俺とアタシの居場所《一応 完結 》   作: 紅葉 

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みなさーん、こんばんわー、
台風、えらいことになってますね……。皆さんのお住まいの地域は大丈夫ですか……?ちなみに自分のところはなんの被害もなく……。

※前作のキャラが少しだけ登場していて、少し設定が変わっていますがお見逃しを……!!

では、本編いきます!
今回から新しい章ですね!


君ヲ想フ
暇人の周りは何かしら起きる


 

 

 

 

 新学期の始まり。こういうものはだいたい一学期の桜の散る季節というものが始まりだが、俺の場合はカンカン照りが未だに残る9月からだ。9月とは一般的には秋ではあるが、旧暦では夏。まだまだ半袖で汗が滲み出てくる季節だ。

 

 

「うぃ〜っす!!昨日はありがとうな!?」

 

「知夏良か……。新学期早々元気だな」

 

「遥都のおかげで宿題も終わったし、先生にも怒られずに済むし、もー、サイコー!」

 

 

 朝からハイテンションなこいつは昨日家に来ていた佐山知夏良。そういや、宿題見せたんだったな。

 

 

「いや〜、二学期楽しみだな〜」

 

「なんでよ?」

 

「イベント盛りだくさんだろ!?体育祭からの文化祭!!校外学習に、リア充になれば楽しめるクリスマス!良くね!?」

 

「…………お前じゃ最後のイベントはないだろ?」

 

「酷いこと言うな!?」

 

 

 適当に流しながら二人で歩いて、覇聖高校の校門をくぐった。今日から、また、始まるのか……。あの騒がしい学校生活が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──第13話:暇人の周りは何かしら起きる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相変わらずの退屈な始業式。…………小学校の時はよく後ろからリサにちょっかいをかけられたものだ。って、何を思い出してんだよ。

 

 退屈な校長や生活指導の先生の話を聞き流し、その次の服装頭髪検査も難なくスルー。お?知夏良のやつ引っかかってやがる。なるほど、校章のつけ忘れね……。あーあー、他にも茶髪っぽいやつが呼ばれてやがる……。ま、この分、教室戻ってからの自由時間が増えるからいいや。こういう時って、苗字の頭文字がア行で出席番号が小さいのは何となく得した気分になる。

 

 

「いや〜、あっぶね〜」

 

「どうかしたのか?」

 

「いやな、ベルト忘れてたんだけど……、相澤に借りてやり過ごした」

 

「あぁ〜、なるほど」

 

 

 出席番号が頭だからもう必要ない人に借りたのか。なんというか……、頭いいな。そもそも忘れなければいい話なんだが、それはこの際触れないでおこう。

 

 

「ねぇ〜、チカラの声、うるさ〜い」

 

「お、眠り姫じゃん。お目覚め?」

 

「知夏良の声で起こされたんだよ〜?それに、姫じゃないから」

 

 

 ムクリと起き上がって、少し頬を膨らましているこいつは隣の席の七宮詩音。一応、男子だ。色白だし、身長もさほど大きくないから女子に見えるかもしれないけどな……。知夏良とはウマが合わなさそうなのだが、なんだかんだ上手くやっている。基本、授業中寝ている、にも関わらず、成績は平均よりは取れていたと聞く不思議なやつだ。口調もゆったりとしていて、こっちまで眠くなる。

 

 そして、何気にこんなに仲良く喋ってはいるが……、転校生だ。朝のホームルームで先生が言っていた。一応、知夏良と同じく中学が一緒だったから、喋ったことがあるというだけだ。

 

 

「詩音は特に何も言われなかったのか?頭髪服装検査」

 

「ん〜、多分ね〜」

 

「ま……、そうだろうな……」

 

 

 見たところ、こいつは校章とかもきちんと付けているし、髪の毛も付けてるし……。

 

 

「なぁなぁ、今日さ!詩音の歓迎会をこの3人でやろーぜ!!」

 

「はぁ?」

 

 

 急に知夏良が言ってきた、その言葉に俺の午後が驚異に晒された。俺の予定ではこの後は、家に帰り、昨日見る予定だった録画押しておいた番組を見るという崇高なる予定がだな……。

 

 

「おいおい、中学一緒なんだしいいだろ?そういうの……」

 

「かぁー!!やっぱり、遥都は冷めてんな!?いいか!?こういうのは初めが肝心なんだよ!!」

 

「んだよ、それ……。それに、ほら、当の本人は…………」

 

 

 顎でクイっと詩音の方を指す。そこにはこんなに騒々しいにも関わらず、スヤスヤと気持ちよさそうに机に突っ伏す詩音が。

 

 

「な?」

 

「けっ!!面白くねーな!!」

 

「世の中がそんなにお前の思い通りになってたまるかよ。それじゃ、俺も寝るから」

 

 

 そういい、机に突っ伏した俺。近くからは知夏良の呆れる声が聞こえるが知ったことか。俺は寝たい。

 

 そのまま、一二限と続いていた始業式、及び、賞状授与や頭髪服装検査が終わるチャイムがなった。知夏良はほかの誰かに呼ばれたのか、気がつくといなくなっていた。そんな状況になると、教室の窓際の隅、なおかつ、隣が詩音であることも加点され、俺の席は本当に寝心地が良い場所と化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*** ***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぅ〜……。相変わらず、服装検査で引っかかるんだよね〜!!アタシ、そんなに服装乱してないと思うんだけどな〜?アタシは数少ない、服装検査に引っかかった生徒の波を避けて教室に急ぎ足で戻った。どうせ、今頃、教室では……、

 

 

「あれ?また、今井さんいないの?」

 

「あの子、ギャルだから、引っかかったんじゃないの?」

 

 

 やっぱり……。まぁ、自分からこうなってるわけだから仕方ないとは思うんだけど……。それでもやっぱりいい気はしないというか、なんというか……。

 

 アタシは教室の前で、扉にかけようとしていた手を止めた。けど、こんなこと今更だしな〜!アタシにはアタシの場所がある!!無理やり、前を向かせて気持ちを立て直したアタシは笑顔を作り、教室に戻る。

 

 

「アハハ〜!また、引っかかっちゃった!!」

 

 

 それを聞いて笑顔で迎え入れてくれる友達がいる反面、少しビクリとする人もいる。もう……、いくら気にしないようにしているとはいえ、いい加減にして欲しいかな……。

 

 そんなことをしていると終わりのチャイムがなり、三限目の授業の始まりを告げる。確か、三限目は……、数学か……。アタシは筆箱に教科書、ノートを出して用意を始めた。

 

 

「あれ……?これ、遥都のじゃん。あぁ、昨日、入っちゃったのか!」

 

 

 筆箱の中に入っていた遥都の黒いシャーペン。無駄に高級感があったからよく覚えていたんだよね。って、どうしよう……?何本かは持ってると思うから困ってはないと思うけど……。とりあえず、放課後にでも帰しに行こっかな?今日はバンド練も友希那の調子が悪いらしく休みだしね。一昨日の練習で友希那のミスがあまりに多いからみんなで話して、三日間くらい連続でオフにしたんだよね〜。

 

 アタシはこっそりと、遥都がいる覇聖高校の友達にLINEを送り、終わる時間を聞いた。向こうもいじっていたらしく、返信によると羽丘と同じ6限終わりらしい。ラッキー!!アタシは携帯のスケジュール帳に『16:30 遥都のシャーペン』と書き込むとスマホをポケットへとしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*** ***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃーなー!!自分は部活行ってくんよ!」

 

「行ってこい、行ってこい」

 

「詩音もじゃーな!」

 

「ばいば〜い」

 

 

 帰りのホームルームも終わりいそいそと部活にいく知夏良とは対照的にゆっくりと帰りの用意をする俺と詩音。詩音も俺と同じで部活に入ってはいない。こいつはマイペースだし、そうだろうけど……。そいうや、夏休みにあったあの子とはあれから上手くいっているのだろうか……?

 

 

「それじゃ〜、僕は帰るから〜」

 

 

 ……聞こうと思った矢先に。ま、こいつはいつだってこういうやつか……。軽くため息をはきながら俺も昇降口に背を向けて歩き出した。

 

 汗水垂らしながら走る、野球部やサッカー部を横目に見ながら、校門をくぐり、家の方へと足を進めた。そして、俺は学習したぞ?コンビニなど寄り道をすると、何かしらのトラブルに出会うということに!!この前のリサだってそうだしな。ということで真っ直ぐ帰ろう。

 

 

「おーーい!!遥都!!」

 

 

 …………空耳だな、うん、空耳。しかも、遥都って名前はそんなに珍しくはないだろう。俺じゃないよ、きっと、たぶん、おそらく……。

 

 

「ねぇってば!!呼んでんでしょ!?」

 

パンッ

 

「いたっ!?」

 

 

 …………おのれ、俺の学習能力。一生恨み続けてやる。呼ばれたと思ったら、背中を叩かれるという仕打ちをうける俺。声色で薄々感じながらも一応、誰かを確認してみる。

 

 

「やっほ!アタシ、アタシ!!」

 

「やっぱりお前か……、リサ……」

 

 

 まぁ、この上なくセオリー通りの展開なわけだが……、どうしてこうもあの日以来、こいつと会う機会が増えたのだろうか??謎が深まるばかりである。

 

 と、そんなことはどうだっていいな。こいつはそもそも何しに来たんだ?Roseliaのバンド練があるはずだろ?知夏良曰く、相当練習をするようなバンドらしいし。

 

 

「はい、これ!昨日、アタシが持って帰っちゃったみたい!ゴメンね〜!」

 

「ん?あ、そう言えばなかった気がするな……」

 

「気づいてなかったの……?」

 

 

 だって、筆箱のチャックすら開けてないんだから……。俺はリサから黒のシャーペンを受け取って、筆箱に放り込んだ。しかし、これだけのために来たのか……?決してここは帰り道の途中にあるとかそういう訳では無いし、むしろ結構大変な距離だ。

 

 

「こんだけの用か?」

 

「うん!ダメ?」

 

「い、いや、別に……」

 

 

 こいつ、マジか……?いやいやこんなの絶対家に帰ってからでもいいじゃねぇか!?アホというか、世話好きにも程があってだな……。まぁ、昔からなんともならないのがこいつの変なところだよな。

 

 しっかし、これからどうしろというのか?まぁ、セオリー通りにいくなら……

 

 

「…………帰るか?」

 

「そ、そうだね!!」

 

 

 これがベストだろうな……。俺たちはそれだけ言うと、リサと俺の家の方へと歩き出した。

 

 しかし、こういう時、いつも話をしてくれるのはリサだ。そして、今更気づいたのだが……、今日はリサのテンションが少し低い。いつもならあちこち見ながら、楽しそうに歩くリサなのだが、今日はずっと俯き気味だ。しかも、こういう時に話を切り出してくれるのがリサである限り、リサが話さない限り二人の間に会話は無くなるわけで……。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 気まずい、非常に気まずい。誰かこういう時の対処法的なのを教えてください。知夏良とかがいると、これ以上なく楽なんだけどな。とはいえ、ないものをねだっていても仕方が無い。何とかしないとな……。

 

 

「…………な、なぁ?コンビニよるか?」

 

「え、う、うん!!」

 

 

 おかしい。さらに気まずくなったし、会話終わっちゃったぞ!?いつも、知夏良はこんな感じでやってたはずなんだが……。

 

 頭を悩ます俺に流石のリサも気づいたかこちらをジト目で睨んできた。

 

 

「…………遥都、無理してる?」

 

「正直言うとかなりな。でも、リサも言えた柄じゃないだろ?」

 

「…………バレてたか〜」

 

 

 笑顔を作るリサを横目に、横断歩道手前で立ち止まる。信号に目をやると赤になったばかりで目の前を車が大きなエンジン音をたてながら通り過ぎる。対照的に二人の足が止まり、また会話がなくなる。

 

 くそ……。こういう時、なんて声かければいいんだよ……。またもや、頭を悩ます俺。髪の毛をぐじゃぐじゃっとしてするが、解決方法が出てくるのでもない。

 

 そんな中、リサが聞こえるか聞こえないかの声でいった。

 

 

「遥都はさ……、噂ってどう思う?」

 

 




「お久しぶりで〜す、紅葉さ〜ん」
「おぉ〜、七宮君か!久しぶりー!」
「そう言えば、履修落ちしたらしいですけど……、大丈夫なんですか〜?」
「あ〜……、うん。まぁ、来年とるよ……」
「誰受けても変わんないじゃないですか〜。だって、どの人の授業だろうと…………」
「「寝ちゃうから!!」」


感想、評価ありがとうございます!
前回は2人も新しい人が感想くれて超ハッピーでした!
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