遊撃部隊ストーム、鎮守府に着任す   作:あわちゃ

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年末年始、皆様はいかがでしたか?僕はゲームやイベをしていたらいつの間にか過ぎていました。


第十三話

青葉「ども、恐縮です、青葉ですぅ!一言お願いします!」

 

ストーム1「う、うん・・・まあ、あれだ、頑張ってくれ。ここがお前・・・いや、青葉の新しい居場所になるわけだからな。」

 

青葉「青葉、了解です!おーよどさん、重巡寮まで案内お願いしますね!」

 

大淀「はい。こちらです。」

 

ガチャン。

 

ストーム1「・・・・ふぅーーー・・・・。」

 

大淀と青葉が出ていってから、聞かれないように間を置き、大きなため息をつく。

 

ストーム1「これはまた疲れそうだなぁ・・・。」

 

先程の艦娘は、昨日大淀が言っていた「新しく着任する艦娘」だ。

 

隼鷹のようなタイプは苦手なので、できるだけ大人しい子やおしとやかな女性がよかったな~とは思っていたが、隼鷹とはまた別の方面で大変だった。

 

まず護送車から降ろされると、俺の装備が珍しいのか、挨拶もそこそこに体をペタペタと触られた。

 

そして執務室に着くまでも質問攻め。

 

やっと正式に着任時の挨拶も済ませ、大淀に連れて行って貰ったわけだが・・・疲れた。

 

俺は妹や姉、仲のいい幼馴染、ましてや彼女なんていたこともない。

 

つまり、女子の扱いに慣れていないのだ。

 

昔、ウイングダイバーの部隊に一人だけ編入されたは、2つの危険と恐怖に注意しなければいけなかった。

 

まあ、やる気は随分とありそうだが・・・提督が帰ってくるまで、青葉の練度向上と近代化改修をしなきゃならないなぁ。

 

 

夕立「ぽいぽいっ!遠征終わったよ!」

 

ストーム1「うぉっ!?びっくりしたなぁ・・・。遠征お疲れ様。机の上にお菓子があるから、持ってっていいぞ。」

 

夕立「ん~・・・夕立、お菓子よりももっといいご褒美があるっぽい!ストームさん、撫でて撫でて~。」

 

ストーム1「いつも言ってるが、本当にこんなのいいのか?」

 

夕立「もちろんっぽい!」

 

まあ、なんとかなるか・・・。

 

いつの間にか入ってきた夕立を撫でながらこんなことを考えていた俺は甘かった、と後々思い知らされることになったのだった。

 

 

 

それからというもの、

 

ストーム1「今日は金曜日・・・カレーか。間宮さん、カレー一つ。」

 

青葉「ストームさんはカレーがお好きなんですかぁ?」

 

ストーム1「おぉう・・・後ろから急に声かけないでくれよ・・・。」

 

青葉「ふむふむ、カレーが好き、と・・・。」

 

ストーム1「せめて聞けよ。」

 

飯の時も。

 

 

白雪「ストームには負け・・ない・・・。」

 

ストーム1「盾構えたまま走ってくるとか嫌らしいやつ使うな・・・。だが!喰らえニトロセル!」

 

白雪「・・・とう。」

 

ストーム1「何・・?腰撃ちでニトロを破壊だと・・?」

 

白雪「また・・・私の勝ち・・・。」

 

ストーム1「くそ~・・・。」

 

青葉「ほうほう。ストームさんはこの手のゲームがお好みと・・・。」

 

ストーム1「なんで当たり前かのように入ってきてるんだ?てか鍵は?」

 

青葉「青葉にかかれば、ちょちょいのちょいです!」

 

ストーム1「・・・それ犯罪だろ?」

 

青葉「・・・青葉、用事を思い出しました!それではこのへんで・・。」

 

ゲームを楽しんでいる時も。

 

 

ストーム1「今日は書類が多いな。大淀、俺に手伝えることがあるならやるぞ?」

 

大淀「そうですね。では、明石から栄養ドリンクでも貰ってきてもらいましょうか。」

 

ストーム1「それぐらいならお安い御用だ。行ってくる。」

 

青葉「ほう・・・。栄養ドリンクで精力増強・・・。」

 

ストーム1「何を考えてるんだお前は。てかしつこい!寮に帰ってくれよ・・。」

 

青葉「目的は果たしたので帰ります!ワレアオバ!」

 

ストーム1「そんなVサインしながら逃げられてもなぁ・・・。」

 

執務をしている時も。

 

青葉の取材(もといストーキング)は続いた。

 

 

~~~3日後~~~

 

提督「ただいま。ストーム、お疲れさん。」

 

ストーム1「ああ・・・提督業ってのは、本当に疲れるんだな・・・。」

 

提督が会議を終え、帰ってきた。それまでの数日間がとても長く感じたのは、気の所為ではないだろう。

 

提督「だろ?執務がなくても、艦娘たちとの接し方には気を使うもんだ。」

 

ストーム1「そうだな・・。しかし、なかなかキツかった。特に青葉が着任してからはな・・。」

 

提督「ん?先日、元帥殿から会議中にこっちに艦娘を着任させるって連絡が来たんだが。その子か?」

 

ストーム1「そうだ。まああいつも悪気があってやってるわけじゃないんだろうがなぁ・・・。」

 

提督「ん?どういうことだ?」

 

ストーム1「実はな・・・。」

 

俺は、青葉の困った行動を、提督に打ち明けてみることにした。なんとかしてもらわないと、流石にやってられない。

 

ストーム1「・・・ってわけなんだよ。」

 

俺が話終えると、提督は考える素振りを見せ、

 

提督「・・・わかった。青葉には、俺から話しておくよ。今夜は居酒屋「鳳翔」に行って、美味しいものでも食べてきてくれ。」

 

そう言って、俺に一枚のチケットを渡してきた。

 

ストーム1「なんだこれ?」

 

提督「そいつは「鳳翔」での食べ放題券だよ。間宮券なんかとは比べ物にならない、激レア品だぞ。」

 

ストーム1「おお・・・。それは有り難いな。今日は鳳翔の所で英気を養ってくるとするよ。」

 

提督「そうしてくれ。」

 

こんなもん貰っていいのか?いやまあ大変だったからこれぐらい貰ってもいい気がするな・・・。

 

こんなことを考えつつ、夜になるのを心待ちにしていた。

 

 

~~~夜~~~

 

ストーム1「こんばんわ~。」

 

鳳翔「あら、ストームさん。提督から話は聞いていますから、今日はたくさんお料理を食べていってくださいね。」

 

ストーム1「ああ、そうさせてもらおうかな。」

 

鳳翔の料理がどれもこれも美味しいのは、看病されていた頃から知ってる。

 

食べ放題かぁ。ブリの照り焼き、筑前煮、お刺身や唐揚げってのもいいな・・。

 

少し頭の中で考え、注文する品が決まったところで、カウンターに座っている客がいることに気づく。

 

こいつは・・。

 

ストーム1「青葉じゃないか。奇遇だな。」

 

青葉「ふぇっ!?す、ストームさん。奇遇ですねぇ。」

 

一瞬またかと思ったが、この驚き方を見ると、本当に偶然みたいだな。

 

ストーム1「どっこらせっと。隣、いいか?」

 

青葉「もちろんですよ。」

 

青葉の隣に座り、注文を済ませる。鳳翔が奥に引っ込んだところで、青葉に話かけようと隣を見ると、

 

青葉「・・・・。」

 

いつも元気な青葉からは、想像できないような、沈んだ表情をしていた。

 

ストーム1「お、おい。どうしたんだよ急にそんな顔して・・・。」

 

青葉「・・・ごめんなさい。」

 

え?

 

ストーム1「いや、そんな謝られるようなことは・・。」

 

まあプライバシーの侵害はちょっとばかりされたが、馴染めずにいるよりはいい。というか部屋に襲撃にくる駆逐艦連中がいるし、今更感もある。

 

青葉「提督に言われたんです。今日、ストームさんがここにくるから謝るべきことがあるのなら、謝っておけと。そして、話さなければならないことを話せと。」

 

ストーム1「話さなければならないこと?」

 

俺がそう言うと、青葉は表情を一層強張らせるが、無理やりといった感じで口を開く。

 

青葉「はい・・・。私は、ストームさんのことを・・・観察していたんです・・。」

 

なんだそんなことか。

 

ストーム1「そりゃ知ってるさ。目の前でメモ書きまで取られてたからな。あれで気づかないほうがおかし」

 

青葉「違うんです!」

 

食い気味に、そして悲痛な声で否定する青葉に、俺は黙るしかなくなる。

 

青葉「私は・・・。私は、元帥殿の命令で、ストームさんの情報を大本営に送っていたんです。」

 

ストーム1「・・・・。」

 

なるほど・・・確かにそれは簡単に話せるようなことじゃないな。提督はお見通しだったようだが。

 

青葉「私・・・船だった時から要領が悪くて・・・そのせいで加古も・・・古鷹も・・・。」

 

目に涙を溜め、青葉は話続ける。

 

青葉「元帥殿に、あの提督から助けて貰って・・・恩に報いなきゃって・・・。」

 

あの提督、ってのは大将のことだろう。まさかこの鎮守府に着任するとはなぁ。

 

青葉「でも・・・やっぱり私じゃ駄目でした。あはは・・・・こんな艦娘、兵器失格ですね・・・。」

 

そう言って、青葉が静かに立ち上がった。その剣呑な雰囲気に、俺は思わず声をかけた。

 

ストーム1「・・・待て。どこに行くつもりなんだ?」

 

青葉「・・・決まってるじゃないですか。執務室ですよ。私みたいな艦娘は、さっさと解体してもらわないといけませんから。」

 

ストーム1「待てよ。」

 

青葉「引き止めないでくださいよ。もう覚悟は決めたんですから。」

 

ストーム1「・・・そうか。なら、なんで。」

 

そんな悲しそうな顔をして。

 

ストーム1「泣いてるんだ?」

 

青葉「えっ?あれっ・・おかしいな、私・・・。」

 

おかしい、か。そんな言葉が出てくるのは、あんなところで艦娘をやってたからかもしれない。

 

ストーム1「おかしくなんかないさ。それは・・・青葉がまだ、生きたいって思ってる証拠だろ?」

 

青葉「でもっ・・・でもっ、私は!助けてくれたストームさんに対して迷惑をかけて・・」

 

ストーム1「迷惑なんかじゃないさ。それに、俺が青葉から受けたことよりも、あの大将から青葉が受けたことのほうが何倍も辛かっただろ?」

 

青葉「でもっ・・でもぉ・・・。」

 

ストーム1「青葉の居場所は、あんなところじゃない。この鎮守府だ。だから、な?解体されに行くなんて・・・そんなことはやめてくれ。」

 

俺がそう言うと、青葉は泣きながら俺にもたれかかってくる。

 

青葉「うぐっ・・ひっく・・なんでそんなに優しいんですかぁ・・・。」

 

そんな青葉を抱きしめ、ポンポンと背中を叩いていると、青葉も落ち着いてきた。

 

ストーム1「ほら、もう落ち着いたか?」

 

青葉「はい・・・。」

 

ストーム1「じゃあ飯食おうぜ。鳳翔の料理は美味いからな・・・元気がでるさ。」

 

俺がそう言うと、図ったかのように鳳翔が奥からでてくる。

 

鳳翔「仲直りは済みましたか?なら、お腹いっぱい、食べていってくださいね。」

 

・・・どうやら全部見られてたようだ。

 

ストーム1「ふぅ・・・そうだな。有難う鳳翔。」

 

鳳翔「いえいえ。青葉ちゃんもどうぞ。ちゃんと二人分作ってありますから。」

 

青葉「あっ・・・はい。いただきますね。」

 

さて二人で美味しい夕食を・・・と、鳳翔が小鉢に唐揚げとブリの照焼を載せて俺の隣の席に置く。

 

ストーム1「?これは?」

 

鳳翔「それはあの子の分ですよ。あら?ストームさんが連れてきたわけではないんですか?」

 

そういう鳳翔の視線の先には、いつの間にきたのか、カメラを持ってこちらをニヤニヤと見つめる砲兵隊妖精が・・・

 

ストーム1「待てコラァ!そいつを寄越せぇええ!」

 

あれをバラ撒かれると、あらぬ噂が立ってしまう!

 

・・・・英気を養いに来たはずなのに、部屋に帰るころには、ヘトヘトになっていたのだった。

 

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