトリート!」

 

 

千夜「なんでやねん!」ベシッ

 

 

ココア「あうっ」

 

 

千夜「ふぅ~なんとか乗り切れたわ」

 

 

ココア「どうも失礼しました~――って、漫才でもギャグでもないよ!?」

 

 

千夜「えっ!」

 

 

ココア「あのね、ラビットハウスの倉庫でこの衣装を見つけて――」

 

 

カクカクシカジカ

 

 

千夜「そうだったの、てっきりココアちゃんからの唐突なフリかと思ったわ」

 

 

ココア「わたしは芸人さんじゃないよ、もう」プクー

 

 

千夜(ふくれっ面ココアちゃんかわいい……♪)

 

 

千夜「ごめんなさいね。お詫びにはい、この和菓子あげるわ」

 

 

ココア「わぁありがとう――ってこれ、この前のロシアン大福だよね!?」

 

 

千夜「それは新作なの、ハズレは以前の3倍強の威力よ」

 

 

ココア「それってもはや『食べるな危険』だよ!?」

 

 

千夜「ふふっ、冗談よ、千夜月でいいかしら」

 

 

ココア「栗ようかん!千夜ちゃんありがとう」

 

 

千夜「ココアちゃん、写真撮ってもいいかしら?」

 

 

ココア「いいよ~ピース」キメッ

 

 

千夜(ドラキュラココアちゃんなんてSRね)パシャパシャ

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

――フルール・ド・ラパン――

 

 

ココア「シャロちゃん、遊びに来たよー」

 

 

シャロ「ココア――って、なによその恰好」

 

 

ココア「ふふん、ドラキュラだよ。この付け八重歯は千夜ちゃんに借りたんだ」

 

 

シャロ「はぁ……チノちゃんからの警告メールは本当だったみたいね」

 

 

ココア「ふぉぇ?チノちゃんから?」

 

 

シャロ「ええ、変な格好をしたココアが襲い掛かってくるから注意してって」

 

 

ココア「色々と語弊があるよ!それだとまるっきり変質者だよね!?」

 

 

シャロ「それで、いったい何の用なのよ?まさかトリックオアトリートとか?」

 

 

ココア「正解。さすがはシャロちゃんだよ、ということでお菓子ちょうだい♪」

 

 

シャロ「えっ……」

 

 

シャロ(冗談のつもりだったんだけど!?)

 

 

シャロ「え、えっと……いま2月よね?」

 

 

ココア「このくだり千夜ちゃんともうやったよ~省略しよう」

 

 

シャロ「わたしは知らないんだけど!?」

 

 

ココア「いいからいいから、シャロちゃんはわたしにお菓子をくれればいいんだよ、嫌ならいたずらしちゃうよ」

 

 

シャロ「……………………」

 

 

シャロ「……色々言いたいことはあるんだけど」

 

 

ココア「」コクコク

 

 

シャロ「そんなにお菓子が欲しいのならいいわ、ハーブティーと一緒にクッキーをごちそうしてあげる」

 

 

ココア「ほんと?やったぁ!」

 

 

シャロ「ふふふ………」

 

 

シャロ「――これでも飲んでなさい!」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

――帰り道――

 

 

ココア(うぅ、ギムネマティーを飲まされた後にクッキー食べさせられた)

 

 

ココア(帰りにリゼちゃんのところにも寄ろうと思ったけど、しばらく甘いもの食べられないしやめとこう)トボトボ

 

 

リゼ「おーい、ココア」

 

 

ココア「ふぇ?あっ、リゼちゃん……」

 

 

リゼ「なんだその恰好は――このくだり何度目だ?」

 

 

ココア「2度目だよ、リゼちゃんを含めたら3度目かな」

 

 

リゼ「そっか、なら省いてもいいな」

 

 

リゼ「メールでチノに聞いたぞ、トリックオアトリートしてまわってるんだって?」

 

 

ココア「どうしてリゼちゃんにだけまともなメール内容が!?」

 

 

リゼ「ハロウィンでもないし、こんなに寒いのによくやるな」

 

 

ココア「リゼちゃんはどこに行ってたの?お買い物?」

 

 

リゼ「ああ、お前が来るって言うからお菓子を買ってきたんだよ」

 

 

リゼ「ほら、わたしからはこれだ」ガサッ

 

 

ココア「うっ……ごめんねリゼちゃん、いまはいいかも」

 

 

リゼ「どうした、遠慮なんてお前らしくないぞ?」

 

 

ココア「ううん、実は――」カクカクシカジカ

 

 

リゼ「はは、お菓子はもらえたんだし文句は言えないな」

 

 

ココア「これがトリックオアトリートへの対処法なんだね、身に染みてわかったよ」

 

 

リゼ(いや、それは違うと思うが)

 

 

リゼ「うーん、しかし、わたし一人だけなにもあげないというのも気が引けるな」

 

 

リゼ「……そうだ、良かったらウチで晩御飯食べていくか?」

 

 

ココア「そういえば、一日中動き回ってお腹すいたかも……」グー

 

 

リゼ「決まりだな、心配かけないようにチノにだけメールしておけよ」

 

 

ココア「それじゃあお言葉に甘えるね、リゼちゃんからのお菓子は晩御飯ってことで」

 

 

リゼ「おいおい、なんだそれ」クスッ

 

 

ココア「いたずらされなくてよかったね、リゼちゃん命拾いしたよ」フンス

 

 

リゼ「いたずらか……ドラキュラだから首筋でも嚙むのか?」

 

 

ココア「そうだよ、リゼちゃんの首筋をカブって♪ついでに耳たぶもはむはむするよ」

 

 

リゼ「………………//」

 

 

ココア「んっ、リゼちゃんどうしたの?」

 

 

リゼ「いや……なんでもない」

 

 

リゼ(一瞬されてみたいと思ってしまった……いかん、わたしは変〇じゃないぞ!)

 

 

ココア「そうだ!リゼちゃん、さっきのお菓子やっぱりもらってもいい?」

 

 

リゼ「ん?いいぞ、ほら」ガサッ

 

 

ココア「ありがとう。これ、帰ったらチノちゃんにあげてもいいかな?」

 

 

リゼ「なるほど……ああ、もちろんだ」

 

 

ココア「結局リゼちゃんから二つも貰っちゃったね」

 

 

リゼ「別にいいさ、わたしもココキュラが見れたしな」ナデナデ

 

 

ココア「ココキュラかぁ……えへへ、なんだかいいね!今度ラビットハウスで、三人でマント羽織って仮装しようよ」

 

 

リゼ「マントか、悪くないな」

 

 

ココア「チノキュラとココキュラとリゼキュラ、ドラキュラ三姉妹喫茶で売り出せば!」

 

 

リゼ「……誰も寄り付かんな、おそらく」

 

 

ココア「あはは、やっぱり?」

 

 

リゼ「店名もラビットハウスだしな」

 

 

ココア「それならウサミミだね♪」

 

 

キャッキャッ ワイワイ

 

 

 

――

 

――――

 

――――――

 

 

――おまけ――

 

 

ココア「ただいま!」

 

 

タカヒロ「ココアくん、おかえり――――その衣装は……」

 

 

 

ココア「あっ、ごめんなさい!お母さんのもの勝手に持ち出しちゃって……」

 

 

タカヒロ「それはかまわないよ。………ふっ、ドラキュラかい?」

 

 

ココア「はい……あっ、お菓子をくれなきゃいたずらします!」ガオッ

 

 

タカヒロ「トリックオアトリートか……あいにく、今は持ち合わせていないな」

 

 

ココア「分かっていましたけど一応やってみました。それじゃあわたしはチノちゃんにお菓子を――」

 

 

タカヒロ「そうだ。……ココアくん、少しじっとしてなさい」

 

 

ココア「えっ?は、はい」

 

 

タカヒロ「はちみつと着色料を混ぜて……これでケチャップよりもリアルに見える」ペタペタ

 

 

ココア「……?」

 

 

タカヒロ「……よし、完成だ」

 

 

タカヒロ「鏡を見てごらん?」

 

 

ココア「へっ、鏡――――ヴぇあああぁああ!?」

 

 

ココア「血、血がぁ!?」

 

 

タカヒロ「血のりだよ、お風呂に入ればすぐに落ちるさ」

 

 

ココア「すごい……本物のドラキュラみたい!」キラキラ

 

 

タカヒロ「さぁココア君、チノにお菓子を渡しておいで」キラッ

 

 

ココア「…………!」ピコーン

 

 

ココア「ふふっ、タカヒロさん、ありがとうございます」

 

 

ココア「さぁてと、チーノちゃーん♪」ルンルン

 

 

ティッピー「……なぁ息子や……チノがショック死せんかの?」

 

 

タカヒロ「大丈夫だろう、俺の娘だしな」

 

 

ティッピー「やれやれ……あとでチノに怒られても知らんぞぃ」

 

 

タカヒロ「まぁ、たまにはこんないたずらも悪くないさ」フッ

 

 

その夜、チノちゃんの断末魔がラビットハウスに響き渡り、タカヒロとココアがしばらく口を聞いてもらえなくなるのはまた別の話……。

--------------------------

 

Phantom 3.「Blood」

 

――ラビットハウス――

 

 

リゼ「…………」フキフキ

 

 

リゼ「……ふぅ」

 

 

リゼ「お客さん来ないな……」

 

 

チノ「もうお昼も過ぎましたから」カキカキ

 

 

リゼ「なんだ、学校の宿題か?」

 

 

チノ「はい、今のうちに終わらせておきます」

 

 

リゼ「合理的だな……わたしはどうしよう」

 

 

チノ「そうですね、でしたら包丁を研いでいただけませんか?」

 

 

リゼ「おっ、刃物磨きか。普段から手入れしておかないといざという時大変だもんな」

 

 

チノ「どんな時かわかりませんがお願いします」

 

 

リゼ「任せろ。♪~♪♪」

 

 

ガチャッ バタン

 

 

チノ「………………」カキカキ

 

 

チノ「あっ、違う……」ゴシゴシ

 

 

チノ「………………」カキカキ

 

 

チノ「………あれ?」

 

 

チノ「そういえばココアさんは……?」キョロキョロ

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

リゼ(よし、まな板が切れるくらい鋭くしてやるか)

 

 

リゼ「あれ……――ココア?」

 

 

ココア「んっ……あっ、リゼちゃん」

 

 

リゼ「姿が見えないと思ったら厨房にいたのか」

 

 

ココア「うん……」

 

 

リゼ「またつまみ食いでもしてたのか?まったくお前は……――――っ!?」

 

 

リゼ「おいココア、その指……!」

 

 

ココア「あ………これは……」ポタポタ

 

 

リゼ「ケガしたのか!?ええっと、ティッシュ……くっ、ハンカチしかないか」

 

 

リゼ「ほら、指を見せろ」

 

 

ココア「でも、リゼちゃんのハンカチが汚れちゃう……」

 

 

リゼ「そんなの気にするな、いいから手を出せ」グイッ

 

 

ココア「あっ……」

 

 

――キュッ

 

 

リゼ「これでよし……血が止まるまで取ったらダメだぞ」

 

 

ココア「ありがとう……ごめんね」

 

 

リゼ「……どうしてこんなことしたんだ?」

 

 

ココア「えっ……」

 

 

リゼ「その指、自分で切ったんだろう?台所にそれらしいものも見当たらないしな」

 

 

ココア「……………………」

 

 

リゼ「……血か?」

 

 

ココア「……うん」

 

 

ココア「自分のを舐めたら、スッキリするかなって……」

 

 

ココア「でも、やっぱり駄目だった……」シュン

 

 

リゼ「………………」

 

 

ココア「リゼちゃんのじゃないとわたし、もう……」キュッ

 

 

リゼ「………………」

 

 

ココア「ごめんなさい……これ以上、リゼちゃんに嫌われたくなくて……」

 

 

ココア「どうにかしようと思って……その……」

 

 

リゼ「………………」

 

 

ココア「ごめんなさい……ごめんなさい……」ブルブル

 

 

リゼ「…………」

 

 

リゼ「…………はぁ」

 

 

ココア「!」ビクッ

 

 

リゼ「……これからは絶対こんなことしちゃダメだぞ、いいな?」

 

 

ココア「……うん」

 

 

リゼ「約束だぞ。もし破ったらお前のこと、少し嫌いになる」

 

 

ココア「……絶対守る」ギュッ

 

 

リゼ「そうか、偉いな」ナデナデ

 

 

リゼ「なら、もう一つ約束だ」

 

 

リゼ「……これなら、大丈夫か」スッ ホウチョウ

 

 

ココア「……?」

 

 

リゼ「……っ」ピッ

 

 

ココア「っ!?リゼちゃん……!?」

 

 

リゼ「……ふぅ」ポタポタ

 

 

リゼ「もし血が欲しくなったときは、今度からは正直に言え」

 

 

リゼ「これでお前が傷つかないなら、お安い御用だ」

 

 

ココア「リゼちゃん……」

 

 

リゼ「それに、こんなことでお前を嫌いになったりしないよ」

 

 

リゼ「ほら……わたしの血なんかでよければ、いくらでも吸っていいぞ」ニコッ

 

 

ココア「……あ」

 

 

リゼ「遠慮しなくていい……ココアが満足するまで、好きなだけ」ポタポタ

 

 

ココア「……リゼちゃんの、血//」ゴクリ

 

 

ココア「……はぁ……はぁ……//」ハァハァ

 

 

リゼ「大丈夫か?」

 

 

ココア「うん……//」

 

 

ココア「リゼちゃん、ごめんね……ありがとう……//」

 

 

ココア「……それじゃあ、いただきます//」

 

 

リゼ「……ああ」

 

 

ココア「んっ……」カプッ

 

 

リゼ「っ……」

 

 

チュパ……レロ……チュッ

 

 

リゼ「……くすぐったいな」

 

 

ココア「えへへ……リゼちゃんの血、おいしい……//」ニコッ

 

 

リゼ「……変な気分だ」

 

 

ココア「もっと……もっと……//」チュー

 

 

リゼ「……どんな味なんだ?」

 

 

ココア「分からない……でも、不思議な味……んっ……//」ペロペロ

 

 

リゼ「……まるでドラキュラだな」

 

 

ココア「ココキュラだよ……えへへ//」ニコッ

 

 

リゼ(かわいい……♪)

 

 

ココア「リゼちゃん……リゼちゃん……//」ペロッ

 

 

リゼ(……ココアがこんな風になってしまったのも、やはり1か月前のあれが原因か)

 

 

リゼ(まさかこんなことになるとは――――)

 

 

 

――

 

――――

 

――――――

 

 

――1か月前――

 

 

ココア「リゼちゃん、卵サンド2人分お願い」

 

 

リゼ「了解した」

 

 

ココア「チノちゃん、コーヒーのほうは?」

 

 

チノ「こっちは大丈夫ですので、厨房に回ってください」

 

 

ココア「わかったよ、パンなら任せて」フンス

 

 

 

リゼ「よし、こんなものか」

 

 

ココア「リゼちゃん、わたしも手伝うよ」

 

 

リゼ「カウンターのほうはいいのか?」

 

 

ココア「うん、お客さんも二人だけだから」

 

 

リゼ「そうか、ならゆで卵の殻を剥いてくれ」

 

 

ココア「はーい、これだね」

 

 

リゼ「…………」ザクッザクッ

 

 

リゼ(……パンならココアに任せたほうが良かっただろうか、ならわたしがゆで卵を剥いたほうが――)

 

 

リゼ「……――いつっ!?」ピッ

 

 

ココア「リゼちゃん!大丈夫!?」

 

 

リゼ「ああ、問題ない……わたしとしたことが、刃物で指を切るとは」ポタポタ

 

 

ココア「止血しないと!絆創膏か消毒液、ええっと、救急箱は……!」アタフタ

 

 

リゼ「心配するな、それよりパンのほうを――」

 

 

ココア「そうだ!リゼちゃん指かして?」

 

 

リゼ「いや、だからそんなに深くは……」スッ

 

 

ココア「――んっ」パクッ

 

 

リゼ「っ!?」

 

 

ココア「ん……れろっ……ちゅっ」

 

 

リゼ「こ、ココア……おい……!?//」

 

 

ココア「ちゅ……――ぷはぁ!」

 

 

ココア「こうすれば緊急時の消毒になるってお姉ちゃんが言ってたんだ」ニコッ

 

 

リゼ「そ、そうなのか……?//」

 

 

――ポタポタ

 

 

ココア「あっ……まだ出てるね」

 

 

ココア「ん……」チュッ

 

 

リゼ「こ、ココア、もういい……!」

 

 

ココア「ダメだよ、ちゃんと綺麗にしないと」ペロッ

 

 

リゼ「わたしの血なんて汚いぞ、病気にでもなったら……」アセアセ

 

 

ココア「リゼちゃんの血だもん、汚いはずないよ」

 

 

ココア「……むしろ、おいしいかも」ボソッ

 

 

リゼ「……えっ」

 

 

ココア「……リゼちゃんの血、癖になる味…」チュー

 

 

リゼ「ココア……?」

 

 

ココア「……リゼちゃんが、わたしの中に入っていってるような…」

 

 

ココア「はぁ……はぁ……リゼちゃん……」

 

 

リゼ「ココア……?おい、しっかりしろ!」

 

 

ココア「……リゼちゃん」

 

 

リゼ「……?」

 

 

ココア「もっと血……舐めさせて?」

 

 

リゼ「……!」

 

 

ココア「リゼちゃんの血……もっと、もっと……」

 

 

リゼ「ココア……」

 

 

ココア「はぁ……はぁ……」

 

 

チノ「ココアさんリゼさん、サンドイッチのほうは――」ガチャッ

 

 

リゼ「!チノ……」

 

 

ココア「…!」ハッ

 

 

ココア「……チノちゃん…リゼちゃん?……あれ、わたし……」

 

 

チノ「……?ココアさん?」

 

 

リゼ「ココア……ほら、早くサンドイッチを作ってくれ」

 

 

ココア「う、うん……」

 

 

ココア「……リゼちゃん、その……」

 

 

リゼ「話しは後だ。怒ってないから大丈夫だぞ」

 

 

ココア「……ごめんね」

 

 

チノ「……?」

 

 

 

リゼ(その日以来、ココアは時折り内緒でわたしの血を求めてくるようになった……)

 

 

 

ココア「リゼちゃん、どこか怪我してない?」

 

 

ココア「指なおったの?……そっか」シュン

 

 

ココア「リゼちゃんお願い……ほんとに、これで最後だから」

 

 

ココア「リゼちゃん……リゼちゃんの血、舐めたい……//」

 

 

――――――

 

――――

 

――

 

 

 

リゼ(1ヶ月経った今でも、ずっとこの調子……か)

 

 

リゼ(これも、ココアに変なことを覚えさせてしまったわたしの責任だな……)

 

 

ココア「んっ……」チュパ

 

 

ココア「リゼちゃんありがとう……もう大丈夫だよ」

 

 

リゼ「……お前の症状が治るまで、支えてあげるつもりだったんだけどな」

 

 

ココア「えっ……?」

 

 

リゼ「でもすまない、どうやらわたしも限界みたいだ……」スッ シュル

 

 

ココア「リゼちゃん……?」

 

 

ココア(指のハンカチが……)

 

 

ポタ……ポタ……

 

 

リゼ「もう……これ以上」

 

 

リゼ「目の前の誘惑に、抗えそうもない」

 

 

リゼ「んっ……」チュッ

 

 

ココア「!」

 

 

リゼ「ココアの血……おいしい」ペロッ

 

 

リゼ「ココア……ココア……」レロッ

 

 

ココア「………リゼちゃん」

 

 

ココア「そっか……リゼちゃんも、血の魅力に取りつかれちゃったんだね」

 

 

リゼ「お前のが、うつったのかもな」

 

 

ココア「えへへ、感染するんだね」

 

 

リゼ「ああ……恐らくな」

 

 

ココア「…………」

 

 

ココア(……わたしがリゼちゃんの血を求めていたのは、このためだったのかな)

 

 

ココア(友情や血縁、信頼なんかよりも、ずっとずっと確実な繋がり……)

 

 

ココア(わたしがリゼちゃんを求めて、リゼちゃんもわたしのことを求めてくれる)

 

 

ココア(互いに互いを必要とする――離れられない関係)

 

 

ココア「ふふっ……わたしとリゼちゃんは、これでずっと――」

 

 

 

ココア「共依存のままで、いられるね//」ペロッ

-----------------

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