問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡   作:ブレイアッ

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今年初の投稿はオリジナル編です


問題児たちがベルカに行くそうですよ?
番外 1話 招待ですよ?


雲に覆われた空

 

 

河のように流れる血

 

 

燃え盛る炎

 

 

地を埋め尽くすほどの屍

 

 

  ポツンと一人の少年が曇天の空を眺めていた

 

「オリヴィエ………」  

 

  ポツリと少年がこぼした

  曇天の空には一隻の戦船(いくさぶね)が飛んでいた

 

 

 

:::暗転:::

 

 

 

  神殿とも呼べそうな石造りの建物の地下に、先程の少年が棺のようなモノの前に立っていた

 

「イクス………もう、眠るのか」

 

  棺の中にいる少女、イクスに少年は問いかける

 

「ええ、次に目覚める時には貴方はいないのでしょうね」

 

「そうか………」

 

「貴方は、立派な騎士ですよ。最後まで冥王の(つるぎ)としての役目を果たしてくれました」

 

  少年の目から涙がこぼれ落ちた

 

「眠ってしまう前に………貴方に名前をあげます。源を修めるもの………“源  修也”遠い異界の地の言葉です」

 

「源………修也」  

 

「修也、貴方に王として最後の命を下します」

 

「はい………我が主」

 

 

 

:::暗転:::

 

 

 

「待ってください」

 

  碧銀の髪をもつ青年が少年を呼び止める

 

「…………クラウス」

 

  クラウスと呼ばれた青年が少年に問いかける

 

「貴方は………これからどうするのですか?」

 

「そうだな………オリヴィエはゆりかごの王となったし、イクスももう眠った………お前と戦場を駆けるのも悪くはないが……………そうだな」

 

  少年は空を見上げて言った

 

「死に場所探しの旅にでも出るか」

 

  クラウスはなにも言わない、いや、言えないのだ。

 少年に残された(トキ)はもう一年もないことを知っているから

 

 

 

:::暗転:::

 

 

「つぅ………夢か」

 

  “ノーネーム”本拠  修也の自室

 

  夢から覚めた修也は抱いていた剣を床におき、立ち上がって大きく伸びをする

 

  いつ、襲撃があるかわからないベルカの地にいた修也はすぐに襲撃に対応できるように武器を抱えて座って眠るのが常であった

  襲撃の可能性が低くなった箱庭でもそうして眠っているのは危機感を忘れないため………ではなくそうしないと眠れないからだ。故に、修也の部屋のベッドは全く使われていない

 

「随分と懐かしい夢を見たな」

 

  修也がみた夢、それはベルカの王たちとの最後の記憶。もう、一年近く前の記憶だ

 

「にしても、なんで今更?」

 

  ふと、机を見ると一通の封書が置いてあった

  その封書をとり裏を見る

 

「……………!  こいつは……………!!」

 

  宛名には懐かしい文字、ベルカ文字でこう書かれていた

 

 

『冥王の剣   源 修也 殿』

 

 

 

  “冥王の剣”、その名を知っているのは“ノーネーム”でも修也のみ、外界でも知っているのはごく僅かなベルカの王族のみ

  修也は急いで手紙の封を切った

 

:::

 

  その日の朝、修也、レティシア以外の“ノーネーム”のメンバーは騒々しい黒ウサギの叫び声で目を覚ました

 

「黒ウサギ!  何があったの!?」

 

  ジンが寝間着のまま食堂へと走り、黒ウサギに問う

 

「じ………ジン坊っちゃま!  こ、これを!!」

 

  ズイッとジンの前に差し出された封書の宛先には“ジン=ラッセルのノーネーム”と書かれている

 

「差出人を見てください!」

 

「差出人…………?」

 

 

『コミュニティ  “ゼーゲブレヒト”』

 

 

  今度はジンの叫び声が響いた

 

「ぜっ………ゼーゲブレヒトがなんで………!?」

 

「わっ………わかりません!」

 

  “ゼーゲブレヒト”というと箱庭でも有名な由緒ある4桁のコミュニティだ

  そんな“ノーネーム”にとって雲の上の存在のようなコミュニティから封書が届いたのだ。問題児たちはともかく黒ウサギたちにとっては信じられないことなのだろう

 

「なんだ朝っぱらから大声出して」

 

「お化けでも出たの?」

 

「眠い………」

 

  連続する叫び声に十六夜、飛鳥、耀の問題児3人が普段着で食堂へと歩いてきた。どうやら3人とも先の大声でたたき起こされたようだ。耀にいたっては目を擦っている

 

「十六夜さん!  これを!」

 

  ジンは手にもった封書を十六夜に渡す

 

「コミュニティ  ゼーゲブレヒト?」

 

「なにそれ?」

 

「十六夜くん、知ってる?」

 

「いや、知らない」

 

  黒ウサギやジンの反応を見るに有名なコミュニティであるのは間違いない。しかし、十六夜、飛鳥、耀の3人にはこの名前に聞き覚えが無いのだ

  十六夜は黒ウサギに訊く

 

「なぁ黒ウサギ、このゼーゲブレヒトってなんだ?」

 

「それはですね「ゼーゲブレヒト、数百年に渡る大戦に終止符をうったベルカの王家。ま、聖王家とも呼ばれてるな」修也さん!?」

 

「なんだ修也、知ってるのか?」

 

「まあな。ジン、それを読むなら着替えてきたほうがいいぞ。ずっと寝間着のままでいるつもりか?」

 

「あ、はい」

 

  ジンは今更ながら自分の格好に気がついて自室へと走っていった

 

:::

 

「それでは………封を切ります」

 

  ジンがそう言って封書を手に取る

 

「相手はペルセウスより上の4桁だそうじゃない」

 

「箱庭の上層に本拠を構えるコミュニティ。なにが書いてあるのやら」

 

「うぅ~、何故だか緊張してきたのですよー!」

 

「うん」

 

  十六夜、飛鳥、耀、修也、黒ウサギはジンの手元を覗く

 

  封が切られ、手紙を出したと同時に

 

 

  6人は光に包まれた

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