本当にお待たせしました#8です。
尺の都合上前後編に分けたいと思います。もどかしいとは思いますが許してたもれ。
本編では麗日さんがヒロインだった為に出番が多かったわけで、この作品では耳郎さんがヒロインなので耳郎さんの出番を多くしてもいいよね?
という発想のもとで書きました。それでもいいなら
てきとうにみていってね!
ドタバタの入学初日が終わり翌日、僕は耳郎さんと登校していた。
「ヒーロー基礎学楽しみだね」
「そうだね、でも何するんだろうね。やっぱ戦闘訓練かな?」
「それもあるだろうけど、やっぱり救助訓練もするんじゃないかな。憧れの人が言ってたんだ。『ヒーローの本懐は人助け』だって」
「へぇ……そっか、凄いヒーローだね。その人」
「うん!」
昨日の帰り道、どうせならと提案してみたら少し考えた後了承してくれた。かっちゃんも誘ったんだけど
『うっせー死ねデク』
と言われてしまった。何がいけなかったのだろうか。
……と、そんな事を考えているうちに着いたようだ。
あぁ、楽しみだな、ヒーロー基礎学!
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普通科目の午前が終わりいよいよヒーロー基礎学の時間がやってきた。担当は勿論
「わーたーしーがー…」
我らがヒーロー!
「普通にドアから来たッ!!!」
「「「「オールマイト!」」」
「すげぇホンモノだ!」
「あれシルバーエイジのコスチュームじゃん!」
「画風違い過ぎて鳥肌が…」
世界が認めるNO.1ヒーローの登場に皆興奮しているようだ。彼に憧れヒーローを志す者が大半なのでその反応は当たり前とも言える。
「早速始めようか『ヒーロー基礎学』!ヒーローの素地を作る為の様々な訓練を行う課目だ!」
単位数も多いぞ!とマッスルポーズで言うオールマイトを、皆真剣な瞳で見つめている。
「そして今日はコレ!戦闘訓練!!」
「戦闘…!」
「訓練…」
余程燃えているのか、獲物を狩るタカの様な眼でかっちゃんが僕を見ている。
止めて!そんな眼で見ないで!怖いよ!
「そしてそいつに伴って……こちら!!!」
そう言ってオールマイトが指差した壁が動き出した。
「入学前に送って貰った『個性届』と『要望』に沿ってあつらえたコスチュームだ!!!」
「「「おおお!!!」」」
そこに収納されていたのはコスチュームの入ったアタッシュケースだった。
「着替え次第グラウンドβに集まるように!!!」
「「「はーい!!!」」」
そう言うや否や、オールマイトとクラスメイト達は自分の番号が書かれたアタッシュケースを抱えて駆け出して行った。
待ちに待ったヒーロー基礎学に自分だけのコスチュームで心が躍っているようだ。かっちゃんも例外ではない……が、轟君だけは違うようだ。
……まぁ、僕も早く行こうか!
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「…始めようか!有精卵共!!!」
コスチュームを着るのに戸惑っていたら、すでに始まっているようだった。
「…あ、み、緑谷!イイじゃん!アートロックってカンジで」
「耳郎さん!その、アートロックはよく分かんないけど、取りあえずありがとう!耳郎さんも似合ってるよ」
「ほ、ほんと?ありがとね」
彼女らしい例え方をした耳郎さんは、それこそザ・ロックって言うコスチュームだった。
ライトコーラルのシャツの上に黒い短めのジャケットを羽織っており、ズボンはジャケットと同じく黒のジーンズだ。そして彼女の特徴的な三白眼の少し下には赤い涙マークがペイントされている。
「質問よろしいでしょうか!此処は入試のときの演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」
そう質問したのは、白い全身鎧のようなコスチュームを纏った飯田君だった。かなりサマになっていてカッコいい…!
「いいや!もう二歩先に踏み込むぞ!屋内での対人戦闘訓練さ!ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計でいえば屋内のほうが凶悪ヴィラン出現率が高いんだ」
「無鉄砲に飛び出さず屋内で機会を見計らう、ということですか?」
「そう言う事さ緑谷少年!真に賢いヴィランは
僕の疑問にオールマイトは肯定した。何故そんな事を言ったのかというと、藍さんから、紫さんは
必要なことらしいけど……ヴィランじみてるよなぁ……。
「よって、君らには『ヴィランチーム』と『ヒーローチーム』に分かれ2VS2の屋内戦を行ってもらう!!」
「基礎訓練もなしに?」
と蛙吹さんがツッコむが、
「その基礎を知る為の実践さ!ただし今度はぶっ壊せばOKなロボじゃないのがミソだぞ!!!」
そう切り返すオールマイトであった。考えるのがニガテなはずなのに、中々どうして考えられている。
紫さんの入れ知恵かな?
「勝敗のシステムはどうなりますの?」
「ブッ飛ばしていいんすか」
「また相澤先生みたいに除籍とかって……」
「どのような分かれ方をすればよろしいのでしょか!?」
「このマントヤバくない?」
「んんん~~聖徳太子ィィ!!!」
次から次へと繰り出される質問に、面倒になったのかオールマイトは懐からメモを取り出し説明を続けた。
取り出した際にメモの隅っこに【BYゆかりん】と書いてあったのは見なかったことにしよう。
「状況設定はヴィランがアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている!ヒーローは制限時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収する事で、ヴィランは制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事で勝利となる!コンビ及び対戦相手はくじだ!」
「適当なのですか!?」
「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップをすることが多いからそういう事じゃないかな?」
飯田君らしい質問を持ち前のヒーロー雑学で答える。バカ真面目なんだな、と皆が思った瞬間である。
「そうか…!先を見据えた計らい!失礼致しました!」
「OK!早く始めようか!」
ちなみに僕は耳郎さんと一緒になった。変な縁があるものだね。
「よ、よろしくね、緑谷」
「うん、こちらこそよろしく!」
(緑谷とだ!めっちゃ縁があるけど、これって、もしかして!もしかしちゃったり!?)
いままで信じていなかった赤い糸を信じ始めた耳郎であった。
(耳郎ちゃん)いっぱいちゅきぃ...///
ということで#8でした。
次回は後編です。その後番外編で修行回を書きます。
お楽しみにしていてくだされ。
あ、番外編では他の東方キャラを出す予定です。ゆるしてくさい。
読んでいただきありがとうございました!