時は2025年。戦争は始まった。
それは、国家間などという生易しいものではなく、「地球対侵略者」という、まるでSFのような戦いだ。
8年前、俺がガキだったころにも、戦争があった。しかし「英雄」が敵の母船を撃墜。地球機構防衛軍、EDFは見事勝利する。
だが・・・やつらは前回の十倍の戦力を従えて、戻ってきたのだ。この地球に。
精鋭遊撃部隊ストームに選ばれた俺は、いや、俺だけでなく、皆は必死で戦った。
そして、その戦いももう終わろうとしている。絶望的な戦力を前に、最後の矢を放つ。それが俺の任務だ。
ストーム1「こちらストーム1、攻撃衛星ノートゥングのからの攻撃を要請する!」
オペ子「攻撃衛星ノートゥング、再発射シークエンスに入ります!再発射準備完了まで、およそ1分!」
1分だと!?クソッ・・・俺だけじゃ、持ちこたえられ・・・
ペイルチーム隊長「作戦エリアに到着。我々が行きます。ストームチーム、死なせはしない!」
ペイルチーム・・?確か、飛行型にやられたはずだが・・・生きていたのか。
田中司令「ペイルチーム無事だったか!頼むぞ!」
オメガ隊長「こちらオメガチーム。作戦エリアに到着。ストームチームを援護する!」
田中司令「オメガ!?生きていたか!」
オメガ隊長「ストームチーム、再び戦える時を、待っていた。八年前の、あの時のように!」
オメガもか・・・よし!これなら!
ストーム1「頼むぞ皆!攻撃衛星ノートゥングに攻撃要請した!再発射までの時間は1分!1分だけでいい・・・時間稼ぎを頼む!」
ペイル・オメガチーム「「「「「「了解!」」」」」
俺はライフベンダーを設置する。これがあれば、多少は・・・
オメガ隊長「ライフベンダーとは気が利くな。」
ストーム1「ラスト1個だ、切れるまでに邪魔になりそうなやつは仕留めといてくれよ。」
オメガ隊員「もちろんです!俺たちに任せてください!」
ペイル隊長「私達も負けてはいられないぞ。前方の飛行ビークル群を殲滅する!狩りの時間だ、行くぞ!」
ペイル隊員達「「「「おおおおぉぉー!」」」」
オメガ隊員「EDFッ!EDFッ」
よし・・・これなら!
そう思った時、背筋がゾクッとする。後ろを振り向くと、
オメガ隊員「ぐあああああああっ!」
ドラゴンの牙が、アーマーを容赦なく貫き、肉に食い込む。
今まで幾度となく見た光景だが・・・
オメガ隊長「くそっ!」
レーザーにより、ドラゴンが真っ二つに焼き切られる。
ストーム1「大丈夫か!」
オメガ隊員「ゴホっ・・・ストーム1・・・いや、英雄・・・俺の代わりに、地球を・・・頼んだぜ・・・」
俺のために・・・コイツは・・・クソッ!
ストーム1「喋るな!傷に障るぞ!」
オメガ隊員「俺たちの・・・地球を・・・守って・・・く・・れ・・・」
ストーム1「もういい!喋るな、黙ってろ!俺が今」
オメガ隊長「行け」
ストーム1「なっ・・・そしたらこいつが!」
オメガ隊長「そいつは俺が運ぶ!さっさと行けっ!そいつはお前の命の恩人なんだぞ!」
ストーム1「なら・・・」
オメガ隊長「俺の部下の命、無駄にすることは俺が許さん!こいつの願い・・・叶えられるのは、お前しかいないんだ!」
ストーム1「くっ・・・ああ、わかったよ!」
言うが早いか、俺は射線が通りそうな場所に目星をつけ、走り出す。
駆け抜けていく足元にあるのは、瓦礫、砕け散ったアーマー、人間だったモノ。
そうだ・・・俺が、この戦いを終わらせる!死んでいった仲間のためにも・・・!
オペ子「攻撃衛星ノートゥング、発射準備完了!いつでもいけます!」
ストーム1「よし・・・」
一度深呼吸をし、震える手を鎮める。そして、ゆっくりと・・・ブレインの上部へ照準をあわせる。
ストーム1「スプライトフォール、行けぇぇ!」
オペ子「座標確認、スプライトフォール、発射!」
刹那、ノートゥングから発射されたレーザーがブレインを貫く。
少佐「ブレイン、大破!」
か、勝った・・・のか・・・?
力が抜け、ガクッと膝をつく。
田中司令「退避しろ!ブレインが落下する!退避しろ!」
本部の声も耳に届かない。まるで、夢でも見ているような感じだった。
そんな俺を我に返らせてくれたのは、
オメガ隊員「ストーム1!退避してください!」
ストーム1「・・・っ!ああ、すまない・・」
オメガ隊員「謝っている暇はありません!早く逃げましょう!」
ストーム1「ああ!行こう!」
しかし、時既に遅し。俺たちは・・・
オメガ隊員「ダメだっ、逃げられない!う、うわあああああ!」
ストーム1「ぐっ・・・があああああ!」
吹き飛ばされ、業火に飲み込まれて行く俺の目に最後に映ったのは。
爆発炎上し、燃えゆくブレインだった。
そうか・・・俺たちは・・・・勝ったんだな・・・
そして、俺の思考は、プッツリと途切れた。
転生は次回にて、お楽しみに。