遊撃部隊ストーム、鎮守府に着任す   作:あわちゃ

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EDF:IR発売おめでとうございます!
今までのEDFとは違う、リアリティを全面に押し出したという今作。楽しみですね。
ま、僕はPCなんでIRどころか5すらプレイできてないんですけどね!
・・・悲しいなぁ・・・。


第十八話

レンジャー隊長妖精「むむ・・・切れない・・。」

 

砲兵隊妖精「ほら、貸してください。・・・こういう風に切れば簡単ですよ?」

 

レンジャー隊長妖精「おぉ!助かった、地獄に仏だ!」

 

砲兵隊妖精「そんな大袈裟な。まぁ、感謝というのなら受け取っておきますね。」

 

ステーキを切るのに四苦八苦するレンジャーを見兼ねて、砲兵隊が代わりに切ってあげると、レンジャーは素直に喜んでいる。

 

なんというか、小動物的な愛くるしさを感じるな。

 

無邪気なレンジャー、そして照れを隠しきれていない砲兵隊・・・実に良いものだ。

 

元帥「ふふ・・。可愛いもんじゃな。ワシの息子も今は立派な大人じゃが、昔はあんな風に不器用な子じゃったよ。」

 

思わず元帥も笑みをこぼしている。

 

元帥「ま、それはさておき。ストーム君、君にいくつかの質問をさせてもらおう。」

 

ストーム1「は、はい!」

 

・・・いつまでも現実逃避はさせてくれないようだ。

 

元帥「まず、一つ。君の本当の名前を教えては貰えんかね?」

 

まぁ、普通はこの質問だよな。

 

本名もわからないやつを指揮下においておくわけにはいかないだろう。

 

ストーム1「本当の名前・・・本当の名前は・・・。」

 

やはり、思い出せない。

 

だが、これで良い。なぜなら、俺の名前は既にあるのだから。

 

ストーム1「俺の名前は・・・ストーム1。ストーム1です。」

 

提督「・・・ふむ。」

 

砲兵隊妖精「・・・えぇっ!?」

 

俺のこの答えに砲兵隊はギョッとし、提督はそう来たか、という顔で俺を見る。

 

元帥「ふむ。ワシは、本当の名前を言えと言ったはずじゃがな。よもや、ワシをからかっているわけではあるまいな?」

 

ストーム1「いえ、俺は本気です。確かに、俺の名前は別にあるはずです。ですが・・・俺は、ストーム1なんです。フォーリナーと戦い、そして何かの理由でこの世界に来た遊撃部隊長。俺は・・・それ以上でも、それ以下でもありません。」

 

今は亡き俺の両親が付けてくれたであろう、俺の本名。確かにそれは大事なものかもしれない。

 

だが俺が兵士である限り、戦い続ける限り、俺はストーム1なのだ。

 

俺が本名で再び人生を歩めるのはーーー俺の任務が無くなった時。

 

それまではこの名前で生きていこうと、この世界に来てから決めた。

 

と、いう覚悟を込めて元帥に伝えたのだが・・・伝わったのだろうか?

 

すると、しばらく黙っていた元帥が口を開く。

 

元帥「なるほどのぅ。いやはや、騙すような真似をしてすまなかった。・・・実は提督君から記憶喪失のことは聞いていてな。どう答えるか試したんじゃ。」

 

ストーム1「えぇ!?」

 

俺が驚いて隣を見ると、ニコリと微笑む提督。

 

・・・どうやら一杯食わされたようだ・・。

 

と、俺が複雑な気分になっていると、再び元帥が俺に、

 

元帥「よし、君の覚悟はわかった。・・・もう少し質問をしようと思ったんじゃが、今ので色々なことがわかったわい。」

 

ストーム1「ほ、本当ですか!?・・・では、これで俺は・・。」

 

正式に、と言おうとする俺を遮り再び元帥が口を開く。

 

元帥「じゃが。あと一つだけ聞いておきたいことがある。・・・いいかね?」

 

ストーム1「は、はい。」

 

元帥「・・・では。もし、君が艦隊の旗艦を任されたとしよう。そして、一隻の駆逐艦娘が大破してしまい、航行不可能な状態に陥ってしまった。そこに、深海棲艦の水上打撃部隊が攻撃を仕掛けてきた。・・・君ならどうする?」

 

・・・なるほど。要は、大破した仲間を置いて逃げるか戦うか、か。

 

俺の脳裏に、これまで見捨てて来た仲間、助けられなかった仲間の顔が浮かぶ。

 

恐らく初めて戦うであろう巨大生物に、臆することなく突撃して行ったレンジャー1。

 

俺が苦手とする地下での戦闘をカバーするために、身も顧みず敵を引きつけてくれたスカウト8。

 

制空権を握られているのにも関わらず、俺たちを救ってくれたホエール、カロン、アルテミス。

 

ドラゴンやドローンに囲まれながらも、俺の支援要請を受け付けてくれたデスピナ。

 

そして・・・俺に一矢報いるチャンスをくれた、オメガチームにペイルチーム。

 

戦力が枯渇気味なこちらでも、恐らく駆逐艦娘を見捨てて撤退し、戦力を温存することが答えなのだろう。

 

だが。俺は、もう目の前の命を見捨てたりはしない。したくない。

 

ダメかどうかは、最後まで戦ってみなけりゃわからない。

 

俺は・・・それを、証明したんだからな。だから、

 

ストーム「俺は、残って戦います。そして、皆で帰るんです。帰るべき場所に。誰も見捨てたりはしません。・・・それが俺たちの、願いでしたから。」

 

終わった・・・。

 

まぁ、海軍を追われても体力にはそれなりに自信がある。

 

不幸中の幸いというか、こっちの世界は復興作業を各地で行っているため、食いっぱぐれることはないだろう。

 

と、これからのことに考えを巡らす俺に、いつの間にやら満面の笑みを浮かべた元帥が話しかける。

 

元帥「・・・その答えを待っておったよ。もしここでストーム君が、戦力温存だの被害軽減だのほざいて仲間を見捨てるようなら、ここから叩き出していたところじゃ。」

 

ストーム1「・・・ふへ?」

 

思わず変な声を出す俺に構わず、元帥は続ける。

 

元帥「確かに、戦力を残すということは大事じゃ。じゃが、ワシらは人の心を失ってはいけない。それがワシらを、人たらしめる理由なんじゃからの。」

 

提督「と、いうことは、ストームはうちで預かっていていいということですね?」

 

元帥「うむ。・・・では改めて。入隊おめでとう、ストーム君。この世界の為、頑張ってくれたまえ。」

 

ストーム1「・・・・はっ!あ、ありがとうございます、ありがとうございます!」

 

放心状態になっていた俺は、元帥のその言葉で引き戻される。

 

・・・どうやら俺の選択は、間違ってはいなかったようだ。

 

砲兵隊のほうを見ると、

 

砲兵隊妖精「・・・うっ・・ひっく・・・。」

 

ストーム1「お、おいどうして泣いてるんだ!?俺なんかしたか!?」

 

砲兵隊妖精「いえ・・・ストームさんが無事に入隊できたのが・・・嬉しくて・・・。」

 

妖精というのは、大人びているように見えても純粋だな。

 

ストーム1「・・・心配かけたな。お詫びに明日、間宮羊羹買って来るよ。」

 

砲兵隊妖精「・・・2本お願いします。」

 

・・・そして割と、したたかなようだ。

 

まあ、無事に入隊できたことだし、これからも頑張りますかね!

 

そう心に決め、もう冷めてしまった料理を頂いたのだった。




今回はストーム1の心情多めです。
ブルートフォース作戦や、星食らいでの無線が凄く胸熱だったので、その辺を重点的に書いてみたんですが・・・不安ですね。
まぁそれはともかく、ようやく正式に入隊を果たしたストーム1。
より激しい戦いに身を投じるストーム1、そして艦娘たちを今後共宜しくお願いします。
次回は総帥の「用事」。乞うご期待!
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