最近、色々忙しくてですね……。今朝もバイトに寝坊しました……。気をつけないといけませんな。。。
今回は文字数かなり少なめですけど……。まぁ、結構大事なお話かな?
「…………ねぇ、遥都、アタシってさ……」
2人が玄関を飛び出したあと、無意識にアタシの口が動いてしまった。原因は分からない。けど、この気持ちは……、たぶん、あの時と同じ……。
「ど、どうかしたのか……?」
「う、ううん!なんでもない!!」
これは遥都にはバレちゃいけない。あの時も今もそう。忘れたはずだったのに。だって、バレたら遥都を苦しませるだけなんだから……。アタシの気持ちで遥都と仲悪くなりたくないから……。今のこの位置関係が、アタシの精一杯の役割なんだから……。
──第7話:多忙人は暇人に嫉妬する
「それじゃ、皿洗いでもするか……」
「アタシがやるからいいよ?遥都は座ってなよ!」
言いたいことを押し殺し、アタシ達はリビングに戻った。戻ったと同時に遥都はサッと机の方へ向かい、みんなが使っていた皿をまとめあげていく。こういうとこはむかしから変わってない。他人だとまず面倒くさがるはずなのに、『自分もやったのだから』と率先して片付けをやっていく。
「俺も食ったんだから……」
「なら、2人でやろ!?ね?」
「わかった、わかった」
遥都がお皿や大きな鍋を、アタシがコップや箸を運び、流し台へ持っていく。さっきの押し殺したやつがあるせいか、いつものように言葉が出てこない。ただ、水の音が永遠に流れ、たまにするのは食器がぶつかり合う音だけだ。
「なぁ、リサ」
「え?」
普段、余程の用事がないと喋りかけるはずがない遥都がアタシに向かって一言言った。水の音で聞こえなくなってもいいはずなのに、何故かはっきりと聞こえたその声はアタシの脳内へストンと落ちる。
「お前、なんか隠してたろ?」
「な、なんで!?そもそも、隠してないからね!?」
「こんな所で意地はるなよ……。リサが言ったんだろ?『アタシは遥都の小さい頃から見てきてるの。』ってよ。お互い家族を除けば、恐らくトップ3には入る付き合いだろ?だから、リサは俺のことよく知ってるし、逆も言えんだろ?」
「そ、それは……」
たまに見せる、遥都の真面目で真っ直ぐな瞳。洗い物をしながらも、それは伝わってくる。こんな目を見たのはいつぶりだろうか?中学の時のあのころ以来だろうか……?
「…………そうだね。」
「言えねぇことなら、無理にとは言わないけどよ、言えることなら話を聞くくらいできるぞ?」
皿を黙々と洗い続けながら遥都はそう言った。やめて。これ以上この距離感を壊さないで……。アタシは遥都と今の関係を……!!壊れた時のことを思うと……!!ヅカヅカと土足で平気な顔して、アタシの心の中に突っ込んでくる遥都にそう叫ぶ。
でも、心の中では打ち明けたい自分もいて……、なんとかして関係をさらに近づけたい自分もいて……、アタシの口はそんな想いが溢れ出るように開いた。
「遥都はさ、いつもあんな風なの……?」
この感情の正体は知っている。昔からいつもアタシが遥都に向ける感情。遥都はいつだってそう、アタシ以外の誰かを見てる気がしてならないから。別にアタシばっかり見てほしいわけじゃない。けど、やっぱり、小さい頃から仲良くしてきた身としてはアタシの方も向いてほしい。
「あんなって、どんなだ?」
「あこや燐子と仲良さそうに喋ってたじゃん?ほかの女の子とかとも?」
アタシとショッピングモールで買い物してた時だって、コンビニに来た時だってそう。遥都は今より全然楽しくなさそう、むしろ、面倒くさそうに動いていたのだから。本当はアタシと会うのが……。アタシの中の考えが悪い方へとどんどん傾き、嫌な想像しかできない。
「どーだろーな。今日はたまたま気分が向いたからだろうし……、人として合う合わないがあるから、なんとも言えないな」
「で、でもっ!燐子やあこに勉強教えてる時だって、生き生きしてたって言うか!その……、楽しそうだったじゃん!」
一気に想いが爆発してしまう。言ってしまった……。言った直後にそう思うがもう遅い。今まで、すました顔して皿を洗っていた遥都の表情が明らかに変化し、動揺の色が出る。
「ちょ、おい、急にどうしたんだよ……?俺、なんかしたか!?」
流石の遥都も少し焦り、水道を出しっぱなしのまま、手を止め、アタシの正面まで来てくれた。なにか出来ないかとあたふたする遥都。遥都がとりあえず、というか、なぜか、ポケットに入っていたラムネを渡してくる。
「……落ち着いたか?」
「……なにこれ?」
「ラムネ」
「はぁ、うん……いいや。とりあえず、ありがと」
「んなら、いいや」
鈍感で謎すぎる遥都に少し呆れながらも、先程までのモヤっとした気はいつの間にか消えていた。そんな単純な自分に大きく、溜息をつきながら、私は自分をリセットしようとする。その最中、すれ違いざまに遥都はアタシの背中を軽くポンっと叩くと、水道を止めに行った。そんな背中が手と同様、昔より遥かに大きく感じられたのは秘密。なんだかんだ言って、昔からどうしようもなくなった時に手を差し伸べてくれる遥都に少し尊敬の念を抱く。
と、感心はしていたのに……
「それで?なんでそんなにヒステリックになったんだ?」
忘れてた……。遥都は昔から飽きれるぐらい空気が読めない……。普通、このタイミングで聞くぅ!?ここはサラッと忘れるところでしょ……!?
「ほんっっと!デリカシーないね!遥都は!」
「お、そんだけ言い返せれば、いつものリサだな。なら、もう、心配ないか」
「え……?」
「いったろ?『トップ3には入る長い付き合いだから大体のことはわかる』って」
洗った皿を拭きながら、遥都はそういった。アタシにはわかった。無表情に見えるあの表情も、微かに笑っていること。それが照れ隠しかあるいはアタシをコケにしてるのかは分からないけど、悪い気はせず、おかげでいつものテンションに戻れる。いつもの場所に戻してくれる。それがアタシにとっては嬉しくてたまらなかった。
*** ***
「ねぇねぇ、りんりん、今日のリサ姉、なんか大人しくなかった?」
「そ、そうだね……」
街頭が灯る、夜の住宅街。今井家を出た2人は家に向かって歩いていた。そして、話題はちょうど、リサの話となっていたようだ。
「あら?燐子にあこ、こんな夜更けに何してるの?」
「友希那さん!!??」
正面からふと声をかけられる。その声の主は、2人がよく知る人物。アッシュの長い髪を靡かせて、歩いてくるRoseliaの歌姫、湊友希那。
「友希那さんこそ何してるんですか!?」
「私?私はただ、散歩していただけよ?そうしたら、そこで、子猫を見つけて、それを見守っていただけよ。」
「「へ、へぇ〜」」
淡々という彼女は気づいていないが、もう、Roselia内で定番ネタのひとつとなっている湊友希那の猫好きだ。
「そういうあなた達は何をしているのよ?」
「私たちは、リサ姉の家にいってご飯を食べてたんです!!えっと、リサ姉の友達の、遥都さんに勉強を教えて貰いがてら!」
「…………遥都?そ、その人の苗字って……」
「"伊月"って言ってましたよ?だよね、りんりん!」
「は、はい……。私もそう記憶してます……」
「ど、どこでやっていたの!?その食事会!!」
明らかに態度が一変する彼女。白金さんの肩を掴み、グッと体を寄せ、さっきと比べはるかに大きな声で問いかけた。それの原因は何かは分からない。けど、明らかになにか触れてはいけないものに触れようとする危うさが彼女に感じられた。
「今井さんの家ですけど……」
「そ、そう……!!ありがとう!!」
そう言って、彼女は焦ったように走り出す。そんな、彼女の顔は暗闇のため、2人にはあまり顔はよく見えなかったが、どこか、最初と違うオーラを出していたのはわかったようだ。
「……ゆきなさんも変だったよね?」
「そ、そうだね……」
「今日のRoseliaメンバー、なんかみんな変だよ〜?」
「お、遥都くん!」
「紅葉さんじゃないですか〜。」
「こんな夜更けにどうしたの?」
「リサの家にいって晩飯ご馳走なって来たんですよ」
「…………今すぐそこに直れ」
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粗茶絞り さん(☆9)
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