思いつきで書いた八雪?です
なんでこうほかの作者様のと似たりよったりになっちゃうんだろ…
激動の?高校2年の生活から早8年
高校、大学、就職……
既に社会人3年目である。
まぁ?俗に’’大手’’と呼ばれる?企業に入社できた訳なんだが…
これには少し大きすぎる?理由がある。
遡ること約8年
丁度、高校2年の冬から春にかけての事
そう、プロムの件である
なんとか開催にはこぎつけたが……
正直あれは顔から火が出るほど恥ずかしかった…
その場の勢いで乗り切れる…筈だったのだが、その日家に帰ったらすぐベッドで悶えたのは公然の秘密だ。というか誰にも知られたくない。
なんて考えていたら…
「八幡くん~考えるのはいいけど、上の空なのはお姉さん認められないなぁ~」
「いや、わかってますから雪「は る の 」雪ノ下さ「だから、は る の」はぁ…分かりましたよ陽乃さん」
この通り、何故か俺は雪ノ下建設に入社しているのだ。
それも平ではなく係長で。
ただ、入ったのが運の尽きなのか、なんと上司が陽乃さんだった…
「それで、プロジェクトの方は順調なの?」
「はい。予定通りどころか若干前倒し気味で進んでますね。何でか知らないですけど」
「なんだかんだ八幡くんは人を使うのが上手だからね~隼人なんかより全然使えるって~」
「いや、寧ろ下手だと思うんですけど…」
ちなみに葉山は雪ノ下では無く、なんと三浦と結婚した
正直意外だったが、三浦からだったらしいな。由比ヶ浜から聞いた話だけど。まぁあいつは相当なオカンだし?関係あるか分からないけど
更に意外なのが、戸部と海老名さんも結婚こそまだだが、付き合い始めて同棲まで行ってると由比ヶ浜から聞いた。その後何故か戸部から電話が掛かってきたが相変わらずべーべー言っていた。あとから聞いたが由比ヶ浜が俺の電話番号を教えたらしい。というか個人情報の扱い大丈夫?
「まぁ、うちの母親説得できる程なんだから、十分凄いと思うんだけどなぁ…今からでも遅くないから私に乗り換えてみない?」
「いやいやいやいや、そんな携帯の乗り換えみたいに言わないでくださいよ。」
「う〜ん、相変わらず堅いなぁ」
「陽乃さんこそ、自分の仕事はどうなんですか?」
「当たり前じゃん。だからこうして八幡くんの所に遊びに来てるんだから~」
「はぁ…取り敢えず、俺は昼休みなんで抜けますね」
「むぅ〜まぁ、仕方ないか…また後でねっ」
「また後で来るのか…」
少し憂鬱になりながらも何となくいつも通り屋上へ向かう
というか陽乃さん独神になりそうで怖いよ?平塚先生二世になっちゃうよ?そんな気がしてならない
途中の自販機にマックスコーヒーも売っているが、最近たまにブラックコーヒーも飲むようになった
まぁ俺が自分からすすんで飲む訳ない
じゃあなんで飲んでるかって?
………マッ缶を週2本までに制限されてしまったからである
確かにあれだけ飲んでれば糖尿まっしぐらだろうけど…
そんな事を思いつつ屋上に上がり、ベンチに腰かけ、手に持った小さなランチバッグから、弁当箱を取り出す
弁当箱の中には、しっかりとバランスも考えられた料理の数々が詰められていた
というか美味しすぎて普通に金取れるレベル。いやマジで
社会人になってから、1度もコンビニで済ませたことなんて無いし、昼食に不自由したこともない…のだが
「おー、比企谷また愛妻弁当だべー」
……ただ一つ言えば毎日戸部みたいなやつに絡まれるのは面倒だが…まぁ悪いやつじゃないんだけどな
こいつは逸見って言う奴だが、入ったばっかでまたエリートぼっち極めるかと思いきやいきなり話しかけられ、以後飲みに行ったりする仲になった。
びっくりするかもしれないが、こいつも既婚だ
まぁ確かにこいつ悪いやつじゃないからな
「いや、お前もだろ」
「まぁそうだな、比企谷」
「そういやお前、昇進するんだったか?」
「あーそーだべ。前やったプロジェクトを評価してくれてさ、課長だってさ」
何より俺にとってこの会社で幸せだったのが、ちゃんと評価してくれる上司に会えたことだ。まぁ、陽乃さんなんだけど
陽乃さんもまだ若いのに、もう営業部主任だもんな。あの人も実際大変だろうよ
「いっけね、俺これから会議だべ、じゃ、お先に」
「おう、頑張れよ」
「ったりまえだべ!」
そういって、あいつは屋上を後にしていった
「はぁ〜…そろそろ戻るか」
空になった缶をゴミ箱に捨て、またデスクに戻る
目標定時退社!行くぜ社畜!
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とは言ったものの、疲れるものは疲れるのである。
定時で上がり、会社から駅まで少し歩き、京葉線で浦安まで帰る。これが俺の生活である
快速電車で数駅、海浜幕張で電車を降り、駅からすぐ近くの我が家へと足を進める
エレベーターに乗り込み、37と書かれたボタンを押す
中々のスピードで駆け上がっていくエレベーター
あまり時間が経つことなくフロアに到着する
エレベーターを出て廊下を少し歩き、愛しの我が家の玄関扉の前に辿り着く
鍵を開け扉を開けると…
「ただいま」
「あら、おかえりなさい」
こちらを向いて微笑むお腹を大きくした雪乃が立っていた
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これは、そう遠くない、ちょっと昔のお話
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「雪ノ下さん、少しいいですか」
「あれ?比企谷くんじゃん。どうしたの?」
「雪ノ下の母親に会わせて下さい」
「ふーん、まぁプロムのことだろうけど。それなら駄目だよ。あれは雪乃ちゃんがやるんだから」
「そんなの分かってますよ…でも、あいつの’’約束’’を果たさなきゃいけないんで」
「へぇ…比企谷くん。その’’約束’’って?」
「まぁ、あいつが覚えてるかは別ですけどね……「いつか私を助けてね」って…細かい意味までは分からないですけど、俺の中じゃ、きっと’’今’’だと思うんですよ……あんな全てを諦めたような顔してた雪ノ下なんて、正直見てられないんで」
「……比企谷くんも変わったね……」
「え、」
「分かった。明日の昼頃に、あのドーナツ屋で待ち合わせでいい?そこから連れて行ってあげるから」
「分かりました。じゃあ明日」
比企谷くんの背中が遠く、小さくなっていく……
「雪乃ちゃんはいいな……ちゃんと見てくれる人がいるんだから……」
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「しっかしでけぇな……」
雪ノ下邸を前にして、軽く驚愕している
「比企谷、こっちだよ」
雪ノ下さんが手を振る方に向かう
「にしてもデカいっすね。俺じゃどこに何があるか分からなくなりますよ」
「まぁ一応父親が県議会議員とゼネコン社長だしね…お陰で私もこんな仮面が張り付いちゃった訳なんだけど」
「雪ノ下さん…」
「まっ、早く行こっ!」
「うわ、ちょっと」
雪ノ下さんに手を取られ、玄関へと向かう
「おかえりなさいませ、陽乃お嬢様」
ん?なんか見たことある人だな。誰だったかな……確か……
「比企谷様。都築でございます」
「比企谷くんが会ってるとしたら、多分入学式のアレじゃない?」
「あ…あの時はすみませんでした」
「いえ、私の不注意ですので「いや俺が勝手に突っ込んだのが」いえ私のふちゅ「今はいいから!」「は、はい」」
「早く、お母様の所へ行くわよ」
「奥様はいつもの場所にいらっしゃいます」
「ありがとう、都築」
「それでは、ご武運を」
「は、はい」
てかなんでご武運なの…もしかして知ってるの?
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「ただいま帰りました。お母様」
「あら、陽乃さん。おかえりなさい。それで、その方は?」
「比企谷八幡くん。お母様にお話があるそうよ」
「雪ノ下のお母さん……」
目の前にたっている女性、バレンタインのイベントの帰りにも会ったが、やはり1度決めたことは曲げないという感じの印象だ
「比企谷八幡です。本日は「プロムの事でしょう?その事ならもう終わったわ」
先手打たれたよ……お見通しってか
「一応聞きますけど……何がしたいんですか?」
「道を踏み外しそうなら、正しい道に導くのも親の仕事でしょう?それに、あの子は少し不安な所もあるのは貴方も分かっているでしょう」
「それでも……間違えてもいいんじゃないですかね」
間を少し取ってから続ける
「俺だって間違え続けてます。いつだって…そもそも正解なんてあるんですかね……」
「間違いがあるのなら、正解が無いはず無いでしょう?」
「いえ、きっと正解なんて無いんですよ……だから、間違え続けて……でも、どこかで必ず辻褄があうように、上手いことできてるんでしょうね。貴方も、親が決めたことだけに従ってここまで来たわけじゃないでしょう?そりゃ、間違った方に進もうとしてるなら、正すのはいいかもしれませんけど……そこから’’成長’’することは無いんじゃないですかね」
長々と話した後、雪ノ下の母さんの顔を見てみると、痛い所を突かれたという感じだった
「……貴方、覚悟はあるのね?」
真剣な眼差しで言われた俺は……
「ひゃ、ひゃい」
……ついつい悪い癖が出てしまった……
「なら、やってみなさい。私からは何も手出しはしません。もちろん、強行すれば批判が集まるのは貴方も分かりきっている事でしょう?説得するのよ。そうすれば、私も貴方を認めざるおえないでしょう」
「分かりました…言っておきますけど、俺はどんな手でも使いますよ?」
「ええ。別に構いません」
「ただし、貴方が直接手を出すのは認めません。あくまで、雪乃さんに’’助言’’をする程度に留めること。その範疇ならば、何をしても構いません」
「つまり…雪ノ下を’’支えろ’’と…?」
「どう取ってもらっても結構です」
「分かりました……後悔しないでくださいよ?」
「本気の’’アイツ’’はやりますよ」
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この日がまさに俺の人生のターニングポイントになったわけなのだが……
「あら、八幡さんも帰ってたのね」
「ええ、たった今」
……何故か雪乃の母ちゃん…お義母さんまで家にいる…
というのも無事なんとかプロムは開催に漕ぎつけ、成功したのだが、何でか雪乃に後片付けまで終わったあと、「お母さんが少しお話がしたいから比企谷くんを連れてきて」なんて言われて何かと思えば、雪乃と婚約しない?なんて言われたもんだから、かなり驚いた。
まぁその時の雪乃の反応も面白かったけど
それで大学出てから結婚して、雪乃の妊娠が分かった時から暇があっては入り浸っているのだ
実際の所この人もかなりの親バカということだ(笑)
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更に時は流れて……
ある日の昼下がり
「仕事が無い平日は最高だな」
「またそんな事言ってるのね……まぁ、働き詰めだししょうがないのでしょうけれど」
無事生まれた雪華も早いことにもう小学2年生だ。あとから生まれた雪哉も来年には小学1年生。時が経つのも早く、
「まぁ、いつもお疲れ様、八幡。はい、紅茶」
「おう、サンキュ」
「なんか、昔みたいだな」
「…そういえば、結衣さんも結婚したそうね」
「あぁ、まさか戸塚と……」
ある日帰って郵便受けを見てみれば、戸塚から何か届いていてワクワクドキドキしながら見てみれば、結婚しましたという内容だから驚いた。ただ、その写真に写った由比ヶ浜と戸塚は、いかにも幸せそうな笑顔だった
「結婚式、貴方も行くのよね?」
「ああ、もちろんだ。なんなら会社の人間連れてくまでもある」
「そこまですると寧ろ戸塚くんと結衣さんに迷惑じゃ…」
「いや、もちろん冗談だから。寧ろスケジュール無理矢理開けて迷惑かけてるの俺だし……」
あの後俺は、昇進……というよりは陽乃さんの陰謀?により若くして副社長となった陽乃さんの秘書をする傍ら、県議会議員になるべく猛勉強を重ねている
雪乃の親父さんがそろそろ政界を退くということで、俺に地盤を引き継がすということらしい
「八幡が県議会議員……高校の時じゃ考えられないわね」
「あぁ、俺もびっくりだよ」
「そうだ、今度の日曜日に結衣さんと戸塚くんと会うんだけれど、貴方もどうかしら?雪華と雪哉も連れてこうと思ってるのだけれども」
「おう、いいぞ。」
ガチャッ
「「ただいまー!」」
「おう、おかえり、雪華、雪哉」
「二人ともおかえりなさい」
帰ってくるやすぐ、俺たちに抱きついたり、今日あったことを話したり……
こんな穏やかな日々が、いつまでも続きますように……
次は八色でも書きたいな
期待はしないで