【完結】The elder scrolls V’ skyrim ハウリングソウル   作:cadet

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今回は大地の岩での攻防戦となります。


第二話 ミラークの先兵

 大地の岩から出てきた異形の巨人、ルーカー。

 主であるミラークの敵を目の当たりにした彼は、一直線に健人とフリアにめがけて突進し、先ほどと同じように腕を振り上げて一閃した。

 ケントとフリアは息を合わせたように同時に踏み込むと、素早く両脇に広がって振り下ろされた爪を避ける。

 

「ふっ!」

 

「せい!」

 

 振り下ろされた爪を避けると同時に、二人は手に持っていた得物を一閃。

しかし、すり抜け様に薙ぎ払った二人の斬撃は、ジャリン! という耳障りな音とともに、鎧のような鱗に阻まれた。

 

「ち、硬いな!」

 

「はあああ!」

 

 外見が魚じみているだけあり、ルーカーの皮膚は分厚い鱗に覆われている。

 予想以上に固い相手の鱗に、つい健人の口から悪態が漏れた。

 一方、健人と共に背後に回ったフリアはルーカーの背に再び斧を振り下ろすが、やはり再び硬質な音とともに刃が弾かれる。

 フリアの膂力をもってしても、この巨人が纏う鎧を突破することは難しいようだ。

 

「グル……」

 

 背後に回られたルーカーは、振り向きざまに健人とフリアを纏めて薙ぎ払おうと腕を振り回す。

 鋭い爪を持つルーカーの拳が、健人の眼前に迫る。

 健人は眼前に迫るルーカーの手の平を、軽く身を反らして躱した。

 轟音が健人の耳に響き、頬を勢いよく風が駆け抜ける。

 その巨大な体躯に相応しい腕力で振り回された腕は、並の人間が振るう大槌を遥かにしのぐ威力を秘めている。

 軽く掠っただけでも並みの鎧を弾き飛ばし、肉を割いて骨を砕くほどの膂力だ。

 しかし、ルーカーと対峙する健人の顔に、焦りや緊張といった様子はまるで見られない。

 

(振り向きざまに薙いだ右腕を返し、そのまま左腕を袈裟懸けに振るい、最後に両手を上から叩きつける……単純な動きだな)

 

 理由は単純明快。

 ルーカーの動作は、その膂力に反して、あまりにも稚拙だったからだ。

 地面に叩きつけられたルーカーの両腕が巻き上げた土砂を後ろに退いて避けながら、健人はそう独白した。

 ズドン! と地面が揺れたのではと思える轟音が響くが、健人は冷静に、土砂を突き破って突進してきたルーカーを見据えている。

 健人めがけて突っ込んできたルーカーは両腕を広げ、覆いかぶさるように圧し掛かろうとしてくる。

 

「正面から斬って通せないなら、薄いところだな」

 

 掴みかかってくるルーカーを前に、健人は両足に力を籠める。

 流れるような滑らかな、しかしながら力強い踏み込みで前進。

突進してきたルーカーの脇をすり抜けながら、黒檀の片手剣を再び一閃させた。

 狙いは今しがた振り上げられたルーカーの上腕の内側。

 ルーカーの前腕には小手を思わせる分厚い鱗が多いっているが、上腕はむき出しの皮膚が露出している。

 自身と相手の速度を上乗せされた健人の斬撃は正確にルーカーの右上腕部に滑り込み、その肉を深々と切り裂いた。

 

「グルオオオオオ!」

 

 肉を裂かれたルーカーが苦悶の悲鳴を上げた。

 さらにフリアが追撃とばかりに、ルーカーの脇腹に片手斧を叩き込んだ。

 体格に恵まれたスコールの民の膂力が、衝撃と激痛を伴ってルーカーの体に食い込む。

 しかし、相手はそもそも人間とは比較にならない生命力を持つデイドラ。

 叩き込まれた痛みに屈することなく、むしろ怒りを滾らせて、先ほど以上に暴れ始める。

 嵐のように振り回されるルーカーの両腕が、ミラークの祠を作るために積み上げられた石材を打ち壊し、砕けた破片が宙に舞う。

 健人とフリアは再び後退。ルーカーの間合いの外へと逃れた。

 

「怒らせちゃったわね!」

 

「あいつからしたら、仕事の邪魔された上に怪我まで受けた訳だからな。当然だ!」

 

「知ったことじゃないわ。さっさと始末して、全創造主の御下に送ってやるわ!」

 

「相変わらず恐ろしいことで……」

 

 スコールからすれば、自分達の土地を汚した張本人に仕える下っ端などにくれてやる慈悲などないのだろう。

 とはいえ、ノルドの親戚筋らしい相方の苛烈な檄に、健人は思わず心の内が漏れるのを禁じえなかった。

 フリアが血に濡れた片手斧を構え、戦意を溢れさせている中、突然ルーカーがその身を仰け反らせると、深海魚のリュウグウノツカイを思わせる顎を開いた。

 

「ゴロロロロロ!」

 

「っ、毒が来るわ! ケント、避けて!」

 

「うわ!?」

 

 濃緑色の毒々しい液体が、ルーカーの口から放たれ、健人に襲い掛かる。

 健人は咄嗟にその場を飛びのいて毒液を躱す。

 地面にぶちまけられた毒液は鼻につく刺激臭を周囲にばらまきながら、ジュウジュウと耳障りな音を立てて地面を変色させていく。

 全身に被ったら、目も当てられない状態になること間違いない光景だった。

 どうやらこのルーカーは、巨人に匹敵する膂力だけではなく、致死レベルの毒すら持ち合わせているらしい。

 

「汚いものをまき散らすんじゃないわよ!」

 

 ルーカーが毒持ちであることをあらかじめ知っていたフリアは、怯むことなく激高しているルーカーに躍りかかる。

 踏み込んだフリアに合わせて、健人も遅れずに前に出る。

 再び交差する二人と一体。

 ルーカーは相変わらず膂力にものを言わせた力押しを敢行。

 健人とフリアは大ぶりの攻撃の隙間を狙って刃をねじ込もうとするが、そうはさせじと、ルーカーは毒液を吐いて牽制する。

 先ほどの豪風のような腕撃と相まってまき散らされる毒液に、健人は辟易とした声を漏らした。

 

「酔った船乗りと同じくらいタチ悪いな! ノーザンメイデン号の皆といい勝負だ!」

 

 健人の脳裏に蘇っていたのは、ソルスセイム島に来るまでに船員として乗っていた船の仲間達。

 仕事が終われば水の代わりに酒を飲み、健人に料理の催促をして、そして酔いつぶれていく海の男達だ。

 気性の荒い船員達の中には酒癖が悪い奴もいて、酔うと奇声を上げて喧嘩を始める者もいた。

 そしてそんな悪酔いした連中は、大概暴れた後には全員トイレの世話になるが、中には間に合わなかった奴らもいる。

 そんな中でまき散らされた汚物を処理するのは、一番下っ端だった健人の役目であった。

 大声を上げる、暴れる、吐くの三拍子。見事に健人の目の前のデイドラに一致していた。

 逆に、これほど強大な異形を前にしても余裕を持っていられるほどの成長を、健人はしていたともいえる。

 さらに、今の健人にはフリアの存在がある。

 彼女の動きに合わせるように立ち回る健人は、ルーカーの猛攻をものともせずに、左右から二人がかりで、鱗で守り切れない細部に攻撃を重ねはじめた。

 息を合わせた二人の攻勢を前に、ルーカーは瞬く間にその身に追う傷の数を増やしていく。

 戦場の様相は、明らかに健人とフリアに傾いていた。

 翻弄されているルーカーは、二人の体を捉えることができていない。

 しかし、この状況の脇から横やりをかけてくる者たちがいた。

 

「グオオオオオオ!」

 

 耳を震わせる咆哮が、大地の岩の海岸に響く。

 声のした方に健人たちが視線を向けると、今相対している異形と同じ姿の巨人が、海から現れてきていた。

 

「っ! ルーカーがもう一体だと!?」

 

「ただのルーカーじゃない、ルーカー・センチネルよ!」

 

 ルーカー・センチネル。

 その名の通り、ルーカーの歩哨であり、上位種である。

 どうやらミラークは、きちんと保険も用意していたらしい。

 

「フリア、こいつは頼む! 俺はあっちのルーカーをやる!」

 

「ちょっとケント!?」

 

 上位種の登場に、即座に健人が迎撃に動いた。

 巨人クラスの大型相手に挟まれることを避けるためだ。

 ルーカー・センチネルが自分の間合いに入ってきた健人めがけて右腕の爪を振り下ろした。

 健人は即座に、体幹を横に流しながら振り下ろされた爪を躱し、すり抜けざまに脇腹を切り裂こうとする。

 しかし、健人の斬撃は、ルーカー・センチネルが差し込んだ左腕の鱗に弾かれた。

 さらにルーカー・センチネルは健人の剣を弾いた左腕で、彼の体を押しのけると、返す刀で右腕を薙いできた。

 

「くっ! 上位種だけあって動きに無駄がない!」

 

 薙ぎ払われたルーカー・センチネルの腕。

健人は上体に迫る爪を、腰を落として避けながら独白した。

 上位種だけあり、このデイドラは戦いの駆け引きというものを理解している様子だった。

 相手が体格の劣る人間であろうと侮るようなことなしない。

 冷静に、無駄なく己の主の外敵を排除しようとしてくる。

 しかし、健人も負けてはいない。

 虚を突くような緩急を混ぜたルーカー・センチネルの攻勢を、的確に回避していく。

 だが、そんな健人は突然、横合いから襲ってきた衝撃波に吹き飛ばされた。

 

「くっ! 今度はなんだ!?」

 

 砂の地面を転がりながらも受け身を取って立ち上がった健人の瞳には、先ほどルーカー・センチネルが上がってきた海岸から、別の異形達が姿を現すのが見えていた。

 

「あいつらは、アポクリファにいた……」

 

「シーカーまでいたなんて……マズいわね」

 

 現れたのは、ルーカーと同じくアポクリファに住む異形であるシーカー達だった。

 元は知識を求めてアポクリファに入り込んだ人間と言われている異形達は、その身に纏う魔道の力を再び引き出し、不可視の力場を己の周りに作り、健人達にめがけて撃ちだし始めた。

 足を止められては不味いと察した健人とフリアは跳び退いて衝撃波を躱すが、同時にこれは健人達の趨勢が一気に不利に傾いたことを意味する。

 ルーカーたちの膂力に加えて、シーカー達による魔法の横やりが入ってくるのだ。

 だがその時、緊迫した戦場に、健人達でも異形達でもない声が響いた。

 

「総員突撃! レイブン・ロックの街を、悪しきデイドラの手先から守るのだ!」

 

 同時に、無数の矢が宙を舞い、シーカーめがけて殺到する。

 シーカー達は襲ってきた無数の矢を準備していた魔法で吹き飛ばしたが、同時に先程の声に導かれたかのように、鬨の声が大地の岩の海岸に響き始める。

 健人とシーカー達が声の聞こえてきた街の方へと視線を向けると、黄土色の鎧を纏った兵士達が、勢いよくなだれ込んで来ていた。

 

「あれは……レイブン・ロックの衛兵達!?」

 

「ヴェレス隊長!」

 

 健人とデイドラたちの戦場に現れたのは、この街を守るレドランの衛兵達だった。

 先頭に立つのは、彼らを纏めるモディン・ヴェレスである。

 おそらくは、避難したエイドリルが呼んだのだろう。

 健人の服従のシャウトによって暗示から解かれたヴェレス隊長は、この街を守るため、同じ鎧を纏った部下たちを纏め、事の元凶であるこの大地の岩へと駆けつけてきたのだ。

 

「いくぞ! この化け物をオブリビオンに叩き返すのだ!」

 

 レドランの衛兵達は、手負いのルーカー、そして魔法で健人たちを苦しめていたシーカー達へ向かって一斉に襲い掛かる。

 自分達が狙われていることに気づいたシーカー達は、即座に狙いをレドランの衛兵たちに切り替えたが、衛兵達もまた、魔法に長けたダークエルフ。

 シーカーの衝撃魔法を魔力の盾で弾き飛ばしながら、一気に間合いを詰めて斬りかかった。

 元々後衛であり、接近戦は不得手としているシーカー達は、瞬く間にその数を減らしていく。

 手負いのルーカーの方も、フリア一人持て余していたのに、レドランの精兵が参戦してきたことで、あっという間に追い詰められていた。

 味方の不利を悟ったルーカー・センチネルが、シーカー達の救援に行こうと駆け出す。

 

「行かせないぞ!」

 

 しかし、その前に健人が立ちはだかる。

 

「グオオオオ!」

 

「ふっ!」

 

 邪魔者を排除しようと袈裟懸けに振り下ろされたルーカー・センチネルの爪に合わせて、健人は黒檀の片手剣を薙ぎ払う。

 激烈な負荷が健人の両腕にかかるが、健人は地面を踏みしめた両足と体幹を総動員して、圧し掛かる力を受け流す。

 この異形の巨人を、シーカー達の救援に向かわせるわけにはいかない。

 その為には、今まで回避に徹していた健人は戦術を一転し、足を止めて打ち合わなければならない。

 健人とルーカー・センチネルとの膂力の差は絶大だ。一撃二撃ならともかく、数十も攻撃を繰り出されたら、健人もどこまで捌き切れるか分からない。

 おまけにこのルーカーは、戦う上での駆け引きも理解している。相応の牽制も混ぜてくるなら、捌くのはさらに困難になるだろう。

 

「グオオオオオ!」

 

「ふっ!」

 

 しかし、健人は弾ける牽制の攻撃だけを的確に捌き、防ぎ切れない強力な腕撃のみを回避することで、その足止めを成していた。

 ルーカーは巨人に匹敵する膂力を持つだけに、一般人はおろか、複数の兵士でも対処が難しい化け物だ。

 並の防具でその膂力を受け止めることは難しいし、数に任せて押し切ろうとしても、下手をすれば隊列ごと吹きとばされて潰される。

 抑えられるかはともかくとして、どんな精兵だろうと、頬を掠める死の豪風に本能的な恐怖を刺激されることは避けられない。

 さらにルーカー・センチネルは健人と接近戦を演じながら、ルーカーと同じように毒液まで吐き掛けてくる。

 しかし、健人には轟音を立てて迫りくる剛力や致死の毒液を前にしても、動揺は一切ない。

 不意打ちで吐き出された毒液をしゃがんで回避し、お返しとばかりに巨人の太ももに剣を叩きつける。

 

(体が軽い。まるで鳥になったみたいだ)

 

 健人はこの戦いの中で、己の内の中の熱がさらに高まっていくのを感じていた。

 まるで自分が風になったかのような解放感。

 視界に映る相手の動きはまるで高感度カメラで捉えたように鮮明に映り、その腕が吹き飛ばす砂粒や吐き出す毒液の一粒一粒すら読み切る。

 頭はまるで清流のように澄み渡り、眼前の巨人の動きの未来図を描き、最適な動きを導き出す。

 体はまるで羽が生えたように自在に動き、心の臓はまるで滾るマグマのように無尽蔵の熱い血液を全身に巡らせる。

 このタムリエルに流れ着いてきてから遭遇してきた数多の困難と、デルフィンとの鍛錬、数多くの難敵との戦闘経験、そして覚醒した竜の血脈が健人の内で混ざり合い、彼の技量の位階を急激に引き上げ始めていた。

 しかし、このまま時間だけを稼いでいればいいというわけでもないのも事実だ。

 ここで足止めを食らうわけにはいかないルーカー・センチネルは、最終的に自分の身もいとわず健人を突破しようとするだろう。

 健人としても、今の状態でこの巨体を即座に屠ることは難しい。この巨人は、その体躯に見合うだけの膨大な生命力も有していることが、本能的に分かるからだ。

 

「すう……」

 

 だから健人も、とっておきの切り札を切る。

 力に乏しい健人の欠点を埋める一手。覚醒したドラゴンボーンである彼の“力”を、最も引き出してくれる“言葉”を。

 

「ムゥル!」

 

 健人が発した声に導かれるように、虹色の光が彼の体から沸き上がり、光鱗の小手を形成する。

 ドラゴンアスペクト。

 内にあるドラゴンの魂を隆起させ、その能力を爆発的に高めるスゥーム。

 ドラゴンボーンとしての健人を象徴する力だ。

 

「オオオオオオ!」

 

 急激に増大した健人の覇気を前に、ルーカー・センチネルが耳を割くような咆哮を上げ、健人を無理やり突破しようと一気に攻勢に出た。

 

「……いくぞ」

 

 攻勢に出たルーカー・センチネルを前に、健人もまた一歩も引く気はないというように地面を踏みしめ、剣を構える。

 接近戦とはつまるところ、バランスの削り合いであり、先に体勢を崩した方が、死を誘う一撃を受けることになる。

 健人が素早く異形の巨人を屠るには、突進してくる巨人のバランスを即座に崩し、致命となる確実な一撃を入れなければならない。

 

「……ふっ!」

 

 一撃目、薙ぎ払われたルーカー・センチネルの右爪を、横に寝かせた黒檀の片手剣で受け流す。

 二撃目、突進の慣性を活かしたまま、体当たりの要領で押し出された巨人の左腕を、シールドバッシュの要領で突き出した剣身で弾き返す。

 三撃目、ルーカー・センチネルは受け流された右腕の爪を引き戻し、高々と振り上げて健人の脳天に振り下ろしてきた。

 

「ここ!」

 

「グオ!?」

 

 黒檀の片手剣を突き出すように両手で構えて体幹を捻り、頭上に迫る一撃に合わせて振り上げる。

 捩じる様な回転を加えられた健人の刃は、ガィン! と甲高い音を立てながら、振り下ろされた爪の勢いを左上方向に流しながら弾き飛ばす。

 異形の巨人の状態が浮き、無防備な胴体が晒される。

 健人は迷うことなく跳躍し、ルーカー・センチネルの首に刃を突き立て、一気に引き裂いた。

 

「グルゥウウウ!」

 

「はあ!」

 

 首から毒々しい血を流しながら、異形の巨人が擦れた声を漏らす。

 健人は追撃とばかりに巨人の膝に足をかけて再跳躍しながら、逆袈裟に胴体を一閃。強固な鱗を紙のように斬り裂きながら血の花を咲かせる。

 さらに重力に従って落ちるまま、相手の背後に着地しながら背中を裂き、止めとばかりに着地と同時に逆手に持ち直した黒檀の片手剣を、異形の巨人の心臓めがけて突き刺した。

 

「ゴォ……」

 

 命の源を絶たれたルーカー・センチネルの体が、ゆっくりと力を失い、崩れ落ちていく。

 健人は静かに、心臓に突き刺した刃を引き抜きながら、残心を納める。

 相手の命が完全に断たれていることを確認すると、刃に付着した血を払い、鞘に納める。

 健人がルーカー・センチネルを倒すのとほぼ同時に、手負いのルーカーやシーカーたちも地面に倒れ伏す。

 次の瞬間、爆発的な歓声が、大地の岩に響いた。

 


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