Spirit-Another stories- 作:藺草影志(OVERBLOOD)
unpublished 2.「ストライキ」
unpublished 3.「自転車の練習」
unpublished 2.「ストライキ」
リゼ「♪~♪♪」テクテク
リゼ(一昨日は楽しかった……ココア、また泊りに来てくれるかな)
リゼ「さて、今日も一日頑張るか」
リゼ「おはよう、遅くなってすまな――――」ガチャッ
リゼ「……い…?」
シーン……
リゼ「あれ……ココア、チノ……?」
リゼ(今日って定休日じゃないよな?)キョロキョロ
ココア「リゼちゃ~ん!」ヴエェ
リゼ「ココア!どうしたんだ!?」
ココア「ひぐっ……チノちゃんが……チノちゃんが……」
ココア「もうラビットハウスで働かないって言うんだよ~!」
リゼ「へっ?」
――チノの部屋前――
リゼ「……………………」
リゼ(以前もこんなことがあった気がする)
リゼ「おいチノ?わたしだ」トントン
シーン…………
リゼ「…………はぁ」
リゼ「とりあえずここを開けてくれよ、なっ?」ガチャッ
リゼ(んっ……開いてる?)
リゼ「…………?」スッ
リゼ「いつっ!」
リゼ「……これ……足つぼマット……」
チノ「……出て行ってください」フテネ
リゼ「」
チノ「……………………」モゾモゾ
リゼ(……これは重症だな)
リゼ「チノ、いったいどうしたんだ?」
チノ「……………………」
リゼ「なにか怒ってるのか?」
チノ「……ご自分の胸に手を当てて考えてください」
リゼ「えっ、わたしなのか?」
リゼ「……………………」
リゼ「すまん、まったく思い当たる節が無いんだが」
チノ「………………」
チノ「」ゴロン
リゼ「わ、悪かった!謝るからせめて理由だけでも教えてくれ」
チノ「……一昨日です」
リゼ「一昨日……マヤとメグが泊まりに来た日か」
チノ「違います、リゼさんがココアさんを誘拐した日です」
リゼ「語弊のある言い方をするな!ココアがわたしの家に泊まりに来ただけだろ」
チノ「どうせリゼさんがココアさんをそそのかしたに違いありません」
リゼ「言いがかりだ!チノたちが三人で遊びやすいようにココアが気を遣ったんだよ」
チノ「そんなの嘘です」ダン!
リゼ「わっ!」
チノ「あのココアさんが人に気を遣うなんてこと、絶対にありえません!」
チノ「こともあろうか妹好きのココアさんが……そんなこと、天地がひっくり返っても無いです」
リゼ「何気に酷いこと言ってるぞ、チノ……」
チノ「とにかく、誘惑したリゼさんもリゼさんですが、それにまんまと乗ったココアさんもココアさんです」
リゼ「いや、だから勘違いだって」
チノ「それなら早くわたしに証明してください」
リゼ「証明って言っても……どうすればいいんだ」
チノ「……お泊り会」
リゼ「え?」
チノ「今度は三人一緒にリゼさんの家でお泊り会をすれば解決です」
リゼ(一体何が解決するんだ?)
リゼ「……チノがココアとお泊りしたいだけじゃないのか?」
チノ「違います、ラビットハウス三姉妹の絆を確認するためです」
リゼ「それもう公式なのか!?」
チノ「リゼさんがこの条件をのんでくださるならストライキは中止します。でも、もし断るのであれば――――」
チノ「」バサッ モゾモゾ
リゼ「わかったわかった!のむから布団に潜るな!」
チノ「ほんとうですか」ヒョコ
リゼ「ああ、来週の定休日にでも一緒に来い」
チノ「ありがとうございます、誤解を解くためにもぜひお願いします」
リゼ「誤解ってわかってるんじゃないか……」
―――――――――――――――――――――――
――6日後 深夜――
ココア「昨日のお泊り会楽しかったね」
リゼ「ああ、チノも満足してくれたようだ」
ココア「チノちゃん?」キョトン
リゼ「いや、気にするな。こっちの話だ」
ココア「ねぇリゼちゃん、今度は千夜ちゃんとシャロちゃんも誘っていい?」
リゼ「ああ、いいぞ。みんなで来てくれ」
リゼ(むしろ毎日でも)
ココア「えへへ~リゼちゃんありがと」ギュッ
ココア「でも、またリゼちゃんと二人きりでもお泊りしたいな」
リゼ「お前さえ良ければいつでも来い」ナデナデ
ココア「んっ……」
リゼ(ココアと夜中に会うようになってから、これで2週間か)
リゼ(前以上にココアと仲良くなれた気がする……♪)
??「……………………」
――――――――――――――――――――――――
――翌日――
リゼ「……………………」
ガラーン
リゼ「定休日……じゃないよな……」
ココア「リゼちゃーん!チノちゃんが~」ヴエェ
リゼ「」
――チノの部屋前――
リゼ「……………………」
リゼ(あっ、また開いてる)ガチャッ
リゼ(今度は足元に注意して……と)
ツボオシ マット
リゼ「危ない危ない……」
チノ「…………」フテネ
リゼ「チノ……今度はどうしたんだ?」
チノ「………………」モゾモゾ
リゼ「この前の件ならもう誤解は解けたはずだぞ」
チノ「……原因はリゼさんが一番分かっているはずです」
リゼ「へ?」
チノ「昨日の夜のことです」ヒョコ
リゼ「昨日の夜……もしかしてココアとのことか?」
チノ「そうです、ココアさんと逢瀬を重ねていましたね」
リゼ「変な言い方するな!//普通に話してただけだろ」
チノ「それならどうしてわざわざ夜に会うんですか、それも深夜に」
リゼ「2週間くらい前かな、夜の散歩でココアと偶然会って以来時々だけどああやって話してるんだ」
チノ「リゼさんたちだけずるいです!」ダン!
リゼ「のわっ!」
チノ「どうして二人きりで秘密を共有するんですか!」
リゼ「秘密って、そんなに大仰なことじゃあ……」
チノ「ラビットハウス三姉妹は嘘だったんですね」
リゼ「またそれか!」
チノ「とにかく、ココアさんとリゼさんがわたしを仲間はずれにする限り、ストライキを辞めるつもりはありませんので」バサッ
リゼ「ココアがチノはまだ夜更かしはダメだって気を遣ってくれたんだよ……傷つけたんなら謝る、すまない」
チノ「……謝るだけですか」
リゼ「他に何かしてほしいのか?」
チノ「……深夜徘徊」
リゼ「え?」
チノ「今度わたしも深夜徘徊に連れて行ってください」
リゼ「わかった、チノの親父さんが許してくれたらな」
チノ「父が許してくれないときはリゼさんの家に家出しますので」
リゼ(そんなくだらないことで家出するなよ……)
――――――――――――――――――
――翌日 深夜――
ココア「チノちゃんと夜のお散歩♪」ルンルン
チノ「転んだら危ないので手を離さないでください」
ココア「わかってるよぉ、いざとなったらわたしがチノちゃんを守るからね」
チノ「ココアさん…………」
ココア「チノちゃんもふもふ~」ギュッ
チノ「く、くすぐったいです……//」
リゼ(すっごい居づらい……)
――――――――――――――――――――
――ラビットハウス――
ティッピー「おい息子や、チノとココアの姿が見えんが」
タカヒロ「ああ、さっき二人で散歩に出かけてくるとさ」フキフキ
ティッピー「なにっ!?お前はこんな夜更けに出かけるのを許可したのか!」ピョンピョン
タカヒロ「別に大丈夫だろ、リゼくんも付いてるしな」
ティッピー「そういう問題じゃないわい!まだ年端も行かぬ女の子ばかりが――――」ガミガミ
タカヒロ「……まぁ、あいつのことだ。護衛くらいはつけてるだろう」
ココアサン チノチャンモフモフ~ カエリタイ……
使用人A「……………………」
使用人B(お譲、ファイトです)グッ
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unpublished 3.「自転車の練習」
――早朝 ラビットハウス――
リゼ「ラテアートを教えて欲しい?」
チノ「はい、お願いします」
リゼ「それはいいが……突然どうしたんだ?」
チノ「以前からずっと悩んでいたんです」
チノ「リゼさんの描いたカフェラテは皆さん笑顔で飲んでくれますよね」
リゼ「そうか?まぁ無難なウサギとか花の絵だからな」
チノ「わたしの描いたカフェラテはいつも苦笑いされてしまいます」
リゼ(チノには悪いがそりゃそうだろうな……)
チノ「ですので、ラテアートの上手な描き方をぜひ」
リゼ「絵はそんなに得意じゃないんだが……まぁいい、開店時間まで一緒に練習してみるか」
チノ「ありがとうございます。よろしくお願いします」
リゼ「まずはそうだな、試しにチューリップでも描いてみるか」
――――――――――――――――――――――
リゼ「……………………」
チノ「どうですか?」
リゼ「……うん………………」
リゼ(ラテアートなのに切り絵みたいだ……これはこれですごいが)
リゼ「い、良いと思うぞ、個性的で……」
チノ「……………………」
チノ「嘘です、やっぱり下手なんですね」
リゼ「いや、そんなこと無いぞ!チノの絵は下手というか、むしろ上手過ぎるというか……」
チノ「ラテアートもろくに作れないバリスタなんて失格です……もう夢も将来も途絶えました」ガクッ
リゼ「メンタル脆すぎるだろ!そんなラテアートくらいで……」
チノ「リゼさん、後のラビットハウスはお任せします。わたしに代わって立派なバリスタになってください」
リゼ「諦め早っ!?というか、そもそもわたしはバリスタになるつもりは――」
チノ「ではこの店はお父さんの代でおしまいです」
リゼ「他に選択肢あるだろ!?」
リゼ「どんなことでも最初から上手くなんかいかないさ。ほら、もう一度練習しよう」
チノ「……しょうがないですね」
リゼ(なんでわたしが頼んだみたいになってるんだ?)
チノ「次は何を描きましょう?」
リゼ(うーん……何ならチノが上手に描けるだろうか)
リゼ(人物画はピ○ソになるのが目に見えてるし……)
リゼ「チノが一番描きやすい絵はなんだ?」
チノ「ココアさんです」
リゼ「……へっ?」
チノ「ですから、ココアさんです」
リゼ「……ココアって、あのココアか」
チノ「はい、あのココアさんです」
リゼ「そうか……」
チノ「はい」
リゼ「……描いてもらっていいか?」
チノ「いいですよ、30秒もかかりません」
シュシュシュシュ!
―――――――――――――――――――――
チノ「完成です」
リゼ「上手い!?ココアうまっ!」
チノ「描き慣れてますから」
リゼ「……なぁ、チノ?まさかと思うが、お客様にもこのラテアートを出しているんじゃ……」
チノ「当然です」フンス
リゼ「誰でも苦笑いするわ!」
―――――――――――――――――――――――――
リゼ「自転車の乗り方を教えて欲しい?」
チノ「はい、お願いします」
リゼ「そういえば以前乗れないって言ってたな」
チノ「アニメではカットされてましたが」
リゼ「アニメ?」
チノ「いえ、なんでもありません」
リゼ「それじゃあ今週の土曜日にでも練習するか」
チノ「土曜日はココアさんがお休みなのでダメです」
リゼ「えっ?」
チノ「ココアさんの前でみっともない真似を見せられません」
リゼ「……それじゃあ平日の放課後か?」
チノ「恐らくココアさんが付いてきてしまうのでダメです」
リゼ「……………………」
チノ「どうしたんですか?」
リゼ「……でも、それじゃあいつ練習するんだ?」
チノ「明日の金曜日です」
リゼ「」
チノ「ココアさんは学校ですし、絶好の練習日和です」
リゼ「……………………」
チノ「リゼさん?」
リゼ「いや……わたしも普通に学校なんだが」
チノ「わたしもです」
リゼ「……じゃあ無理だろう」
チノ「いえ、欠席と言う手段があります」
リゼ「反抗期の中学生か!ダメだ、そんなことで学校は休めない!」
チノ「……どうしてもダメですか」
リゼ「ああ、どうしてもダメだ」
チノ「……分かりました、もうリゼさんには頼みません」
リゼ「どうするつもりだ?」
チノ「一人で練習します……転んで怪我して血だらけになって、足が折れてしまったらお見舞いくらいには来てください、では……」トボトボ
リゼ「ちょ、ちょっと待て!わかった、学校休んで付き合うよ!」
チノ「ほんとうですか?」クルリ
リゼ「その代わり、明日一度きりだぞ?明日一日で完全にマスターするんだ」
チノ「分かりました、ココアさんと二人きりでのサイクリングのためにも頑張ります」
リゼ「みんなのことをハブる気満々だな……」
――――――――――――――――――――
リゼ「よし、まずは両足で蹴って進んでみろ」
チノ「後ろ、支えてくれないんですか?」
リゼ「人に頼るとバランス感覚が身につかない、私は極力手を貸さずアドバイスだ」
チノ「わたし、自転車練習で後ろを支えてもらうのが夢だったんです」
リゼ「お前もか!」
リゼ「まったく、しょうがない……ほら、これでいいか?」
チノ「いい感じです、このまま走り出せそうな気がします」
リゼ「倒れる前に片足をペダルに乗せて漕ぐのがポイントだ」
チノ「一度離してもらっていいですか?」
リゼ「離すのか?まだ始めたばかりだし、やめといたほうが……」
チノ「大丈夫です、もう完全にマスターしました」フンス
リゼ(その自信はどこから湧いて来るんだ?)
リゼ「…………」
スッ――ガシャン!
リゼ「チノっ!?」
チノ「……………………」
リゼ「ほら見ろ、言わんこっちゃ無い」
チノ「……………………」
リゼ「大丈夫か、ほら、立てるか?」
チノ「……リゼさんはわたしをいじめて楽しんでいますね」
リゼ「お前が離せって言ったんだろう!?」
―――――――――――――――――――――――――
――2時間後――
チノ「」スイスイ
リゼ「おお、もう乗れるようになったじゃないか」
チノ「ボロボロの傷だらけになって、ようやくここまでこれました」
リゼ(すり傷ひとつでオーバーすぎる)
チノ「今ならどんなことでもできる気がします」
リゼ(ランナーズハイじゃあるまいし)
リゼ「……よし、これでもう大丈夫だな」
チノ「リゼさんありがとうございます、助かりました」
リゼ「なに、お礼なんていいよ」
チノ「今度うちのコーヒーでもごちそうします」
リゼ「いらん!せめてコーヒー以外にしてくれ!」
チノ「ではミルクココアで」
リゼ「ラビットハウスのメニューから離れろ!」
――――――――――――――――――――
――サイクリング当日――
ザァーザァー
リゼ「……………………」
リゼ(まずい……まずいぞこれは)
――ラビットハウス――
リゼ「………………」
シーン
ココア「リゼちゃーん!」ドタドタ
リゼ「ココア!」
ココア「チノちゃんが……チノちゃんが引きこもりになったぁ~!」ヴエェ
リゼ「」
リゼ(……うん、しばらくそっとしておこう)
ココア「?」
----------------
next...