???「さて・・・話を聞かせてもらおうか。」
こいつが提督・・・まさに、歴戦といった雰囲気を醸し出している。
年は、俺とさほど変わらない。とすれば、才能があったか、相当の努力家か・・・
???「そんなに固くならなくていい。まずは名前を聞かせてくれ。」
おっと、まずは挨拶をしなきゃな。
ストーム1「私は、EDF遊撃部隊ストーム所属、ストーム1です。」
???「ストーム1・・・か。それはコードネームか何かなのか?」
ストーム1「いえ、部隊名です。もっとも、大戦末期は私一人になっていましたが・・・」
???「なるほど。では、君の本当の名前は?」
ストーム1「はい。私の名前は・・・」
ここで、言葉が途切れる。
あれ?俺の、名前・・・名前は・・・
???「どうした?」
ストーム1「すみません。なぜか、思い出せなくて・・・」
???「わかった。記憶喪失は、事故ではよくあることだ。気にしなくていい。それより、俺たちも自己紹介をしなくちゃな。」
???「俺は提督。名前は・・・訳あって開かせない。提督と呼んでくれ。それと、こっちにいるのが秘書艦の大淀。腕利きの秘書だ。」
大淀「軽巡洋艦、大淀です。よろしくお願いします。」
ストーム1「いえ、こちらこそよろしく。」
提督「あと、ストーム1・・・いや、ストームと呼ぼうか。もっと楽にしてくれ。俺も、こんなのは柄じゃない。」
ストーム1「いえ、ですが・・・」
提督「楽にしてくれ。それともタメ口で話せ・・・と命令したほうがいいか?」
ストーム1「いや・・・わかった。余計な気を使わせて、すまない。」
提督「このほうが俺も楽だからな。年も近いようだし。」
ストーム1「そうか。」
ふぅ・・・上官用の言葉遣いは、苦手だから助かったぜ。
提督「そして、まず話しておきたいのが、ストームのこれからの処遇だが・・・」
提督「普通なら、手厚く保護、回復したら家族の元に帰ってもらう・・・というのが普通だ。だが、君は自分の名前がわからないときている。そして身につけていた装備・・・明石に見せてみたが、どれも俺たちの技術じゃない。そこを説明してもらわないことには、ここに置く言い訳が上にできないんだ。納得のいく説明をしてくれないか?」
う~む、やはりそう来たか・・・ここは、正直に話したほうがよさそうだ。作り話なんてできんし。
ストーム1「ああ・・・俺は多分、こことは違う世界から来た。そこは、エイリアン対地球の戦争が繰り広げられていた。俺はエイリアンの「ブレイン」を落としたんだが・・爆風に巻き込まれ、気がついたらここにいた、ってわけだ。」
提督「なるほど。と、すると軍人というわけか?」
ストーム1「ああ、そうだ。主に空爆支援を行う「エアレイダー」という兵科だった。」
提督「異世界から来た兵士・・・か。上に話しても、与太話と一蹴されそうだなぁ・・」
ストーム1「すまん。これが事実なんだ・・。」
すると、提督がそうだ!という顔になる。
提督「兵士・・・っていうのなら、ここで戦力になるようなことはできるのか?それなら、上にも言い訳ができるんだが・・・」
ストーム1「う~む。やってみないとわからないなぁ・・・一応、装備はあるけど。」
デスピナとかカロンとかいないだろうしなぁ。
提督「ダメ元でやってみてくれ。それができたなら・・・なんとかなりそうだ。」
ストーム1「わかった。試してみるよ。」
提督「大淀、どんなものか、確認してきてくれ。俺はまだ仕事が山積みだ。」
大淀「わかりました。ストームさん、こちらです。」
先程まで、提督の横に控えていた、大淀と名乗る少女が、先導して行く。
着いたのは、浜辺だった。
大淀「こちらなら、問題ありません。多少ハデなことをなさっても大丈夫です。」
そうか・・・なら・・・
ストーム1「あそこの島、狙ってもいいか?」
大淀「もちろんです。」
よし。一発ハデにかましてやるとするか!
俺は投擲発煙筒を手に、通信ボタンを押してみる。すると・・・
「砲兵隊、現地に展開!砲撃準備よし!」
おお、いけそうだぞ!って、ヘルメットとは別のところから聞こえてくるような・・・
まるで、声の主が肩に座っているかのように・・・
???「いつでもいけます!」
ストーム1「おわぁ!?誰だお前!」
肩にちっこい人間・・・いや、二頭身の生き物が座っていた。
大淀「どうなさったんですか?おや、これは・・・妖精さんですね。」
ストーム1「よ、妖精さん?」
大淀「はい。私達の戦闘を補助してくれたり、装備を作ってくれたり・・・色々と不思議な存在なのです。」
そ、そうなのか・・・つまりあれか。これから俺は、妖精さんの不思議パワーで要請を行うわけか。妖精に要請・・・いやいや、余計なこと考えてる場合じゃないな。
ストーム1「いっくぞー!」
全力で、発煙筒を島に向かって投擲する。
砲兵隊妖精「目標確認!大型榴弾砲、発射!」
すると、
ヒュルルルル・・・ドゥン!ドガァン!ボガァン!
といった感じで、次々と島に砲弾が降り注ぐ。
大淀「わわわわわ!?す、ストームさん何したんですか!?」
ストーム1「何って・・・砲兵隊に要請して、撃ってもらってるだけだ。」
大淀「砲兵隊!?なんですかそれ!?」
ストーム1「まあまあ見ててくれって。お~、もう島の半分ぐらい消し飛んだな。」
結局、島は三分の一ほどを残して、無残な姿になった。
ストーム1「ちょっと残ったか・・・じゃあ次は」
大淀「もういいです!」
ストーム1「ん?」
大淀「も、もう十分です!あなたが強いのは十っ分わかりましたから!」
ストーム1「え~、もっと派手なのやろうと思ったんだけど・・・」
大淀「あれより・・・いえ、これ以上は色々と危ないので。提督には私から報告しておきます。なので、今日は部屋で休んでいてください。」
ストーム1「わかった。」
よし・・・これで、こっちでの生活はまず安泰だな。
そんなことを考えながら、俺は、これから俺が住むことになる鎮守府へと向かった。