俺とアタシの居場所《一応 完結 》   作: 紅葉 

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え〜、大変、嬉しいことで、なんとリサ姉の誕生日会を投稿した次の日、日間ランキングがなんと10位まで言っておりました……。恐ろしい勢いでたまるお気に入りに驚きを隠せない紅葉です……。お気に入り数では既に前作を上回っていましてですね……。なんと、反応していいかわからないんですよ……、はい。
あ、勘違いしないでくださいね?嬉しいことはめちゃくちゃ嬉しいんです!




暇人はコミュ障を見直す

 

 

 

 

 おかしい。色々とおかしい。あれは演技だ。それにリサから望まれたことだ。にも関わらず……。

 

 

「おい、リサ〜、お茶を……」

 

「ふぇっ!?あ、あぁ、いいですよ!冷蔵庫に入っていますから!」

 

 

 明らかによそよそしいのだ。ため息をつきながら周りの2人にも視線を送るのだが、フイっと目をそらされる。俺はそんなに悪いことをしたのだろうか……?そう思いながら、俺は今井家にある、麦茶を飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──第5話:暇人はコミュ障を見直す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 事の始まりはあの魔のアクセサリー店からだ。あそこから全てが狂った。あの魔王城のようなアクセサリー店を後にした時、てっきり、間にリサが入って、白金さんと宇田川さんとの仲を取り持ってくれると思ったら、スタスタと俺らの数メートル先を歩いていってしまったのだ。喋りかけても大抵は何かを考えていたからか、オールスルー。

 

 それが今井家まで続いてしまい、そのまま勉強に入ってしまったのだ。すると、俺が宇田川さんを、白金さんがリサを教えるという流れになるのは必然だ。結果、俺の正面に宇田川さん。隣に白金さん。そして、白金さんの前にリサ。という座り方になった。

 

 なのだが、この俺、伊月遥都、初対面の女の子に勉強を教えられるかと言われると、そこまでコミュ力がある訳じゃない。とはいえ、やらなくてはならない。今はリサのことは置いといて、頑張って宇田川さんを教えるか。

 

 

「宇田川さん、とりあえず、やろうか、宿題」

 

「うぅ……。あこ、やりたくないよーー!!」

 

「初対面の女の子にこんなことはいいたかないんだが……、やろうよ。ガキじゃないんだし。それに、バンドメンバーから何言われるかわかんないんだろ?」

 

「さ、さよさんに……!」

 

 

 どうやら、怖いバンドメンバーは"さよ"と言うらしい。見たことがない以上、なんとも言えないが、使い方さえ間違えなければ、効果的に使えそうだ。切り札として、覚えておこう。

 

 

「はい、数学やりますよ〜?」

 

「魔王に、数学など低俗な学問は……」

 

「おい、やるぞ?」

 

 

 いかん、キレちゃう。というか、今、この宇田川あこ、数学を低俗と罵りやがった。全世界の数学学者と今まで革新を与えてきた偉人に謝れ。

 

 そんな無礼者、宇田川あこは流石に観念したのか、渋々、夏休みの宿題を開いた。そこで俺が目の当たりにしたのは、最初の見開き2ページだけやってあるものの残りが25ページほどあるまっさらなワーク。その最初の2ページも赤の文字が止まらない。

 

 

「…………おい、なんだこれは?」

 

「だって、わかんないんだもん!」

 

 

 再び胸を張る宇田川さんとは対照的に頭を落とし愕然とする俺。この人、中三だよな……?ご存知の方はご存知のように、中三の夏休みの宿題といえば一、二年生でやったことも含まれている。言わば、最初の方は全て1年生の問題なのだ。

 

 

「白金さん、一学期はどうやって宇田川さんを赤点回避させたんだ……?」

 

「えっと……、確か、あこちゃんは……、赤点を取ってしまって…、氷川さんに『二度目はないですよ?』と怒られて……」

 

 

 なるほど、わかった。つまり、Roselia内でどうしようもなくなったから、リサのやつが俺に投げてきたのだ。俺はリサの方をジロリと睨む。だが、リサは未だにフイっと顔を逸らしてしまう。まだ、引きずってんのか……?いい加減、機嫌直してくれませんかね……?

 

 

「おーい、リサ。そんなにさっきのことがショックだったのか〜?そんなにショックならやらなきゃ良かったのに……」

 

「ショックだったわけじゃないんだけど……」

 

「なんて言ってるんだよ……」

 

 

 ゴニョゴニョ喋られちゃなんの事かよく分からん。普段はあんだけ、やかましく、なおかつ鬱陶しいというのに、いきなりこんな態度を取られたら、調子が狂うってものだ。

 

 

「とにかくさ〜、俺にこういうことを押し付けるなら押し付けるである程度、現実味がある時間で押し付けてくれませんかね?そもそも押し付けるのも問題なんだが……。その上、この後、リサにも教えろだぁ?俺に一晩中、今井家にいろって言うのかよ?今井家の人間でもないのに」

 

「一晩中!?今井家の人間!?ア、アタシ達にはまだそんなの早いよ!?」

 

 

 何気なく放たれた俺の言葉は何故かリサを触発したらしい。いきなり、机を叩いたと思ったら、椅子がひっくり返る勢いで立ち上がっていらした。宇田川さんも白金さんも、初めてこんなリサを見たのかポカンとするしかなく、手も止まる。ちなみに言うと、こんなリサは俺も初めてだ。俺達3人は口を開け、しばらく固まることしか出来ない。

 

 そして、次に動けたのはそれから数秒の沈黙の後だった。ようやく口を開き、慌ててその場を取り繕う。

 

 

「び、びっくりした〜。そ、そうだよな!早いよな!!」

 

「あ、いや、今のは、違って!!別にアタシが遥都と、とかそういうのじゃなくて!!」

 

「うんうん!分かってるから!!な!?やろうぜ!?」

 

「ほ、ほんとに分かってる!?」

 

 

 ぶっちゃけ、なんも分からん。だが、この空気を何とかしないと俺の心が持ちません!!そのためなんだ、なんかすまんな、リサ。

 

 

「あーーー!!もう!!燐子、ありがとね!あらかた、わかったよ!!アタシ、みんなの夜ご飯作ってくるから!!」

 

「あ、はい……。こ、こちらこそ、ありがとうございます……」

 

「良かったら、燐子も遥都に教えてもらいな!こんな不真面目そうだけど、なぜか頭いいから!」

 

「わ、わかりました……!」

 

 

 あ、リサから逃げた。それに、最後チラッと失礼なこと言ってきやがったな?なぁにが、『不真面目そう』『なぜか頭いい』だ!そんな男に見えるか!?

 

 

「あ、あのぉ〜……」

 

「う、うん?」

 

 

 こ、怖い……。なんだろう、今までリサという、一応女子の対応しかほとんどしてこなかったからか、こういう大人しいタイプの女の子に喋りかけられると驚きの意味でドキッとする。

 

 

「こ、ここの問題、答えはこうやって書いてあるんですけど……。ここの部分がわからないんです……。だから、その…、教えてください」

 

 

 さっき、怖いとか言って悪かった!!なんだこの子!?さっきの厨二病と比べたらなんとも健気でわかりやすい女の子じゃないか!!そうだ、先生って言うのはこういう生徒の対応を第一にすべきなんだよ!!

 

 

「あ、あの〜……、伊月さん……?」

 

「あぁ、ごめんごめん。それで、その問題だっけか?」

 

「そう、なんですけど……」

 

 

 それから、俺は白金さんにそれとなくわかりやすく教えた。宇田川さんやリサと違い、大人しく説明を聞いてくれて、その上、理解も早いので非常に助かる。だから、5分ほどかかるかな?と読んでいたのだが、2分を残し終わらせてくれる程なのだ。

 

 

「で、出来ました…!!」

 

「おー、よかった。他になんかあるのか?」

 

「い、いえ、特には……」

 

「なら、よかった」

 

 

 白金さんはもう一度、俺に向かって深々と頭を下げる。ほら!!こういうとこ!!リサや宇田川さんにはないであろう謙虚さ!!やばい……、この子ホントに天使だわ。

 

 

「な、なにか、変ですか……?」

 

「えっ!?あ、あぁ、白金さんは宇田川さんやリサとは違うなぁ〜って思ってな。別に貶してるわけじゃないんだが……、よく、それで、リサ達のバンドに入ったな、と……」

 

 

 そう言いながら、チラリと泣きかけてる宇田川さんと鼻唄を歌いながら料理をするリサを見やる。うん、どう見ても、あの二人と白金さんは違うタイプだろ。

 

 

「私も、最初は不安ばっかりでした……。で、でも、あこちゃんや今井さんとかが……、その、助けてくれて……。」

 

 

 そういう白金さんの顔はどこか殻を破ったようなスッキリした顔だった。シャーペンを置き、そんな顔で話す彼女は最後には少し笑いはするものの、その表情は至って真面目で嘘をついているようには見えない。なるほど……、"他人の助け"ね……。

 

 

「でも、まだ、慣れない時、とか、テンションに……、ついていけないときも……、ありますけど……」

 

「…………だろうな」

 

 

 ……案外俺の予想も的外れではなかったらしい。言われてみれば、この子、theインドア派って感じだもんな〜。本とかたくさん読んでそう。

 

 

「私は、家でオンラインゲームとか……、そういうのが、趣味……、ですし……」

 

 

 時代は本よりゲームと移り変わっているようだ……。と、なると、都合がいい。何を隠そう、俺もゲームは大好きだ。もちろん、ジャンルは色々あるんだが、俺が好きなのは謎解きのRPG。特に好きだったのはセルダの伝説シリーズ。トワイライトプリンスは大好きだったよ……。

 

 

「どんなのやってるんだ?」

 

「"Neo Fantasy Online"というゲームです……。去年、配信が始まったんですけど、大人気で……。私もあこちゃんもやってるんです……」

 

 

 聞いた事あるな。クラスの何人かがそんな会話をしていたのは記憶に新しい。まぁ、そっちの会話は耳に入ってきた程度の認識だが……。

 

 

「また、暇ならやってみるよ」

 

「あ、ありがとうございます……。そ、それなら、お願いがひとつあるんですけど……」

 

「お願い?なんだそれ?」

 

「えっと……、友達紹介のコードを入力することがあるんですけど……、私のコード、あ、メモしますね、これを入力して、ください……。お互いに、利点があるので良かったら……」

 

 

 そう言うと白金さんはノートの端をビリっと破るとスラスラとIDらしきものをメモしてくれた。ここまでやってくれるんだ、せっかくだし本当にやってみるかね。

 

 

「ありがとうな」

 

「い、いえ、そんな……」

 

 

 少し照れながら顔を逸らす彼女は少し嬉しそうだった。

 

 

「さて、それじゃあ、そろそろお話はやめて勉強でもやるか。なんだっけ?氷川さん?とやらにやってないことが発覚すると、ドヤされるんだろ?」

 

「そ、そうですね……!私はもう、終わってるんですけど……」

 

「そ、それは失礼……。なら、もう少し喋っとくか?」

 

「だ、大丈夫ですっ……。それより、あこちゃんの、手助けをしてあげてください……!あこちゃんは私の初めての、"友達"です、から……」

 

 

 この子も"友達"か……。そんなに特殊なパワーでも持つものなのかね?友達ってのは。

 

 でも、今、白金さんに言われた言葉はいつもなら湧いてくる嫌な気分には不思議とならなかった。




「こ、こんにちは……」
「初めまして、白金さん。これから、宜しくね」
「こちらこそ……、よろしく、お願いします……」
「なにもそんな畏まらなくても……。リサなんか見たろ?あそこまでとは言わないけどフランクな感じでいいんですよ?」
「今井さんみたいには……」
「そーいや、ネトゲ好きらしいですね?NFOのアバタークソイカしてましたよ?」
「そ、そんな……!!わ、私ごときが……!!うぅ……!!」
「あ、白金さん、白金さん!?」

前回の誕生日会どうでしたか?あんな感じの誕生日もリサ姉ならあるかなとか思ったんです!

評価してくれた
クライマーズさん(☆10)
ぴょこさん(☆10)
生なまこさん(☆10)
鳥籠のカナリアさん(☆9)
ぶるぶるさん (☆1)
ありがとうございます!!

まだまだ感想、評価待ってますからねー!
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