【完結】The elder scrolls V’ skyrim ハウリングソウル 作:cadet
調整が終わりましたので投稿しました。
話の切りの関係で少し短めですがご容赦を。
残りも調整が終わり次第投稿します。
後、試験的にアンケート機能を使ってみました。もしよければ、ご回答ください。
ドラゴンアスペクトを発動した健人とミラークは、同時に構え、動き出す。
健人は即座に体を落して踵に力を籠め、体の落下エネルギーを前方への推進力に変えて、一気に間合いを詰めようとする。
「ヴェン、ガル、ノス!」
前に出ようとする健人を見て、ミラークがシャウトを放つ。
それは、健人が今まで聞いたことのない言葉で構成されたスゥームだった。
“サイクロン”
強烈な竜巻を発生させ、進路上の何もかもを吹き飛ばすシャウト。
真言によって生み出された局地的な竜巻が、健人を吹き飛ばさんと襲い掛かる。
「ファス、ロウ、ダーーー!」
聞いたこともないシャウトを前に、一瞬眉を顰めた健人だが、向かってくる竜巻を前に即座に迎撃に出た。
揺ぎ無き力のシャウトを、ミラークのサイクロンに叩き付ける。
渦を巻く風は横合いから叩き付けられた衝撃波に打ち砕かれ、健人が放った衝撃波もまた、攪拌された風の中に千切れて消えていく。
舞い散った風の残滓を突っ切り、健人がミラークめがけて疾走する。
「ウルド!」
一方、ミラークは旋風の疾走を一節だけ唱えて健人と間合いを離すと、空いた左手にマジ力を収束させた。
明らかに魔法を使うと思われる動作に、健人はさらに加速し、空いた距離を詰めようとする。
だが健人が距離を詰める前に、ミラークの左手に集約したマジ力は眩いばかりの紫電を帯び、今にも弾けそうな程隆起し始めた。
その時間、僅か一秒ほど。
「っ!?」
あまりにも早い術式構築に、健人が目を見開く。
そして次の瞬間、ミラークの手の平から熟練者クラスの破壊魔法、サンダーボルトが健人に向かって打ち放たれた。
健人は即座に背中のドラゴンスケールの盾を取り出して構え、放たれた紫電を受け止めた。
「ぐううう!」
受け止めた瞬間、強烈な衝撃と共に、健人の体が押し止められて足が止まる。
弾けた雷が盾に取り付けられたドラゴンの鱗を焦がし、焼けつくような臭いが健人の鼻につく。
健人が何とかサンダーボルトを受け止めた一方、ミラークは更なる追撃を放とうと、再び左手に強烈な雷を生み出していた。
「ッ、早すぎる!」
ミラークが紫電を抱いた左手を突き出した瞬間、健人は即座に横に跳ぶ。
放たれた轟雷が一筋の閃光となって、健人の脇を掠めていく。
あまりにも早い詠唱……否、ミラークは詠唱などしていない。
彼は魔術師のごく一部しか行使できない熟練者クラスの魔法を、無詠唱で連続行使しているのだ。
「私の力が服従のシャウトだけだと思ったのか? このアポクリファで磨いた知識や魔導の力は、あのヴァーロックにも劣るものではない!」
ヴァーロック。
かつてミラークがまだタムリエルにいた時、彼のもっとも強大な敵となったドラゴンプリーストの名前だ。
彼の魔法はあまりにも強力であり、彼が行使した魔法によってソルスセイムはタムリエル大陸から切り離されたと言われるほどの魔術師だった。
無詠唱自体、健人はこの世界に来てから見たことがない。
健人はヴァーロックの名前は知らなかったが、ミラークの無詠唱魔法を見れば、彼の魔法の腕はネロス並みか、それ以上であることが即座に理解できた。
「むん!」
三度目の雷撃が健人を襲う。
しかし、このまま唯やられるだけの健人ではない。
彼もまた、このソルスセイムにおいて急成長したドラゴンボーン。
服従のシャウトを身に着けられたのは、それに相応しいだけの下地が出来ていたが故だ。
再び盾を構え、ミラークのサンダーボルトを受け止めつつ、シャウトを唱える。
「ウルド、ナー、ケスト!」
旋風の疾走。
ミラークが唱えたものよりも長い三節のシャウトで、サンダーボルトを盾で受けつつ、一気に間合いを詰める。
「むっ!?」
「はあ!」
剣の間合いにミラークを捉えた健人が、右手の黒檀のブレイズソードを薙ぎ払う。
ミラークもまた奇怪な魔剣を掲げて健人の斬撃を受け止めるが、左手に展開した魔法は霧散してしまう。
ギリギリと鍔競り合う健人とミラーク。
双方の力は互角なのか、鍔競り合いは拮抗し、両者は全く動かない。
「はっ!」
「ふっ!」
両者が弾かれた様に半歩退き、返す刀で互いに得物を振るう。
交差する刃。
魔法による蹂躙から一転、今度は接近戦へと移行した。
健人が盾でミラークの剣撃を弾きつつ反撃の刃を振るい、ミラークが鮮やかに刃を返して健人の刃をいなす。
激突する二本の刃と盾が甲高い音を響かせながら火花を散らし、高速の刃が渦を巻く。
互いに足を止めながら打ち合う様は、さながら二体のドラゴンが互いの首を噛みあう姿を思い起こさせる。
「むっ!?」
互角に推移していた接近戦の均衡が、徐々に崩れ始める。
健人が少しずつ、ミラークを押し込み始めたのだ。
両手に装具を持ち、攻防を切り替えられる健人に対し、ミラークは一本の刃で攻撃と防御を両立させなければならない。
手数の差が如実に出てきた結果だった。
「ふん、装具の差か。だがその程度、覆せぬはずが無かろう! ティード、クロ゛、ウル゛!」
「っ!?」
ミラークが唱えたのは、健人が未だ知らぬ二つ目のシャウト。
次の瞬間、ミラークの手数が急激に増加する。
健人の刃は出かかりから弾かれ、返す反撃の刃が光鱗を纏ったドラゴンスケールの鎧を掠める。
「これは……」
先程まで健人が徐々に押し込んでいた攻防が一転、あっという間にミラークが健人を攻め立て始めた。
ミラークの気勢を削ごうと繰り出したシールドバッシュも薙ぎ払いも容易く躱していなされ、それ以上の斬撃が健人に襲い掛かる。
繰り出される斬撃の嵐をすり足で退きながら捌きつつ、明らかに速度が増加したミラークの姿に健人の思考が高速で回る。
攻撃速度を高めるスゥームで最初に彼が思いつくのは、得物に風の刃を纏わせる“激しき力”だ。
だがミラークが持つ魔剣に風の刃は付与されておらず、剣撃の速度だけでなく体裁き、更には思考すらも加速している片鱗が見られる。
(激しき力じゃないなら、他のシャウトだ、アイツが発したシャウトの意味は……)
健人は先程ミラークが唱えたシャウトを思い出す。
ティード、クロ゛、ウル゛。
どれも健人が聞いたことがない言葉だ。
だが、それは今の健人が知らないだけだ。知らないのならば、今知ればいい。
言葉の意味が知りたいという健人の意思に反応して、隆起していた彼のドラゴンソウルが即座に言葉の意味を健人に囁く。
“時間減速”
時間、砂、永遠の言葉で構築されるスゥームであり、自らと周囲の時間を乖離させる言葉の力だ。
「ティード、クロ゛、ウル゛!!」
「っ!?」
言葉の意味を知った瞬間、健人もまた時間減速のシャウトを唱え、ミラークと同じ時間速度に己の身を投じる。
即座にシャウトを身に着けて唱えた健人の姿に、ミラークが目を見開く。
「はあああ!」
「ぐうぅ!?」
剣撃による攻防は、再度逆転。
ミラークと同じ時間速度に身を置いた健人が、再び攻勢に転じる。
盾でミラークの剣撃をはじき返し、振り上げた逆袈裟斬りがミラークの光鱗を散らす。
「なるほど、確かに驚異的な成長速度だ。だが、この程度で私に届くものか! スゥ、ガハ、デューーン!」
「っ、な!?」
時間減速中のミラークが“激しき力”のシャウトを唱える。
スゥームの効果発動中にスゥームを重ね掛けするという驚異的な行動に、健人が目を見開く。
魔剣に風の刃を纏わせたミラークが、激しき力の名に相応しい剣戟の嵐を健人に浴びせ始める。
高速で叩きつけられる刃の圧力が黒檀のブレイズソードを軋ませ、纏わりつく風の刃がドラゴンスケールの盾を削る。
健人は両手の盾と黒檀のブレイズソードを振るい、何とかミラークの猛攻をいなし続けるが、その内の一撃が健人の頬を浅く裂いた。
「ぐっ!」
次の瞬間、倦怠感が健人の体を襲う。
まるで血を抜かれた様な気怠さに、健人は眩暈を覚え、思わず体がフラついてしまった。
「くっ、その剣の力か!」
健人の倦怠感は、ミラークの魔剣に付呪されているスタミナ吸収の効果が原因だ。
一時的にごっそりとスタミナを削られた健人の動きが鈍る。
その隙をミラークが逃すはずもなく、彼は片手剣の柄を両手で持つと、大上段からの一撃を繰り出してきた。
「ぐう!?」
健人はミラークの強烈な一撃をドラゴンスケールの盾で何とか受け切ったものの、あまりの衝撃に数メートルほど後ろに流される。
だが、それだけでは終わらない。
ミラークが更なる追撃を繰り出さんと、その場で魔剣を薙ぎ払った。
「むん!」
明らかに間合いの外から振るわれた刃。届くはずもない斬撃だが、次の瞬間、健人の背筋に強烈な悪寒が走る。
「っ!?」
ミラークが魔剣を振るうと、突如として魔剣の刀身が伸び、しなやかに弧を描きながら健人の首筋に迫ってきた。
咄嗟に黒檀のブレイズソードを薙いで繰り出された剣撃を弾くが、“激しき力”によって刀身に纏わりついていた風の刃が、強烈な衝撃を健人の腕に返してくる。
「ぐうっ、鞭!? いや、蛇腹剣か!?」
ミラークが振るう度に刀身を伸ばし、激しき力の付呪も相まって、強烈な斬撃を与えてくる魔剣。
変幻自在にしなる刀身の様子は鞭そのものだが、触れたものすべてを削る鋭い刃は蛇腹剣を思わせる。
明らかに間合いの外から高速で振るわれる凶器を前に、健人はさらに後ろへと追いやられていく。
更にミラークが、左手にマジ力を収束させ始めた。
健人の背筋に、まるで焼きゴテを押し付けたかのような熱が走る。
ミラークの猛攻を何とか凌いでいるこの状況では、彼の強力無比な破壊魔法を防ぐ余裕も、躱す隙も無い。
ミラークの左手に収束したマジ力は、即座に元素に変換され、凍てつくような氷の嵐を顕現させる。
そしてミラークが左手を突き出した瞬間、極寒の吹雪が健人めがけて疾走した。
アイスストーム。
かつてミラーク聖堂でデス・オーバーロードが使用した破壊魔法。
だが、ミラークのアイスストームは、デス・オーバーロードと比較しても巨大な嵐だった。
(まともに食らえば体が凍る。なら、無効化して突っ切るしかない!)
「ファイム、ジー、グロン!」
健人は即座に霊体化のシャウトを使用し、物理攻撃を無効化して一気にアイスストームを突っ切る。
霊体化の効果が有効な内に剣の間合いまで距離を詰め、再び接近戦に持ち込む気なのだ。
遠距離、中距離ではミラークの独壇場だ。
シャウトと破壊魔法、そして鞭状の魔剣を変幻自在に使いこなすドラゴンボーンに対し、健人が持つ遠距離手段はシャウトと素人クラスの破壊魔法のみ。
到底、太刀打ちできるものではない。
だが、氷の嵐を突っ切った健人の目に、信じられない光景が跳びこんできた。
「ファイム、ジー、グロン……」
「なっ!? 霊体化? なんで……」
、
健人の目に自分と同じように霊体化したミラークが目に映り、健人は思わず当惑の声を漏らした。
霊体化はその名の通り、肉体を霊体に変える事で、物理攻撃の一切を無効化するスゥームだ。
だが同時に、自身も一切攻撃が出来なくなり、攻撃を行うには霊体化を解除しなければならない。
防御的なスゥームであり、攻撃には一切役に立たないシャウトだ。
だが、ミラークの次の行動に、健人は目を見開いた。
膨大な魔力がミラークの体から立ち昇り、渦を巻き始める。
そして、今まで無詠唱で魔法を行使してきたミラークが、何故か詠唱を開始していた。
詠唱を必要としなかったミラークが、詠唱を必要とする事実。
そして、霊体化という攻撃を一切無効化するスゥームの使用が、健人に強烈な危機感を抱かせた。
「まさ、か、長文詠唱!? しまった、嵌められた!」
それは、ミラークが詠唱を必要とするほど強烈な破壊魔法をこれから使うという事。
霊体化を先に使ったのは健人であり、明らかに先に健人の方が先に霊体化が解除される。
つまり、健人は霊体化したまま詠唱を続けるミラークを止める手段が一切なく、更に霊体化で躱すことも不可能になっているのだ。
「終わりだ」
「ぐっ!」
そして健人の霊体化の効果が切れた瞬間、ミラークが両手に生み出した炎塊を地面に叩き付ける。
次の瞬間、業火を伴った猛烈な爆風がミラークを中心に全方位に飛び散った。
ファイアストーム。
破壊魔法の最上位、達人クラスの魔法が発動し、生み出された爆風は瞬く間に健人を飲み込み、吹き出た炎は広場の縁から塔全体を包み込むだけでなく、さらに毒の海までを津波のように蹂躙していった。
ミラーク
タムリエルにおける最初のドラゴンボーン。DLC3のラスボス。
本小説において著しい強化を受けている。
具体的には、コイツだけMOD入りゲーム仕様
具体例
使用魔法の追加と無詠唱化、高威力、広範囲化。
魔法の構築速度がほぼゲーム仕様。おまけに達人魔法も使ってくる。
達人魔法も、ネロスがカシトとフリアの援護を受けて時間稼ぎを行い、ようやく使用できたのに対し、ミラークは単独かつ十秒足らずで発動可能。
おまけに霊体化のシャウトを使うことで、誰も詠唱を止められなくなっている。
さらに、魔法の範囲、威力共に極大化。ただでさえマップ兵器みたいなファイアストームが、マップ全体攻撃と化している。つまり逃げられない。
凌ぐには霊体化のシャウトくらいしかないが、霊体化を使った時点でミラークも霊体化を使うために、下手をすると自分が霊体化→ミラーク霊体化→自分の霊体化が切れる→ファイアストームのコンボが確定する。
シャウト能力の強化
プレイヤーが行っていたシャウトの多重使用が可能に。
時間減速と激しき力の多重使用など、プレイヤーのみが行っていた行動が可能になっている。
まあ、ゲーム本編でも霊体化と旋風の疾走を連続使用しているからこの程度は問題ないかと。
全てはドラゴンアスペクトの所為なんだーーー!
武器の性能強化
ミラークの剣の間合いの増大及び、任意伸縮が可能に。
ゲーム中では鞭状になっても片手剣の間合いしかなかったミラークの剣が相応の間合いを誇るようになり、かつ伸縮自在で、近距離でも普通の剣として使用可能に。
魔法の性能強化、シャウトの多重使用、変幻自在な魔剣。これらにより、健人は全ての間合いで優勢を完全に潰された形になっている。
強化されたミラークについてどう思いますか?(試験的なアンケートです。
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ちょうどいい。
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もっと強くしてくれ!
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もう少し容易い相手を!
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むしろ健人を弱くして
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チーズはどこ?