【完結】The elder scrolls V’ skyrim ハウリングソウル 作:cadet
サエリングズ・ウォッチは、スコール村の北西に存在する古代ノルドの遺跡である。
海に面した断崖絶壁に建てられたこの遺跡は、北からの荒々しい風に数千年間晒されながらも、その原型のいくらかを保っている。
普段は叩き付けるような風の音と、荒れる波音しか響かないはずの遺跡では、所々にたいまつと思われる明かりが灯り、幾つもの人影が外敵を警戒するように彼方此方を行き交っている。
フリアの案内でサエリングズ・ウォッチに到着した健人は、岩の影から遺跡の様子を観察していた。
「あれ、どう思う?」
「どう見ても、ミラーク教団でしょうね。しかも、何体かドラウグルの姿もあるわ。どちらも、ミラークの尖兵と考えるべきでしょうね」
「やっぱりか……」
予想していたとはいえ、またミラーク教団と闘わなければならない事態に、健人は頭を抱えた。
しかし、この厳重な警備は、同時にこの遺跡がミラークにとっては重要な場所であることを証明しているともいえる。
地上に復活するための要所である、大地の岩等の地脈の穴以外の場所に、人員を割いていることを考えれば、ストルンの言っていた通り、ここにミラークの力の秘密の一端がある可能性は高まったといえるだろう。
「問題は、どうやってあいつらを排除するかだけど……」
「数が多すぎるわね。参ったわ……」
サエリングズ・ウォッチにいると思われるミラーク教団の人数は、十人前後。さらに同数ほどのドラウグルが徘徊している。
普通、ドラウグルは自らが眠る遺跡に侵入する存在を許しはしないが、双方が敵対することなく周囲を巡回しているところを見ると、おそらくはどちらもミラークに命じられて、この場を守っていることが推察できた。
サエリングズ・ウォッチの外観は崩壊した外壁と最上部に祭壇と思われるものが設えてあるだけであり、内部に入れるような目ぼしい出入り口は存在しない。
周囲を巡回している信者たちは何も持っていないが、ドラウグル達は剣や斧、メイス、戦槌などで武装している。
敵の配置としては遺跡上部には信者が多く、下部にドラウグルが集中しており、おそらくは信者が魔法等での遠距離攻撃を担当、ドラウグルが近接戦闘及び壁役の担当なのだろう。
遠くから遺跡の外観を観察していた健人が、遺跡最上部で指揮をしていると思われる人物の姿をとらえた。
他の信者と違い、より大きな仮面と手に何らかの杖を持っている信者が、手を振りながら声を張り上げているように見えた。
風の音が強すぎて健人にはどんな指示をしているのか分からなかったが、一目見て、この場で最も上位の権限を有している人物と察せられた。
「あれは……。この場所の守護を任されている指揮官か?」
「おそらく、そうでしょうね」
健人の考えに、フリアが同意する。
とりあえず状況は理解した健人達は、どうやってこの遺跡に侵入するかを考え始める。
崖を背にした遺跡周囲に、身を隠せるような物影は少ない。
正面から近づけば、間違いなく見つかるだろう。
おまけに、相手の数は三十人近く。どう考えても多勢に無勢である。
だとすれば、奇襲しかない。
健人は自分達の手札と相手の数や脅威度などを念頭に入れながら、思考を加速させる。
「…………」
「ケント、何を考えているの?」
「なあ、この崖を伝っていけば、上まで行けるよな?」
健人は遺跡の背後にある崖を眺めながら、そんな言葉を呟いた。
サエリングズ・ウォッチは確かに険しい山肌に沿う形で建てられている為、崖を伝っていけば遺跡最上部に行ける。
ただし、海から常時吹いている強風に煽られたら、滑落する危険がある。
「行けるけど、本気? 落ちたらタダじゃすまないわよ」
「分かっている。でも、正面からじゃ確実に見つかる以上、これしかないよ。それに、最初から峰を伝っていくわけじゃない。反対の斜面は比較的なだらかだ。それから、ちょっと教えてほしい事があるんだけど」
「なに?」
「君が使っている変性魔法って、自分にしか使えないの?」
「……え? ええ、基本的に自分の鎧に別の鎧を重ね着するような魔法だから……」
「なら、教えてくれ。魔法自体のイメージは大体出来ているから、呪文や術式を教えてくれれば使えると思うから」
健人の言葉に、いよいよフリアの表情が険しくなってくる。
魔法は術式を学んだからと言って、簡単に習得できるようなものではない。
フリア自身も父であるストルンから魔法を学んだ身ではあるからこそ、魔法の習得の難しさは理解している。
にもかかわらず、健人は呪文を教えてくれれば使えるだろうと断言した。
この短い間にも、フリアは何となく、健人の人となりを理解している。
確信の持てないことについては、断言しないタイプの人間だ。大言を吐くような人物でもない。
だからこそ、作戦を考えている健人の思惑が理解しきれず、フリアは当惑してしまう。
「えっと……。何考えているの?」
「奇襲する方法」
ついでに言えば、フリアはなんとなく、背筋が寒くなるような嫌な予感が鎌首をもたげている気もしていた。
「……どういうこと?」
「ちょっと考えがあって……。とりあえずフリア、その斧でちょっと木こりをしてきてくれ」
「……え?」
フリアの腰の斧を指さしながら、伐採作業を催促してくる健人。
思いもしなかった健人の言葉に、フリアは思わず呆けた声を漏らした。
東の空から昇る朝日に、サエリングズ・ウォッチの防衛指揮官は深く息を吐いた。
彼はミラーク教団の長であり、主であるミラークの命令で、この重要な遺跡の防備を行っていた。
教団長はミラークが最初に支配したダークエルフであり、この時代、最もミラークの力をその身に受けた定命の者だ。
彼はレッドマウンテンの噴火で故郷を追われ、スカイリムではノルド達に蔑まれ、最終的にこのソルスセイムにたどり着いた。
しかし、この島のレイブン・ロックも収入源だった鉱山が枯渇し、生活に困窮した彼は、盗賊に身を窶すしかなくなっていた。
盗賊として生きてきた生活は一寸先が分からない、新月の闇夜を歩くようなもので、常に不安を抱えていた。
しかし、ミラークの“祝福”を受けてから、彼の心は不満も不安も感じなくなった。
当然、彼が受けたのは“祝福”ではなく“服従”のシャウトである。
不安と不満で疲弊した心は、容易くミラークの術の虜となった。
新生ミラーク教団最初の信徒になった彼は、ミラークの力に心酔した同胞たちを集めて、ミラークの聖堂を占拠。
手始めに樹の岩をその手中に収め、ミラークのスゥームがソルスセイム中に響くように、工作をしていた。
本来であるなら、教団長は聖堂内で指揮を執るのだが、偶々自分が島中の岩を視察に訪れている間に、侵入者が聖堂に入り込み、留守を守っていた仲間が全滅。
主の秘宝すら持ち去られてしまい、何とか聖堂内を立て直そうとした時、樹の岩から聞こえた主の声により、この遺跡を守れという命が下った。
その為、残った配下を連れてサエリングズ・ウォッチにやってきたというわけだ。
吹きすさぶ強風が、教団長のローブをはためかせる。
ひり付くような極寒の風も気にならないくらい、教団長はこの使命に意気込んでいた。
「必ずや、同胞の仇に鉄槌を! 救世主ミラークの復活のために!」
彼としては、聖堂内が侵入者によって汚されたのは、最大の汚点だ。
気炎を吐きながら、教団長は眼下にいる己の配下たちを見下ろす。
教団長は、ミラークを救世主だと信じて疑わない。
スゥームによって支配されている彼を、奴隷と見るような者もいるだろう。
だが、骨の髄まで支配されているこの教団長には、外聞等どうでもいい事だった。
この世界で生を受けてから、常に感じていた不安から解放されたのだ。大事なのは、その一点のみ。
不安や絶望に苛まれた人間が、容易く詐欺師の手にかかるのと同じだ。
彼らは自分が救われるのならば、たとえそれが悪鬼羅刹の類や、ドラゴンのような獣であろうと構わないのだ。
たとえそれが自らを奴隷に陥れるものなのだとしても、目先の不安が無くなるのならばそれでいい。
すべてはミラークのために。そして、彼が作る理想郷と、そこで生を謳歌できるであろう己のために。
道具となり果て、支配を受け入れた奴隷に相応しい視野の狭さ。
萎縮し、硬直しきった心は、自らの行いが如何に人道に外れ、周囲に害悪をまき散らすかを考えることが出来ない。
そして、妄想に縛られるがゆえに、彼は背後に忍び寄る危険に気付くのが遅れた。
教団長の背後から、パラパラと石が転がり落ちる音が聞こえてきた。
背後の断崖に目を向けると、小さな石が幾つも崖から転がり落ちている。
いったい何事かと視線を上に向けた瞬間、背後にそびえる崖の上から、空中に飛び出す二つの影があった。
初めは鷹か海鳥でも飛んでいるのかと思った教団長だったが、急激に大きくなっていく影を目で確認したところで、影の正体に気付き、驚きの声を上げた。
「なっ!?」
飛び降りてきたのは、なんと健人とフリア。
二人はパラシュートなども使わず、サエリングズ・ウォッチの背後にある崖の上から飛び降りるという方法で、奇襲を仕掛けてきたのだ。
どう考えても落下死するとしか思えない行動。
だがよく見ると、健人とフリアの胴体にはロープが巻かれており、崖の頂上に通して、崖の反対方向に延びている。
ロープの先は二股に分かれ、先はフリアに頑張ってもらって斬り倒した大木の端に延びている。
これは、雪と横向きに並べた木と雪の抵抗で、崖から飛び降りた際の落下速度を抑えるための装置だ。
パラシュートなどの布が大量に必要なものなど作っている暇がなかった健人が、別の方法で落下速度を調整できないかと考えて作った代物である。
もちろん、降下装置の細かな調整など出来ない為、ぶっつけ本番である。
「貴様は!」
「ふっ!」
「ぐ、があ……」
教団長が迎撃の態勢を整える前に、健人が落下の勢いそのままにブレイズソードを教団長の胸めがけて突き刺す。
続いて襲い掛かってきた強烈な衝撃と共に地面に押し倒され、教団長の意識は一瞬で落ち、その命を散らした。
「フリア!」
「ええ、任せて!」
教団長の隣に控えていた信者はフリアが圧し掛かり、斧を振り下ろして頭蓋を割っている。
「あなたってホント変なこと考えるわね! おかげで死にかけたわ!」
「無事だったんだからいいだろ! それより次」
異常に気付いた他の信者が、血相を変えて祭壇に駆け上って来る。
遺跡最上部の教団長とその副官を瞬く間に殲滅した健人とフリアは、腰に結えていたロープの端を勢い良く引く。
すると、2人の胴体の鎧にまき付いていたロープが、はらりと解けて地面に落ちた。
「き、貴様ら!」
「邪魔!」
「がああ!」
自分を縛っていたロープの束縛から素早く自由になった二人は、掛け上ってきた信者たちを次々と屠っていく。
今、健人達はサエリングズ・ウォッチ最上部の祭壇に陣取っており、この祭壇に向かうには、狭い通路と階段を登らなくてはならない。
必然的に、祭壇の入口では、二対一の状況が作られることになる。
祭壇の入口では自分達が不利だと気付いた信者たちは、一端下がろうとするが、背後から別の信者やドラウグル達が詰め寄って来る為、下がることもできない。
そして、動きの鈍った信者たちから、健人と刃とフリアの斧の餌食になっていく。
健人の作戦は、崖の上から飛び降りて、相手の指揮官を一撃で屠るというシンプルなもの。
もっとも、強風吹き荒れるサエリングズ・ウォッチの崖の上から奇襲を掛けるなど、普通に考えても正気の沙汰ではない。
とはいえ、健人自身は可能であり、かつ有効だと思ったから、この作戦を実行した。
この作戦のミソは主に二つ。
一つめは、自分達が安全に遺跡最上部の祭壇に降りる為の、落下速度を軽減する降下装置と安全措置。
降下装置は作戦決行前にフリアの斧で木を切り倒し、それを素材に丸太とロープを用意して作った。
積った雪との摩擦で速度を抑えるもので、地球でも似たような装置は、氷河を歩く冒険家が、クレバスに落ちた仲間を助ける際に用いている。
また、安全措置として、2人はフレッシュ系の変性魔法で魔力の鎧を纏い、不意の衝撃や激突に備えている。
健人はフレッシュ系の変性魔法を覚えていないため、最も簡単な魔法の呪文をフリアから教えてもらい、修得した。
これは減速によってロープが体に食い込んだり、崖の所々に突出した岩などとの激突による怪我を最小限に抑えるためのものだ。
手製の降下装置をぶっつけ本番で使うのだ。このくらいの安全措置がないととてもじゃないが、この作戦は実行できない。
二つめは時間。
日出直後に奇襲を仕掛けることで、昇る太陽に敵の目を向け、崖の上に意識が向かないようにした。
また、サエリングズ・ウォッチは北東方向に開けており、ちょうど健人達が奇襲しようと思っていた崖は、遺跡を挟んで反対方向であったことも幸運だった。
「まったくもう! 信じられないわ! 落下コースがあと体一つ逸れていたら、私は岩にぶつかってミンチだったのよ!」
「その為の変性魔法だろうが! それに、無事だったんだからいいだろ! そんなことより手を動かせよ!」
「動かしているわよ! ついでに口も動かしているだけ!」
あと一つ問題があるとすれば、この滅茶苦茶な奇襲作戦を一緒に実行する事になったフリアだろうか。
厳しい雪原で生きてきた彼女にとって、クレバスや崖への落下や滑落は、最も危険な状況の1つだ。
少なくとも、自分からそんな状況になろうとは思わないくらい、恐怖心や警戒心が身に染みついている。
一方の健人は、知識としては知っているし、崖から飛び降りるのは彼としても恐怖を禁じ得ないものだったが、健人自身、その辺りの恐怖心は押し殺せるようになっているし、勝つためには割と無茶をする傾向がある。
この辺りはモヴァルスとの戦いで熟成されたものだが、そんな彼が実行したこの作戦は、雪原の民としてのフリアの恐怖心をこれ以上ないほど刺激していた。
具体的には、下半身が少し緩くなって、洪水になりかける一歩手前位まで、フリアは追い詰められていた。
「そもそも、何でそんなに直ぐに魔法が使えるようになるのよ! 私だって父さんから小さい頃から習ってやっと出来るようになったのに!」
「いや、そんなこと言われても……」
そんな目に遭ったものだから、捲し立てる彼女の口が止まるわけもなく、さらに興奮を募らせたフリアの言葉は、健人に対する愚痴に変わってくる。
ちなみに、健人が今回フリアから学んだ変性魔法は、素人クラスの“オークフレッシュ”である。
フリアが使用している精鋭クラスの変性魔法である“エボニーフレッシュ”とは性能面や修得難易度で段違いの差があるのだが、今のフリアには関係ない様子だった。
いくら健人でも、精鋭クラスの魔法ともなれば、容易に習得などできない。
おそらく、彼女自身も魔法の習得に相当苦労したのだろう。
健人持ち前の魔法習得速度の早さが、フリアの激情に油を注ぐ形になっている。
「バカバカ! ケントのバカ!」
ついには会話の体を成さないレベルにまで劣化したフリア。
耳元でがなり立てられる健人は辟易した様子で、上がってくる信者たちを片づけている。
そうこうしている内に、敵の数はドンドン減っていく。
「だから、そんなこと言っている場合かよ。それよりも、駆け下りて遺跡の中腹へ!」
「分かっているわよ!」
敵を倒し切る前に、信者たちの後退が完了しつつある。
健人達は後退しようとする信者達を追撃する為に、階段を駆け降りる。
祭壇から降りる階段は遺跡の壁の内側に設けられている為、後退を完了した信者たちの魔法は届かない。
一方的な状況で、どんどん敵の数を減らしていく健人とフリア。
しかし、十人ほど倒したところで、ドラウグルが前線に姿を現した。
「フリア、もう一度上に!」
「ええ!」
健人とフリアは一端階段を上り、再び階段の上で昇って来るドラウグル達を迎撃する。
ただ、幾人か信者を逃がしてしまったことと、射線を遮る壁がない事で、祭壇近くにいる二人に向かって、下から魔法が撃ち込まれるようになってしまった。
「ちっ、信者達を倒し切れなかったのが痛い」
「それでも数は少ないし、威力もたかが知れているわ。崖から飛び降りさせられるよりはマシよ!」
「……結構根に持つタイプなんだな」
「何か言った!」
「いや、何にも……」
また愚痴の吹雪に見舞われたらたまらない。
健人は“沈黙は金”とばかりに口をつぐみ、只管に目の前の戦いに集中する。
ドラウグル達の数は多いが、デス・オーバーロードのような規格外の強者は存在しなかったため、次々と健人達に討ち取られていく。
おまけに、下の信者たちもそうそう簡単に当たらないことに気づいてきたのか、撃ち込まれる魔法も散発的に、かつ、少なくなっていった。
これなら問題なく勝てる。
そんな予想が健人とフリアの脳裏に浮かんだその時、遠くの空から、嘶きの様な叫びが響いてきた。
鷹ともフクロウとも違う、低く全身に響くような声に、フリアだけでなく、その場にいたミラーク教団の信者や、死体であるドラウグル達ですら動きを止めていた。
熱を帯びていたはずの戦場に、一瞬だけぬるま湯のような静寂が停滞する。
「ん、なに? この声……」
「まさか……」
立て続けに響いてくる声。
徐々に徐々に近づいてくる嘶きに、停滞の中で戸惑っていたフリアや信者、ドラウグル達の緊張が増す。
一方、その咆哮にこれ以上ないほど既知感を抱いていた健人は、顔を青くして、声が響く空を見上げている。
そして、空に厚く浮かぶ雲海を引き裂きながら、咆哮を響かせていた元凶が姿を現した。
「やっぱりドラゴンかよ!」
現れたのは、サーロクニルによく似た白いフロストドラゴン。
純白の翼を広げて雲海を切り裂きながら、一直線に健人たちがいる遺跡めがけて降下してくる。
「くそ! そういえばゲルディスさんが、島の北側でドラゴンの目撃情報があるって言ってたっけ!」
降下してきたドラゴンは健人達とドラウグル、そしてミラーク教団信者の直上を通過し、緩やかに旋回を繰り返しながら、サエリングズ・ウォッチを見下ろしている。
「あれが、ドラゴン……」
初めて見るドラゴンの姿に、フリアが驚嘆の声を漏らしている。
ミラーク教団の信者たちも、突然現れた空を飛ぶ超常の生物に、茫然とした様子で空を見上げている。
“バハ、フェント。忌まわしき裏切り者の痕跡がまだ残っていたか”
しばらく上空を旋回していたドラゴンが、突然急降下してきた。
明らかに攻撃行動と見える動作に、健人を含めたその場にいるすべての人間に緊張感が走った。
健人の無茶ぶりに振り回されるフリア。
崖からの奇襲は、ゲームでも皆さんも一度はやったことがあるのではないでしょうか?
もっとも、霊体化が使えないので、下手をしたら落下死確実。フリアの憤りも当然といえます。
そんな作戦を実行する当たり、健人もいい具合に染まってきたと言えるでしょう。作者の悪ノリともいいますが……。
そして、サエリングズ・ウォッチ名物のドラゴンさんの来襲と、三つ巴の様相を呈してきました。
次のお話は明日投稿予定です。