投稿、遅れたのは申し訳ないです!!昨日投稿しようとしてたら寝落ちしましてですね……、えぇ、はい。
すいませんでしたー!!
それから!お気に入りを200件を裕にに突破しました!!前作を上回る人気ぶりで驚いてます!!これからもよろしくお願いしますっ!!
では、歌姫は暇人に伝えたい、お楽しみください!
歌姫は暇人に伝えたい
「それじゃ、皿洗いも終わったし、これで失礼するよ。あんまり遅くなると、リサのお母さんとかにも迷惑だしな」
「わかった!なら、まだもし、宿題で微妙なやつあったら電話するね!」
「電話かよ……」
皿洗いも終わり、他のところの後片付けも粗方片付いたので、俺は今井家を後にした。
今井家の玄関を出て、昔のように右に曲がる。この道が懐かしく感じられるのはなぜだろうか……?しかも、また来たいとまで思ってしまう。こう思うのは、あの頃以来か……?そう思い、俺は空を見上げた。そこには、手の届かない距離にあり、真っ暗な夜の街を照らす、大きな満月が東の空に昇っていた。
──第8話:歌姫は暇人に伝えたい
私は走った。彼がいた所へ……。本当に偶然、ただ家から出たかっただけで散歩をしていただけ。そこであった、あこと燐子に言われたのだから、彼がそこにいると……。彼は私に音楽の道を続けさせてくれた、その道を守ってきてくれた。なのに……!!
真夏の生暖かい空気が肌を滑るように過ぎ去っていく。心地の悪さなどは今は感じている場合ではない。とにかく、1秒でも早く、リサの家へ……。
路地を左に曲がり、よくリサと遊んだ公園も通り過ぎ、横断歩道を急いでわたる。普段、走っていない私にとってはとてつもなく長く、大変なはずの、長距離。けど、そんな御託を並べるのは後。
「っ!!!」
見えた。リサの家。そして、当然横にあるのだから私の家も。私は急いで今井家のインターホンを押した。
〜♪♪
『は〜い』
「ハァ……、ハァ……、私よ、リサ!!」
『ゆ、友希那!?こ、こんな時間にそんなに息切れしてどうしたの!?ちょっ!今、そっち行くから!!』
家の中からドタドタと音がして、すぐに玄関の扉があく。私は額に流れる汗を拭いながら、とりあえず、息を整わせる。一度大きく、息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。
「さっき、燐子とあこに聞いたのだけれど……、ここに遥都が来ていたの?」
「っ!!??」
「どうなの!?リサ!!」
「き、来てたよ……。けど、今さっき、出てっちゃった……」
少し怯えながら答えるリサ。私は少し、申し訳ないとは思うものの、引くことは出来なかった。なぜなら、1秒でも早く遥都に謝りたかったから……。あの時のことをまだ、私は……!!
「ちょっと、友希那!!??こんな夜中に……!それに、遥都は……ってもう!!聞いてよーー!!」
リサに遥都が帰ったと聞いた時には、身体が勝手に反応していた。うる覚えではあるが、遥都の家は私も覚えている。確か……、ここをこういって……、ここのカーブミラーを曲がり……、あった!!
「もう!!友希那〜?人の話は最後まで聞こうね〜?遥都なら、まだいないと思うよ〜?帰る前に薬局いって、目薬買ってくって言ってたし……」
「なぜそれを言わないの!?」
「言おうとしたら、友希那が走ってっちゃったんでしょ……?」
もう一度、彼の家を見やると、家の電気はついておらず、洗濯物も夜風に吹かれている。今は誰もいないのが明らか、それを見て私は少し落ち着きを取り戻す。
「……どう?少しは落ち着いた?」
「えぇ……。悪かったわね」
「ううん。大丈夫!……それで、どうする気なの?友希那は」
「…………会うわ。遥都に会って話をする」
リサはあの時のことを少しだけ知ってる。私も全ては話していない。けど、リサのことだから大概のことは想像で補えるのよ。昔から私の横を歩いてきてくれたから、ずっと見放さないでいてくれたから。
遥都、彼には……、今なら……、あの時、言えなかった言葉を……。"ありがとう"と"ごめんなさい"を……。
「行くわよ」
「リョーかいっ!」
再び夜道を走り出す私たち。月光に照らされる路地を走り、薬局がある方へと向かう。公園を抜けて、先程来た道の途中で曲がる。
「あっ!!」
「どうしたのよ?リサ」
「あれって、遥都じゃない!?」
「え……?」
間違いじゃなかった。コンビニの前には紛れもなく、明かりに照らされて遥都が壁にもたれかかっていた。帰り道の途中に後ろにあるコンビニによったのか、薬局の袋とは別に何か袋を持っている。
だが、こちらに気づく様子はない。何か違うことをしているような……。電話か?そう思った私は少し、遥都の表情を伺う。その表情は決して明るいものではなく、むしろ険しいものだった。
どうしたのかしら……?遥都があんな、表情をしているのに話しかけに行っていいものか……?私は頭の中で必死に考えた。だが……、
「お前は昔からそうだよ……!!お前が出来もしねぇくせに、真面目にやんねぇからだろ!?だから、湊さんがブチ切れたんだよ!」
急に遥都がそう叫んだのだ。相手は電話の向こうにいる人。誰かも分からないが、少なくとも遥都はよく思っていないのだろう。あの冷静な遥都でさえもキレているのだから。
だが、それ以上に気になったのは、会話の中で唐突に出てきた私の名前……。一体、どういうこと……?その後、何秒か沈黙があった後、遥都はさらに続けた。
「別にお前が俺と同じ高校になって、しかも同じクラスで、更には同じ班で……。夏休みの課題の大学調べをお前とやらなきゃいけないって言うのはどうだっていい。それのお前の配分をお前がきちんとやってこなかったのもどうだっていい。それで、更には去年の先輩からコピペしてきたってのもどうだっていい。問題なのは……、お前が、この場で湊さんのことを出して、来たことなんだよ!!あの時、約束したよな……!!??このことは有耶無耶にするって。お前がなんでこんなことを言ったかは知らねぇが、こんな風にノリとかで済まされねぇ話なんだよ!!」
さらに熱の篭った声が放たれる。なんのことを言っているのか……、私は薄々気づいてしまった。あの時のことだ……。私がちゃんと話したかった、あの事件のこと……。
「もし、それで、あいつに本当のことを知られたら……?二度とあいつは戻ってこなくなる。もし、そうなったとしたら……、俺はお前を今度は本気で潰しにいくぞ……?」
"本当のこと"……?あの事件は、遥都と何人かが口喧嘩して終わった……、と聞いてはいる。
………………あれ?ならどうして遥都とその後、数名は休んだ?たかが、小学生の口喧嘩でトラブル解決に先生があんなに動いていた?時間も三限分が自習になった?今考えると明らかに不自然な点が……。
「最後にこれだけは言っとく。もう、これ以上、あのことは口に出すな。お前もあいつに関わるな。それでボロが出たら堪らないからな。もちろん、俺もあいつとはできるだけ関わらねぇ。あぁ、そういう事だ。じゃあな」
え……?『俺も関わらねぇ』って……?それって、つまり、私と……?闇夜の中、私は頭の中で考えをひたすら巡らそうとするが、ひとつにまとめることは出来なかった。そんな私は不自然な点に気づいた上でその言葉を聞いてしまった。それは私の決意をへし折るには充分すぎた。
「友、友希那……?」
「…………」
遥都がもたれかかっていた壁から背中を離し、歩き出す。10メートルもない所に遥都が歩いているのに声も出ない。それどころか身体が怖がって動こうとしない。
「ねぇ、友希那ってば!!」
「…………るわ」
「えっ!?ほら、早く行かないと、遥都帰っちゃうよ!?」
「帰るっていってるの!!」
「え……?」
私は走った。遥都が歩いていく方とは別の方に、目的はない、ただガムシャラに……。せっかくついてきてくれたリサすらも置いて。何も考えたくなかった。私は逃げた。数年ぶりに遥都に正面から話す機会を自ら逃げたのだ。
そこからリサとも話さずに帰宅。私はすぐに自分の部屋に戻りベッドに仰向けになる。いつもと同じ真っ白な天井に何も聞こえない静かな部屋。なのに、それが今日は腹立たしく感じる。
「…………っ!!」
頭の中で遥都の言葉が蘇り、再生される。おかしい……!!そんなことはない……!別に遥都のことを嫌ってはいないし、むしろ男子の中では喋る機会があっただけはあって、話せるとは思っている。いわゆる、遥都は私の中では異質な男子だった。みんながやりたがらない、あの時も私のペアの委員を快くかは知らないけど、やってくれたのも遥都だ。そんな遥都から言われたさっきの一言、それがあまりにも衝撃的過ぎたのだ。
苛立ちか悔しさか、私の中で感情が混ざりぐちゃぐちゃになる。身体を返し、枕に顔をつけた。自然と涙が溢れ、想いも溢れ出る。
「……たし……、きら……てる……?わた……、なに……した?」
誰にも聞こえない、私の叫びは枕の中に消える。誰かに助けを求めたって誰も来てくれないのはもう知っている。だから、私はもう自分だけで……!!けど、今だけは……、遥都と話し、自分の心の鎖をとって欲しかった。
〜♪♪
そんな私の部屋に無機質な音が鳴る。携帯……、メッセージかしら……?
『ゆ〜きな!ちょっと、話さない?』
リサからだった。けど、今はそんな余裕は……!!だが、私の気持ちとは裏腹にまた携帯がなる。
『は〜い、玄関から入るね〜』
何を考えて……!!?もうそう思った時には遅かった。私の部屋の扉が開き、リサが立っていた。
「ちょっと話そ?」
「…………そこ、座ってて。お茶を入れてくるわ」
*** ***
薬局の帰り、俺は明日の昼飯用の三平ちゃん焼きそばを買いにコンビニによっていた。薬局で買えばよかったのだが……、完全に忘れていたのだ。
コンビニでお目当ての商品を買い、店を出る。すると携帯に着信がはいる。相手は……、高校でも中学でも同級生だが、そこまで仲良くはないあいつからだ。あぁ、先に言っておくと、前に宿題を見せろと言ってきやがった知夏良とは全く別の人物だ。
内容は夏休みのグループ課題について、それ自体はどうでもよかった。だが、あいつがいつもの冗談で言ったらしい、あのことが癇に障った。少なくとも俺はあのことは冗談でもシャレにならないと思っているから。
俺は大きな苛立ちを抱えながら電話を切った。舌打ちをして、その場を離れる。そんな俺の怒りと呼応するように……
「……って……て……るの!!」
どこからか聞こえるその女の子の叫び声。内容は聞き取れはしなかったが、別に助けに行こうとかそんなどこかヒーローっぽいことはしようとは、気分的にも思わない。でも、聞き覚えがあるような……。まぁ、気のせいか……?
俺はそう思いその場を後にして帰路についた。
「伊月くん、君さ、今更だけど頭いいの?」
「どーなんでしょ?あんまり自分で言うのはアレかとは思うんですけど、都内ではそこそこの進学実績を誇るところですからね……」
「ほぉ〜、大学はどこか考えてる?」
「いえ、今のところ、まだ……。進路ぐらいしか決めてないですね」
「何学部?」
「薬学とか、面白そうじゃないですか?」
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