遊撃部隊ストーム、鎮守府に着任す   作:あわちゃ

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皆さん、ありがとうございます。これからも誠心誠意、頑張って参ります。(学年末テストでしばらくサボってたのは内緒)




第十六話

ストーム1「こっちだ!早く!」

 

ジョニー「ほんとに秘密兵器なんてもんあるのかよ!?」

 

発煙筒を投げた後、三人を促し・・・というか、半ば無理やりジョニーやマーク、斉藤を配置の場所から引っ剥がし、投下予定地点へとひた走る。

 

半信半疑ながら、ちゃんとついてきてくれていることに有り難みを感じつつ、全力でダッシュだ。

 

ストーム1「よし、ここだ!ちょっと待っててくれれば、すぐに来る!」

 

マーク「来る・・・って、どういうことだよ。もしかして、気が狂ったわけじゃないよな?」

 

ストーム1「違う違う。ほら、アレを見てくれよ。」

 

マーク「秘密兵器なんて、来るわけが・・・。」

 

ない、と続けようとしたのだろうが、口をあんぐりと開けたままで固まる。

 

そしてその方向には、俺も幾度助けられたのかわからないーーーポーターズ専用の輸送ヘリ、ヒドラの姿があった。

 

斉藤「・・・あれ、か・・。」

 

斉藤がボソリと呟いた以外は、皆無言で、そして祈るような感じで、ヒドラを見つめていた。

 

そして。

 

ポーターズ妖精「投下座標確認。これより投下します。」

 

ガゴン!という音と共に降ってきたコンテナの中から。

 

ポーターズ妖精「任務完了。どれほど危険な場所でも、我々はやって来ます。」

 

コンテナよりも大きな兵器。『BMX10プロテウス』が、姿を現した。

 

斉藤「・・・これが・・。」

 

ジョニー「マジかよストーム!これがお前の言ってた秘密兵器か!?」

 

ストーム1「ああ、そうだ。早く乗り込んでくれ。左右の砲台、そして下部のミサイルを三人に任せる。操縦は俺がやる!」

 

マーク「OKだ。任せてくれ。」

 

マークの言葉を皮切りに、ジョニーと斉藤がバスターカノン、マークがミサイルを担当する席に乗り込む。

 

・・・だが、すぐさま攻撃開始、というわけにはいかなかった。

 

というのも、

 

ジョニー「おいストーム、俺たちは良いんだけどよ・・・あいつらを巻き込む訳には・・・。」

 

戸惑うようなジョニーの声。

 

それは明らかに、未だ持ちこたえている歩兵部隊を心配していた。

 

ストーム1「勿論だ。・・・あとちょっと待ってくれれば、あいつが何とかしてくれるはず・・。」

 

斉藤「・・・あいつ、とは・・・?」

 

斉藤がそういった直後、・・・なんだかんだでこっちに来てから、一番付き合いの長い。俺の「相棒」の声がスピーカーから、大音量で響いた。

 

砲兵隊妖精「歩兵部隊は撤退!最終防衛ラインまで後退し、体制を立て直せ!繰り返す、歩兵部隊はてったーい!」

 

・・・明らかに少女の声だが、そんなことを気にする余裕もないのか、歩兵達が雪崩を打つように引いていく。

 

そして、なおも追撃するリ級達の周りには人っ子一人いなくなり・・・

 

ストーム1「・・・よし!心配するモンもなくなった。・・・撃ちまくれ!彼奴等を必ず倒すぞ!」

 

ジョニー・マーク・斉藤「「おうっ!」」「・・・おう。」

 

それからは、まさに逆転劇とも言える展開だった。俺が攻撃しやすい位置に移動すると同時に、二門のバスターカノンが唸りを上げ、リ級を粉砕した。

 

そして立ち上る砂煙の中、形勢不利と見て撤退しようとする手負いのリ級を、レーダーの目がロックオンしたミサイルが撃ち抜く。

 

そして三十分も立った頃にはーーー砂浜には、深海棲艦の残骸と、いくつものクレーターだけが残されていたのだった。

 

 

~~~数時間後~~~

 

ストーム1・ジョニー・マーク・斉藤「「「かんぱーい!」」」「・・・乾杯。」

 

俺たちは、たった一小隊だけで、深海棲艦揚陸部隊に勝利した。

 

・・・だけでなく、嬉しいおまけも付いてきた。

 

というのも、戦勝報告の時に大尉が、とある情報を司令部から知らされたらしい。

 

俺が「海軍落ちの兵卒」ではなく、「戦果一位の鎮守府に所属し、元帥からも一目置かれるエリート」であるということを。

 

・・・まあ自分でエリートって名乗るわけでもないが、言われて悪い気はしない。

 

まあそういうわけで、俺たちが帰ってくると大尉は平謝り。戦闘を勝利に導いた事も相まって、ジョニー、マーク、斉藤共々、士官用のテントで焼き肉の真っ最中というわけだ。

 

そしてそれとは別に、もう一つあるお願いを、大尉にしておいた。

 

ジョニー「・・・ふぅ。やっぱ、運動した後に飲むビールは格別だな!」

 

マーク「しかもその功績で正式に軍に取り立てられるとあっちゃ、最高の味だぜ!」

 

斉藤「・・・ありがとうストーム。・・・礼を言う。」

 

そう、この三人を雇われて戦う傭兵でなく、装備も最新、給料もしっかりでる正式な兵士として登録してもらえるよう、頼んだのだ。

 

勿論断られるはずもなく、その場で三人とも陸軍入りが決定した。

 

ストーム1「いやいや、三人がいなけりゃあれも扱えないからな。助かったのはこっちだよ。」

 

そんなやり取りをしていると、マークがふと思い出したように言った。

 

マーク「・・・それにしても、女の士官なんてここにいたか?しかも、声からして大分若い感じだったが。・・・そういえばストーム、あの時『あいつがなんとかしてくれる』って言ってたよな?」

 

その疑問のセリフに、俺はドキリとせざると得ない。

 

・・・まさか、妖精が俺の通信機いじって、スピーカーに繋いで放送しましたー、なんて言うわけにもいかないし・・・。

 

どうしたもんかと思案していると、斉藤が助け舟を出してくれた。

 

斉藤「・・・ストームにも、まだ色々と秘密があるんだろう・・・。・・あまり詮索してやるな・・・・。」

 

マーク「そ、そうか。確かに、あんまり秘密なんて聞くもんじゃねぇよな。すまねぇストーム。」

 

ストーム1「ああ・・・。悪いが、あいつについては話せないんだ。すまない。」

 

すると、見た目と違って酒に弱いのか、すでにベロベロに酔ったジョニーが、

 

ジョニー「そんなことどうでもいいじゃねぇかぁ・・!今日は飲むぞぉ!」

 

そう言ってマークに絡みだす。

 

その隙に、焼けた肉とタレの入った小皿をバックパックに押し込む。

 

・・・これで納得してくれるといいんだが。

 

ストーム1「・・・よし、飲むか。」

 

俺はそう呟き、ビールを一気に呷った。

 

そしてその宴は、空が白むまで終わることはなかった。

 

 

~~~執務室~~~

 

カリカリと、書類に走るペンの音も響くような静けさの中、執務をこなす。

 

俺と大淀以外に誰もいない執務室。その静寂は、一本の電話によって破られた。

 

 

提督「もしもし。・・・総帥殿ですか。どういったご用件で?」

 

陸軍総帥「どういったも何も、ストームとやらの話しかないだろう。それとも、なにか後ろめたいことでもあるのかね?」

 

提督「いえ、そういったわけでは。ストームの参加した作戦で、なにか問題でも?」

 

陸軍総帥「ふむ・・・報告によると、機甲部隊は壊滅状態、歩兵部隊は半壊以上の被害を受けているらしい。」

 

提督「・・・作戦が失敗したんですか?」

 

まさか。ストームに限って、そんなことは無いと思うんだが・・・。

 

陸軍総帥「フ、フッフッ・・・」

 

提督「・・はい?」

 

そしてその動揺は、思っていたより声に出ていたらしい。

 

陸軍総帥「ハッハッハ!そう心配するな!失敗どころか、大成功だ。ストームとやら、たった一小隊で戦況をひっくり返したらしいぞ。」

 

提督「ふぅ・・・。それなら、よかったです。・・・それで、ご用件は本当にそれだけですか?」

 

陸軍総帥「そんなわけなかろう。・・・ストームに、会ってみたくなった。今度、提督君、元帥、私、そしてストームで、食事会でも開かんか?」

 

・・・安心した矢先、とんでもない爆弾が投下された。

 

提督「いえ、それは・・・。」

 

陸軍総帥「聞けば、ストームの戦力化の話し合いもしなければならんと言うじゃないか。その話も、そこでしてみてはどうだ?」

 

提督「は・・い・・・そうですね・・。・・・わかりました、ストームにもこのことを伝えておきます。」

 

陸軍総帥「うむ、楽しみだな。よろしく頼むぞ。」

 

そう言い残し、電話はガチャリと切られた。

 

提督「はぁー・・・。・・・大淀、お茶を入れてくれ・・。濃いやつで頼む。」

 

大淀「はい。・・・その、お疲れさまです・・。」

 

取り敢えず、大淀の入れてくれたお茶を飲んで疲れた心を癒そう。

 

話はそれからだ・・・。




さてさて、次回は陸軍・海軍のトップとの食事会。ストーム1の運命や如何に!?
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